2011-06-23
目的論と自己実現
・善悪とは
そして大乗仏教もまた、因果に目的論を付与してしまったのだ。原因は結果よりも過小評価される。「本懐を遂げること」以外は些末なものとして扱われる。自己実現とは、自我の罠に絡め取られた状態を意味する。
・意味に取りつかれる脳~Meの正体はMeaning
善悪とは
善悪とは感情である。価値観ではない。こう考えると感情を支えているのが宗教であることがわかる。宗教的感情という次元ではなく、感情そのものが宗教的価値観の反映なのだろう。すなわち「後天的に刷り込まれた情動」が宗教なのだ。
神学と大乗仏教に共通するのは理論武装である。キリスト教は理論を学問領域にまで発展させた。こうして宗教はアリストテレス的世界観(目的論的世界観)を構築するに至ったのだ。これが西洋では形而上学となって自己実現を目指し、東洋においてはアニミズム的志向から共同体意識を形成した。
宗教の本質は戒律にある。つまり教派・宗派はタブーを共有する人々の関係性を示している。「忌みはばかって禁じられる」までに高まった状態は、思考が感情に浸透し、感情が思考を支配するフィードバック構造を端的に表している。この意味で宗教は極めて音楽的だ。
アントニオ・R・ダマシオを読み直す必要がありそうだ。
・目的論と自己実現
・意味に取りつかれる脳~Meの正体はMeaning
・ソマティック・マーカー仮説/『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳』(『生存する脳 心と脳と身体の神秘』改題)アントニオ・R・ダマシオ
・暴力と欲望に安住する世界/『既知からの自由』J・クリシュナムルティ
2011-06-22
小室直樹
1冊読了。
40冊目『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹(徳間書店、2000年)/超弩級(ちょうどきゅう)の宗教入門。個人的に小室直樹の文体が好きではないのだが、その合理的思考は瞠目に値する。今までバラバラだった知識が本書によって一つに結び合わされた。昨日読み終えたが、いまだに興奮が覚(さ)めやらない。
2011-06-21
ジェノサイド~命名のポリティクス
現在はジェノサイドという命名を地上最強の国が道具にしています。つまり米国は敵方による大量虐殺はジェノサイドと呼びますが、友好国やその手先による殺戮はそう呼ばない。
【マフムード・マムダニが語るダルフール問題「ジェノサイドをめぐる政治学」】
・マフムード・マムダニ
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