「決まりだからダメ」なのではなく、「周囲に迷惑をかけるからダメ」なのだ。常識よりもむしろ非常識が発想の転換を生み出す。
新幹線の隣の席のおじいさんに電話がかかってきて、着席したまま応答。「今、新幹線なので、…」の後は「…かけ直します」だと思ったら、なんと「一方的に話してください」と言って、今も無言で聞いてます。斬新。
— 鈴木康広 (@mabataku) November 16, 2013
新幹線の隣の席のおじいさんに電話がかかってきて、着席したまま応答。「今、新幹線なので、…」の後は「…かけ直します」だと思ったら、なんと「一方的に話してください」と言って、今も無言で聞いてます。斬新。
— 鈴木康広 (@mabataku) November 16, 2013
少年忍者を主人公にした漫画「ワタリ」に「死の掟(おきて)」という話が出てくる。下層の忍者たちは掟を破ると支配者から殺されてしまう。ところがその掟の中身とは何なのか、支配者以外は誰も知らないのだ▲「その掟を知らねば掟の守りようがないではござりませぬか」。忍者たちは見えない掟に恐れおののき、疑心暗鬼になり、支配者に服従するしかない。実は掟とは支配者が衆人を都合よく統制するために編み出した秘密のことで、その秘密を知った者は消されていくのだ▲ならば現代の「死の掟」となりはしないのか。国会で審議が進む特定秘密保護法案のことである。情報を行政機関だけの判断で特定秘密に指定し、その秘密の中身が何かを国民は一切知ることができない。秘密を知ろうと近づけば、場合によっては逮捕され、処罰される▲作者は「カムイ伝」「サスケ」などで知られる漫画家の白土三平(しらと・さんぺい)さん(81)。プロレタリア画家だった父や軍国主義教育を受けた自身の体験を踏まえ、権力支配の有りように鋭い批判の目を向けた作品が多い。彼の目に法案はどう映るのか▲「(特定秘密という)わからないもののために罰せられるというのは理不尽。背景にはこの法案を作り上げた精神や雰囲気のようなものがあるはずで、それが広がっていくようであれば大きな問題です」。白土さんはそう懸念する▲「ワタリ」では、忍者たちが最後に団結して支配者を捕らえ、掟の呪縛(じゅばく)から解き放たれる。「理不尽なことを押しつけてくるものに対して、我々国民の側は正当に防衛する権利を行使できるはずです」。白土さんは世論の高まりに期待する。
【「余録」/毎日新聞 2013年11月17日】