・アコースティック哲学
2018-07-04
マスコミのクズっぷり/『安全太郎の夜』小田嶋隆
・『我が心はICにあらず』小田嶋隆
・パソコンの世界は「死」に覆われている
・小田嶋隆の正論
・意外とデタラメの多い新聞記事
・「強い本」と「弱い本」
・ビールに適量はない
・本に対する執着は、人生に対する執着に他ならない
・マスコミのクズっぷり
・『パソコンゲーマーは眠らない』小田嶋隆
・『山手線膝栗毛』小田嶋隆
・『仏の顔もサンドバッグ』小田嶋隆
・『コンピュータ妄語録』小田嶋隆
・『「ふへ」の国から ことばの解体新書』小田嶋隆
・『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』小田嶋隆
・『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ』小田嶋隆
・『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997-2003』小田嶋隆
・『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド』小田嶋隆
・『テレビ標本箱』小田嶋隆
・『テレビ救急箱』小田嶋隆
「そっとしておいてください」
と遺族は言ったのだ。
が、「〈そっとしておいてください〉と、遺族の方はおっしゃっています」
と、記者は言った。
【『安全太郎の夜』小田嶋隆(河出書房新社、1991年)】
私はマスゴミという言葉を使わない。だってゴミに失礼だから。ゴミは捨てられる直前まで必要とされている。一方、マスコミは事実を歪めた不要な情報でもって社会を撹乱(かくらん)する。つまりマスコミはゴミ以下の存在なのだ(←断言してしまうぞ)。
もちろん事実を報道することに一定の意味があることは私も認めよう。だが増長した彼らは「何を報じ、何を報じないかは我々が決める」とまで錯覚し、かつては世論を誘導して大東亜戦争に至らしめた過去がある。佐藤栄作首相が退任記者会見(1972年)において新聞社を追い出したことは有名だが、この時新聞記者が首相の話に口を挟んだ事実を見逃してはならないだろう。
各紙は3日間ほど佐藤批判に紙面を割いた。明らかな意趣返しである。さしずめ「俺たちに逆らうとどうなるか思い知らせてやる」といったところか。
それでもまだ昭和が終わる頃までは新聞とテレビを人々は【信じて】いた。そこにあるのは全部「正しい情報」だと思い込んでいた。辞書と同じくらい信用していた。
もともと人間のクズだったマスコミが(※「ゴミとクズは同じだろう!」という突っ込みはご勘弁を。最低という意味合いの比喩だと受け止めてくれ給え)いよいよその正体を露わにしたのは朝日新聞珊瑚記事捏造事件いゆわるKY事件であった。1989年(平成元年)のこと。私は当時、朝日新聞を購読していたのでよく覚えている。朝日新聞社は過去にも伊藤律会見報道事件(1950年〈昭和25年〉)という虚偽報道を行っている。極めつけは日本の報道史における最大の禍根といってよい「朝日新聞の慰安婦報道問題」である。1982に始まり2014年の訂正記事を出すまで何と32年の長きにわたって嘘を報じ続けた。ったく『ドカベン』かよ。
報道はイエロージャーナリズムに変わり果てた。かつてネット上の書き込みを「便所の落書き」と評したのは筑紫哲也〈ちくし・てつや〉だが、マスコミはウンコの位置にまで低下した。
富山県の交番を襲撃、二人が殺害された事件について。
— ひまじん (@superhimajin3) 2018年6月27日
今朝の新聞。
マスメディアよ、しっかりと見ておけ。 pic.twitter.com/lGMbODiShM
座間の連続殺害事件でも同じことがあった。
これは酷すぎる。NHKが率先して被害者の顔写真と個人情報を全部報道してますよ。
— 彩樹 (@saki_1990_) 2017年11月10日
【座間殺害事件】バラバラにされた被害者の遺族「実名や顔写真の公開を一切お断りいたします」と自宅に張り紙 → マスコミ、被害者9名の実名・顔写真を公開 https://t.co/uRgzcUi5Pe pic.twitter.com/tvQnRww838
「被害者の実名報道は一切お断りします」との被害社宅前に貼られた貼紙の内容を、被害者の実名とともに報じる鬼畜の所業。https://t.co/xofJMLxNwb
— 梶井彩子 (@ayako_kajii) 2017年11月11日
被害者の自宅に張り紙 深い悲しみ - 社会 @nikkansportsさんから https://t.co/XmsV3CgLHx
— 団長@閃の軌跡Ⅳ待機中 (@quoll_lucifer) 2017年11月10日
この記事の何が凄いって、被害者宅に実名報道とか取材とかやめてくれって貼り紙がしてあると紹介している記事の中で、町名も名前も年齢も全部晒してるところだよな
「実名報道しないで下さい」という張り紙があったことを、実名で報道する。相模原障害者施設殺傷事件でも被害者のプライバシーは晒(さら)された。
かつて「メディアは下水管だ」(『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』)と書いた小田嶋が、「新聞には編集という作業が伴う」と持ち上げた。ラジオ番組の発言だから新聞社をヨイショした可能性もあるが、私の眼には変節と映った。
小田嶋の著作でおすすめできるのはアルコール中毒が極まった『イン・ヒズ・オウン・サイト』までである。内田樹〈うちだ・たつる〉に師匠と持ち上げられ、平川克美が接近してからは読むに堪(た)えない。
2018-07-01
読み始める
サヴァイヴ (新潮文庫)
posted with amazlet at 18.07.01
近藤 史恵
新潮社 (2014-05-28)
売り上げランキング: 67,143
新潮社 (2014-05-28)
売り上げランキング: 67,143
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)
posted with amazlet at 18.07.01
石田 ゆうすけ
幻冬舎
売り上げランキング: 20,805
幻冬舎
売り上げランキング: 20,805
Tarzan(ターザン) 2016年 6月9日号 [最強のフィットネスマシン! LOVE・自転車]
posted with amazlet at 18.07.01
マガジンハウス (2016-05-26)
2018-06-24
読み始める
剣と十字架―ドイツの旅より (1963年)
posted with amazlet at 18.06.24
竹山 道雄
文藝春秋新社
売り上げランキング: 848,197
文藝春秋新社
売り上げランキング: 848,197
歴史と私 - 史料と歩んだ歴史家の回想 (中公新書)
posted with amazlet at 18.06.24
伊藤 隆
中央公論新社
売り上げランキング: 134,603
中央公論新社
売り上げランキング: 134,603
大政翼賛会への道 近衛新体制 (講談社学術文庫)
posted with amazlet at 18.06.24
伊藤 隆
講談社
売り上げランキング: 284,607
講談社
売り上げランキング: 284,607
ごまかさない仏教: 仏・法・僧から問い直す (新潮選書)
posted with amazlet at 18.06.24
佐々木 閑 宮崎 哲弥
新潮社
売り上げランキング: 4,270
新潮社
売り上げランキング: 4,270
ロードバイクツーリング完全ガイド (エイムック 3971 BiCYCLE CLUB別冊)
posted with amazlet at 18.06.24
エイ出版社
売り上げランキング: 293,994
ロードバイクの科学―明解にして実用! そうだったのか! 理屈がわかれば、ロードバイクはさらに面白い (SJセレクトムック No. 66)
posted with amazlet at 18.06.24
ふじい のりあき
スキージャーナル
売り上げランキング: 104,694
スキージャーナル
売り上げランキング: 104,694
新版 神奈川・伊豆・箱根・富士 自転車散歩
posted with amazlet at 18.06.24
竹内 正昭 堀内 一秀 栗山 晃靖 山本 健一 村井 裕 和田 義弥 原 康夫
山と渓谷社
売り上げランキング: 29,062
山と渓谷社
売り上げランキング: 29,062
自転車入門―晴れた日はスポーツバイクに乗って (中公新書)
posted with amazlet at 18.06.24
河村 健吉
中央公論新社
売り上げランキング: 788,700
中央公論新社
売り上げランキング: 788,700
より速く、より遠くへ! ロードバイク完全レッスン 現役トップアスリートが教える市民サイクリストのトレーニング法 (SB新書)
posted with amazlet at 18.06.24
西 加南子
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 10,618
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 10,618
ピアニストを笑え! (新潮文庫 や 12-1)
posted with amazlet at 18.06.24
山下 洋輔
新潮社
売り上げランキング: 543,033
新潮社
売り上げランキング: 543,033
ピアノ弾きよじれ旅 (1980年) (徳間文庫)
posted with amazlet at 18.06.24
山下 洋輔
徳間書店
売り上げランキング: 1,028,432
徳間書店
売り上げランキング: 1,028,432
2018-06-18
高いブロック塀は危険/『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子
・『国民の遺書 「泣かずにほめて下さい」靖國の言乃葉100選』小林よしのり責任編集
・『大空のサムライ』坂井三郎
・日常生活における武士道的リスク管理
・少女監禁事件に思う
・高いブロック塀は危険
・『新編 知覧特別攻撃隊 写真・遺書・遺詠・日記・記録・名簿』高岡修編
・『今日われ生きてあり』神坂次郎
・『月光の夏』毛利恒之
・『神風』ベルナール・ミロー
・『高貴なる敗北 日本史の悲劇の英雄たち』アイヴァン・モリス
・日本の近代史を学ぶ
・必読書リスト その一
娘である私に関することだけでなく、父は周囲に潜む危機にも敏感な人でした。
例えば、高いブロック塀は危険だと言うので、わが家は東京あたりでは珍しく、格子状の白塗りのピケット・フェンスで囲まれていました。父が台湾の台南海軍航空隊に配属されていた頃、租界地の洋館でこれを見て、中の芝生で遊ぶ親子の姿に憧れたことも理由の一つです。しかし、見た目はおしゃれでも、間がスカスカ空いた木製ですから、素人考えでは防御機能は低そうに思われるため、ご近所の高く立派なブロック塀と比べた母は、「うちはこれでいいんですか」と心配します。
「いや、ブロック塀はかえって危ない」
何が危ないかというと、父が言うには、まずは古くなって倒れたりすれば、どちらに転んでも危険だし、またもし車が突っ込んだ時も、板のピケット・フェンスならなぎ倒しておしまいですが、ブロック塀はぶつかった側に倒れ込み、そばにいた歩行者も車に乗っている人も怪我させることになりかねないと言います。ましてや、日本は有数の地震国、倒れたブロック塀の下敷きになったら「死ぬぞ!」と、真顔で説明します。
父のブロック塀攻撃はさらに続き、ブロック塀は防犯上も危険だと言い始めます。悪い奴はたかだか2メートルの塀はゆうゆう乗り越すもので、いったん入ってしまえば、塀が死角となり、外を巡回するおまわりさんからも見えなくなります。侵入した泥棒にはしめたもの、ゆっくり仕事ができるじゃないか――。
このように、あたかも機銃の集中射撃のごとく、ブロック塀の弱点に砲火を浴びせます。
父はこのブロック塀危険論を、母だけでなくご近所にも熱く語っていました。もしかしたら、父の集中砲火を浴びてブロック塀に変えるのを取り止めた方もいらしたかもしれません。
【『父、坂井三郎 「大空のサムライ」が娘に遺した生き方』坂井スマート道子(産経新聞出版、2012年/光人社NF文庫、2019年)】
今朝の大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒壊し小4女児が死亡した。坂井三郎が高いブロック塀の危険を指摘したのは50年ほど前のことだ。戦闘機乗りとして数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼は生命に関わることをゆるがせにしなかった。危険を察知し見抜く力は如何(いかん)なく娘の子育てに生かされた。
文明の進歩が逆に自然災害を甚大化させている。文明は効率を目指し、人々を効率に従わせる。集団の居住、集団の移動、そして集団から生まれる疎外。こうした問題は都市部において尖鋭化(せんえいか)する。
高層ビルや自動車の内部にいると妙な安心感がある。外部の危険を捉えることは難しい。住宅も密閉率が高まり、外の音や匂いを遮断する。風向きすらわからない。
生きることは迫りくる死の危険と戦うことでもある。少女の死を思えば我々は直ちにブロック塀対策を行うべきだろう。
登録:
投稿 (Atom)