私に付いてきた入植地の男の子に聞いた。イェディディヤ・ベインツハック、10歳である。
――もっと静かな暮らしをしたいと思うかい。
「うん」
――それには、どうしたらいい?
「アラブ人をここからおっぽりだしてしまえばいいのさ」
――でも、ここに住んでいるユダヤ人は400人で、アラブ人は12万人なんだよ。どうやってアラブ人を追い出すつもりだい?
「やり方は、いろいろあるさ。例えば、みなが逃げて行くように、何人か殺してやるとか」
――でも、人を殺すのはいいことかい?
「人を殺す奴を殺すのは、いいことさ」
――でも、みなが人殺しというわけじゃないよ。
「みなが、その共犯者さ」
【『パレスチナ 新版』広河隆一〈ひろかわ・りゅういち〉(岩波新書、2002年)】
・パレスチナ人女性を中傷するイスラエルの若者たち
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