2011-09-09

伝統と調和


 アフガニスタンは長老、部族長、封建地主、ムラー(イスラム僧)などの年長者に支配された社会であった。だが、戦争が新陳代謝を促し、いま確実に世代交代が行われ、各地にマスードのような若い司令官が続々と生れている。彼も老人たちを無視しようと思えばできるのだが、長老たちに敬意を払い、彼らの面目を保てるようにしている。彼はいう。
「彼らとの関係は大変よいし、若いから力があるからと鼻を高くすべきでない。いつも年寄りを大切にする。革命とは年寄りに成果を見せるものでもある。いまは革命中です。そして彼らの経験やヒントを聞いて、それを時代に合わせて取り入れていく」

【『マスードの戦い』長倉洋海〈ながくら・ひろみ〉(河出文庫、1992年/『峡谷の獅子 司令官マスードとアフガンの戦士たち』朝日新聞社、1984年に一部加筆)】

マスードの戦い (河出文庫)

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アフマド・シャー・マスードの思い出

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