2013-06-03

『歴史の終わり』フランシス・フクヤマ:渡部昇一〈わたなべ・しょういち〉訳(三笠書房、1992年/新装版、2005年)

歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間歴史の終わり〈下〉「歴史の終わり」後の「新しい歴史」の始まり

 なぜ今一つの歴史が終わるのか! 幻想のうちに崩壊した「自由の王国」。社会進歩のメカニズムと新しい歴史を創造させるエネルギーとは。現代史を総括する歴史的教訓。

 これから歴史はどう進展するのか。特に本書の結末に示された「指導原理」は、欧米とは異質な歴史背景をもつ日本人にはきわめて重要だ。

 かつて、これほど世界中で話題をさらった歴史書はない。人間の可能性とゆくえを鋭く示唆し、実に歯ごたえのある本だ。いまの日本人にとって一番必要なのは、この本で説く「気概」ではなかろうか――訳者・渡部昇一

2013-06-02

『豆腐屋の四季 ある青春の記録』松下竜一(講談社文庫、1969年/講談社文芸文庫、2009年)

豆腐屋の四季 ある青春の記録 (講談社文芸文庫)

 泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん――零細な家業の豆腐屋を継ぎ病弱な体を酷使する労働の日々、青春と呼ぶにはあまりに惨めな生活の中から噴き上げるように歌は生まれた。そして稚(おさ)ない恋の成就……1960年代の青春の煌(きらめ)きを刻印し、世代を超えて読み継がれた本書には、生涯、命と暮しを侵す権力に筆と肉体で闘いを挑み続けた作家の揺るぎない「草の根」の在り処が示されている。

2013-06-01

Kenyan High School High Jump (OFFICIAL)


 若者よ跳べ。徹底して重力に抗(あらが)え。




Young Man - Mr. Israel - Kalenjin Song

2013-05-29

目撃された人々 37


2013-05-28

Danang International Fireworks Competition 2013


 微速度撮影の動画が好きだ。不思議なほど好きだ。人生の縮図と思えてならないからだ。「自我と反応に関する覚え書き」でも紹介した。まるで走馬灯のようだ。人の一生は花火みたいなものかもしれない。ってなわけで花火の動画を(笑)。これ、ズルいよね。効果音と音楽が絶妙だもの。わずか1分30秒でめくるめく変化を堪能できる。せわしないコマ送りの中で人々が悩んだり苦しんだり考えたり祈ったりしていることが信じられなくなる。

Danang International Fireworks Competition 2013 from Rob Whitworth on Vimeo.

藤原正彦


 1冊読了。

 18冊目『心は孤独な数学者』藤原正彦(新潮社、1997年/新潮文庫、2000年)/記憶に残る文章をいくつか見つけたのだが多分初めて読む。ひょっとしたら『天才の栄光と挫折 数学者列伝』と部分的に重複しているのかも。ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの3人を取り上げたエッセイ。『天才』と比べると文章にムラがある。ま、それでも面白いのだけれど。藤原の特長は数学者としての合理性と日本人的感情の激しさにある。新田次郎と藤原ていを知る人であれば、彼の文章にご両親の面影を浮かべることだろう。性格はややお母さん似か。日本人であるがゆえにアウトサイドから偉人を見つめることが可能となった。そして数学者としての共感や羨望が絶妙なアクセントを奏で、旅情の色彩を濃いものにしている。