・『われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇』工藤美代子
・目次
・共産主義者は戦争に反対したか?
・佐藤優は現代の尾崎秀実
・二・二六事件と共産主義の親和性
・『軍閥 二・二六事件から敗戦まで』大谷敬二郎
・『ヴェノナ』ジョン・アール・ヘインズ、ハーヴェイ・クレア
・『歴史の書き換えが始まった! コミンテルンと昭和史の真相』小堀桂一郎、中西輝政
・『日本人が知らない最先端の「世界史」』福井義高
・日本の近代史を学ぶ
目次
解説篇
まえがき
序論 コムミニストの立場から
1.コミンテルンの立場から
第二次大戦とコミンテルン
好ましい戦争陣形
新しい戦略戦術
2.日本の革命をいかにして実践するか
戦術転換
謀略コース・敗戦革命
論理の魔術
第一篇 第二次世界大戦より世界共産主義革命への構想とその謀略コースについて
一、裏がへした軍閥戦争
歴史は夜つくられる
ロボットにされた近衛
道化役者 政治軍人
二、コミンテルンの究極目標と敗戦革命
――世界革命への謀略活動について――
共産主義者は戦争に反対したか
帝国主義戦争を敗戦革命へ
レーニンの敗戦革命論
コミンテルンの第六回大会の決議
戦略戦術とその政治謀略教程
日本に於ける謀略活動
尾崎・ゾルゲ事件
企画院事件
昭和研究会の正体
軍部内の敗戦謀略
中国の抗日人民戦線と日華事変
アメリカに於ける秘密活動
三、第2次世界大戦より世界共産主義革命への構想
――尾崎秀實の手記より――
偉大なるコムミニスト
大正十四年から共産主義者
共産主義の実践行動へ
彼は何を考へてゐたか
コミンテルンの支持及ソ連邦の防衛
日本及アジアの共産主義革命
第二次世界大戦より世界共産主義革命へ
思想と目的を秘めた謀略活動
第二篇 軍閥政治を出現せしめた歴史的条件とその思想系列について
一、三・一五事件から満州事変へ
左翼旋風時代の出現
三・一五の戦慄
一世を風靡したマルクス主義
学内に喰い込んだマルクス主義
動き出した右翼愛国運動
発火点ロンドン条約問題
志士「青年将校」の出現
バイブル「日本改造法案」
満州事変へ
軍閥政治のスタート、満蒙積極政策
皇軍自滅へのスタート、三月事件
満州事変へ
二、満州事変から日華事変へ
軍閥独裁への動力
政治軍人の革命思想
日華事変への足どり
1.血盟団事件 2.満州建国宣言 3.五・一五事件 4.日満議定書調印 5.国際連盟脱退 6.神兵隊事件 7.満州国帝制実施 8.埼玉挺身隊事件 9.斎藤内閣総辞職 10.対満政治機構改革問題 11.陸軍国防パンフレット発行 12.士官学校事件 13.美濃部機関説問題 14.永田鐵山事件 15.倫敦軍縮会議脱退 16.二・二六事件 17.廣田内閣成立 18.陸・海軍大臣現役制復活 19.陸、海軍庶政一新の提案 20.軍部、政党の正面衝突 21.宇垣内閣流産 22.日華事変へ
軍閥政治への制度的基礎
対満政治機構改革問題
陸、海軍大臣現役制確立
軍閥政治の思想系列
ナチズムとスターリニズム
現状打破 反資本主義革命
第三篇 日華事変を太平洋戦争に追込み、日本を敗戦自滅に導いた共産主義者の秘密謀略活動について
一、敗戦革命への謀略配置
コミンテルンに直結した秘密指導部
二七年テーゼから尾崎機関へ
革命家としての尾崎秀實
素晴らしい戦略配置
陸軍政治幕僚との握手
政府上層部へ
官庁フラクション
昭和研究会
言論界
協力者、同伴者、ロボット
所謂転向者の役割
何故成功したか
二、日華事変より太平洋戦争へ
日華事変に対する基本認識
日華事変に対する認識
軍隊に対する認識
長期全面戦争へ
秘密の長期戦計画
蒋政権の否認と長期戦への突入
日華前面和平工作を打ち壊した者
長期前面戦争への政治攻勢
新政権工作の謀略的意義
謀略政権の足跡
汪政権の正体
長期戦への理論とその輿論指導
近衛新体制から太平洋戦争へ
何の為の新体制か
対米英戦争への理論攻勢とその輿論指導
独ソ開戦とシベリヤ傾斜論
かくて太平洋戦争へ
三、太平洋戦争より敗戦革命へ
革命へのプログラム
敗戦コースへの驀進
言論結社禁止法の制定
翼賛選挙 東條ワン・マン政党出現
戦時刑法改正 東條幕府法
敗戦経済と企画院事件
かくして敗戦へ
資料篇
一、『コミンテルン秘密機関』 尾崎秀實手記抜萃
(省略)
二、日華事変を長期戦に、そして太平洋戦争へと理論的に追ひ込んで来た論文及主張
(省略)
三、企画院事件の記録
(省略)
四、対満政治機構改革問題に関する資料
(省略)
あとがき
書評 馬場恒吾 岩淵辰雄 阿部眞之助 鈴木文史朗 南原繁 島田孝一 小泉信三 田中耕太郎 飯塚敏夫
序 岸信介
復刊に際して 遠山景久
【『昭和政治秘録 戦争と共産主義』三田村武夫:岩崎良二編(民主制度普及会、1950年、発禁処分/『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』自由社、1987年、改訂版・改題/呉PASS出版、2016年/Kindle版、竹中公二郎編)】
三田村武夫は1928年(昭和3年)から1932年(昭和7年)まで内務省警保局に勤務し、続いて1935年(昭和10年)まで拓務省管理局に異動となる。一貫して共産主義・国際共産党の調査研究に従事した人物である。その後、1936年(昭和11年)から10年間にわたって衆議院議員を務めた。政治家となってからは反政府・反軍部の旗を掲げ、憲兵と特高から追われる身となる。この間もコミンテルンと共産主義運動から目を逸(そ)らすことはなかった。
本書は1950年(昭和25年)に刊行されるも、その衝撃的内容に驚いたGHQ民政局の共産主義者が直ちに発禁処分とした経緯がある。岸信介が本書を読んだのも自由社版が刊行される直前と思われる。目次をたどるだけでも史料的価値が窺えよう。
・無意識の協力者/『ワシントン・スキャンダル』イーヴリン・アンソニー