2019-11-09

給食革命/『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯

 ・給食革命

『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『小麦は食べるな!』ウイリアム・デイビス
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『DNA再起動 人生を変える最高の食事法』シャロン・モアレム
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲
『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
『心と体を強くする! メガビタミン健康法』藤川徳美
『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』溝口徹
『食事で治す心の病 心・脳・栄養――新しい医学の潮流』大沢博
『オーソモレキュラー医学入門』エイブラハム・ホッファー、アンドリュー・W・ソウル
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 子どもたちの、こんな現状(※朝食抜き、コンビニ弁当、レトルト食品、菓子パンなどが中心の食生活)が分かってきました。(中略)
「家庭で難しいなら、学校で食を変えるしかない」と、私は一大決心せざるをえなくなりました。家庭で食べないものを、学校で食べさせるしかありません。ともかく子どもたちのためには、食を変えなければならないのです。

【『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平(コスモトゥーワン、2012年)以下同】

 北野本で知った一冊。印象が深かったようで近著でも取り上げられている。安部司著『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(本書では「阿部司」と誤表記)を引用しているあたりが危ういが(松永和紀〈まつなが・わき〉著『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』で論破されている)感動的な手記である。大塚貢は長野県の中学校で校長を務めた人物。

 校内の廊下がオートバイのブレーキ痕だらけで、教員が1時間も広い続けると煙草の吸い殻がバケツ一つ集まったというのだから、相当荒れた中学である。大塚はまず授業改革から手をつけた。あまりにも魅力に乏しい授業がまかり通っていた。次に子供たちの食生活を調べた。そしてここから給食革命を起こすのである。

 それで私は、1週間の5食すべてを米飯に切り替えることを決断しました。

 すると少しずつ、やがてはっきりと、子どもたちに変化が見えてきたのです。
 まずは「読書の習慣」です。荒れているときには、子どもはとうてい本を読む気になりません。ところが給食内容を変えてしばらくしたころ、休み時間になると、子どもたちがみな図書室に行って本を読むようになりました。
 給食が済むと、争うようにして本を読んでいます。図書室に120ある椅子が、瞬く間に生徒で一杯になりました。
 椅子が満席になると、床に腰を下ろして読んでいます。床が一杯になれば、廊下に出ても読んでいます。これは、なかなか感動的な光景でした。食の改善による影響が大きかったと思います。(中略)
 ところで1951年に始まった読売新聞社の「全国小・中学校作文コンクール」をご存じの方も多いでしょう。米飯給食に変えてから起きたもう1つの変化は、生徒がこのコンクールに参加して、特に指導もしないのに、毎年のように全国で1位か2位に入選するようになったことです。
 子どもたちの文章力がしっかり向上していました。1位、2位に入選した子どもの作文は高度で、大人の私が読んでも筋がじつに複雑でした。

 何気ない文章で驚くべき事実が記されている。にわかには信じ難いという人も多いことだろう。だが噛む力が脳を活性化させ、栄養分が体に行き届けば情報に対する感度が上がることは何となく理解できよう。食は人を変える。なぜならマイクロバイオータ(微生物叢)が生まれ変わるためだ。

 大塚は詳しいことは書いていないが、給食革命は生易しい仕事ではなかったことだろう。父兄からも反対され、中には教育委員会に密告する人もいたようだ。そして荒れた生徒たちが大人しく従うはずもない。しかし校長の子供を思う一念が岩をも貫いた。その後花壇作りも推進し、学校全体が生まれ変わってゆくのである。

 本書はパンや出来合いの食品に批判的な姿勢を堅持しているため、製パン企業や食品メーカーの広告を掲載する新聞やメディアからは無視されたことと推察する。既に品切れとなっているが再販も難しいように思う(Kindle版はある)。それでも心ある教育者は本書を入手し、給食をパンから米に変える努力を惜しむべきではない。もともと給食でパンが提供されるようになったのはGHQがアメリカの余剰小麦を無償提供したことから始まる。アメリカは余剰農産物に困り果てていた。敗戦後の日本はこれを断るはずがない。そして数年後、無償提供を打ち切りまんまと日本政府にアメリカ産の小麦を買わせるようになった。アングロサクソンの手口はことごとくこのようなものだ(『アメリカ小麦戦略 日本侵攻』高嶋光雪、1979年/『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』鈴木猛夫、2003年)。

 食料安全保障の視点からも米の消費を増やすことは喫緊の課題である。給食すべてを米飯にすれば相当改善できることだろう。



2019-11-08

衛生仮説から旧友仮説に/『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン


『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『脳はバカ、腸はかしこい』藤田紘一郎
『免疫の意味論』多田富雄

 ・衛生仮説から旧友仮説に
 ・現代病(21世紀病)の原因はヒトマイクロバイオームの乱れ

・『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか』イーサン・ウォッターズ
・『失われてゆく、我々の内なる細菌』マーティン・J・ブレイザー
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー

 衛生仮説は「旧友仮説」に更新された。(149ページ)

【『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン:矢野真千子〈やの・まちこ〉訳(河出書房新社、2016年)】

 アトピーを始めとするアレルギー疾患は住宅の密閉度が高まったことと、過度の清潔な環境が原因と考えられてきた(衛生仮説)が、実は親から譲り受けるマイクロバイオータ(体内の微生物叢)の減少(旧友仮説)によることが判明しつつある。出産時の消毒や幼少期に抗生物質を投与することで減菌されることが原因だ。「飲食」のカテゴリーも「腸内細菌の活性化」というテーマで括ることができる。

 更に守備範囲を広げると、『土と内臓 微生物がつくる世界』デイビッド・モントゴメリー、アン・ビクレー→『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』藤井一至まで手が届く。

 要はこうだ。現代人の腸内環境は農薬(殺虫剤)や化学肥料で汚染された土壌のように荒廃している。更に人体の政治システムが脳による独裁ではなく、マイクロバイオームの共生という民主政に支えられえていることまで明らかにしている。

 日本の文化でいえば幕府=脳、天皇=腸と言い得るかもしれない。




 本書で紹介されている「AO+リフレッシュ・コスミック・ミスト」の関連リンクを貼っておく。消臭剤を使う人ほど体臭が強くなるという。AO+は細菌を肌に吹きつけることで健康な状態を保つ。無臭。アメリカの許認可が化粧品となっているが薬品と考えてよかろう。皮膚の疾患・トラブルは免疫が過剰に反応している可能性が高い。値が張るのが難点だ。

風呂いらず?!「皮膚に吹きかけるバクテリア」で臭わなくなる
待ってたぞ!Mother Dirtから肌に付けるバクテリアが届いた! - ヒフ・ファイター
 米amazonだと49.95ドルだが、Qoo10だと8890円

2019-11-03

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2019-11-02

本物の野菜は腐らずに枯れる/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 野菜であっても、自分の役割を終え、次の世代に命をリレーするのであれば、自らが持っている栄養素である窒素やミネラルを水分とともに排出し、【枯れて】いくはずです。枯れてしまえば、植物は腐敗することはありません。野菜ももちろん同じです。腐敗せず、枯れていくのが自然界の掟なのです。
 しかし、なぜか野菜だけはキッチンで腐敗していく姿をよく見ます。これは大変不自然なことです。空気中にある真菌が野菜に付着し、黴が増え、腐敗臭を発しながら朽ちていくのは、実は不自然なのです。腐敗する原因はいったい何なのか。僕もこのことを色々と考えてきました。これに関しては、これぞ正解という答えはなかなか存在しません。でも、そのなかでもいくつか推測できることはあります。
 ひとつは水分量でしょう。水分量が多すぎると野菜は腐敗してしまいます。生ゴミが腐敗するのも水が原因です。水や湿気が真菌を増殖させるからです。ではなぜ水分量が多いのか。それはおそらく、化学肥料を吸収する時に、水分を一緒に吸収しているからではないかと想像しています。本来ならば、菌根菌が土壌中の必須(ひっす)元素を植物へと橋渡しするのですが、水に溶けた化学肥料は、水とともに植物のなかに侵入し、自由水を増やしてしまうのです。簡単に言えば水膨れです。それが腐敗への引き金になります。
 他にも、微生物バランスの狂いがあるのではないかと想像しています。特に未発行の家畜排せつ物を使用した肥料の場合、そのなかに棲む微生物は、決して自然界の森や林のなかの微生物バランスとは同じではありません。未発酵有機物や、化学薬品等を分解しようと、自然界ではあまり増えることのない微生物が増えている可能性があります。そうしたバランスの崩れた微生物群によって、想定外の腐敗へと進んでいきます。本来なら動物の排せつ物を朽ちらせ、分解する強い菌が、植物とうい緩(ゆる)やかな分解を好む有機物に取り付いて、通常の分解とは違った、腐敗という方向へと進んでいくのであろうと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 巻頭にカラー写真が配されている。その衝撃が本書を読む推進力となる。私は半世紀以上生きてきたが「枯れた野菜」を見たことがない。「実(み)は腐るもの」と思い込んでいた。この世界は腐敗と防腐剤の二色だけではなかった。ふと木乃伊(みいら)を思った。死を前にして食が細くなってゆくのも自然の摂理にかなっているのだろう。



 防腐剤は微生物を拒む文化といえよう。我々の味覚は既に腐敗を感知し得なくなっている可能性すらある。「鼻が利く」との言い回しはあっても実際は最も退化した感覚が嗅覚なのだ。感度の低い味蕾(みらい)が防腐剤や食品添加物を浴びてどんどん鈍くなってゆく。それどころか食品会社によって合成された味の刺激を好み、自然本来の味では物足りなさを覚えるようになってきた。

 私が子供の時分はまだ栗やクルミを取って食べていた。幼馴染の家にサクランボの大木があり、皆で登って枝に腰を掛けながら舌鼓を打った。上京してからは職人に食べさせてもらった銀杏(ぎんなん)やイチジクの味が忘れられない。イチョウの樹は工場の前にあり、イチジクは近隣のパチンコ店の駐車場からもぎ取ってきたものだった。

 腐敗を止める文明は正しいのだろうか? 老いて枯れるような生き方をすることが可能だろうか? そんなことを思わされる読書体験であった。



野菜の栄養素が激減している/『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修

2019-11-01

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