2016-06-28

バイロン・ケイティ、友松圓諦、松田卓也、二間瀬敏史、服部正明、梶山雄一、他


 3冊挫折、7冊読了。

起業のためのお金の教科書』大村大次郎(双葉社、2015年)/起業入門的な内容。融資情報など。あまり参考にならず。これから起業する人向け。

忘れられた日米関係 ヘレン・ミアーズの問い』御厨貴〈みくりや・たかし〉、小塩和人〈おしお・かずと〉(ちくま新書、1996年)/冒頭から思い上がりが全開である。著者の情操に問題あり。悪い学者の見本だ。内容も大したことはない。普通の論文である。

オープン・スペース・テクノロジー 5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション』ハリソン・オーエン:株式会社ヒューマンバリュー訳(ヒューマンバリュー、2007年)/アイディアとしては非常によいと思う。自分が話し合いたいテーマを貼り出し、小グループで討議する。ただそれだけのことなんだが冗長な説明が続く。もう一つポイントがあって「輪となって座ること」。椅子の並べ方などが図示されている。行き詰まりつつある大企業などでどしどしやるべきだと思う。

 85冊目『空の論理「中観」 仏教の思想3』梶山雄一、上山春平(角川書店、1969年/角川文庫ソフィア、1997年)/なかなか難しい。

 86冊目『認識と超越「唯識」 仏教の思想4』服部正明、上山春平(角川書店、1970年/角川文庫ソフィア、1997年)/一部飛ばし読み。

 87冊目『時間の逆流する世界 時間・空間と宇宙の秘密』松田卓也、二間瀬敏史〈ふたませ・としふみ〉(丸善、1987年)/こういうのを読み落としているのだから、私も本を読んでいるようで読んでいない。ブライアン・グリーン著『宇宙を織りなすもの 時間と空間の正体』に通じる内容だ。

 88冊目『時間の本質をさぐる 宇宙論的展開』松田卓也、二間瀬敏史〈ふたませ・としふみ〉(講談社現代新書、1990年)/松田、二間瀬コンビの2冊を「時間論」に入れる。

 89冊目『心の中はどうなってるの? 役立つ初期仏教法話5』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2007年)/サンガ新書は気合いを入れると1時間程度で読める。スリランカのアヌルッダ大長老が10世紀頃にまとめた『アビダンマッタサンガハ』の第二章の内容を解説する。わかりやすいアビダルマ入門。

 90冊目『法句経』友松圓諦〈ともまつ・えんたい〉(講談社学術文庫、1985年/講談社、1975年『真理の詞華集 法句経』改題/全日本真理運動本部、1935年『法句経 仏教聖詩』改題か?)/書誌情報が不明だが序文は昭和10年(1935年)に書かれている。同じダンマパダとは思えない。いろは歌のような訳である。好みが分かれるところだろう。名訳とは思わないが、脳細胞への浸透度が高い。友松訳の存在を私は最近まで知らなかった。

 91冊目『タオを生きる あるがままを受け入れる81の言葉』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル:ティム・マクリーン、高岡よし子訳(ダイヤモンド社、2014年)/これは凄い。正真正銘の悟り本だ。バイロン・ケイティは道教を用いているが、私はブッダの教えに対する理解が深まった。尚、「スピリチュアリズム(密教)理解のテキスト」を「悟りとは」に改めた。

バッハ 名曲集・オルガン曲集



2016-06-27

ネレ・ノイハウス、桜部建、上山春平、仲谷正史、小林よしのり、アルボムッレ・スマナサーラ、他


 21冊挫折、9冊読了。

天災と国防』寺田寅彦(講談社学術文庫、2011年)/読みにくい。昨今は文章にスピード感、鋭さ、躍動感のいずれかがないと読む気が起こらず。

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ:高橋健次訳(草思社、2006年)/二度目の挫折。文章も構成も悪い。

インターネットは民主主義の敵か』キャス・サンスティーン:石川幸憲訳(毎日新聞社、2003年)/哲学書並みの難解さ。

すごい!ゼラチンふりかけ健康レシピ』浜内千波、藤野良孝(扶桑社ムック、2013年)/健康本で「すごい」「治る」「絶対」「必ず」は禁句である。ま、インチキ本と思ってよい。食用ゼラチンをゴマなどに混ぜるだけ。フードプロセッサーがあればレパートリーは格段に増える。お肌がきれいになるらしいよ。取り敢えずゼラチンは買った(笑)。

長くつ下のピッピ』アストリッド・リンドグレーン:大塚勇三訳、桜井誠イラスト(岩波少年文庫、2000年)/ずっと「長靴の下にいるピッピ」だと思い込んでいた。ハイソックスのことだったとはね。読むのが遅すぎた。リンドグレーンはスウェーデンを代表する児童文学作家。

文明の逆説 危機の時代の人間研究』立花隆(講談社、1976年/講談社文庫、1984年)/文庫化された当時に読んでいる。何となく開いたのだが読めず。正確の悪さを露呈している。興味が勝ち過ぎて抑制を欠いているようにも見える。

日本国の研究』猪瀬直樹(文藝春秋、1997年/文春文庫、1999年)/この人の文章が苦手だ。

続・日本国の研究』猪瀬直樹(文藝春秋、1999年/文春文庫、2002年)/正に比べると文章が短くて格段に読みやすい。規制緩和の警鐘を鳴らした書。

白雪姫には死んでもらう』ネレ・ノイハウス:酒寄進一訳(創元推理文庫、2013年)/シリーズ第4作。酒寄進一の文章に堪(た)えられず。2冊で十分だ。

脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』築山節(生活人新書、2006年)/年寄り用の本だった。

神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流』杉晴夫(ブルーバックス、2015年)/ちょっと見当が外れた。専門色が濃い。

枠組み外しの旅 「個性化」が変える福祉社会』竹端寛(青灯社、2012年)/「叢書 魂の脱植民地化 2」。仲間内でやっている印象が拭えず。こういうのはサブカル色を強く出した方が広範囲にアピールできると思う。

宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論』青木薫(講談社現代新書、2013年)/帯に「科学書の名翻訳で知られる著者初の書き下ろし」とある。誇大広告。盛り過ぎ。私とは相性が悪い。飛ばし読みで読了。人間原理に興味のある人は読む価値あり。

魂の殺害者 教育における愛という名の迫害』モートン・シャッツマン:岸田秀訳(草思社、1975年/新装版、1994年)/94年の新装版で「気違い」を直していないのは草思社の手抜きだ。教育的虐待の影響を明かした一冊だが、例としては特殊すぎるだろう。統合失調症を調べようと思ったのだが当てが外れた。

幻の女』ウイリアム・アイリッシュ:稲葉明雄訳(ハヤカワ文庫、1976年)/黒原敏行の新訳(2015年)の評判が悪い。古典的名作であるが今となっては古い。被害妄想的なストーリー。自分のアリバイを証明できる行きずりの女性が幻のように消えてしまう。

A型の女』マイクル・Z・リューイン:石田善彦訳(ハヤカワ文庫、1991年)/再読。石田善彦の悪文に堪えられず。既に書評済み

A型の女』マイクル・Z・リューイン:皆藤幸蔵〈かいとう・こうぞう〉訳(ハヤカワ・ミステリ、1978年)/別訳があったとは露知らず。石田訳よりはずっといい。文章がきちんと頭に入ってくる。ただし文体に切れはない。

遥かなるセントラルパーク(上)』トム・マクナブ:飯島宏訳(文藝春秋、1984年/文春文庫、2014年)/今頃になって文庫化するってえのあどういう料簡なのかね? 1984年に幼馴染みのムラモトさんから借りて読んだ。日高晤郎がラジオで強く推していた一冊。

ワールド・カフェ カフェ的会話が未来を創る』アニータ・ブラウン、デイビッド・アイザックス、ワールド・カフェ・コミュニティ:香取一昭、川口大輔訳(ヒューマンバリュー、2007年)/読みにくい。

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論』小林よしのり(小学館、2000年)/やはり漫画作品は読めない。活字本の方は読了。本書は台湾でもベストセラーとなっている。

1日10分で自分を浄化する方法 マインドフルネス瞑想入門』吉田昌生(WAVE出版、2015年)/ダメ本。

 76冊目『悪女は自殺しない』ネレ・ノイハウス:酒寄進一訳(創元推理文庫、2015年)/オリヴァー&ピアシリーズの第一作。ドイツ・ミステリ。まあまあ、といったところ。基本的に酒寄進一の訳文が苦手である。オリヴァー(貴族の血を引く上司)とピア(バツイチ女性)に何の魅力も感じない。それでも構成がよいので読了できた。

 77冊目『深い疵』ネレ・ノイハウス:酒寄進一訳(創元推理文庫、2012年)/ドイツ版『犬神家の一族』という評価は当たっていない。第二次世界大戦にまでさかのぼる歴史ミステリである。一読の価値あり。日本同様、歴史観がすっきりしない世相を反映しているようにも思える。

 78冊目『存在の分析「アビダルマ」 仏教の思想2』桜部建、上山春平(角川書店、1969年/角川文庫ソフィア、1996年)/上山の対談がよい。アビダルマは仏教心理学だが煩瑣すぎて付いてゆけず。それでも勉強になることが多い。

 79冊目『触楽入門』テクタイル、仲谷正史、筧康明、三原聡一郎、南澤孝太(朝日出版社、2016年)/触覚に関する珍しい本。文章がまどろっこしいのだが、なかなか面白かった。テクタイルとはチーム名。

 80冊目『そば屋はなぜ領収書を出したがらないのか? 領収書からみえてくる企業会計・税金のしくみ』大村大次郎(日本文芸社、2007年)/蕎麦屋からクレームが来て改訂したのが『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか』(宝島社新書、2012年)である。要は現金商売ということ。大村本は外れが少ない。

 81冊目『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎(角川書店、2015年)/これはオススメ。目から鱗が落ちる世界史の教科書本。

 82冊目『李登輝学校の教え』(小学館、2001年/小学館文庫、2003年)/『台湾論』の活字版。何と李登輝と対談している。長らく小林のことを誤解してきたが、彼は感情のバランスが優れている。そして嘘が少ない。これは稀有なことである。佐藤優が欠いているものを私は小林に見出す。

 83冊目『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2007年)/再読。サンガ新書のスマナサーラ本を渉猟中である。

 84冊目『現代人のための瞑想法 役立つ初期仏教法話4』アルボムッレ・スマナサーラ(サンガ新書、2007年)/一読の価値あり。再読はしないだろう。「慈悲の瞑想」と「ヴィパッサナー瞑想」の具体的なやり方を伝授する。「慈悲の瞑想」を3日間ほど実践してみた。言葉の語呂が悪い。

 あと10冊あるのだが、疲れたので明日書くことに。