2014-07-24
ジョン・クラカワー著『信仰が人を殺すとき』が文庫化
「彼らを殺せ」と神が命じた――信仰とはなにか? 真理とはなにか? 1984年7月、米ユタ州のアメリカン・フォークで24歳の女性とその幼い娘が惨殺された。犯人は女性の義兄、ロナルド・ラファティとダン・ラファティであった。事件の背景にひそむのは宗教の闇。圧巻の傑作ノンフィクション、ついに文庫化。
弟の妻とその幼い娘を殺害したラファティ兄弟は、熱心なモルモン教信徒であった。著者はひとつの殺人事件を通して、その背景であるモルモン教とアメリカ社会の歴史を、綿密かつドラマチックにひもといてゆく。人間の普遍的感情である信仰、さらには真理や正義の問題を次々突きつけてくる刺激的傑作。
・モルモン教の創始者ジョセフ・スミスの素顔
・モルモン教の経典は矛盾だらけ
・モルモン教原理主義者と一夫多妻制
借金人間(ホモ・デビトル)の誕生/『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
・「腐敗した銀行制度」カナダ12歳の少女による講演
・30分で判る 経済の仕組み
・「Money As Debt」(負債としてのお金)
・『サヨナラ!操作された「お金と民主主義」 なるほど!「マネーの構造」がよーく分かった』天野統康
・『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
・借金人間(ホモ・デビトル)の誕生
・『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン
・『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
・必読書リスト その二
「負債は、支払い終えることのできない債務者と、汲めどもつきぬ利益を得つづける債権者という関係となる」(ニーチェ)
人類の歴史において〈負債〉とは、太古の社会では「有限」なるものであったが、キリスト教の発生によって「無限」なるものへと移行し、さらに資本主義の登場によってけっして完済することのない〈借金人間〉が創り上げられたのである。
【『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート:杉村昌昭訳(作品社、2012年)以下同】
富の源泉は負債である。実に恐ろしいことだ。現代社会において経済に無知な者はいかなる形であれ必ず殺される。少しずつ。
この主題の核心にある“債権者/債務者”関係は、搾取と支配のメカニズムやさまざまな関係性を横断して強化する。なぜならこの関係は、労働者/失業者、消費者/生産者、就業者/非就業者、年金生活者/生活保護の受給者などの間に、いかなる区別も設けないからである。すべての人が〈債務者〉であり、資本に対して責任があり負い目があるのであって、資本はゆるぎなき債権者、普遍的な債権者として立ち現れる。新自由主義の主要な政治的試金石は、現在の“危機”がまぎれもなく露わにしているように、今も“所有”の問題である。なぜなら“債権者/債務者”関係は、資本の“所有者”と“非所有者”の間の力関係を表現しているからである。
公的債務を通して、社会全体が債務を負っている。しかし、そのことは逆に【不平等】を激化させることになり、その不平等は、いまや「階級の相違」と形容してもいいほどのものになっている。
借金がないからといって胸を撫で下ろしてはいけない。税という名目で我々全員に債務が押しつけられているのだ。収奪された税金は富める場所を目指してばら撒かれる。
もしも完璧な政府が生まれ、完璧な税制を行えば、支払った税金は100%戻ってくるはずだ。否、乗数効果を踏まえれば増えて戻ってくるのが当然である。
・政府が100万円支出を増やせば、GDPが233万円増えるということになる/『国債を刷れ! 「国の借金は税金で返せ」のウソ』廣宮孝信
・乗数効果とは何だろうか:島倉原
国家や地方の予算で潤っている連中が存在する。それを炙(あぶ)り出すのがジャーナリズムの仕事であろう。天下り法人についても追求が甘すぎる。
・官僚機構による社会資本の寡占/『独りファシズム つまり生命は資本に翻弄され続けるのか?』響堂雪乃
日銀によるドル円の為替介入もアメリカに対する日本からの資金提供と見ることができる。利益が出ているにもかかわらず、東日本大震災の被災者を支援するために使われなかった。つまり利益を確定することができないのだろう。意外と知られていない事実だが、アメリカの不動産バブルを全面的に押し上げたのもゼロ金利のジャパンマネーであった。
相次ぐ金融危機は、すでに出現していた【ある主体の姿】を荒々しく浮かび上がらせたが、それは以後、公共空間の全体を覆うことになる。すなわち〈借金人間〉(ホモ・デビトル)という相貌である。新自由主義は、われわれ全員が株主、われわれ全員が所有者、全員が企業家といった主体の実現を約束したのだが、それは結局、われわれをアッという間に、「自らの経済的な運命に全責任を負う」という原罪を背負わされた〈借金人間〉(ホモ・デビトル)という実存的状況に落とし入れた。
〈借金人間〉(ホモ・デビトル)――恐ろしい言葉だ。資本主義は遂にホモ属の定義をも変えたのだ。間もなくDNAも書き換えられることだろう。人類は生存率を高めるために、その多くを働き蜂や働き蟻のように生きることを指示し、一握りの女王蜂や女王蟻のみが自由を享受する社会が出現しつつある。
カネが人を狂わせる、のではない。カネは人類をも狂わせるのだ。資本主義は有限なるものを奪い尽くす。エネルギーや食糧が不足した時、人類は滅びる運命にある。今からでも遅くないから、火の熾(おこ)し方や食べられる植物の見分け方を身につけておくべきだろう。
・信用創造の正体は借金/『ほんとうは恐ろしいお金(マネー)のしくみ 日本人はなぜお金持ちになれないのか』大村大次郎
不動産屋の原状回復詐欺に気をつけろ
原状回復とは【賃貸トラブル解決】 http://t.co/b1fwCKOB30
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
裁判事例原状回復特約は消費者契約法 10 条により無効(PDF) http://t.co/8ycybxwPTU
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
原状回復・原状回復義務・原状回復ガイドラインとは?-賃貸経営博士- http://t.co/Sp5dnyEYrj
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
不動産屋の原状回復詐欺に気をつけろ。
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
再度紹介。/不動産屋がなりふり構わず敷金を返そうとしない件について - 関内関外日記 http://t.co/y61p9NsDD0
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
これまた再び。/知らないと損すること。知っていると得をすること。 : 投資十八番 http://t.co/JWc60RrhQk
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
これも。/知らないと損!敷金を全額取り戻せる意外なコツが判明【1/3】 http://t.co/iQRCI17Y23
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
これまた再度紹介。/家賃の「契約更新料」はタダになる!? | 日刊SPA! http://t.co/S4PC1US8an
— 小野不一 (@fuitsuono) 2014, 7月 22
2014-07-22
過去40年にわたって蓄積されてきた負債は返済されない/『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン
・『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
・過去40年にわたって蓄積されてきた負債は返済されない
・『〈借金人間〉製造工場 “負債”の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
経済史とは、マネーの特性を戦場とする債務者と債権者の戦いの歴史であり、現在の危機はその最新の小競り合いにすぎないお見事。資本主義の本質は債権と債務にある。金を融通すると書いて金融とは申すなり。借金こそが資本主義の生命線だ。もちろん返したり返せなかったりするわけだがマネーが消えることはない。誰かが損失を被ったとしても投資されたマネーは経済市場の中を移動してとどまることがない。
【『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン:松本剛史〈まつもと・つよし〉訳(日本経済新聞社、2012年)以下同】
人生の大切な時期に、人は借金をする。子供の教育費を支払うため、耐久消費財や持ち家を買うために、負債を抱える。国が借金をするのは、われわれ国民が進んで納める税金の額が国民の望む公的支出の総額になかなか見合わないためだ。
負債(debt)の別名「クレジット」(credit)はラテン語の credere (信じる)に由来する。お金の貸し借りとは、信用(クレジット)と信頼(コンフィデンス)の両方から成る行為だ。貸し手は、借り手がお金を返してくれることを信じなくてはならない。家を買う人が、賃貸よりもローンを借りるほうを選ぶのは、住宅の価格が上がるという信頼があるためだ。銀行は顧客がクレジットカードを使って借金を増やしていくのに任せる。顧客が元本と利子を返済するという信頼があるからだ。
これを与信という。現代社会における信用とは「いくら借金ができるか」(与信枠)を意味するのだ。
過去40年にわたって蓄積されてきた負債は、もはや全額を返すことはとうてい不可能だし、実際に返済されもしないだろう。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルの債務危機は、単なる始まりにすぎない。いくつかの国、特にヨーロッパの経済情勢の悪化の原因は、人口の高齢化にある。労働者の数に対する引退者の数の割合がどんどん大きくなっているのだ。その結果、こうした国では、収入増加のペースが負債の利子の増加に追いつかなくなる。そして形式的なデフォルト、つまり借り手が負債の一部だけを返す、もしくは事実上のデフォルト、つまり通貨切り下げやインフレによって購買力を失った通貨で返済するといった事態が起こる。今後10年間の経済と政治は、この問題を中心に展開していくだろう。そして最も大きな痛手を被るのはどの社会階級、どの国になるかといったことが論じられていくだろう。
新自由主義が世界を席巻してからというもの、明らかに雇用の質が低下している。昨今のマーケットはアメリカの雇用統計に過激な反応を示すが、アメリカの失業率は求職者だけが分母となっていて、パートタイマーが増えても失業率は改善されたことになる。先進国の国内格差は拡大する一方で中流階級の没落が顕著だ。
大きすぎて潰せない企業には税金が投入される。負担するのは国民だ。つまり可処分所得が低下する中で税負担は増え続ける。これが負債の本質だ。企業は利益を出しても設備投資を手控え、内部留保や配当に回しているのは世界的な傾向だ。富は持てる者に集中し、持たざる者には負担だけが押し付けられる。
金融緩和が通貨の切り下げである。マネーストックが増えるのだから当然マネーの価値は下がる。で、物の価値が上がるかといえば中々上がらない。インフレは借金を相対的に減らす。ところがどっこいアメリカやEUはデフレに向かいつつある。
膨大なマネーが津波を起こすのも時間の問題だ。資産家の資産価値が激しく下落すれば、少しはまともな世界となることだろう。
登録:
投稿 (Atom)