2014-09-23

ヒップホップの鎮魂歌(レクイエム)


「Def Tech - いのり feat. SAKURA」は25歳で亡くなった日本を代表するサーファー佐久間洋之介を、「DJ KRUSH - Candle Chant (A Tribute) feat.BOSS THE MC」は24歳で亡くなったラッパーのラフラ・ジャクソンを歌った曲だ。そして2Pacは友人であったマイク・タイソンの試合を観戦した帰りに銃撃を受け死亡した。まだ25歳だった。「死を悼(いた)む」営みこそ真の優しさである。亡き友が思い出されてならない。「Life goes on」を聴くと私の心臓は本当に鼓動が激しくなる。





佐々淳行、沢木耕太郎


 2冊読了。

 65冊目『インテリジェンスのない国家は亡びる 国家中央情報局を設置せよ!』佐々淳行〈さっさ・あつゆき〉(海竜社、2013年)/菅沼光弘の発言(「謀略天国日本 日本は情報戦をどう戦うか?」か「さようなら韓国、さようなら戦後体制」のどちらか)を確認するために読んだ。「瀬島龍三はソ連のスリーパー(潜伏スパイ)だった」。確かに書いてあった。瀬島は伊藤忠商事会長を務め、中曽根首相のブレーンにまでなった人物だ。最大の仕事は東芝機械ココム違反事件(1987年)で、規制されていた工作機械をソ連に輸出し原子力潜水艦のスクリュー音を静かにすることが可能となった。瀬島は誓約引揚者だった。後藤田正晴のもとで八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をする姿を赤裸々に綴っており、佐々はフレデリック・フォーサイスの小説にまで登場している。こんな凄い人物だとは思わなかった。

 66冊目『』沢木耕太郎(新潮社、2005年/新潮文庫、2008年)/山野井泰史・妙子夫妻を描いたノンフィクション。かつてテレビ番組で紹介されていたので粗筋は知っていた。夫婦ともに世界トップクラスのクライマーである。どれどれと思いながら開いてみたところ、一日半で読み終えてしまった。8000メートルをわずかに下ることから今まで注目されてこなかったエベレストに連なるギチュンカンへの無酸素アタック。『神々の山嶺』そのままの世界だ。山野井泰史が単独で制覇。下山の際に夫妻は雪崩に襲われる。衝撃で二人は目が見えなくなる。素手でクラックをまさぐり、1本のハーケンを打ち込むのに1時間を要した。ロープだけのブランコ状態でのビバーク、ライターを落とし手袋まで落としてしまう。それでも二人は生還した。後日譚がまた泣かせる。山野井夫妻ほど自由に人生を謳歌している人物を私は知らない。

2014-09-20

岩本沙弓


 1冊読了。

 64冊目『マネーの動きで見抜く国際情勢 経済メカニズムの“ウラ・オモテ”』岩本沙弓〈いわもと・さゆみ〉(PHPビジネス新書、2010年)/好著。岩本の近著よりもいいように感じた。『円高円安でわかる世界のお金の大原則』を読んだら本書に進むのが望ましい。実体経済がなぜ金融経済に振り回されるのかがよくわかる。今年は岩本沙弓と渡邉哲也を集中的に読んできたが、二人の意見が政治に反映されれば日本の現状はいくらでも打開できることだろう。

颯爽と飛び立つオウム