・『もっと!らくらく動作介助マニュアル 寝返りからトランスファーまで』中村恵子監修、山本康稔、佐々木良
・シーツやバスタオルを使った工夫
《バスタオルでつくる移乗用腰ベルト》
筆者らが簡易に作成した移乗用腰ベルトです。材料は薄手のバスタオルを使用します。最初にバスタオルの対角線の部分を折り返し、それをくるくると巻いて紐をつくります。対角線の部分を折り返すことで、紐は斜め方向に引っ張られ、長く伸びます。また紐の先端に近づくほど細くなるために、結びやすくなります。
【『今日から実践! “持ち上げない”移動・移乗技術』移動・移乗技術研究会編(中央法規出版、2012年)】
家具同様、介護の世界でもやたらと北欧を持ち上げる空気が一部にある。本書で注目すべきはシーツやバスタオルを使った工夫で「なるほど!」と膝を打つほどの説得力がある。立位不安定な要介護者向け。
カネを出せばいくらでもいい製品があるのだが如何せん介護用品は高価だ。動画のマスターベルトは22000円である。とはいえ介護する家族が腰を痛めてしまえばもっと高くつくわけだから、必要な先行投資と割り切ってしまえばそれはそれでいい。
もっと簡単なやり方もあるのだが、要介護者の脚力を維持するためにはやはり立たせるのが一番よい。立てるうちは立つのが基本である。手を拱(こまね)いていると、あっという間に座りきり、寝たきりとなる。