2021-10-21

「NO力」を高める/『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎


『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸
『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康

 ・「NO力」を高める

『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命
必読書リスト その二

 両者(※血管年齢の老若)をよく調べてみると、心臓から全身に至る太い動脈(大動脈)はどちらも年齢相応で、【末端の動脈のしなやかさに大きな差がある】らしいのです。

【『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎〈いけたに・としろう〉(知的生きかた文庫、2014年)以下同】

 いい知らせだ。福音(ふくいん)と言ってよい。大動脈をマッサージすることは難しい。末端であればこそ触れることができる。たぶん凍傷と似たメカニズムなのだろう。人体は内蔵を守るために手足から死なせてゆく。手足がなくとも生きてゆけるが内蔵はそうはいかない。川を考えてもそうだ。氾濫(はんらん)し、堆積(たいせき)し、汚れるのは川下である。

 19世紀の内科医オスラーが【「人は血管とともに老いる」】の名言を残したように、血管の老化は全身の老化の根本的な原因となります。

 若いころは弾力があり、しなやかな血管も、年を重ねるほどに弾力が失われ、硬くなっていきます。残念ですが、これは、自然なことでどんな人も避けられません。
 おそろしいのは、血管が硬くなるだけでなく、血管の内側が盛り上がり、血液の通り道が狭くなって血流が滞るということです。
 これが、いわゆる【「動脈硬化」という血管の老化】です。

 体の内部は見えないからこそ怖い。意識もしにくい。老いは自ずと体に目を向けさせる。肩凝りや躓(つまづ)きに始まり、ビンの蓋を開けることができなくなり、プラスチック袋のノッチも切れなくなってくる。かつては持てた物が持てなくなり、歩けば息が切れ、やがては転んでも手が出なくなる。寝たきりの原因で多いのは転倒による骨折だ。体も心も使わなくなれば廃用症候群となる。

「血管内皮細胞」は血管にとって、とても大切なものです。血液が血管外に漏れ出さないようにしているだけでなく、血圧をコントロールしたり、血管についた傷の修復を促したりする機能も備わっています。
 それらを主に担っているのが「NO(エヌオー/一酸化窒素)です。
「NO」は必要に応じて「血管内皮細胞」から分泌され、【血流をよくしたり、しなやかで弾力のある血管を維持する】ために働いています。【動脈硬化や高血圧の予防】などにもひと役買っています。

 NOの機能がわかったのは1980年代だという。私も初耳だ。外部のNOは毒なのに、内部のNOが薬として働くのが不思議である。

「NO」のもっともわかりやすい働きは、【「動脈を拡張させて」「血液の流れをよくし」「血圧を安定させる」】ことです。

 文句なしだ。私の苗字にNOが含まれているので実に好ましい(笑)。

 確かに、リンパや静脈はもんだりマッサージしたりすることで流れがよくなりますが、動脈を拡張させて血液循環をよくするには、【「有酸素運動」による筋肉の収縮がより効果的】です。
 ウォーキングなどの「有酸素運動」は、動脈にとっては、やさしくもみほぐしてくれる【“リラックスマッサージ”】のようなものです。
 反対に、短時間で一気に筋肉に負荷をかける「無酸素運動」は力まかせにギュウギュウと押しつける“暴力的なマッサージ”のようなもので、血管にはむしろ負担がかかります。「NO力(エヌオーりょく)」を高めるにはおすすめできません。

 フム。これについては異論を挟みたい。血流だけで血管がきれいになるとは思えない。血管に付着したカルシウムなどを考えれば、やはり血管マッサージが最強だろう。池谷本人も最初はマッサージを否定しておきながら、結局「リラックスマッサージ」と書いているのがその証拠である。血管マッサージという浚渫(しゅんせつ)と有酸素運動による血流の組み合わせが私の血管強靭化政策である。

 歩くときにちょっとした工夫をすると、その効果をさらに高めることができます。
 まず、お腹と背中をくっつけるようなイメージで下腹をぐっと凹(へこ)ませます。そのまま背スジを伸ばした状態で歩きます。
 これは【「ドローイン」】というトレーニング法で、お腹を凹ますだけで、【体の奥にある筋肉(インナーマッスル)を鍛える】ことができます。
 インナーマッスルを鍛えると、【姿勢がよくなり、胃や腸など内蔵の機能を助ける】ことにもつながります。

 ドローインとは呼吸法である。ま、有り体に言ってしまえば腹式呼吸なのだが順逆のバージョンがある(ぽっこり下腹を撃退! 正しいドローインで腹横筋を鍛えよう | GetNavi web ゲットナビ)。池谷が説くドローインは考え方としてはプランクに近い。

 他にも簡単な体操が紹介されている。私の研究だと、ゆる体操や肩甲骨周りのストレッチが効果的だと思われる。

 今日で血管マッサージを行って3日目である。驚くほど目がよく見えるようになった。また今日からマッサージ後に倒立も行っている。健康の道は戒律に近いものがある。

 尚、図解版も出ているようだ。

 

2021-10-20

血管の長さは10万キロメートル、血液の量は5リットル/『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康


『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸

 ・血管の長さは10万キロメートル、血液の量は5リットル

『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎
『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命
必読書リスト その二

 血管には動脈、毛細血管、および静脈などがありますが、その中でも特に「中くらいの太さの動脈(中動脈)」と「細い動脈(細動脈)」が大切です。この動脈が丈夫でしなやかであれば、酸素や栄養分を体の隅々まで運搬することができ、全身の細胞の機能を正常に保てます。これが生活習慣病を予防する秘訣です。(中略)
 これには私の恩師で岡山大学名誉教授・故妹尾左知丸〈せのお・さちまる〉先生が考案された「血管マッサージ」が効果的です。いつでも、どこでも、誰でも、お金をかけずに血管を丈夫にできる素晴らしい健康増進法であり、生活習慣病の予防にも効果的です。この本ではこれを「血管ほぐし健康法」として紹介します。

【『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康〈いのうえ・まさやす〉(角川SSコミュニケーションズ、2009年)以下同】

 妹尾の後に井上を読んだのは全くの偶然だった。知識がつながり、人がつながるところに読書の醍醐味(だいごみ)がある。

 人の血管は年齢とともに老化して硬くなっていきます。このため年をとると血圧が上昇し、脳卒中や心臓病などにかかる危険性が増していきます。
 病気だけではありません。血管の老化は容貌にまで影響します。同じ年齢でもずいぶん老けて見える人と若く見える人がいます。実は、その差は主に脳と血管のしなやかさの違いによることもわかっています。脳と血管の健康こそが元気と若さの秘訣なのです。

「脳のしなやかさ」の意味がわからぬが、血管のしなやかさは腑に落ちる。新品のゴムホースみたいなものだろう。あるいは自転車やクルマのタイヤなどのゴム製品を思えばわかりやすい。

 男女共に魅力というものは表情の豊かさに現れる、というのが私の持論である。表情筋が活発に動けば血行もよくなるはずだ。老け顔の原因は感情の乏しさにあるのだ。

 人間の血液は、心臓から動脈を経て全身組織の隅々にまで張り巡らされた毛細血管に到達します。そして、末梢組織の細胞から老廃物などを集めて静脈に合流し、心臓に返ってきます。この血管の長さを合計すると約10万キロメートルにもなります。人は体内に10万キロメートルもの血液の運河を持っているのです。
 人の血液は約5リットルあり、それが休むことなく全身の血管の中を流れ続けています。血液が体全体を巡るのに要する時間はわずか数十秒ですが、この流れは一生止まることはありません。
 心臓から肺に送られた血液は酸素を受け取って心臓に戻ります。食物中の栄養素は胃腸で分解されて糖やアミノ酸となり、消化管から吸収されて全身を駆け巡ります。
 心臓から全身に送られた血液は、末梢組織の細胞に酸素と栄養分を供給し、二酸化炭素や老廃物を受け取って心臓に戻ります。その二酸化炭素や老廃物は、呼気や便や尿として体外に排泄されます。
 このため、血管が障害されたり詰まったりすると、酸素や栄養素を組織や細胞に送ることができなくなり、老廃物も処理できなくなります。このようなことが起こればどんな組織や細胞も生きてはいけません。

 そして「心臓の鼓動が体中にメッセージを伝えている可能性もある」(『心臓は語る』南淵明宏)。人体の壮大な世界は地球規模で広がっている。血管マッサージは血管という河川の浚渫(しゅんせつ)工事だ。わずかな行為が10万キロメートルの血管に及ぶとすれば、これほど合理的なことはない。体を見つめることは自分を見つめることに通じる。世界を知ることも大切だが、自分を知ることはもっと大切だ。血管マッサージを始めて2日目であるが、実に調子がよい。

 尚、井上正康は精力的にコロナ関連書を出しているので併せて紹介しておく。



   

2021-10-19

血管マッサージには運動と同じ効果が/『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸


 ・血管マッサージには運動と同じ効果が

『いつでもどこでも血管ほぐし健康法 自分でできる簡単マッサージ』井上正康
『「血管を鍛える」と超健康になる! 血液の流れがよくなり細胞まで元気』池谷敏郎
『血管指圧で血流をよくし、身心の疲れをスッと消す! 秘伝!即効のセルフ動脈指圧術』浪越孝
『別冊Newton 人体の取扱説明書』
『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔

身体革命

 人がふつうに呼吸をして食事をしていれば、体内部の細胞はよく働くはずです。しかし運動せずにいると、動かしてない部分の筋肉は栄養と酸素をもらえず、やせ細り、老化が進行してしまいます。したがって、毎日よく運動して全身の組織にずい時血液を流すよう、努力しなければなりません。化  とはいっても、毎日よく運動するのは大変でしょう。代わりに、動脈の表面に分布する血管拡張神経に外から刺激を与えて興奮させてやれば、刺激された部分の動脈は拡張子、その部分の筋肉に血液が流れます。つまり「血管マッサージ」で運動を代用するのです。
 私はこの20年間、毎日欠かさず全身の血管マッサージを続けています。1日1回、毎朝たった15~20分の血管マッサージ。でもそのマッサージが驚くほどの効果を見せてくれたのです。マッサージのおかげでしわやしみが薄くなり、生活習慣病にもかかっていません。

【『血管マッサージ 病気にならない老化を防ぐ』妹尾左知丸〈せのお・さちまる〉(KKベストセラーズ、2006年)以下同】

 執筆時、妹尾は91歳である。翌年死去(田代裕)。遺著となった。血液循環に関する本は何冊か読んできたが、よもや血管を直接マッサージできるとは思わなかった。眼(まなこ)を開いてくれた一書である。

「運動を代用」と書かれているが、実は運動の効果が血流をよくすることにあると考えることもできよう。心拍数を上げ、筋肉を肥大させるのも血管に対する刺戟が目的なのだろう。だとすれば血管マッサージ=運動という図式が成り立つ。

 ゆる体操(高岡英夫)やストレッチも同様だ。あるいはヨガも。身体を見つめ直す行為はよりよき生へとつながり、よりよき生は血管に収まるのだ(断言)。

 動脈は骨に沿って深いところを走っているので、血管(動脈)マッサージは皮膚の上から動脈に沿って行います。
 マッサージは皮膚と骨、骨と筋肉を上下左右にずらして、動脈をゆさぶるように動かして刺激するのがコツ。

 上記血管本を読んできた今となっては、本書のイラストは大雑把すぎると思う。私が神経質なのかもしれないが、もっと具体的に動脈の位置を知りたい思いに駆られる。

 私は当年取って58歳になるが、病気は十二指腸潰瘍しか知らない。ついこの間、20日間以上休みなしで働き、2日間で27時間も寝てしまうほど健康である。昨日も11時間半寝た。寝ると私の意志は強靭になるのだ。誰も私の眠りを妨げることはできない(大袈裟)。

 ま、そんなわけで、要は効果を感じにくいということだ。実は今日から血管マッサージを始めた。私は健康オタクを自称しているので、その名に恥ずかしくない実践をしてゆくつもりである。

 2ヶ月ほど前に免許試験場の隣で献血をしようとしたところ、血圧が200を超えていて断念した。三度目の正直で呼吸法を駆使して180以下まで下げたのだが、下の数値が高くて駄目だった。8年ほど前に酒をやめたところ突然高血圧となった。加齢の影響もあるのだろう(動脈が細くなる)。血圧はいつでも下げる自信があった。実際に2週間ほどサバ缶タマネギを食べ続けて140台まで下げた。次はいよいよ血管拡張だ。

農業の大規模化と個別化/『稼げる!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸


『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介

 ・農業の大規模化と個別化

 オランダが先進的な農業国であることは知られていますが、それもICTIoTを活用しているからです。
 オランダの国土面積(3万7000平方キロ)は日本の国土面積(37万7900平方キロ)のおよそ10分の1しかありませんが、平坦な土地が多いため、耕地面積は日本の445万ヘクタールに対して、オランダの184万ヘクタールとおよそ4分の1程度です。
 また、総人口に対する農業者人口とその比率は、日本が3.7%で約290万人、オランダが2.8%で約15万人ですが、農家1戸あたりの農地面積は日本が2.8ヘクタールに対して、オランダは25.9ヘクタールとなっています。
 そのオランダの農業輸出は866億ドルと、1位のアメリカの1449億ドルにつぐ規模です。日本の農業輸出33億ドルの26倍にも相当します(輸出額の2012年の数値)。また、農業就業人口1人あたりの生産額は日本の14倍とも言われています。
 オランダ農業の特徴は、自国に強みのある品目に集中している点にあります。
 たとえばトマト、パプリカ、キュウリなどの施設園芸に特化しているのです。この農業モデルは、オランダが通商国家として発展する過程で培われたものだとされています。17世紀初頭のヨーロッパでは、オランダで栽培されるチューリップがたいへんな人気となり、球根の値段が高騰したあげく、チューリップバブルが発生したほどです。

【『稼げる!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸〈やました・ひろゆき〉(すばる舎、2018年)】

 飛ばし読みしようと思ったのだが全部読んでしまった。よく勉強していて目配りが利いている。ビジネス書としてもおすすめできる。

 元々オランダは小規模農家が多かったがEU統合を契機に大規模化が進んだという。日本の農業は規制まみれで大規模化を妨げている。本書では安倍首相が風穴を空けた事実が紹介されているが、それでもまだ道半ばである。

 食糧安全保障という側面から考えれば大規模化せざるを得ない。私は国民兵農化が望ましいと考えているので、一人ひとりが何らかの作物を作ることを目指すべきであると主張したい。

 日本という国家には昔から戦略がない。常に行きあたりばったりである。その最たるものが大東亜戦争だった。各兵士は世界最強であったが指揮官が愚劣すぎた。現在の政治家を見ても、「私は日本をこうする!」という演説を聞いたことがない。細かい政策に終始している。

 まずは憲法改正である。「憲法を改正して中国共産党から日本を守ります!」という政治家を我々は必要としているのだ。次に官僚機構を再編成し、縦割り行政を解消する。更に文科省とNHKから左翼を一掃する。続いて農業革命である。農地と農家の流動化を図る。補助金行政も見直し、まともなインセンティブにすることが望ましい。

 コンビニ各社も地産地消の一翼を担うべきだろう。

就農環境が整ってきた/『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介


 ・就農環境が整ってきた

『稼げる!!新農業ビジネスの始め方』山下弘幸

 そもそも農業は、就農する場所と作る作物を間違えず、まじめに働きさえすれば基本的には誰でも食べていける仕事だ。情報のアンテナを張り、知恵を絞れば「儲ける」ことだってできる。例えばイチゴのハウス栽培にしても、同じ地域で、同じ300坪の規模で600万円稼ぐ人と200万円しか稼げない人がいる。「農業は儲からない」というのは、儲けようとしないで、やるべき仕事を怠けていたり、なんの智恵(ママ)も使わないから儲からないのだ。
 確かに農業だけで食べていくことは簡単なことではないが、いまの農業は、本気で農業をやりたいという人には有利な環境が整ってきているのは事実だ。
 第一に、都道府県ごとに設置された新規就農相談センターをはじめ就農相談窓口が全国的に整備された。第二に、都道府県や市町村ごとに、資金の貸付や住宅の斡旋などの就農支援制度を用意している自治体が増えてきた。そして第三に、新規就農者の大きな壁であった農地に関して、以前厳しい規制はあるものの、ひと昔前よりも取得しやすくなっているということだ。

【『[農業]商売の始め方・儲け方』大森森介〈おおもり・しんすけ〉(ぱる出版、2008年)以下同】

 農業に興味がある。生業(なりわい)にしたいというよりも、作物が成長する様に興味があるのだ。植える~育てる~食べるという当たり前のサイクルを実践することで人類の足跡を辿ることができる。資本主義は便利であるが大切な行為を切り捨ててしまう。私が大根を買う時、太陽の光や肥料に思いを馳せることはない。

 元はと言えば観葉植物の栽培に端を発する。どんどん増えてゆくサンセベリアを見て、「これを食べることができたらいいな」と思うのは自然の流れであった。そこでグラパラリーフを手に入れた。肥料が強すぎたせいか徒長してしまった。まだ食べていないのだが、あまり腹の足しにはならないような気がする。

 新規就農者の多くが挑戦したいと思うのが有機農業だ。実際に、新規就農相談センターの窓口に相談にやって来る就農希望者でも「有機農業をやりたい」という人は多いようだ。

 それとなく私の興味に引っ掛かる書物を読んできたが、ピタッと収まったのが永田農法であった。関連書を5~6冊読み、DVDセットも購入した。永田農法からすれば有機農業は邪道である。人間の勝手な思い込みで野菜の環境を整えるよりも、野菜の声に耳を傾けるのが正しい。野菜の生命力を十全に発揮させる永田農法は人の教育についても考えさせられる。

 現在の農業を取り巻く状況がよく理解できる一冊で、入り口としてはおすすめできる。