2017-12-07

椅子に座って膝を揺らす/『自分で治す病気の数々 痔 膝痛 腰痛 肩こり 認知症 椎間板ヘルニア』谷幸照


 ・椅子に座って膝を揺らす

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』

 膝の軟骨が低下するのは稼働の低下が原因のようです。そこで膝の動く稼働頻度を高める運動をします。
 左右交互に膝下の動くスピードに挑戦します。膝の動く頻度を高めて軟骨の再生を促します。膝の動く頻度を高くする事により軟骨の再生を生み痛みは消えてゆきます。
 軟骨の再生が出来ますので屈伸の滑らさ(ママ)を取り戻して健康な膝を取り戻すことが出来ます。
 まず椅子に浅く掛け、膝を少し上げて膝下を前後に振ります。膝下の振るスピードはゆっくり振ります。
 ゆっくりでも歩くスピードの何倍も早い回転となります。ゆっくり痛い方の膝から交互に振り続けます。痛い膝を振りますので痛みは倍増します。倍増する痛みに耐えて振り続けて下さい。

【『自分で治す病気の数々 痔 膝痛 腰痛 肩こり 認知症 椎間板ヘルニア』谷幸照〈たに・ゆきてる〉(諏訪再生会、2012年)】

 本の作りが悪く1970年代に見掛けた左翼のアジビラを思い出したほどだ。活字も恐ろしく大きい。一段落がほぼ一ページ。その上繰り返しが多い文章で頭が痛くなってくる。膝を揺する運動は別の本にも書かれていた。で、今日足の高い椅子を入手した。

 致命的なのは「原因のよう」という推測に基きながら、軟骨の再生と痛みが消えることを断定していることだ。臨床経験に引きずられがちな人物であることが窺える。

自分で治す病気の数々―痔膝痛腰痛肩こり認知症椎間板ヘルニア
谷幸照
諏訪再生会
売り上げランキング: 1,469,588

2017-12-03

なにかを信じることにはまったく意味がない/『これのこと』ジョーイ・ロット


『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース

 ・なにかを信じることにはまったく意味がない

・『つかめないもの』ジョーン・トリフソン
・『オープン・シークレット』トニー・パーソンズ
『すでに目覚めている』ネイサン・ギル
『今、永遠であること』フランシス・ルシール
『プレゼンス 第1巻 安らぎと幸福の技術』ルパート・スパイラ

悟りとは

 信じられないかもしれないけど、なにかを信じることにはまったく意味がない。信じるというのは単に信じるってこと。それだけ。
 でも僕らが生きている世界では、信じることにとてつもなく大きな価値が置かれているように見える。だから、信じていることの催眠にかかっている人がほとんどだとしても特に不思議はない。
 信じるのは別に悪いことじゃない。ただ、あるということの単純さと信じることはまったくどんな関係もないというだけだ。だから、あるということの単純さを見つけだすために、つまり自由を探すために、なにかを信じてそれにしがみつくとしたら、それは誤った戦略だし間違いなく失敗する。
 信じるのは悪いことじゃないとは言っても、自分が信じていることに執着すると、あるということの単純さがはっきりとは見えなくなる。
 なにを信じていてもそれは単なる思考が観念で、真実と取り違えられているだけだ。どんな思考も観念も真実とは違う。そこに誤りがある。

【『これのこと』ジョーイ・ロット:古閑博丈〈こが・ひろたけ〉訳(ブイツーソリューション、2015年)】

 古閑博丈が精力的に翻訳を行っている。少し考えれば当たり前のことだが悟り本にはいわゆる個性というものがない。例外はブッダとクリシュナムルティくらいだろう。自我という大地を破れば意識は虚空に解き放たれる。個性とは地に咲くものだ。ただし文に滲み出る何かがある。それが気になるのは私が悟っていないためなのだが(笑)。

 実際は「わからない」からこそ信じるのである。地球が丸いことを「信じている」人はいない。事実は「知る」だけであり、「理解」すれば信じる必要はない。

私は何も信じない」とクリシュナムルティは語った。この一言に込められたのは「神と自己の否定」であろう。「神と自己」という概念が世界を二元に分け隔てる。非二元(ノンデュアリティ)と言おうがワンネス(一元性・単一性)と呼ぼうが結局は「私」という軛(くびき)から自由になるかどうかである。

 法然・親鸞・日蓮は信を説いた。ここに鎌倉仏教の限界があるように思われる。信は眼を塞(ふさ)ぎ智慧に至ることがない。どのように理を尽くしたところで信をもって慧(え)に代えることはできず不確実性や偶然性に翻弄される。悟りとはありのままの現実を直視することであり、何かを信じて未来を待望する精神はその欲望によって明晰さを失う。諸法無我を思えば信を支える基底が自我であることを見抜ける。

 何かを信じる人々は常に争い合っている。他を貶(おとし)め自らを持ち上げることに躍起な姿は悟りから程遠い。無上道であればこそ争いから離れることが可能となる。

 初期仏教の悟り重視を軽んじたのが後期仏教(大乗)であった。彼らは個人の悟りを「小乗」と嘲(あざけ)った。ま、悟りを無視すれば多数を収める乗り物が作れるのは当然だ。乗り物の行き先は知らないが。そして自分たちの弱みを押し隠すために精緻な理論を築いた。

これのこと
これのこと
posted with amazlet at 17.12.03
ジョーイ・ロット
ブイツーソリューション (2015-04-05)
売り上げランキング: 135,465

読み始める

シャドウ・ストーカー 上 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2016-11-10)
売り上げランキング: 149,762

シャドウ・ストーカー 下 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2016-11-10)
売り上げランキング: 143,813

ゴースト・スナイパー 上 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2017-11-09)
売り上げランキング: 3,191

ゴースト・スナイパー 下 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋 (2017-11-09)
売り上げランキング: 2,601

スキン・コレクター
スキン・コレクター
posted with amazlet at 17.12.03
ジェフリー ディーヴァー
文藝春秋
売り上げランキング: 137,432

伸展改善タイプと屈曲改善タイプ/『3万人のひざ痛を治した! 痛みナビ体操』銅冶英雄


 ・伸展改善タイプと屈曲改善タイプ

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』

「パラシュート試験」という言葉をご存じでしょうか。

「人間が飛行機からパラシュートなしで飛び降りたらどうなるか」を知るために、わざわざ飛び降りる人はいません。結果は火を見るより明らかですから。
 このように、万人から当然と思われていることをあえて検証する試験を「パラシュート試験」と呼びます。パラシュート試験という言葉には、「当然のことを確認するだけの試験」、もっとはっきり言うと「ムダな試験」といった否定的なニュアンスが込められているのです。

【『3万人のひざ痛を治した! 痛みナビ体操』銅冶英雄〈どうや・ひでお〉(アチーブメント出版、2016年)】

 膝痛には膝関節伸展改善タイプと膝関節屈曲改善タイプがあるとの説明に愁眉を開く思いがした。私の場合は同じ姿勢が続いた後に発する痛みで伸展改善タイプに該当する。



 具体的な方法を示しているのが高い評価につながっているのだろう。タイトルで人数を謳うのは宣伝が目的であり邪道に陥っていると言わざるを得ない。

3万人のひざ痛を治した! 痛みナビ体操
銅冶英雄
アチーブメント出版
売り上げランキング: 2,882

8の字体操/『ひざ痛は99%完治する』酒井慎太郎


 ・8の字体操

『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』

 厚生労働省の研究班の出した推計では、変形性ひざ関節症などのひざ痛を抱える人は、予備軍を含めると2500万人にものぼるそうです。つまり、日本人のおよそ5人にひとりは、何らかのトラブルを感じているわけですね。

【『ひざ痛は99%完治する』酒井慎太郎(幻冬舎、2011年)】

 今年の4月からバドミントンを始め、3ヶ月間で右ふくらはぎの肉離れを三度起こし、その後膝痛に見舞われた。当初は痛む足を庇(かば)ったためにバランスを崩したのだろうと軽く考えていたのだが今日に至るまで治っていない。

 意を決して膝痛博士になるべく図書館から本を借りてきた。既に20~30冊ほど読んだが目ぼしいものは2~3冊しかない。つまり9割方はクズ本である。やはり医師が著した書籍が多い。「優秀だから医師になった」という見方は決して誤っていないが、飽くまでも「医師になる」までの話であって、それ以降も学び続ける医師は少ない。ま、「なった時点」で終わっているようなのが大半を占めている。相関関係と因果関係すら理解していないのが実態である。

 とはいえ私と同じ悩みを持つ同朋が2500万人もいると知れば、多少なりとも参考情報を知らせたい気になる。膝痛にはいくつもの種類があるので、自分の症状を鑑みて適合する内容を見つけてもらえれば幸いである。

 本書はまずタイトルがダメだ。たぶん幻冬舎が付けたのだろうが薬事法に違反する健康食品の謳い文句と同じレベルのあざとさが見える。「完治」を「99%」で誤魔化す子供騙しが拙劣だ。痛みという悩みに引きずられると嘘が見抜けなくなる。

 紹介されているのはテニスボールを使ったエクササイズで、私はやっていないのだがやる価値はあると思う。膝の裏側に挟んで屈伸をしたり、腰の後ろ部分にある仙腸関節を矯正する方法を図示している。

 もう一つはハムストリングスを柔らかくする「8の字体操」である。左右の足を交差させて立ち、左右の手をひねって組み、横8の字を描くように10回まわす。もちろん柔軟性が膝痛を直接解消するわけではないが、体のバランスを調(ととの)える効果は確実にあるだろう。