2017-04-10

マクロ歴史学/『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ


物語の本質~青木勇気『「物語」とは何であるか』への応答
『ものぐさ精神分析』岸田秀
『続 ものぐさ精神分析』岸田秀
『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ

 ・読書日記
 ・目次
 ・マクロ歴史学
 ・認知革命~虚構を語り信じる能力
 ・イスラエル人歴史学者の恐るべき仏教理解

・『ハキリアリ 農業を営む奇跡の生物』バート・ヘルドブラー、エドワード・O・ウィルソン
『身体感覚で『論語』を読みなおす。 古代中国の文字から』安田登
『文化がヒトを進化させた 人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』ジョセフ・ヘンリック
『家畜化という進化 人間はいかに動物を変えたか』リチャード・C・フランシス
『人類史のなかの定住革命』西田正規
『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』ジェームズ・C・スコット
『文明が不幸をもたらす 病んだ社会の起源』クリストファー・ライアン
『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル
『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗
『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』イブ・ヘロルド
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ
『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ
『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』リズワン・バーク

世界史の教科書
必読書リストその五

歴史年表

 135億年前 物質とエネルギーが現れる。物理現象の始まり。
       原子と分子が現れる。化学的現象の始まり。
 45億年前 地球という惑星が形成される。
 38億年前 有機体(生物)が出現する。生物学的現象の始まり。
 600万年前 ヒトとチンパンジーの最後の共通の祖先。
 250万年前 アフリカでホモ(ヒト)属が進化する。最初の石器。
(中略)
 30万年前 火が日常的に使われるようになる。
(中略)
 7万年前 認知革命が起こる。虚構の言語が出現する。
      歴史的現象の始まり。(中略)
 1万2000年前 農業革命が起こる。植物の栽培化と動物の家畜化。永続的な定住。
 5000年前 最初の王国、書紀体系、貨幣。多神教。
 4250年前 最初の帝国――サルゴンのアッカド帝国。
 2500年前 硬貨の発明――普遍的な貨幣。
       ペルシア帝国――「全人類のため」の普遍的な政治的秩序。
       インドの仏教――「衆生を苦しみから解放するため」の普遍的な真理。
 2000年前 中国の漢帝国。地中海のローマ帝国。キリスト教。
 1400年前 イスラム教。
 500年前 科学革命が起こる。
      人類は自らの無知を認め、空前の力を獲得し始める。
      ヨーロッパ人がアメリカ大陸と各海洋を征服し始める。
      地球全体が単一の歴史的領域となる。
      資本主義が台頭する。
 200年前 産業革命が起こる。
      家族とコミュニティが国家と市場に取って代わられる。
      動植物の大規模な絶滅が起こる。
 今日 人類が地球という惑星の境界を超越する。
    核兵器が人類の生存を脅かす。
    生物が自然選択ではなく知的設計によって形作られることがしだいに多くなる。
 未来 知的設計が生命の基本原理となるか?
    ホモ・サピエンスが超人たちに取って代わられるか?

【『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(上下)ユヴァル・ノア・ハラリ:柴田裕之〈しばた・やすし〉訳(河出書房新社、2016年)】

 致し方なくラベルを「世界史」にしてあるが正確には「人類史」である。恐ろしく抽象度の高い視点で人類の歴史を振り返っても見通せる未来は短い。科学革命~産業革命を経て情報革命に至ると技術進化の速度は限界に近づく。シンギュラリティ(技術的特異点/※想定では2045年)を超えればヒトは主役の座から引きずり降ろされるに違いない。

 ユヴァル・ノア・ハラリが示すマクロ歴史学の視点は人類史を生老病死にまで圧縮する。人生において「虚構の言語が出現する」のは3歳前後であり、「歴史的現象」としての人の一生が始まる。それぞれの革命期は青壮年時代といってよい。今後のイノベーション(技術革新)は老化する肉体を補い、脳を生き永らえさせることが重視される。ヒトは情報として扱われダウンロードやアップロードさえ可能となる。

 人類の進化とは環境への適応だけにとどまるものではない。農業革命、都市革命、精神革命、科学革命という変遷は【むしろ環境をヒトに適応させる営みであった】。ポスト・ヒューマン(人間以後)の時代に到来するのは宇宙革命である。知性とコンピュータを融合し宇宙全体を地球化する壮大な営みが開始されることだろう。

 マクロ歴史学という壮大な時間スケールが自分の存在を一つの点にまで押し縮める。数百億の人々が生まれては死に、歴史は断続的に切り取り線上を進んでゆくのだろう。個々の動きはブラウン運動のようにバラバラでも少し離れて見れば一定の方向に流れているのがわかる。

 原子のような存在でありながらも歴史を自覚し得るのは人間だけである。

2017-04-04

ワコーズ フューエルワン:燃料添加剤の効果にビックリ



 この動画を見てワコーズのフューエルワンを使ってみたのだが、いはやは凄い効果である。まずエンジンが一発で掛かる。次にエンジンオイルが極端に汚れる。つまり汚れを落としているわけだよ。原付の場合はガソリンを満タンにするたびに数cc入れればよい(タンク容量の1%以下)。

 

2017-04-03

ワセリン(大)


 1ヶだと974円なのに2ヶだと1274円という不思議な価格。ただし相当でかい。送料を無料とするためには2000円以上買うか、定期おトク便を6ヶ月で申し込むか(買った後でキャンセル可能)、安い本を1冊買えばよい(合計金額が2000円以下でもOK)。合わせ買いはノートやコピー用紙、USBメモリなどの消耗品や食料品などがオススメ。


ヴァセリン ペトロリュームジェリー(保湿クリーム)(並行輸入品) 368g 2個セット

2017-03-20

目次/『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ


物語の本質~青木勇気『「物語」とは何であるか』への応答
『ものぐさ精神分析』岸田秀
『続 ものぐさ精神分析』岸田秀
『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ
『AIは人類を駆逐するのか? 自律(オートノミー)世界の到来』太田裕朗

 ・読書日記
 ・目次
 ・マクロ歴史学
 ・認知革命~虚構を語り信じる能力
 ・イスラエル人歴史学者の恐るべき仏教理解

・『ハキリアリ 農業を営む奇跡の生物』バート・ヘルドブラー、エドワード・O・ウィルソン
『身体感覚で『論語』を読みなおす。 古代中国の文字から』安田登
『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル
『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』イブ・ヘロルド
『遺伝子 親密なる人類史』シッダールタ・ムカジー
『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』ユヴァル・ノア・ハラリ
『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』ユヴァル・ノア・ハラリ
『われわれは仮想世界を生きている AI社会のその先の未来を描く「シミュレーション仮説」』リズワン・バーク

世界史の教科書
必読書リストその五

 第1部 認知革命

  第1章 唯一生き延びた人類種
      不真面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?

  第2章 虚構が協力を可能にした
      プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

  第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
      原初の豊かな社会/口を利く死者の霊/平和か戦争か?/沈黙の帳

  第4章 市場最も危険な種
      告発のとおり有罪/オオナマケモノの最期/ノアの方舟

 第2部 農業革命

  第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
      贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲者たち

  第6章 神話による社会の拡大
      未来に関する懸念/想像上の秩序/真の信奉者たち/脱出不能の監獄

  第7章 書記体系の発明
      「クシム」という署名/官僚制の脅威/数の言語

  第8章 想像上のヒエラルキーと差別
      悪循環/アメリカ大陸における清浄/男女間の格差/生物学的な性別と社会的・文化的性別/男性のどこがそれほど優れているのか?/能力/攻撃性/家父長制の遺伝子

 第3部 人類の統一

  第9章 統一へ向かう世界
      歴史は統一に向かって進み続ける/グローバルなビジョン

  第10章 最強の征服者、貨幣
      物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨幣はどのように機能するのか?/金の福音/貨幣の代償

  第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
      帝国とは何か?/悪の帝国?/これはお前たちのためなのだ/「彼ら」が「私たち」になるとき/歴史の中の前任と悪人/新しいグローバル帝国
  第12章 宗教という超人間的秩序
      神々の台頭と人類の地位/偶像崇拝の恩恵/神は一つ/善と悪の戦い/自然の法則/人間の崇拝

  第13章 歴史の必然と謎めいた選択
      1 後知恵の誤謬/2 盲目のクレイオ

 第4部 科学革命

  第14章 無知の発見と近代科学の成立
      無知な人/科学界の教義/知は力/進歩の理想/ギルガメシュ・プロジェクト/科学を気前良く援助する人々

  第15章 科学と帝国の融合
      なぜヨーロッパなのか?/征服の精神構造/空白のある地図/宇宙からの侵略/帝国が支援した近代科学

  第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
      拡大するパイ/コロンブス、投資家を探す/資本の名の下に/自由市場というカルト/資本主義の地獄

  第17章 産業の推進力
      熱を運動に変換する/エネルギーの大洋/ベルトコンベヤー上の命/ショッピングの時代

  第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
      近代の時間/家族とコミュニティの崩壊/想像上のコミュニティ/変化し続ける近代社会/現代の平和/帝国の撤退/原子の平和

  第19章 文明は人間を幸福にしたのか
      幸福度を測る/化学から見た幸福/人生の意義/汝自身を知れ

  第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
      マウスとヒトの合成/ネアンデルタール人の復活/バイオニック生命体/別の生命/特異点(シンギュラリティ)/フランケンシュタインの予言

      あとがき――神になった動物

【『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(上下)ユヴァル・ノア・ハラリ:柴田裕之〈しばた・やすし〉訳(河出書房新社、2016年)】

 2016年に読んだ本第1位である。ユヴァル・ノア・ハラリはイスラエルの歴史学者。まあ凄いのが出てきたもんだ。しかもまだ41歳という若さ。

 今、入力し終えてから気づいたのだが目次はamazonにも掲載されていた。大失敗。当ブログに目次を書くのは飽くまでも自分用で、調べ物があった際の手掛かりとして残すのが目的である。頭の中の空いた抽斗(ひきだし)がかなり少なくなっているため。

 ま、村上春樹の新作なんぞどうでもいいから本書を読むこった。


高砂族にはフィクションという概念がなかった/『台湾高砂族の音楽』黒沢隆朝
『カミの人類学 不思議の場所をめぐって』岩田慶治

日下公人×関岡英之


『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』関岡英之

 ・日下公人×関岡英之

『F機関 アジア解放を夢みた特務機関長の手記』藤原岩市