何が魔女狩りを終わらせたかについては、いまだに決定的な学説がない。近代科学と言いたいところだが多分違う。私はキリスト教における「大覚醒」が魔女狩りを葬ったと考えている。つまり科学的合理性よりも、信仰に基づくプラグマティズムが人々の思考回路を変えたのだ。
人間の脳は物語に支配されているため、集団力学に従うことを合理性と錯覚する癖がある。人間が科学的合理性を重んじるのであれば、近代科学の台頭が教会を滅ぼしていたはずだ。しかしながら脳を支配しているのは感情である。なぜなら言語機能は後になって獲得されたものであるからだ。
こう考えると魔女狩り終焉からアメリカ支配の時代までが一本の線上に浮かんでくる。
宗教次元ではプロテスタントが生まれたわけだが、世界構造としてはプラグマティズムに重きを置くべきだろう。すなわち、イギリス産業革命(1760年代)-ロスチャイルド家の金融基盤確立(ネイサンの逆売り、1815年)がプラグマティズムの端緒となり、魔女狩りを終わらせたのだ(と言い切ってしまうぞ)。
近代の幕が開くと、金融という舞台で消費者が民主主義の劇を演じていた。監督:アメリカ合衆国、演出:ユダヤ資本、脚色:ルパート・マードック、協力:ハリウッド――そんなクレジットが浮かんでくる。
問題は実利を重んじるプラグマティズムでさえ、キリスト教から脱却することができなかったという歴史的事実だ。多分、「働かざる者食うべからず」という価値観がマッチしたためだろう。
プラグマティズムを打ち破る概念を探る必要がある。
・「キリスト教征服の時代」から脱却する方途を探る
・魔女狩りの環境要因/『魔女狩り』森島恒雄
・魔女は生木でゆっくりと焼かれた/『魔女狩り』森島恒雄
・人間は偶然を物語化する/『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
・視覚の謎を解く一書/『46年目の光 視力を取り戻した男の奇跡の人生』ロバート・カーソン
・アニミズムという物語性の復権/『ネイティヴ・アメリカンの教え』写真=エドワード・S・カーティス
・黒人奴隷の生と死/『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』猿谷要
・マネーと民主主義の密接な関係/『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった』天野統康
・シオニズムと民族主義/『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』高橋和夫
・ネイサン・ロスチャイルドの逆売りとワーテルローの戦い/『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』宋鴻兵
・化物世界誌と対蹠面存在否定説の崩壊/『科学と宗教との闘争』ホワイト:森島恒雄訳
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