2011-09-27

緑の雫


 まるで緑の雫(しずく)が滴(したた)り落ちてくるようだ。あるいは飛沫か。マイナスイオンという言葉には科学的根拠がなく、デタラメなマーケティング用語であることは知っているが、写真からは清々しい「気」のようなものが伝わってくる。背景が明るい黄緑で、焦点を合わせたもみじの青葉が暗いのも面白い。通常とは逆のコントラストである。既にYumi氏の画像を何枚もtumblrで紹介しているが、リブログされる率が極めて高い。

green momiji

戦略の誤りは戦術では補えない


 戦術や作戦レベルでの間違いは、方法論のレベルで発生したものなので後とで修正が効く可能性があるが、政治レベルや戦略レベルの間違いは、目的そのもののレベルで発生したものなので、結果としては取り返しのつかないことにつながる。戦略の成功というのは絶対に保証できるものではなく、つねに「政策のセンス」や「軍隊の能力」、そしてその二つの間の「対話」によって左右されるものだ。したがって、良い戦略というのは常にこの「対話」の中から生まれなければならない。

【『戦略の格言 戦略家のための40の議論』コリン・グレイ:奥山真司〈おくやま・まさし〉訳(芙蓉書房出版、2009年)】

戦略の格言―戦略家のための40の議論

戦略と戦術

2011-09-26

少年と語るマスード

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 時系列が定かではないが、いずれも2001年4月4日に撮影されたものだ。「パンジシールの獅子」と恐れられた男の顔が思わず綻(ほころ)んだ。少年は何をお願いしたのだろうか。マスードの周囲にはいつも人がいる。彼は簾(すだれ)の向こう側に鎮座(ちんざ)するようなことがなかった。クリシュナムルティにも共通している点である。

アフガンの英雄アフマド・シャー・マスード/『マスードの戦い』長倉洋海

獅子と呼ばれた男―アフガニスタンからの至急報マスードの戦い (河出文庫)アフガニスタン敗れざる魂―マスードが命を賭けた国ぼくが見てきた戦争と平和

圧迫面接という手法を根絶するための妄想


 圧迫面接をご存じだろうか? 不況時における就職は企業に有利な買い手市場となる。クレーム処理やトラブル対応の能力を問う目的で、威圧的・高圧的・居丈高な質問を面接で繰り返すことを圧迫面接という。

Wikipedia

 株式会社ネットマイルの面接担当者がGoogle+で実況中継をしたらしい。

架空?の「罵倒面接」を実況中継 苦しい弁明を乗り切るお詫びの作法とは
Google+で採用面接を“実況中継”して炎上 社員の投稿をネットマイルが謝罪「架空のもの」
Google+で架空面接“実況”のネットマイル社員、社内処分へ
ネットで男性社員が「採用面接」実況 勤務先は「架空のもの」とした上で謝罪
株式会社ネットマイルの池田達成さん、専門学生(30歳)が面接している様子をGoogle+で実況
株式会社ネットマイルの池田達成、30歳専門学生の採用面接をネットで実況し炎上→嘘でした @netmile1

 実は教員採用試験の面接においても圧迫面接は行われてきた(※都道府県によって異なる)。

恐怖の圧迫面接

 怖そうな試験管に、全くの真顔で最初は、試験管「君の言っていることがわからない」といわれ、次に、試験管「何を言いたいの? 完結に述べて」と吐き捨てられ、最後には、試験管「結局机上の空論なんじゃないの? 現場では無理なんだよ」と怒られた……。

【上記ブログより引用】

 ま、体裁を変えた「いじめ」といってよい。「現場では無理なんだよ」だと? 一体お前らがどんな教育成果を上げたというのだ? 選ぶ側の傲慢さが全開となっている。

 暴力が容認される世界では暴力で対抗するしかない。これが私の持論だ。プーラン・デヴィを見よ。

両親の目の前で強姦される少女/『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ

 私はスーザン・ソンタグよりも積極的に暴力を容認する立場だ。欧米が世界を牛耳っている間は。

 では早速、教員採用試験を妄想してみよう。

「あなたが尊敬する人物は?」山口二矢〈やまぐち・おとや〉です。

Assassination of Asanuma

浅沼稲次郎暗殺事件(1960年10月12日)

 青年は圧迫面接を伏し目がちで無言のままやり過ごす。

「そんな姿勢じゃ、現場では無理なんだよ!」と罵声が響き渡る。合図を待っていたかのように青年は立ち上がり、座っていたイスを振りかざす。怒鳴った男の口は半開きで震えている。青年は居並ぶ連中を見下ろしながら「静かにしていてください。声を上げてはいけません」と言うなり、イスを男の頭部に叩きつけた。

 中年の女性が失禁した。「今から私の言う通りにしてください。そうでなければ、この男性と同じ目に遭わせます。いいですね」。青年は全員の身分証明証と免許証を携帯電話で撮影した。続いて携帯電話を渡し、一人ひとりに住所と電話番号を言わせた。自宅の留守番電話に録音したのだ。

 イスを元に戻し、再び腰を掛けた。パックリと開いた男の頭部から青年の足元まで血が流れていた。

「さて皆さん、こうしたことが教育現場で起きたら、どのように対応するのか見せてください」
「また、あなたたちが圧迫面接という形で行使する暴力と、私が振るった暴力との違いを教えてください」

「わ、わ、わたしたちは教育委員会の指示に従っているだけです」。そう答えた男の腕をつかみ、青年は彼の小指を捻(ひね)り上げた。乾いた小枝の折れるような音がした。男は指をかばいながら低い声で泣き出した。

「確か、ナチス高官のアドルフ・アイヒマンも裁判で同じことを言ってましたね。その答えは不合格です」

 青年は胸ポケットからアイスピックを取り出した。「私が不採用になるのは一向に構いません。ただ、皆さんがこれ以上、圧迫面接を続けるようでしたら、このアイスピックがあなた方の心臓に突き立てられると思ってください」

 彼は何事もなかったように面接会場を去っていった。(完)

 なお教員採用試験における圧迫面接は2011年度から殆ど行われていないようである。テロが起こる前でよかったね。

面接官「我社であなたを採用するとして、我社にどんなメリットがありますか?」 俺「ぐぬぬ……」



先ず隗より始めよ/『楽毅』宮城谷昌光

2011-09-25

行動


「うまくいかないかもしれないけど、いくかもしれない。とにかく、やってみることだわ」

【『レイチェル・ウォレスを捜せ』ロバート・B・パーカー:菊池光〈きくち・みつ〉訳(ハヤカワ・ノヴェルズ、1981年/ハヤカワ文庫、1988年)】

レイチェル・ウォレスを捜せ (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)