2021-03-16

致命的な誤字/『革命のインテリジェンス ソ連の対外政治工作としての「影響力」工作』佐々木太郎


『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』三田村武夫
『ヴェノナ』ジョン・アール・ヘインズ、ハーヴェイ・クレア
・『ミトロヒン文書 KGB(ソ連)・工作の近現代史』江崎道朗監修:山内智恵子

 ・致命的な誤字

・『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』クライブ・ハミルトン
・『見えない手 中国共産党は世界をどう作り変えるか』クライブ・ハミルトン、マレイケ・オールバーグ
・『「目に見えぬ侵略」 見えない手」副読本』奥山真司監修:『月刊Hanada』編集部

 国家による非軍事的で政治的な対外活動はさまざまな形態が存在する。その中には、たとえば、公然の手法を持(ママ)ってして自らの国益に沿った行動を他国にとらせようとするものがある。具体的に言えば、外交や通商において他国と折衝をおこなうことであったり、公式の声明を発表したり、あるいは政府高官がメディアのインタビューに答えるなどの行為がこれに該当する。
 一方で、自らの国益に沿った行動を他国にとらせるために用いられる非公然の手法としては、偽文書など情報の発信元を隠蔽したプロパガンダや、あるいは表向きは関係がないように装った組織を使って示威運動をおこなったりすることなどがある。これらは、いわゆる「欺瞞」(deception)と呼ばれる工作形態に属するものである。
 本書は、こうした非公然の手法のうち、自らの影響力を持(ママ)ってして他国の国民や政策決定者の知覚を誘導する個人を利用した工作――本書では「影響力」工作と呼ぶ――を、ソ連が当該時期に世界各地で展開していたことを示す。

【『革命のインテリジェンス ソ連の対外政治工作としての「影響力」工作』佐々木太郎(勁草書房、2016年)】

 一応、著者の経歴を調べてみたが、大学院を出ていながら「持ってして」と一度ならず何度も出てくるとあっては読むに堪(た)えない。更に「――を以てしても」と使うのが普通で、「以てして」は間違いではないが「以て」とするべきだろう。上記テキストでも気取ったつもりなのか、「他国の国民や政策決定者の知覚を誘導する個人を利用した工作」という意味不明な文章が出てきて辟易(へきえき)させられる。

 他方、日本においても、摘発されたソ連の「影響力行使者」はひとりもいない。だが、日本を舞台にしたソ連の「影響力」工作の実態は、ある事件によって世界的な注目を集めることになった。その事件とは、1975年から1979年まで東京のKGB駐在部に勤務して対日工作に当たり、その後アメリカに亡命したスタニスラフ・レフチェンコが、1982年7月14日に開催されたアメリカ連邦議会下院情報特別委員会聴聞会において、宣誓のうえ、日本における自身の活動内容について証言したことである。このときのレフチェンコの証言には、次のような一節がある。

KGBは1970年代において、日本社会党の政治方針を効果的にコントロールできていました。同党の幹部のうち10人以上を影響力行使者(エージェント・オブ・インフルエンス)としてリクルートしていたのです。

 さらにレフチェンコは議会での証言後、アメリカや日本のメディアからの取材の中で、自ら管理した協力者らのカバーネーム(コードネームとも言う)や実名を一部公表し、日本社会党関係者以外にも「影響力行使者」がおり、また日本政府の機密情報をソ連側に漏洩する者たちなどもいたことを明らかにした。

 もったいぶった文章が鼻につく。しかも今となっては広く知られた事実である。私は菅沼本で知った。やはり先程指摘したのは「致命的な誤字」であった。確かにパソコン辞書だと「持ってして」と出てくるが、これだけ多用する言葉を誤っているのだから、かような人物が発信する情報を信用できるわけがない。更に勁草書房編集者・校正の責任を見過ごすわけにはいかない。私が社長なら首にしているところだ。勁草書房の未来は暗い。

2021-03-11

新型コロナウイルスへの対処法/『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸、玉谷卓也監修


『臓器の急所 生活習慣と戦う60の健康法則』吉田たかよし
『医学常識はウソだらけ 分子生物学が明かす「生命の法則」』三石巌
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム

 ・新型コロナウイルス対処法

『大豆毒が病気をつくる 欧米の最新研究でわかった!』松原秀樹

身体革命
必読書リスト その一

 ところが、その「あり得ないこと」のうちのひとつが、
 どうやら事実であるために
 新型コロナウイルスの根絶は非常に難しいものとなっています。

【それは「重症患者ほど、抗体の値が高かった」ということ。】

「抗体」は、体内の免疫細胞がウイルスを認知して
 そのウイルスを効果的に排除するために産生(さんせい)する分泌物(ぶんぴつぶつ)です。
 ふつう、わたしたちの身体のなかで起こる
 免疫細胞とウイルスとの戦いは
 抗体という最終兵器がつくられることで決着します。

 ところが、ウイルスを効果的に駆逐(くちく)するはずの抗体が
 感染しても無症状の患者や軽症者には少なく
 重症患者には多く検出されるのは、大きな矛盾です。
 抗体が多くつくられたのなら、
 それだけ新型コロナウイルスを撃退しているはずなのに、
 実際は重症化している――。
 つまり、「抗体は新型コロナウイルス感染症からの回復にあまり役に立っていない」と考えざるを得ません。
 さらに、もうひとつ驚くべき事実が解明されました。

【「回復した患者の体内から、抗体が消えていく」】

 抗体をつくる細胞は、いちどつくられれば一生、体内に残り続けます。
 そしてミサイル防衛システムのように、
 次に同じウイルスが身体に入ってきたら
 即座に撃ち落とす準備がなされているのです。

 そして、その声質を利用し、
 事前に身体のなかにこの抗体による防衛システムをつくることが
 一般的な「ワクチン」の目的です。

 しかし、新型コロナウイルスの抗体はあまりウイルスの撃退に寄与せず
 しかも1カ月から2カ月で消えてしまう。
 それはつまり、

【「抗体をつくるワクチンでは、感染予防が困難である」】

ということを意味しています。

「ワクチンを開発すれば感染拡大は収束する」という
 従来のウイルス感染症に対する根絶への勝ちパターンが
 新型コロナウイルスには通用しない可能性が判明したのです。
 さらに、「重症者は抗体が高い値を示している」という事実は
 もうひとつの恐るべき新型コロナウイルスの特徴をあらわしています。

【それは、免疫の暴走、
「サイトカインストーム」を引き起こすこと。】

 新型コロナウイルスは、主に肺や気管支などの
 呼吸器の細胞に感染して入り込み、
 細胞を、ウイルスを複製するあための増殖装置に変えてしまいます。

【『免疫力が10割 腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず』小林弘幸〈こばやし・ひろゆき〉、玉谷卓也〈たまたに・たくや〉監修(プレジデント社、2020年)】

 入魂の一冊である。飾り気のない装幀(そうてい)、「新型コロナウイルス」をタイトルに謳わない素っ気なさ、参考書のような色刷り、読みやすい文章、そして1100円という価格がプレジデント社の本気を示している。本書は「新型コロナウイルスへの対処法」を明快に説いた一冊である。ありふれた健康本と同じ作りなので「おかしいな?」と思いながら読んでいたのだが、小林は順天堂大学の医学部教授で、玉谷は日本免疫学会評議員で同大学の非常勤講師だ。

 新型コロナウイルスを取り巻く報道は「始めにワクチンありき」という姿勢が見え見えで、重症者や死者の多い欧米の実態を衝撃的に取り上げて、日本国内の実情を意図的に隠蔽してきた。既に世界各国で投与されているワクチンは動物実験を行うこともなく、長期毒性の影響も検証されていない。また陰謀論界隈を賑わす事実がある。ビル・ゲイツが2015年にTEDでパンデミックを予想した講演を行い、2019年には「次に起きるパンデミックはコロナウイルスによる」と想定し、「イベント201」という公開演習を実施したのだ(ビル・ゲイツと新型コロナウイルス)。

 またイタリア人医師のロベルト・ペトレラ博士が告発した動画は1分後に削除されたという。


イタリア人医師の告発:こちらは、ロベルト・ペトレラ博士です。彼が言わなければならないことに耳を傾け、そして大いに広く共有しよう - さてはてメモ帳
恐怖の新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン:人類の大量絶滅のプログラム : 花子のブログ

 問題は新型コロナウイルス感染に関するデータが出てこないところにある。学術論文が次々と書かれているのにメディアが紹介することもない。テレビは感染者の数で不安を煽り、視聴者をワクチン接種に誘導するだけだ。

 かような言論情況を思えば何らかの統制が働いているものと考えてよかろう。学者や研究者が本気で正義を叫べば研究費や助成金を失う。功成り名を遂げようとする若手の学者は牙を抜かれている。もはや噛む力さえ残っていない。

「抗体をつくるワクチンでは、感染予防が困難である」との一言には千鈞(せんきん)の重みがある。結局自分の体は自分で守るしかない。そんな当たり前の事実に気づかされる。免疫、自律神経、腸内細菌、食事法などについてもしっかりとした内容が書かれていて目から鱗が落ちる。

レシピ > 魚

レシピ > 魚

■魚■

アラ汁●上田勝彦流漁師直伝あら汁

赤魚●赤魚煮付け

アジ●アジの捌き方三枚おろしアジの早卸&裏技小鯵南蛮漬けアジをさばいて骨まで美味しく食べる

いわし●イワシのさばき方イワシの捌き方いわしの煮付け骨までやわらかいわしの甘露煮イワシの梅煮圧力鍋なしで作るいわしの梅煮

小魚●小魚フリット

鮭●サーモンマリネ鮭の煮付け鮭フレーク鮭のゴマみそ焼き冷凍保存できる、鮭のみそ漬けちゃんちゃん焼き

鯖●冷凍の鯖塩サバの野菜蒸し冷凍塩サバの酒蒸し焼き

シシャモ●シシャモの味噌煮

ホッケ●ホッケの煮付け

ワカサギ●ワカサギのフライ甘露煮合法カキフライ

アクアパッツア●包んでレンチンたらの簡単アクアパッツァフライパンで簡単切り身魚で簡単アクアパッツア簡単アクアパッツァ簡単アクアパッツァ簡単アクアパッツァたらのアクアパッツァアクアパッツアとアクアパスタ「アクアパッツァ」基本&アイデアレシピ5選

2021-03-09

ブラックホールの予想を否定したアインシュタインとアーサー・エディントン/『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』村山斉


『ゼロからわかるブラックホール 時空を歪める暗黒天体が吸い込み、輝き、噴出するメカニズム』大須賀健
『宇宙が始まる前には何があったのか?』ローレンス・クラウス
・『宇宙は何でできているのか』村山斉
・『宇宙は本当にひとつなのか 最新宇宙論入門』村山斉

 ・ブラックホールの予想を否定したアインシュタインとアーサー・エディントン

・『宇宙になぜ我々が存在するのか』村山斉
・『宇宙を創る実験』村山斉編著

 20世紀の初頭に、光さえも脱出できない天体があり得ることを予想したのは、ドイツの物理学者カール・シュヴァルツシルトです。それは、アインシュタインが一般相対性理論を発表してからすぐのことでした。アインシュタインが示した方程式を解いたときに出てくるひとつの答えが、ブラックホールだったのです(ちなみに、シュヴァルツシルトは16歳で天体力学について論文を出版し、20代で名門ゲッティンゲン大学の教授になったというすごい人ですこのブラックホールの難しい計算も、実は第一次世界大戦の前線で従軍中に成し遂げたのでした。しかし惜しくもその1年後には前線で病気にかかり、亡くなってしまいました)。
 シュヴァルツシルトは、極端に小さくて極端に質量の重い天体を考えて、一般相対性理論の方程式に当てはめました。すると、光の速度でも脱出できないという解が出ます。しかしアインシュタイン自身は、シュヴァルツシルトが自分の方程式を解いてくれたことは喜んだものの、現実にブラックホールが存在するとは信じていませんでした。
 その後、インド出身の物理学者スプラマニアン・チャンドラセカールが、ブラックホールの実在を予言する発見をします。それまで星の一生はすべて第二章で出てきた白色矮星で終わると考えられていましたが、チャンドラセカールは白色矮星がある値以上は大きくなれないことを発見し、重い星はブラックホールになるはずだと予想したのです。
 これは、彼の師匠にあたる学者とのあいだで大論争になりました。イギリスの天文学者アーサー・エディントンです。
 このエディントンは、アインシュタインの一般相対性理論が正しいことを裏づける観測をしたことで有名な人物です。(中略)
 エディントンが公式の場でチャンドラセカールの発見を笑いものにしたので、チャンドラセカールはイギリスを去らなくてはなりませんでした。
 しかし、間違っていたのはチャンドラセカールではなく、エディントンでした。やがて世界中の学者たちが、チャンドラセカールの理論を受け入れるようになったのです。

【『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか』村山斉〈むらやま・ひとし〉(集英社インターナショナル、2012年)】

 集英社インターナショナルの「知のトレッキング叢書」というシリーズの第一弾。実際の内容はハイキングレベルである。むしろ「知の一歩」と名づけるべきだろう。B6判で新書よりも横幅がある変わったサイズである。価格が安いのは薄いため。

 村山斉は5冊ばかり読んだが今のところ外れがない。読みやすい文章で最新の宇宙情報を届けてくれる。諜報(インテリジェンス)の世界では情報に対価を支払うのは当然であり、等価交換の原則が成り立つ。その意味からも私は書籍に優る情報はないと考えている。

 天才科学者ですら老いて判断を誤る。況(いわん)や凡人においてをや。世代交代の時に新旧の確執が生じるのはどの世界も一緒であろう。老境に入りつつある私も自戒せねばならない。

 相対性理論が面白いのは発見者の思惑を超えて宇宙の真理を示した点にある。アインシュタインは静的宇宙を絶対的に信じていたが実際は膨張していた。それも凄まじい速度で。科学的真理はどこまでいっても部分観に過ぎない。それでも尚、広大な宇宙の新たな事実が判明するたびに心を躍らせるのは私一人ではあるまい。

 科学の世界ですら古い巨人が後進の行く手を遮(さえぎ)るのであるから、政治の世界は推して知るべしである。私は57歳だが体力と共に知力・判断力の低下を実感している。政治家や大企業の取締役は55歳以下にするのが望ましい。長幼序ありの伝統に従うなら、老人で参議院を構成すればよい。