・『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード
・『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』イーサン・ウォッターズ
・『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』デイミアン・トンプソン
・『マインド・ハッキング あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア』クリストファー・ワイリー
・知的飛翔を欠く解説本
・『僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた』アダム・オルター
・『快感回路 なぜ気持ちいいのかなぜやめられないのか』デイヴィッド・J・リンデン
・『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』キャシー・オニール
・『もっと! 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学』ダニエル・Z・リーバーマン、マイケル・E・ロング
人はなぜ、このように依存症になってしまうのだろうか。それは、人間というものは、依存症になりやすくできているからである。より正確に言えば、進化の過程で、依存症になりやすい遺伝的基盤を持っている人が生き残ってきたからである。
【『あなたもきっと依存症 「快と不快」の病』原田隆之(文春新書、2021年)以下同】
文章はいいのだが、直ぐにどんよりした気分になってくる。たぶん有能な人物にありがちな常識信仰にあるのだろう。著者は典型的な官僚タイプの人物と見た。
しかし、ときにはその装置が暴走して、「快」のためには、日常生活や人生などどうでもよいという状態にまでなってしまう。つまり、【人間の生き残りを目的とした戦略としての「快」であったはずが、「快」そのものが目的化してしまうのだ。これが依存症である】。
解説は巧みなのだが、知的飛翔を欠いている。アイディアの乏しい能吏か。私は人間の価値をユニークさに求めるので、こういう人物にはあまり近寄りたくないというのが本音である。