2019-08-25

囚人のジレンマと利他性/『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー


『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『人間の本性について』エドワード・O ウィルソン
『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎

 ・利己的であることは道理にかなっている
 ・囚人のジレンマと利他性

『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール
『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』フランス・ドゥ・ヴァール
『家畜化という進化 人間はいかに動物を変えたか』リチャード・C・フランシス
・『ゲノムが語る23の物語』マット・リドレー

必読書リスト その五

 ところが、ある一つの実験によってこの結論は覆されたのである。30年ものあいだ、囚人のジレンマからまったく誤った教訓がひきだされていたことがこの実験で示されたのである。結局のところ、利己的な行為は合理的ではないことがわかった。ゲームを2回以上プレイする場合には。

【『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー:岸由二〈きし・ゆうじ〉監修:古川奈々子〈ふるかわ・ななこ〉訳(翔泳社、2000年)】

「設定」を変えれば全く異なった結果が出る。設定に縛られてきた30年間は脳の癖を示してあまりあり、人間の思い込みや先入観の強さに驚く。現実をゲームに当てはめてしまえば単純な図式しか見えてこない。むしろゲームの方を現実に近づけるべきだ。

 メイナード・スミスのゲーム(※タカとハトの戦い)は生物学の世界の話だったため、経済学者には無視された。しかし、1970年代後半、人々を当惑させるような事態が起こった。コンピュータがその冷静で厳格かつ理性的な頭脳を使って囚人のジレンマゲームをプレイし始めたのである。そして、コンピュータもまた、あの愚かで無知な人間とまったく同じ振る舞いをしたのである。なんとも不合理なことに、協力しあったのだ。数学の世界に警報が鳴り響いた。1979年、若い政治学者、ロバート・アクセルロッドは、協力の理論を探求するためにトーナメントをおこなった。彼は人々にコンピュータ・プログラムを提出してもらい、プログラムどうしを200回対戦させた。同じプログラムどうし、そして他のプログラムともランダムに対戦させたのである。この巨大なコンテストの最後には、各プログラムは何点か得点しているはずである。
 14人の学者が単純なものから複雑なものまでさまざまなプログラムを提出した。そしてみんなを驚かせたことは、「いい子」のプログラムが高得点を獲得したのである。上位8個のプログラムは、自分から相手を裏切るプログラムではなかった。さらに、優勝者は一番いい子で一番単純なプログラムだったのだ。核の対立に興味を持ち、おそらく誰よりも囚人のジレンマについては詳しいはずのカナダの政治学者アナトール・ラパポート(彼はコンサート・ピアニストだったこともある)は、「お返し(Tit-for-tat:しっぺ返し戦略とも言う)」というプログラムを提出した。これは最初は相手に協力し、そのあとは相手が最後にしたのとまったく同じことをお返しする戦略である。「お返し戦略」は、現実にはメイナード・スミスの「報復者戦略」が名前を変えたものである。
 アクセルロッドは再度トーナメントを開催した。今度はこの「お返し戦略」をやっつけるプログラムを募集したのである。62個のプログラムが試された。そして、まんまと「お返し戦略」を倒すことができたのは…「お返し戦略」自身だったのである。またしても、1位は「お返し戦略」であった。

 貰い物があればお返しをする。痛い目に遭わされれば仕返しをする。これは我々が日常生活で実践している営みだ。つまり既に形骸化したと思われている冠婚葬祭や、失われてしまった仇討ち・果たし合い(西洋であれば決闘)といった歴史文化にはゲーム理論的な根拠が十分にあるのだ。すなわち、いじめやハラスメントを受けて泣き寝入りすることは自らの生存率を低くし、社会全体のモラルをも低下させてしまうことにつながる。

 そう考えると「目には目を、歯には歯を」(より正確な訳は「目には目で、歯には歯で」)というハムラビ法典の報復律も社会を維持するための重要な価値観であったことが見えてくる。

 社会を社会たらしめているのは相互扶助の精神であろう。「持ちつ持たれつ」が社会の本質であり、互いに支え合う心掛けを失えばそこに社会性はない。

2019-08-23

完全に民主的な投票システムは存在しない/『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎


『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎

 ・「囚人のジレンマ」には2種類の合理性が考えられる
 ・完全に民主的な投票システムは存在しない
 ・独裁制、貴族制、民主制の違い

『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性』高橋昌一郎

宗教とは何か?
必読書 その三

司会者●投票方式に応じて異なるタイプの候補者が選ばれるなどとは、これまで考えたこともありませんでしたが……。

会社員●なんだか民主主義の根底が揺るがされているような気がしますね……。

数理経済学者●実は、事態はもっと深刻なのです。というのは、完全に民主的な社会的決定方式は、存在しないからです! この事実は、1951年にコロンビア大学の数理経済学者ケネス・アロウの証明した「不可能性定理」によって明らかになりました。

【『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎〈たかはし・しょういちろう〉(講談社現代新書、2008年)】

 日本の民主政を私は株主民主政と考える。国民一人ひとりが自分の判断で投票することは稀(まれ)で、大概は所属企業や所属団体が支持する政党・政治家に投票している。つまりより大きな影響を与えることのできる大株主が経営の差配を握っているのと同じだ。

 有能なリーダーが行う独裁政治と、無責任な投票行動で選ばれた政治家とどちらの政治システムが優れているかは一概に決められない。投票による選択が正しいという思い込みを疑う必要があろう。

 本気で民主政が正しいと思うのであれば、あらゆる政策判断を国民投票にするシステムを構築すべきだろう。インターネット環境が整備されているのだからそれほど難しくはあるまい。AIを駆使してその後の予想も加味すれば、国民は本気で政治に取り組むはずだ。

 私が貴族政(エリート政治)を支持するのは民主政はノイズが多すぎるためだ。法整備にも時間を要する。要は政治といったところで意思決定のシステムをどうするかという問題に過ぎない。

 もしも完全に民主的な投票システムがあったとしても理想的な政治が実行されるとは誰も思わないだろう。皆が歩み寄ることで社会は成立しており、その意味で社会は妥協の産物といえる。妥協の結果が格差であるとすればこんな間抜けな話はない。

理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
高橋 昌一郎
講談社
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利己的であることは道理にかなっている/『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー


『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー
『人間の本性について』エドワード・O ウィルソン
『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎

 ・利己的であることは道理にかなっている
 ・囚人のジレンマと利他性

『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール
『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール
『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』フランス・ドゥ・ヴァール
『家畜化という進化 人間はいかに動物を変えたか』リチャード・C・フランシス
・『ゲノムが語る23の物語』マット・リドレー

必読書リスト その五

 この囚人のジレンマは、どうやったらエゴイストたちがタブーや道徳的束縛や倫理的規範に依存せず、協力しあえるようになるのかをはっきりとわれわれに示してくれる。どうしたら自己利益追求を動機とする故人が公共の利益のために行動できるようになるのだろうか。このゲームを囚人のジレンマと呼ぶのは、自分の刑を軽くするために相手に不利な証言をするかどうかの選択を迫られた二人の囚人の寓話がゲームの意味をよく物語っているからである。もしどちらも相手を裏切らなければ、警察は二人を軽い罪で起訴することしかできない。だから、両者が黙っていればどちらも得をするわけである。しかし、もし片方が裏切れば、裏切ったほうはもっと得をするのである。
 なぜか。囚人の話はおいておいて、二人のプレーヤーが特典を争う単純な数学的ゲームをしていると考えてみよう。もし二人が協力しあえば(つまり「沈黙を守れば」)、両者は3点もらえる(これを「報酬」という)。もし二人とも裏切れば1点しかもらえない(「罰則」)。だが、一人が裏切り、一人が協力したなら、協力したほうは得点をもらえず(「お人好しすぎたツケ」)、裏切り者は5点もらえる(「誘惑」)。だから、パートナーが裏切るなら、自分も裏切ったほうが得なのである。そうすれば少なくとも1点はもらえるのだから。しかし、もしパートナーが協力したとすれば、やはり裏切ったほうが得をするのである。3点ではなく、5点も入るのだから。つまり【相手がどういう行動にでようと、裏切るほうが得なのである】。ところが、相手も同じことを考えるはずである。だから当然の結果として、両者ともが相手を裏切る。それで3点とれるところを1点で我慢するはめになるのである。
 道理に迷わされてはならない。二人ともが高潔な人柄で実際には協力しあうとしても、それはこの問題とはまったく関係がない。われわれが追求しているのは、道徳がまったく関与しない場所で理論的に「最良」な行動であり、その行動が「正しい」かどうかはこの際関係ないのである。そして出た結論が裏切ることだったのだ。利己的であることは道理にかなっているのである。

【『徳の起源 他人をおもいやる遺伝子』マット・リドレー:岸由二〈きし・ゆうじ〉監修:古川奈々子〈ふるかわ・ななこ〉訳(翔泳社、2000年)】

 原書は1996年刊行。上記リンクの順番で読めば理解が深まる。っていうか天才的なラインナップであると自画自賛しておこう。本は読めば読むほどつながる。シナプスもまた。

遺伝子 親密なる人類史』シッダールタ・ムカジーと本書、そして『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』マシュー・サイドの3冊は同率1位である。文章ではシッダールタ・ムカジー、難解さではマット・リドレー、好みではマシュー・サイド。

 確かに「利己的であることは道理にかなっている」。騙(だま)す行為を見れば明らかだ。人を騙せば自分が得をする。騙すためには高度な知能が必要だ。なぜなら相手に「誤った信念を持たせる」必要があるためだ。つまり相手の気持ちを想像できなければ騙すことは不可能なのだ。詐欺師、宗教家、政治家、タレントを見よ。彼らは多くの人々を騙すことで懐(ふところ)を膨らませている。否、懐に入りきれないほどの資産を形成し、巧みな綺麗事を並べ立て、欲望を無限に肥大させる。

 ではなぜ我々のように平均的で善良な国民は詐欺を働かないのか? それは詐欺行為が横行すれば社会の存立が危うくなることを自覚しているからだ。大体普通の神経の持ち主であれば知人や友人を騙すことなど到底できない。ところがどっこいビジネスとなると話は別だ。腕のいい営業マンは値段を吹っ掛けた上で契約にまで持ち込むし、高額商品ほど粗利(あらり)も大きい。値引きをしたフリをするのも巧みだ。

 もっと凄いのは税金だ。ガソリンや酒類は二重課税(違法)になったままだし、いつの間にか国民健康保険料は国民健康保険税となり、自治体によっては有料のゴミ袋が指定されており、これまた税に等しい。しかも多くの国民は国民負担率を知らない。日本の租税負担率(所得税+国税+地方税+消費税+社会保障費)は42.5%(平成30年/2018年)である(国民に納税しろと命じるずうずうしい日本国憲法/『反社会学講座』パオロ・マッツァリーノ)。

 実際は国民全員が所得税10%を収めれば国家予算は回るという。つまり、あの手この手を使って金持ちが税金を払っていないのだ。これまた「利己的であることは道理にかなっている」。

 ただし、この話はこれで終わらない(続く)。

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2019-08-21

ナチス・ドイツに先んじたアメリカの優生政策/『遺伝子 親密なる人類史』シッダールタ・ムカジー


『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』)ユヴァル・ノア・ハラリ
・『がん 4000年の歴史』シッダールタ・ムカジー

 ・ナチス・ドイツに先んじたアメリカの優生政策

・『ゲノムが語る23の物語』マット・リドレー
・『双子の遺伝子 「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける』ティム・スペクター
・『遺伝子は、変えられる。 あなたの人生を根本から変えるエピジェネティクスの真実』シャロン・モアレム
・『生物進化を考える』木村資生
・『遺伝子「不平等」社会 人間の本性とはなにか』池田清彦
『若返るクラゲ 老いないネズミ 老化する人間』ジョシュ・ミッテルドルフ、ドリオン・セーガン
『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』ビル・ブライソン

必読書リスト その五

 エマとキャリーは惨めな暮らしをしており、施しや、食料の寄付や、間に合わせの仕事で貧しい生活を支えていた。噂(うわさ)によれば、エマは金のために男の客を取り、梅毒に感染し、週末には稼いだ金を酒につぎこんでいるとされていた。その年の3月、彼女は町の通りで捕まり、浮浪罪か、あるいは売春をおこなったかどで登録され、地方裁判所に連行された。1920年4月1日にふたりの医師がおこなったぞないな精神鑑定によって、エマは「知的障害者」と判定され、リンチバーグのコロニーに送られた。
 1924年、「知的障害者」は最重度の白痴(idiot)、より軽度の痴愚(imbecile)、そして最軽度の魯鈍(ろどん/moron)の三つに分類された。白痴は最も分類しやすく、アメリカ合衆国国勢調査局によれば、「精神年齢が35カ月以下の精神障害者」と定義されているが、痴愚と魯鈍の分類はあいまいだった。論文上はより軽度の認知障害と定義されているが、そうした言葉は意味論の回転ドアのようなもので、内側に簡単に開いたかと思えば、売春婦、孤児、うつ病患者、路上生活者、軽犯罪者、統合失調症患者、失語症患者、フェミニスト、反抗的な若者といったさまざまな男女(精神障害をまったく患っていない者まで)をどっさり通した。要するに、その人物の行動、欲求、選択、外見が一般的な基準からはずれいる者ならば誰でも、痴愚や魯鈍に分類されたのだ。
 知的障害をもった女性たちは隔離のためにバージニア州立コロニーに送られた。女たちがこれ以上子供を産みつづけて、その結果、さらなる痴愚と魯鈍で社会を汚染することがないようにするためだった。「コロニー」という言葉は目的を表しており、そこは病院でもなければ、保護施設でもなく、最初から隔離施設として設計されていた。

【『遺伝子 親密なる人類史』シッダールタ・ムカジー:仲野徹〈なかの・とおる〉監修、田中文〈たなか・ふみ〉訳(早川書房、2018年/ハヤカワ文庫、2021年)以下同】

 冒頭のエピグラフに村上春樹の『1Q84 BOOK1』が引用されていて驚いた。とにかく文章が素晴らしい。ポピュラーサイエンスが文学の領域にまで迫りつつある。私はかねてから論理的な解説や表現は日本人よりも白人の方が優れていると考えてきたがどうやら違った。シッダールタ・ムカジーはインド人である。すなわち論理の優位性は英語にあったのだ。私の迷妄を打ち破ってくれただけでも今年読んだ中では断トツの1位である。

 キャリー・バックは1924年1月23日にコロニーへ送られることになり、3月にヴィヴィアンという女の子を産んだ。精神疾患はなく、読み書きもでき、身だしなみもきちんとしていたが、なぜか「魯鈍」と判定された。コロニーの監督者はアルバート・ブリディという町医者だった。彼は「知的障害者には優生手術を受けさせるべきだ」という政治運動を展開していた。バージニア州の上院は優生手術を受ける人物が「精神科病院委員会」の検査を受けるという条件つきで州内での優生手術を許可した。ブリディは証人を集めてキャリーを知的障害者に仕立て上げた。卵管結索手術についてキャリーは「皆さんにお任せします」と答えた。ブリディはこれを裁判所に認めさせれば一気に悪い種を殲滅できると考えた。バック対ブリディ裁判はブリディの死後ジョン・ベルが引き継バック対ベル裁判として歴史に名をとどめた。1927年、アメリカの連邦最高裁判所は知的障害者に不妊手術を強制するバージニア州の法律を8対1で合憲と判断した。この最高裁の判断が7万人の断種に道を開いた。ナチス・ドイツがユダヤ人をゲットーに閉じ込めたのは1940年代のことである。

「民族自滅」や「民族荒廃」という神話に対置していたのは、民族と遺伝子の純粋さという神話だった。20世紀初頭に何百万人ものアメリカ人が夢中になって読んだ人気小説のひとつがエドガー・ライス・バローズの『類猿人ターザン』だ。孤児となり、アフリカのサルに育てられたイギリスの貴族を主人公とする冒険小説である。サルに育てられても、主人公は両親から受け継いだ白い肌や、ふるまいや、体格を保っていただけでなく、清廉さや、アングロサクソン人の価値観や、食器類の直感的な正しい使い方までも忘れていなかった。「非のうちどころのないまっすぐな姿勢と、古代ローマ最強の剣闘士のような筋肉」の持ち主であるターザンは「育ち」に対する「生まれ」の究極の勝利を体現していた。ジャングルのサルに育てられた白人ですらフランネル・スーツに身を包んだ白人の品(ひん)を保つことができるなら、民族の純度というのはまちがいなく、どんな環境においても、保持することができるはずだった。

 インディアンを殺戮(さつりく)し、黒人を奴隷にして栄えたのがアメリカという国家である。ナチス・ドイツに先んじたアメリカの優生政策は人種差別大国であることの証で、アメリカ国民全員がクー・クラックス・クラン(KKK)であったといってよい。イエロー・モンキーが住む日本に原爆2発を落とした程度で反省するわけがない。