2015-11-23

野生動物の自己鏡像認知


 鏡に映った自分を認識できる能力を自己鏡像認知という。これができる動物としてはヒト(2歳児未満を除く)、ボノボ、チンパンジー、オランウータン、バンドウイルカ、アジアゾウ、カササギなど。ブタやイカにもある。マークテストやルージュテストで判断する。眠っている間に顔などへマーキングをし、マークに対する反応を見るもの。「但し、鏡像認知が自己意識の指標であるのか、低次な自己身体の認識の指標であるのかについては議論がある」(森口佑介、板倉昭二、2013年)。私は社会性の上から捉えることが正しいと思う。「鏡に映った自分を認識できる」ことは他人の目を意識できることを示す。ここに学習の可能性があるのではないか? 我々が日常生活の中で鏡を前にして身だしなみを整えるのも社会性の現れである。西洋においては他人の目どころか神の目まで設定した。群れ+学習を社会性といってよいだろう。






人格障害(パーソナリティ障害)に関する私見
高砂族にはフィクションという概念がなかった/『台湾高砂族の音楽』黒沢隆朝

2015-11-22

明治維新は正しかったのか?/『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』原田伊織


『逝きし世の面影』渡辺京二

 ・明治維新は正しかったのか?

『龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン』加治将一
『武家の女性』山川菊栄
『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』石光真人
『守城の人 明治人柴五郎大将の生涯』村上兵衛
『國破れてマッカーサー』西鋭夫
『日本の戦争Q&A 兵頭二十八軍学塾』兵頭二十八

 ところが、日本人自身に自国が外国軍に占領され、独立を失っていたという“自覚”がほとんどないのである。従って、敗戦に至る道を「総括」するということもやっていないのだ。ただ単純に、昨日までは軍国主義、今日からは民主主義などと囃し立て、大きく軸をぶらしただけに過ぎなかった。
 実は、俗にいう「明治維新」の時が全く同じであった。あの時も、それまでの時代を全否定し、ひたすら欧化主義に没頭した。没頭した挙句に、吉田松陰の主張した対外政策に忠実に従って大陸侵略に乗り出したのである。つまり、私たちは、日本に近代をもたらしたとされている「明治維新」という出来事を冷静に「総括」したことがないのである。極端に反対側(と信じている方向)へぶれるということを繰り返しただけなのだ。

【『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』原田伊織(毎日ワンズ、2012年/歴史春秋出版、2015年1月/毎日ワンズ改訂増補版、2015年)】

 明治維新に一石を投じる内容。司馬史観に物申すといった体裁である。専門家ではないからこそ大胆な見方ができる。ただし「総括」とは左翼用語であることに留意する必要がある。

 岸田秀が吉田松陰の小児的な自己中心性を指摘している(『ものぐさ精神分析』1977年)。原田伊織は松下村塾は私塾ですらなく、吉田松陰と高杉晋作らは単なるテロリスト仲間とまで断じる。

 原田の基調は「会津史観」ともいうべきもので、会津戦争(1868年:慶応4年/明治元年)の悲劇に寄り添う感情に傾く。良し悪しは別にしてその情緒こそ本書の読みどころであろう。

 本書が会津の罪に触れていないことも注意を要する。また左巻きの連中は会津を持ち上げる傾向が強いようだ。

 明治維新という大風は不思議な現象であった。攘夷派は将棋倒しのように開国派へと鞍替えし、西洋から買い入れた武器で内戦を行っていたのである。

 尚、戊辰戦争(1868-69)については薩長土の低い身分の者どもを士族に引き上げる報奨を与える目的があったと落合莞爾が指摘している(『逆説の明治維新』2015年)。

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
原田 伊織
毎日ワンズ
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2015-11-21

村上兵衛、他


 4冊挫折、1冊読了。

虹の戦士』北山耕平翻案(太田出版、1999年)/吉本ばななの序文で読む気が失せる。ダイオキシンの件(くだり)でやめた。北山は心情左翼か。

赤い右手』ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ:夏来健次訳(国書刊行会、1997年/創元推理文庫、2014年)/1ページで挫ける。私は文章を読みたいのであって謎解きに興味はない。

ルポ虐待 大阪二児置き去り死事件』杉山春(ちくま新書、2013年)/母親に寄り添いすぎて確かな視点を見失っている。ルポではなく、被害者救済のボランティアといったレベルだ。そのため文章が弱い。この分野も心情左翼の巣窟である。

偽札百科』村岡伸久(国書刊行会、2010年)/硬派なオタク本。紙も厚い。読み物としての工夫に欠ける。

筑摩現代文学大系 75 中村真一郎・福永武彦集』(筑摩書房、1984年)/活字が小さすぎる。

 155冊目『守城の人 明治人柴五郎大将の生涯』村上兵衛〈むらかみ・ひょうえ〉(光人社、1992年/光人社NF文庫、2013年)/昨日、徹夜で読み終える。そして風邪をひいた。村上は軍人上がりの作家。柴五郎は義和団の乱における北京籠城で世界に盛名を馳せる。軍事力を伴った大掛かりな『ホテル・ルワンダ』と考えてよい。事後、世界各国から勲章を授与される。この時の日本人の奮闘と柴の振る舞いが後の日英同盟につながる。柴は英・仏・シナ語に堪能で人生の多くを海外で過ごしている。最期には涙禁じ得ず。明治人といよりは会津藩士として生き抜いたと私は見る。

武田邦彦「テロではなく戦闘行為」「米英仏露の国連常任理事国こそテロ国家」


 国際法に基づく武田の主張。歴史的にも正当性があると思われる。佐藤優が絶対口にしない内容だ。武田邦彦の温厚な性質に保守の本領がある。