2011-09-03
グレッグ・モーテンソン
1冊読了。
60冊目『スリー・カップス・オブ・ティー 1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族』グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリヴァー・レーリン:藤村奈緒美訳(サンクチュアリ出版、2010年)/アメリカで360万部を突破したベストセラーだけのことはある。一気読み。K2登頂に失敗した登山家が、その後パキスタンの山間部に学校を建てる話だ。9.11テロ~アフガニスタン紛争も描かれている。マスードの名前も何度か出てくる。グレッグ・モーテンソンは中央アジア協会の会長となり、本書が刊行された時点で何と53もの学校を建設した。中村哲との併読を勧める。厳選120冊に追加した。
連合型失認の患者は視覚体験に意味を付与することができない/『もうひとつの視覚 〈見えない視覚〉はどのように発見されたか』メルヴィン・グッデイル、デイヴィッド・ミルナー
つまり、連合型失認の患者は、視覚体験は問題ないが、その体験に意味を付与することができない。これがどのようなものかを想像するには、ふつうの西洋人が漢字を前にしてどう感じるかを考えてみてほしい。
【『もうひとつの視覚 〈見えない視覚〉はどのように発見されたか』メルヴィン・グッデイル、デイヴィッド・ミルナー:鈴木光太郎、工藤信雄訳(新曜社、2008年)】
とすると「見る」行為は「読み解く」能力を意味する。連合型視覚失認と関連性があるかどうかはわからないが、長期間にわたって眼の不自由な人が手術で見えるようになると様々な視覚障害が報告されている。彼らは錯視画像を見ても錯覚することがない。また顔の表情も認知できない。
失認は心理レベルにおいて数多く見受けられる。先入観や差別意識に染まった人は物事を正しく見ることが極めて困難である。
同じ本を読んでも感じ取るものは人によって千差万別である。感受性の乏しい人は意味の浅い世界で生きているのだろう。
「悟る」とは「見える」ようになることである。ウロコだらけの目に真実は映らない。
2011-09-02
公民権運動の母ローザ・パークスが乗ったバス
・公民権運動の母ローザ・パークスが乗ったバス
・『奴隷船の世界史』布留川正博
ローザ・パークスは当時42歳。そして牧師に着任して間もないマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが立ち上がった。キング牧師は26歳であった。
・公民権運動
・日米同時バス内差別
・クー・クラックス・クラン(KKK)と反ユダヤ主義
・エリザベス・エックフォードを罵ったヘイゼル・ブライアント
・モンゴメリー・バス・ボイコット事件の歴史的意味
・キング牧師「私には夢がある」演説から50年
2011-09-01
ルワンダ大虐殺を扇動したラジオ放送
ハビャリマナにとってアルーシャ協定が政治的な自殺に等しい、というのは事実だった。フツ至上主義党の指導者たちは裏切りだと叫び、大統領その人が同調者になったと告発した。アルーシャ協定の署名から4日後、アカズのメンバーと友人から出費を受けた千の丘の自由ラジオ(ラジオ・テレヴィジョン・リブル・デ・ミル・コリン/RTLM)がジェノサイドのプロパガンダ専門局としてキガリから放送をはじめた。
そうした(※ラジオからの)メッセージ、そして社会のあらゆる階層の指導者たちからの命令によって、ツチ族の虐殺とフツ族反体制派の暗殺は各地に広がっていった。民兵たちの手本にならい、フツ族は老いも若きも仕事にとりかかった。隣人が隣人を自宅で切り刻み、同僚が同僚を職場で切り刻んだ。医師が患者を殺し、教師が生徒を殺した。多くの村ではわずか数日でツチ族の人口がほぼゼロになった。キガリでは、囚人たちが釈放されて労働班を編成され、道路沿いにならぶ死体を片づけた。虐殺にともなうレイプと略奪がルワンダじゅうに広がった。酔っぱらった民兵集団は薬品店から略奪したドラッグで景気をつけ、虐殺から虐殺へと駆けまわった。
【『ジェノサイドの丘』フィリップ・ゴーレイヴィッチ:柳下毅一郎〈やなした・きいちろう〉訳(WAVE出版、2003年)】
・ルワンダ大虐殺の爪痕
・強姦から生まれた子供たち/『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク
母の胸に抱かれながら死んでいったパレスチナの少年
私は心の底からイスラエルを憎む。私は忘れない。血にまみれて母親にしがみつく少年の姿を。眼の前で我が子を奪われた母親の悲しみを。
・自爆せざるを得ないパレスチナの情況/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理
登録:
投稿 (Atom)