インドネシアの点景。主役は飽くまでも空間だ。思い切って下へ持っていったアングルが素晴らしい。常識人であれば3分の1にするところだ。二次元の中でどう奥行きを表現するか。芸術は永遠を象(かたど)る。見る者は声を掛けずにいられない。「オーイ」と声を発したら、水上を往く人は手を振ってくれるだろうか? それとも私の声は見えない水平線の彼方に吸い込まれて消えるだろうか? 眼を凝らすと右側の小屋には椅子が二つあるようだ。彼と私はそこで談笑するのだ。そんな想像を巡らすと、空間はゆったりと流れる時間をも表していることに気づく。
2011-08-15
水上を往く人
インドネシアの点景。主役は飽くまでも空間だ。思い切って下へ持っていったアングルが素晴らしい。常識人であれば3分の1にするところだ。二次元の中でどう奥行きを表現するか。芸術は永遠を象(かたど)る。見る者は声を掛けずにいられない。「オーイ」と声を発したら、水上を往く人は手を振ってくれるだろうか? それとも私の声は見えない水平線の彼方に吸い込まれて消えるだろうか? 眼を凝らすと右側の小屋には椅子が二つあるようだ。彼と私はそこで談笑するのだ。そんな想像を巡らすと、空間はゆったりと流れる時間をも表していることに気づく。
2011-08-11
反逆のグラフィティ・アーティスト(落書き芸術家)「バンクシー(Banksy)」
・反逆のグラフィティ・アーティスト(落書き芸術家)「バンクシー(Banksy)」
・「Gun Yourself」バンクシー作
「芸術テロリスト」とも呼ばれているイギリスのアーティスト。
・クー・クラックス・クラン(KKK)と反ユダヤ主義
さすがの山藤章二でもこれは出来まい。 pic.twitter.com/h62jh4SQhr
— 言動力bot (@gendoryoku) 2014年9月19日
イギリスのロンドンを拠点に活動する覆面芸術家バンクシー。ロンドンのテート・モダンや、ニューヨークのメトロポリタン美術館への無許可展示など、常にスキャンダラスなパフォーマンスで話題の人物。世界中の壁、橋、街の動物園など、あらゆるストリートの一角に、ウィットに富み、破壊力のあるグラフィティで彩りを与えることを仕業としている。そのモチーフは大量破壊兵器を持った猿、スマイリーマークと警察官、ドリルや傘を持ったネズミなど、世界を風刺したものが多い。バンクシーは多くの作品を残しているが、その素性はいまだ多くの謎につつまれている。新旧合わせた彼の代表作を初めてオールカラーで網羅した待望の日本語版が、ついにリリース!
・『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』予告編
・Aakash Nihalani カラーテープのストリートアート
2011-08-04
美と暴力、昂奮と残虐
放置していたtumblrを復活させてからというもの、ウェブ上の画像を数千枚見てきた。そして今日、この写真に辿り着いた。
私は凍りついた。フォルムと色彩の美しさに。昂奮と残虐が交錯する瞬間に。写真の外側を埋め尽くす人々の欲望に。
美と暴力は男女の象徴性だ。格闘技のリングには必ず美女が用意される。我々は美を求め、力を欲してやまない。
罪のない動物が人間の手によって闘わされる。シャッター音は観客の固唾(かたず)と共に呑み込まれたことだろう。なけなしの金を全部賭けている連中だっているはずだ。
闘鶏は私だ。上司の前では平身低頭しながら一言も抗弁できない私だ。公の場で狼藉を働く若者を注意できない私だ。女房から蔑まれ、子供からは愛想を尽かされた私だ。「いつかケリをつけてやる」と思いながら、勝負を先延ばしにし続ける私だ。
戦意を20年前に喪失した私は、本当の自分を闘鶏にダブらせる。なりたくてもなれなかった己の姿を投影する。「中途半端に生きるくらいなら、死んだ方がましさ」とさえ思う。
そんな嘘にまみれた空間でニワトリは闘う。二羽の間に嘘はない。トサカが焔(ほのお)のように燃え盛り、血しぶきのように撥(は)ねている。
そして我々はニワトリ以下の日常に舞い戻るのだ。
(Cockfight : Taken by Jan Sochor.)
・闘鶏
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