・民主的な議員選出法とは?
・統治形態は王政、貴族政、民主政
・現在の議会制民主主義の実態は貴族政
・真の民主政とは
・理性の開花が人間を神に近づけた
・選挙と民主政
・貴族政=ミシュランガイド、民主政=ザガットサーベイ
・『悪の民主主義 民主主義原論』小室直樹
代議制民主主義の定義に従えば、選挙で選ばれた者の発言力が大きければ大きいほど、その社会は民主的だということになり、選挙で選ばれてもいない者の圧力が幅を利かせるような社会は、極めて非民主的だということになる。国王であれ貴族であれ資本家であれ労働組合であれ宗教団体であれ市民団体であれ、選挙で選ばれてもいない者が、選挙で選ばれた者たち以上の発言力を持つのであれば、そもそも普通選挙で代表者を選ぶ意味など全くないのである。
もちろん、それらの意見や立場を無視してよいというのではない。だが、選挙で選ばれた者たちが決定し、全体の奉仕者がそれを実行するという原則だけは、最大限に尊重されなければならないのである。
【『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう』薬師院仁志〈やくしいん・ひとし〉(PHP研究所、2008年)】
それを書いた薬師院仁志が朝まで生テレビで橋下徹大阪市長(当時)に噛み付いたのには驚かされた(【朝生】に見る左翼知識人の無知と無恥 橋下改革断固支持: 依存症の独り言)。薬師院は左翼である。著書に『社会主義の誤解を解く』(2011年)があることからも明らかだ。
薬師院が民主政を説くところに彼の二段階革命を推進する意志を見る。つまり共産党支持者であることが自動的に導かれる。
「社会主義の誤解を解く」のは勝手だが、社会主義国家が数千万単位で同胞を殺戮してきた事実は動かない。スターリン、ヒトラー、毛沢東、ポル・ポトの罪を彼はどう捉えているのか?
社会主義は失敗した。左翼はその失敗から何一つ学ぼうとしない。その硬直した思考が時代から取り残されてゆく最大の原因だ。
上記テキストは正しいのだが、薬師院の立ち位置からすると「党の方針に逆らうな」という共産党的エトスに過ぎない。