2014-12-19

北朝鮮は国際通貨の空白地帯/『日本人よ!こうして植民支配のくびきを断て!! サバタイ派マフィア、300人委員会の脅しに屈するな![超アンダーグランド版] 国家非常事態緊急会議』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄


『日本はテロと戦えるか』アルベルト・フジモリ、菅沼光弘:2003年
『この国を支配/管理する者たち 諜報から見た闇の権力』中丸薫、菅沼光弘:2006年
『菅沼レポート・増補版 守るべき日本の国益』菅沼光弘:2009年
『この国のために今二人が絶対伝えたい本当のこと 闇の世界権力との最終バトル【北朝鮮編】』中丸薫、菅沼光弘:2010年
『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎:2010年
『この国の権力中枢を握る者は誰か』菅沼光弘:2011年
『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘:2012年
『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘:2012年

 ・北朝鮮は国際通貨の空白地帯

『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘:2012年
『誰も教えないこの国の歴史の真実』菅沼光弘:2012年
『この世界でいま本当に起きていること』中丸薫、菅沼光弘:2013年
『神国日本VS.ワンワールド支配者』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄
『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼光弘:2013年

菅沼●そんな簡単なことではない。北朝鮮というのは人口2千何百万というちっぽけな国です。しかし、いろんな鉱物資源があるといわれる。がこれも大した問題ではない。一番の問題点は何かというと、実は通貨です。国際通貨となると、北朝鮮は空白地帯なんです。ドルの経済圏でもなければ、元の経済圏でも、ユーロの経済圏でも、円の経済圏でもない。
 そして、世界が一番恐れているのは、北朝鮮と日本との間で日朝国交正常化が行われて、日本から経済支援という形で何兆円というおカネが行くことです。そうしますと、北朝鮮の経済の現状から、当然、円の経済圏になっちゃうんです。今、北朝鮮は貿易の決済はユーロでやっている。ところが、平壌で今新しい店ができたり、スーパーができたりしているが、そういうところでは中国の元が自由に使えるんです。それは何を意味するかというと、日本以外の国は、それぞれドル、ユーロ、元の経済圏にしようといろんな形でしのぎを削っている。

【『日本人よ!こうして植民支配のくびきを断て!! サバタイ派マフィア、300人委員会の脅しに屈するな![超アンダーグランド版] 国家非常事態緊急会議』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄(ヒカルランド、2012年)以下同】

 ヒカルランドは徳間書店の編集者・石井健資が独立してつくった出版社である。オカルト・陰謀・スピリチュアリズムに特化していると考えていいだろう。ま、サブカルチャーの更に下部(サブ)層をターゲットにしたのだろう。タイトルが長すぎて辟易させられる。検索効果を狙ったものか。

 クリシュナムルティは「虚偽を虚偽と見、虚偽の中に真実を見、そして真実を真実と見よ」と語っている。虚偽の中に砂金のような真実が隠されている場合がある。菅沼が中丸薫やベンジャミン・フルフォードと対談するのは、砂金を砂の中に隠す意図があると思われる。山口組が菅沼を守っていなければ、とっくに交通事故死などで消されていたことだろう。

 単著よりも思い切った発言が目立つ。人工地震に関する発言もあるが正確に真意を探ることが読者に求められる。ベンジャミン・フルフォードは東日本大震災を人工地震だと決めつけているが、菅沼はそうした研究が実際に行われてきた事実を指摘しているだけだ。

 北朝鮮を巡る覇権・利権は通貨が目的である、との指摘が重要だ。資本主義は現代社会において経済というよりも、むしろマネー教として機能する。人々が「カネさえあれば……」と思い込んだ瞬間から、マネーは実体を持ち始め、真実として承認される。実際は等価交換を約束するだけの紙切れにすぎない。その約束機能を経済学では「信用」と称するわけだが、信用が真実に格上げされてしまうのだ。

 そして資本主義を生きる世界の大多数がマネーの仕組みを理解していない。現金はインフレやデフレによって価値を変えるが我々の目にはそう映らない。資産家は投資によってマネーを運用し増殖させる。余剰資金はマーケットに集まり、既にGDPの4倍を超える量といわれる。つまり実体経済は金融経済の支配下に置かれたわけだ。

菅沼●釜山に何とかという話も出ましたけれども、日本が1919年に韓国併合というのをやりました。あのときの明治政府の一部の人たちは、軍事的に大陸に進出するためですと言っていたわけだけど、あの朝鮮半島の民族性を考えますと、圧迫すれば圧迫するほど反発するわけです。だから、あんなところを日本が日韓併合して軍事的に押さえようとしても、コストがかかってしようがないんです。
 伊藤博文はハルピンの駅前で安重根(アン・ジュングン)という朝鮮人に暗殺された。死ぬ直前に何と言ったか。安重根のことを「バカなやつだ」と言った。伊藤博文は日韓併合に反対だったんです。なぜかというと、日韓併合はコストがかかってしようがない。日本はこのコストの重圧に耐えられない。伊藤博文はこう考えたわけです。しかし、どうしてもこれをやらなくてはいかぬと言ってやったのが当時の大蔵省なんです。そのときの悲願は、円を何とかして国際通貨にしたいということでした。国際通貨にするためには日本だけではダメなんです。サブシステムが必ず必要なんです。そのサブシステムにするためには朝鮮半島を日本に入れましょう、これは通貨の問題なんです。
 併合した後何をつくったかといいますと、まず日本は朝鮮銀行をつくりました。1945年の終戦の段階では、満州を含めて北部の中国から上海のあたり、朝鮮半島は全体、そこに朝鮮銀行の支店網がワーッと広がっていった。要するに中国大陸の半分以上は日本の通貨圏になった。そして、今アメリカが日本に対してやっているように、ジャーナリズムです。今問題になっている東亜日報とか朝鮮日報とかいう新聞をつくった。金融とジャーナリズムで朝鮮半島の経営をやってきたわけです。
 その結果どういうことになったか。1919年あたりにはマンセイ事件がありました。大反日運動が展開された万歳事件です。だが、1945年の終戦のときに、南北の朝鮮はどういう状況だったかといいますと、あのころ、朝鮮の若者はみんな日本の軍人になって大東亜戦争に参加していた。そして、どれだけ多くの人が日本の特攻隊に参加して散華したか。植民地化といえばそうなんですけれども、この日本の朝鮮植民地化政策がいかに成功したか。これをアメリカが学んで戦後の対日政策に応用したんです。
 今、皆さん全然ご存じないけど、日韓併合の条約文の原本は日本にないんです。どこにあるのかといったらアメリカ国務省です。戦後、GHQが持っていっちゃった。それが象徴しています。日本の国立公文書館にあるのはみんなコピーです。そういう事実をだれも知らないわけです。日本の明治の政府の人たち、特に大蔵省の人たちは、通貨というものがいかに重要かわかっていたということです。

 これまた驚くべき事実である。伊藤博文は現実を直視して反対したのだろうが、この場合はむしろ大蔵省に先見の明があったと見るべきか。そして朝鮮併合は功を奏した。貧しかった朝鮮国民の生活を向上させ、インフラを整備し、教育を施した。GHQの占領政策は朝鮮併合の成功をモデルにしていると菅沼は指摘する。だから原本が返ってこないのだ。

 そうした歴史的事実を知りながら、アメリカは戦後になって韓国に反日教育を徹底した。ハイレベルな分断工作といってよい。そして教育的効果は各人の中でソフトパワーとして機能する。アメリカの薄汚い工作が大成功したことは、現在の日韓関係を見れば一目瞭然だろう。


2014-12-16

行き過ぎた格差にマーケットが鉄槌を下す/『富の不均衡バブル 2022年までの黄金の投資戦略』若林栄四


「米国GDPの70%以上を占める消費が、極めて少数の人たちの消費に依存している」という不健全な国の形であることが問題なのである。

【『富の不均衡バブル 2022年までの黄金の投資戦略』若林栄四〈わかばやし・えいし〉(日本実業出版社、2014年)】

 これを若林は「富の偏在による経済の不均衡」と指摘する。企業トップの報酬は近年、指数関数的に増えている。

 高い企業収益、低い法人税率、低い労働者の賃金というのは、いずれも1929年の株価大暴落前夜に酷似しているのである。

 富が公平に分配されていないとすれば、国家の機能が脆弱になっていると考えてよさそうだ。

 ともかく、こうした動きの結果、レーガン・アジェンダにより富の集中が一層進んでいるのである。
 1979年には「トップ1%の家族」が全米事業収入の17%を得ていた。2007年に同じグループは事業収入の43%を手に入れている。またこのグループは2007年の全米のキャピタル・ゲインの75%を得ている。
 グロテスクとしかいいようのない状況である。

 レーガン・アジェンダとはレーガノミクスのことだろう。レーガン大統領の市場原理に傾いた政策が双子の赤字を生んだ。この流れは子ブッシュ大統領によって加速度の限界を極める。新自由主義という名のもとに。

 アマゾンレビューの評価はボロクソであるが、それほど悪い本ではない。むしろ良書だと思う。文章に気取りや自己陶酔が散見されるが、それでもあの川合美智子の師匠である。学ぶべき点は多い。

 ダウ暴落の予測が外れたために多くの読者はこき下ろしているわけだが、私は外れたとは思っていない。まずテクニカルの読みとしては妥当なもので、オーバーシュート(行き過ぎた変動)は過剰なマネーサプライが原因であろう。アメリカに遅れて日本もマネーサプライを増やしているのだから、ダブついたマネーはちょっとした風でも大波になる。

 折しも衆院選挙投票日の前週からダウもドル円も下げ始めた。為替レートを決定するのは通貨の供給量である。FRBは既にQE3を終了しテーパリング(緩和逓減)を開始している。常識的に考えればもう一段の円安に向かう局面だが、ダウが大幅調整となればドル円も日経平均も引き摺られることだろう。

 いずれにしても全てが行き過ぎを示している。格差もドル円も原油も。マーケットが鉄槌(てっつい)を下すのも時間の問題だろう。

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極端な集中が国家を崩壊する/『2010年 資本主義大爆裂! 緊急!近未来10の予測』ラビ・バトラ
「大恐慌」は富に関する考察抜きには理解できない/『「1929年大恐慌」の謎 経済学の大家たちは、なぜ解明できなかったのか』関岡正弘
富の再分配と貧困の再分配/『無境界の人』森巣博

2014-12-14

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2014-12-13

吉田加南子、太田邦史、松木武彦、他


 5冊挫折。

モサド、その真実 世界最強のイスラエル諜報機関』落合信彦(集英社、1981年/集英社文庫、1984年)/30年振りに落合信彦を読んだ。モサド幹部へのインタビューで構成されている。モサド礼賛に傾くのは仕方がないだろう。刊行された時代を思えば、まだまだパレスチナ・ゲリラ=悪人という雰囲気であったはずだ。

ヴィゴツキー入門』柴田吉松〈しばた・よしまつ〉(寺子屋新書、2006年)/ツイッターで見掛けたヴィゴツキーの言葉が気になり読んでみた。ヴィゴツキーは「心理学におけるモーツァルト」と称されているらしい。児童心理学、発達心理学の要素が強い。結核のため37歳で死亡。わずか17年間の学究生活であった。

日本の歴史一 列島創世記 旧石器・縄文・弥生・古墳時代』松木武彦(小学館、2007年)/良書。写真が豊富で、活字も大きく、行間にも余裕がある。世代を超えた定住が「サト」という空間を生んだという件(くだり)や環状集落の話が興味を惹く。私の興味が近代史に傾いているため、どうしても読むスピードが遅くなる。ゆくゆく再読するかも。

エピゲノムと生命 DNAだけでない「遺伝」のしくみ』太田邦史〈おおた・くにひろ〉( ブルーバックス、2013年)/これまた良書。「生物の重要な一つの側面は、『情報』なのではないか」との指摘が鋭い。

吉田加南子詩集』吉田加南子〈よしだ・かなこ〉(現代詩文庫、1997年)/飛ばし読み。ソニア・リキエルに関するエッセイが面白かった。

北朝鮮は核開発の基礎を日本で学んだ/『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘


『日本はテロと戦えるか』アルベルト・フジモリ、菅沼光弘:2003年
『この国を支配/管理する者たち 諜報から見た闇の権力』中丸薫、菅沼光弘:2006年
『菅沼レポート・増補版 守るべき日本の国益』菅沼光弘:2009年
『この国のために今二人が絶対伝えたい本当のこと 闇の世界権力との最終バトル【北朝鮮編】』中丸薫、菅沼光弘:2010年
『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎:2010年
『この国の権力中枢を握る者は誰か』菅沼光弘:2011年
『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘:2012年

 ・朝鮮併合~日本企業による開発
 ・日朝国交正常化を二度に渡って阻んだアメリカ
 ・北朝鮮は核開発の基礎を日本で学んだ

『国家非常事態緊急会議』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄:2012年
『この国はいつから米中の奴隷国家になったのか』菅沼光弘:2012年
『誰も教えないこの国の歴史の真実』菅沼光弘:2012年
『この世界でいま本当に起きていること』中丸薫、菅沼光弘:2013年
『神国日本VS.ワンワールド支配者』菅沼光弘、ベンジャミン・フルフォード、飛鳥昭雄
『日本を貶めた戦後重大事件の裏側』菅沼光弘:2013年

 まずこの動画を見てもらおう。知識がなければ理解できないことは多い。


 また北朝鮮といえば核開発が大きな問題となっていますが、北朝鮮の核開発を最初に手がけたのは誰かというと、戦時中に日本でも原子爆弾の研究をしていて、仁科芳雄博士の研究所などで極秘に進められていました。そして技術的には原爆を作るのは可能であるとなったのですが、残念ながら日本には原爆の材料となるウラニウムがなかった。
 そのとき仁科研究所で日本国民として研究に携わっていた朝鮮人科学者や技術者たちが北朝鮮に帰って、核開発の基礎を築きました。仁科研究所で学んだ人たちが、さらにソ連のドブナー科学センターという原子力研究所に行ってソ連の核技術を習得し、ソ連の支援によって1980年代に寧辺に実験炉を作ったのです。しかも北朝鮮にはかなりのウラニウム鉱山がある。だからウラニウム鉱石を掘り出して濃縮することが自前でできるのです。
 繰り返しますが、このように人材においても資源の開発においても、また技術や設備についても、北朝鮮の近代工業の基礎はことごとく日本がつくったのです。あの国の経済は日本がつくった遺産から出発しています。口では言いませんが、彼らはそのことをよくわかっています。

【『日本人が知らないではすまない 金王朝の機密情報』菅沼光弘(徳間書店、2012年)】

 吃驚仰天(びっくりぎょうてん)した。衝撃の歴史である。また別の角度から見れば日本人に朝鮮人を差別する意識がなかった証左であると思う。菅沼によれば特攻隊に志願した朝鮮人も多かったという。

 親切は日本人の美徳であるが、国際社会では仇になることが多い。企業が開発した技術をアジア諸国に教え、結果的にマーケットを奪われてきた苦い過去がある。日本人の島国根性を批判する声が多いが、実際はお人好しで損をしている。

 恩を仇で返すような国々に対して日本の政治家は抗議の声を上げるどころか、平身低頭して謝罪を繰り返してきた。1982年の教科書問題(『この国の不都合な真実 日本はなぜここまで劣化したのか?』菅沼光弘)に始まり、歴代政権は謝罪外交一色に染まった。東京裁判史観に基づく戦後教育が効果を発揮し、日本の世論も右傾化を警戒していた。

 失われた20年にあって少しずつではあるが目を覚ます日本人が増えてきた。少し振り返ってみよう。

 教科書誤報事件に異を唱えたのは渡部昇一であった。GHQによる日本人洗脳プログラム「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を明らかにした『閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本』(江藤淳)が刊行されたのが1989年。1996年には「新しい歴史教科書をつくる会」が結成された。

 この頃はまだ右方向に風は吹いていなかった。コミュニストである本多勝一が1993年に『週刊金曜日』を創刊し、1995~97年まで編集長を務めた。

 潮目が少し変わったのは長野冬季オリンピック(1998年)で行われたフリーチベット運動であったと私は考えている。中国がチベットで虐殺をしている事実が少しずつ伝えられるようになった。人権問題というよりは、単なる殺人、暴力、強姦である。軍事力を持たない国の悲惨さを私は思い知らされた。

 そして潮流が完全に変わったのは2002年の小泉首相訪朝で5人の拉致被害者が北朝鮮から帰国した時であった。日本の政治と軍事はあまりにも無力すぎた。

 2008年に田母神俊雄の論文「日本は侵略国家であったのか」が『「真の近現代史観」懸賞論文』の最優秀藤誠志賞を受賞。1990年代であれば右翼の戯言(たわごと)と一蹴されたであろう論文が予想外の脚光を浴びた。

 本多勝一が見捨てられ、山本七平が読まれている事実がこの間の世論の変化を示している。

 正しい日本の近代史を世界に向けて発信し、デタラメなプロパガンダを徹底的に糾弾する必要がある。特に欧米に向けた情報発信が重要だ。組織的かつシステマティックに行わなければ、東京裁判史観は事実として世界史に記されてしまうだろう。

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