2013-09-03

目撃された人々 43


シリアを訪問したジョン・ケリー米国務長官夫妻(当時は上院外交委員長)がアサド大統領夫妻と夕食を共にした写真を英メール紙が配信

2013-09-02

『阿含経典』増谷文雄訳(筑摩書房、1979年/ちくま学芸文庫、2012年)

阿含経典1 存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群 (ちくま学芸文庫)阿含経典2 人間の感官(六処)に関する経典群 実践の方法(道)に関する経典群 詩(偈)のある経典群 (ちくま学芸文庫)阿含経典3 中量の経典群/長量の経典群/大いなる死/五百人の結集 (ちくま学芸文庫)

 ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第1巻は、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則(縁起)に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析(五蘊)に関する経典群」を収録する。

 第2巻は、ブッダの認識論「人間の感官(六処)に関する経典群」と、最初の説法の記録「実践の方法(道)に関する経典群」、それに祇園精舎を訪れた人々との問答とエピソードを収録。

 第3巻は、ブッダとその弟子たちの説法、出家、修行、さとりの消息などの仏教の根本思想と、ブッダの大いなる死を記した「大般涅槃経」、それに経典編集の実情にかんする資料を収録。

中村元-岩波文庫
『原始仏典』中村元監修、森祖道、橋本哲夫、浪花宣明、渡辺研二、岡野潔、入山淳子、岡田行弘、岡田真美子、 及川真介、羽矢辰夫、平木光二、松田慎也、長尾佳代子、勝本華蓮、出本充代訳(春秋社、2003年)

分割統治/『そうだったのか! 現代史 パート2』池上彰


『そうだったのか! 現代史』池上彰

 ・ソ連がアフガニスタンを侵攻するようにアメリカが誘導した
 ・分割統治

 ヨーロッパの強国は、世界各地で植民地支配をする上で、「分割統治」の原則を貫いてきました。たとえばフランスは、カンボジアを植民地にしたときに、ベトナム人を使って間接統治しました。このため、カンボジア人の恨みはベトナム人に向けられ、いまでもカンボジア人のベトナム人嫌いの原因になっています。
 ベルギーは、アフリカのルワンダを植民地にしたときに、ツチ族とフツ族という二つの民族を対立させて支配しました。この結果、二つの民族の間に憎悪が残り、1994年の内戦の遠因になりました。
 イギリスは(インドの)「分割統治」を進めるために、間接統治と共に、「対立させて支配する」という方式を実行しました。

【『そうだったのか! 現代史 パート2』池上彰(ホーム社、2003年/集英社文庫、2008年)】



 古代ローマにおける分割統治とは、広大なローマ帝国を築き上げるために支配下の都市に対して行った政策のことだ。分割統治はまた、大航海時代の15世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパ列強が植民地を支配するための基本的な戦略としても用いられた。

山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル!



 列強たちはそれぞれの取り分を、一つの国として統治したのか?というと全然違う。いくつもの国として統治。しかも、ここで編み出した知恵が分割統治。あえて、民族や宗教等が違う人たちを少しだけ入れるように工夫して線を引く。しかも、その反対側(隣の国)はその比率が逆になるように。

世界地図を見てみよう:分割統治の怖さが見える:吉川由紀枝



 欧米の分割統治とは、少数の民族や華僑に特権を与えて大多数の現地人を支配させ、その上に欧米人が坐るという支配のしかたのことである。

欧米の伝統「分割統治」



 支配される側を一級市民と二級市民に分けて、扱いに差をつけます。すると生活に不満があっても、一級市民は二級市民を見下すことで不満のはけ口にします。「自分はまだあいつらよりもマシだ」。とうぜん、二級市民は一級市民を敵視するようになります。支配される側の人々は仲たがいをし、小さな利害でも対立するようになるのです。

 支配される側の人々は互いに争うので、支配階層に対する批判の矛先を逸らすことができるのです。分断統治は、人々が持つ差別意識や優越意識を利用しています。

権力闘争「分断して統治せよ」



 スリランカでは、その分割統治の定石通りに植民地支配が行われて、インドから連れてこられたタミル人は土着のシンハラ人をよそに安定した仕事と富を得ることになった。

 そして、イギリスの目論み通り、シンハラ人とタミル人は憎しみ合い、数十年にも渡る激しい闘争を繰り広げていたのである。

 この構図は、香港でも、シンガポールでも使われた。そして、パレスチナでも分割統治の名残りとしてユダヤ人が植民されて、中東の火薬庫となっていった。

セイロン茶葉の紅茶を飲みながら、イギリスの分割統治を思う:鈴木傾城〈すずき・けいせい〉



 本願寺側にとっては失礼な物言いになるかもしれませんが、秀吉と家康による本願寺の「分割統治」(ぶんかつとうち)が見事に成功し、それが未だに続いているといっても過言ではないのです。

家康の政策 ~分割統治と権益による統制 その1



 戦後、日本本土はドイツのように分割されることなく、アメリカを中心とする連合国による占領統治が行われましたが、戦争中には、連合国が日本本土を分割して占領する「日本の分割統治計画」が存在しました。

Divide and Rule: 分割し統治せよ



日本共産党はコミンテルンの日本支部/『日本最後のスパイからの遺言』菅沼光弘、須田慎一郎
李承晩の反日政策はアメリカによる分割統治/『この国を呪縛する歴史問題』菅沼光弘

2013-09-01

消費を強制される社会/『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード


 ・消費を強制される社会
 ・機能の廃物化、品質の廃物化、欲望の廃物化

『メディア論 人間の拡張の諸相』マーシャル・マクルーハン
『依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実』デイミアン・トンプソン

 電通の戦略十訓は本書によって作られたという。

1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ
10.混乱をつくり出せ

Wikipedia

電通過労自殺事件/『自殺のコスト』雨宮処凛
小田嶋隆による『広告批評』批判 その一/『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ』小田嶋隆
ハゲ頭に群がるカツラメーカー/『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』小田嶋隆

 その昔、味の素が売り上げを伸ばすために穴を大きくしたという都市伝説があった。同社公式サイトによれば「湯気による目詰まりを防ぐために、従来の“卓上瓶”に比べて口の面積を広くし、穴の数を増やしました。このことが、おもしろおかしく伝えられたものだと思われます」とのこと。

 戦略十訓は統治者の言葉遣いである。電通は消費者を「支配される者」として捉えている。広告代理店の仕事は大衆の欲望をコントロールすることなのだろう。

 生産をつづけるために消費を人工的に刺激しなければならないような社会は、屑やむだの上につくられた社会である。そして、そのような社会は砂上の楼閣である。
  ――ドロシー・L・セイヤーズ

【『浪費をつくり出す人々 パッカード著作集3』ヴァンス・パッカード:南博、石川弘義訳(ダイヤモンド社、1961年/原書、1960年)以下同】

Portrait Round Robin

 ドロシー・L・セイヤーズはただの推理小説作家ではなかった。キリスト教人道主義者だったらしい。とすると上の言葉は複雑度を増す。プロテスタントの労働倫理が絡んでいる可能性が高い。

 明日の世界は、どういうものになるのだろうか?
 この本で、われわれは現在の潮流から想像されるいくつかの可能性を検討することにしよう。産業界のスポークスマンたちは、とりわけ明日について空想したがる。彼らは地平線の彼方をのぞきこんで、マーケティングの専門家がわれわれのために考えてくれるすばらしい製品を眺めるように、われわれに呼びかけている。われわれは彼らと同じ夢をみるようすすめられる。そうして、音声タイプライター、壁いっぱいのテレビ・スクリーン、リモートコントロールでハイウェイをすべるように走る自動車等が使えるようになることをうずうずしながら待つようにさせられる。

 蝶が舞うような文章である。予測し得ない優雅な動きが視覚を快感へ導く。

 広告代理店は明日の青写真を提供する。現代においては戦争のシナリオまで書いている。

『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』高木徹
湾岸戦争へと導いたナイラの証言

 旧ソ連を始めとする社会主義国は滅んだわけだがプロパガンダは生き延びた。より強靭な体質となって。

 欲望がコントロール可能である事実は行動経済学でも明らかとなっている。

比較トラップ/『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー

 それどころか社会心理学の実験では人々の判断も容易にコントロール可能であることが判明している。

アッシュの同調実験/『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
服従の本質/『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
服従心理のメカニズム/『服従実験とは何だったのか スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産』トーマス・ブラス

 アメリカ国民は、ある意味で、虎にまたがった国民になりつつある。彼らはますます消費することを学ばなければならない。さもないと、彼らの巨大な経済のからくりが、彼らに刃向い、彼らをむさぼり食らうかもしれないと警告されているのである。彼らは、もっともっと個人としての消費を高めるように要求され、しむけられなければならない。それは、彼らが商品にたいして差し迫った要求をもっているかどうかには関係ない。日に日に拡大する経済が、それを要求するのである。

 消費は加速することでしか満足を得られない。「日に日に拡大する経済」とは減ることのない利子によって構成される世界だ。

利子、配当は富裕層に集中する/『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』河邑厚徳、グループ現代

 もっと意味を広げれば、大部分のアメリカ人が、「浪費をつくり出す人々」になりつつあると言ってもいいだろう。

 ここに環境破壊の根本要因がある。もともと硬貨を鋳造するためには膨大な樹木を燃やす必要があった。鉄鋼生産が更に拍車をかける。

 今日、アメリカの平均的な市民は、第二次大戦直前に比べると2倍の消費をしている。

 これが1960年のアメリカだ(原著刊行年)。既に半世紀以上が経っている。消費が行き着く先は金融と戦争である。そろそろ「地球環境を消費している」事実に気づいてもいい頃合いだろう。



図表で読み解く ニッポンのゴミ(PDF)
失業と破産こそ資本主義の生命/『小室直樹の資本主義原論』小室直樹
煩悩即菩提/『新板 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』ジョセフ・マーフィー

2013-08-30

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「原爆投下も国際法違反か」シリア化学兵器使用で米国務省に質問飛ぶ


 原爆投下も化学兵器使用と同じ国際法違反か――。米国務省の定例記者会見で28日、ロイター通信の記者がシリアの化学兵器使用疑惑をめぐり、米国による広島、長崎への原爆投下の例を挙げて軍事介入の正当性について追及した。

 米政府はアサド政権による化学兵器使用を断定。この日の会見でハーフ副報道官は国連安全保障理事会による武力行使容認決議なしに軍事介入することを念頭に、多数の市民を無差別に殺害したことが一般的に国際法違反に当たると強調した。

 これに対してロイターの記者は「米国が核兵器を使用し、広島、長崎で大量の市民を無差別に殺害したことは、あなたの言う同じ国際法への違反だったのか」と質問。ハーフ氏はコメントを避けた。(共同)

msn産経ニュース 2013-08-29

原爆資料館を訪れたチェ・ゲバラ/『チェ・ゲバラ伝』三好徹
米軍による原爆投下は人体実験だった/『洗脳支配 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて』苫米地英人

2013-08-29

キング牧師「私には夢がある」演説から50年

Martin Luther King - Arrested

Martin Luther King, Jr.

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Martin Luther King, Jr. (TypeFace)

March on Washington for Jobs and Freedom, Martin Luther King, Jr. and Joachim Prinz pictured, 1963

Martin Luther King Jr.


「私には夢がある」(1963年)マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
公民権運動の母ローザ・パークスとバス

「リーダーは作られるものではなく生まれつくもの」、トゲウオ研究


 28日の英学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された魚類の研究によると、リーダーシップとは生まれつきの素質であり、動物の群れでも人間社会でも、各自の素質に従った天性の役割が逆転した場合、問題を生じる可能性があるという。

「群れ」というものがうまく機能する傾向がより高いのは、強力なリーダーとそれに進んで従う者が組み合わさった場合で、大半の動物種では、リーダーとなるのはより大胆で、より外交的な個体だという。

Ninespine Stickleback

 しかし、人間の場合の給与のように意欲を起こさせる誘因があると、追従することが向いている個体がリーダーになることがある。こうした役割の逆転が望ましい状況かどうか、研究者たちは長年議論してきた。

 素質としては追従的な個体がリーダーになれるのか、またその逆は可能なのかを調べるために、英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)動物学科の研究チームは、大胆な個体と弱気な個体がいることで知られるトゲウオ科の魚を対象に研究を行った。

Fish School

 まず研究用の巨大な水槽内で数週間群れを観察し、リーダーとなる個体とそれに従う個体を分けた。リーダー性のある個体の方が、隠れ場所がある水槽底部の「安全な」一帯を離れ、「危険な」水槽上部にある餌場に到達しようとする傾向がよりあった。

 次にリーダー性のある個体と追従的な個体を2匹1組とし、2つの実験を行った。第1の実験では、リーダーが泳ぎ始め、もう1匹がその後を追うという「天性の役割分担」を示した場合に餌を与えた。第2の実験では、2匹の役割が逆転し、弱気な個体が先に泳ぎ始め、リーダー性のある個体がその後を追った場合に餌を与えた。

 研究論文の共著者、同大のナカヤマ・シンノスケ(Shinnosuke Nakayama)氏によれば、大胆な個体は他の個体の行動に対する反応性が低く、追従する役割への適応を強いられた場合はうまくいかない、と研究チームは予測していた。しかし実際はこれに反し、追従的な個体がリーダー役に適応するよりも、リーダー性のある個体が追従役に適応する方が早かった。

The Micro Fish World

 ナカヤマ氏は論文要旨で「魚たちは追従を覚えることはできるが、率いることを覚えるのには苦労する。リーダーとは生まれつくものであり、作られるものではないことを発見した」と述べている。

 今回の発見は、集団行動に関するさらに広範な研究に興味深い問いを投げ掛けているという。論文は「個性の違いによる大きなプラス効果は、より大胆な(または人間の場合、より外交的な)個体がリーダーの役割を担うなど、その集団に属する個体が各自の役割を自由に確立した時にのみ現れる傾向がある」と述べている。

 そのため、自分が自然だと感じるリーダーなり、追従者なりの社会的役割に適応することがより好ましいようだとナカヤマ氏は補足している。

AFP 2013-08-28



英雄的人物の共通点/『生き残る判断 生き残れない行動 大災害・テロの生存者たちの証言で判明』アマンダ・リプリー

2013-08-26

賃貸住宅空室率関連リンク












2013-08-25

関係者は黒い疑惑だらけ・・・福知山花火事故の報道されない闇

2013-08-23

尾藤正英、宮城谷昌光、高銀、他


 5冊挫折、3冊読了。

華厳経』高銀〈コ・ウン〉:三枝寿勝〈さえぐさ・としかつ〉訳(御茶の水書房、1995年)/著者はノーベル文学賞候補者として名前が上がっている韓国の作家。詩の部分の訳文がピタッと来なかった。易しすぎて格調がない。

通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した!』ジェームズ・リカーズ:藤井清美訳(朝日新聞出版、2012年)/ペンタゴンは密かに通貨戦争のシミュレーションを行っていた。その部分が冗長。構成が悪い。

空間の謎・時間の謎 宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』内井惣七〈うちい・そうしち〉(中公新書、2006年)/目次は完璧だ。ところが文章がよくない。一見ものわかりがよさそうな雰囲気でありながら独特の臭みがある。それが京都大学に由来するものかは不明。数ページでやめた。ライプニッツについては別な書籍を探す必要がある。

心の脳科学 「わたし」は脳から生まれる』坂井克之(中公新書、2008年)/パラパラとめくり、22ページにあった下らない冗談を読んで読むのをやめた。軽さは浅さの表れであろう。

刺激的で、とびっきり面白い時間の話 人、暦、時間 神々と「数」の散歩道』アレグザンダー・ウォー:空野羊〈そらの・ひつじ〉訳(はまの出版、2001年)/半分ほどで挫けた。総花的で散漫。副題に偽りあり。もう少し掘り下げてもらいたところ。

 36冊目『日本文化の歴史』尾藤正英(岩波新書、2000年)/一部飛ばし読み。面白かった。教科書本。これは安冨歩〈やすとみ・あゆむ〉のブログで知った一冊。

 37冊目『青雲はるかに(上)』、38冊目『青雲はるかに(下)』宮城谷昌光(集英社、1997年/集英社文庫、2000年/新潮文庫、2007年)/2日で読了。3分の2ほどが雌伏の期間となる。大いなる復讐と報恩の物語である。強いてケチをつけるとすればカットバックの多用が目立つのと、主人公・范雎〈はんしょ〉がモテ過ぎるところ。連載小説としてのサービス精神か、それとも著者のコンプレックスの表れか。まだ幼い范雎の子弟が生き生きと描かれていて忘れ難い。宮城谷の長編はあと数作品で制覇。

2013-08-20

人身取引が横行、県内でも性的搾取 脅し、だまし、暴力で支配 【神奈川】


 人を脅し、だまし、暴力で支配下に置いて搾取する人身取引が、全国で横行している。県内でも少女が売春を強要される事件が発生。国内外で「人身取引の受け入れ大国」とも批判される中、撲滅活動に携わる関係者らは対策の遅れを指摘し、体制の整備や被害者支援の充実など幅広い取り組みを求めている。

「働く場所を紹介してあげる」。6月、県警少年捜査課と瀬谷署が暴力団幹部らを逮捕した児童福祉法違反事件は、その一言が始まりだった。

 家出中だった横浜市内に住む中学3年の少女は昨年9月、横浜駅で若い男に声を掛けられ、車で連れ去られた。その日のうちに暴力団幹部に引き渡され、さらに別の無職の男のマンションで生活させられながら、売春などを強要された。

 少女は「逃げたら家族にも迷惑が掛かる。覚悟しておけ」と脅され、わずか8日間に駐車中の車内などで15人ほどの客の相手をさせられた。別の暴力団組員が出会い系サイトで客を見つけていたという。

 警察庁によると、2012年の人身取引事件(売春防止法違反、入管難民法違反、職業安定法違反、風営法違反、刑法の人身売買容疑など)の摘発件数は前年に比べ19件増の44件。摘発人数は54人(前年比21人増)、被害者数は27人(同2人増)と、いずれも増加した。被害者の国籍で最多は日本の11人(同7人増)で、同数のフィリピンとそれぞれ4割を占めた。

 摘発の増加に対し、撲滅を目指す関係者は「氷山の一角」と口をそろえる。国際的な非政府組織(NGO)「反差別国際運動」の原由利子事務局長は「被害者の保護や支援の制度が不十分で、証言が得られにくい」などと摘発の難しさを指摘。「被害者の保護や支援を含めた包括的な禁止法を制定すべき」と訴える。

 国際社会も厳しい目を向ける。日本政府は10年の国連人権理事会で、人身売買罪の刑罰強化、地域的で専門的なシェルターの設置、「奴隷労働」とも批判される外国人研修・技能実習制度の監視強化など21項目の勧告を受けた。米国務省の年次報告書は、04年に「監視対象」国とするなど、10年以上「人身取引根絶の最低基準を満たしていない」国に位置付けている。

 関係する約30団体が加盟する「人身売買禁止ネットワーク」などは日本政府に対し、人身取引対策の政策を一元的に担当する機関の設置や被害者支援の充実など幅広い対策を求めている。

神奈川新聞 2013年8月18日

2013-08-17

フィリップ・コガン、藤沢数希、マウリツィオ・ラッツァラート


 6冊挫折、3冊読了。

山野河海の列島史』森浩一〈もり・こういち〉(朝日新聞社、2004年)/訃報で初めて知った人物。テーマが散漫なため挫けた。

偶然性の問題』九鬼周造〈くき・しゅうぞう〉(岩波文庫、2012年)/まったくもって小難しい。哲学的文法に私はついてゆけない。

ロジカルトレーダー オープンレンジブレイクアウト戦略の基本と応用』マーク・B・フィッシャー:長尾慎太郎監修、井田京子訳(パンローリング、2009年)/ピボットレンジの詳細。GBP/JPYには当てはまらないように感じた。

志ん生芸談』古今亭志ん生(河出書房新社、2006年/河出文庫、2012年)/編集が杜撰。同じ内容のものがズラズラ並んでいる。志ん生の落語は好きだが、人間として敬意を寄せるほどではない。

アメリカ・インディアンの書物よりも賢い言葉』エリコ・ロウ(扶桑社文庫、2001年)/飛ばし読み。出来はよくない。

世界を不幸にしたグローバリズムの正体』ジョセフ・E・スティグリッツ:鈴木主税〈すずき・ちから〉訳(徳間書店、2002年)/真夏に経済書を併読するのは身体に悪い。涼しくなったら再読する予定だ。徳間書店は活字がよくない。

 33冊目『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン:松本剛史〈まつもと・つよし〉訳(日本経済新聞社、2012年)/良書。終盤の失速が悔やまれる。信用経済の歴史がよく理解できる。

 34冊目『なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方』藤沢数希〈ふじさわ・かずき〉(ダイヤモンド社、2006年)/再読。やっぱり面白い。時折頭をもたげるエリート意識がスパイスとして効いている。

 35冊目『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート:杉村昌昭訳(作品社、2012年)/何とか読み終えた。これほど頭を抱え込んだのはジャン・ボードリヤール著『透きとおった悪』以来のこと。それにしても哲学が信用経済に斬り込んでいるとは露知らず。『アンチ・オイディプス(上) 資本主義と分裂症』を読む必要あり。作品社は本の作りがよい。脚注が左ページの端にあるのも好ましい。

Vodafone Egypt facebook 2 Million Fan Celebration


無防備のまま撃たれ、倒れていくエジプトの若者

2013-08-16

目撃された人々 42

テーラワーダはテーラー和田?


 笑った。ネタと思わせない芸の細かさが光る。

2013-08-12

業務用デオライト L 1kg

業務用 デオライト-L 1kg【HTRC8】

 扱いやすい液体タイプの尿石除去です。業務用のノウハウを活かした成分配合により、尿石・黄ばみに対してスピーディに浸透し溶解します。素早く反応する事を最優先に開発されたプロユースの商品です。

2013-08-10

サンポール 800ml

サンポールK 800ml 【HTRC8】

 酸のちからとマイナスイオンの相乗効果で、便器のがんこな黄ばみを化学分解して落とすトイレ用強力洗浄剤です。便器のふちのウラまで液がかけやすいスミズミノズルです。かけた場所もよくわかり、たれ落ちにくいグリーンの液です。清潔感のあるさわやかな香りでニオイもスッキリ。

トイレ掃除 洗剤は何を使えばイイのか?

島田裕巳、矢野絢也、橘玲、ジェイムズ・D・スタイン、高橋洋一、他


 9冊挫折、4冊読了。

サイエンス・インポッシブル SF世界は実現可能か』ミチオ・カク:斉藤隆央〈さいとう・たかお〉訳(NHK出版、2008年)/ネタの部分が長すぎて辟易させられた。ただし科学に関するトピックの説明能力はやはり抜きん出ている。名前から察せられるように日系3世である。理論物理学者。アメリカではテレビ出演も多い人物。

中島敦全集 1』中島敦(ちくま文庫、1993年)/後回し。

ブラックホールで死んでみる タイソン博士の説き語り宇宙論』ニール・ドグラース・タイソン:吉田三知世〈よしだ・みちよ〉訳(早川書房、2008年)/イントロでリズムが合わなかった。これは読み直すかもしれない。

シンボルの謎を解く』クレア・ギブソン:乙須敏紀〈おとす・としのり〉訳(産調出版、2011年)/ありそうでなかった本。総花的なのは仕方あるまい。類書の登場に期待。

博物誌』ジュール・ルナール:辻昶〈つじ・とおる〉訳(岩波文庫、1998年)/全然面白くなかった。こうなったら『ジュール・ルナール全集 11 日記 1』に手を出すしかあるまい。

熱とはなんだろう 温度・エントロピー・ブラックホール…』竹内薫(ブルーバックス、2002年)/amazonレビュー「意味のない無駄話が多すぎる」に至極同感。中年男性の不気味な少女趣味としか思えなかった。どうもこの著者には卑屈な部分が多すぎるように感じる。

すばらしい人間部品産業』アンドリュー・キンブレル:福岡伸一訳(講談社、2011年)/福岡訳なので読んでみた。福岡の解説の方が優れているように思える。

原子力と日本病』村田光平(朝日新聞社、2002年)/タイミングが合わなかった。これは必ず読み直す予定。

人はなぜ「憎む」のか』ラッシュ・W・ドージアJr.:桃井緑美子〈ももい・るみこ〉訳(河出書房新社、2002年)/テーマ、構成は文句なし。だが名文の間に異臭を感じた。明らかにユダヤ人を持ち上げている節が窺えるのだ。本書がプロパガンダ本であるとすれば、私ですら騙されてしまいそうだ。時間を置いてから再チャレンジしたい。

 29冊目『創価学会 もうひとつのニッポン』島田裕巳〈しまだ・ひろみ〉、矢野絢也〈やの・じゅんや〉(講談社、2010年)/島田が創価学会のデータをよく調べているのだが、それがかえって対談の邪魔をしているように感じた。矢野の来歴を考えればインタビューに徹するべきであろう。それでも矢野は見識が高いので中々口を割りそうにない(笑)。

 30冊目『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』橘玲〈たちばな・れい〉(幻冬舎新書、2006年)/一気読み。面白かった。ただ、ところどころに事実の羅列があってわかりにくい。カシオ詐欺事件ってのは知らなかった。

 31冊目『不可能、不確定、不完全 「できない」を証明する数学の力』ジェイムズ・D・スタイン:松井信彦、田沢恭子、熊谷玲美訳(早川書房、2011年/ハヤカワ文庫、2012年)/ハードカバーがまだ売られているのに文庫化した早川書房の英断に頭が下がる。これは凄いよ。高橋昌一郎著『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』を必ず先に読んでおくこと。必読書に追加。

 32冊目『さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別』高橋洋一(講談社+α文庫、2010年/講談社、2008年『さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白』改題)/これは一気読み。高橋洋一の合理性は日本人離れしている。増税路線が明らかとなった今こそ本書が広く読まれるべきだ。「官僚全員が悪いわけではない」などと実(まこと)しやかに語る政治家が見受けられるが、官僚は一旦全部切るべきだと私は考える。彼らが存在する限り、本当の意味での自主独立もかなわないことだろう。そのためにもまずは官僚の人事権を政治家が握るべきだ。

2013-08-06

朝日新聞と従軍慰安婦問題


2013-08-03

佐村河内守、震災犠牲者への追悼ソナタが完成


 作曲家・佐村河内守氏が、東日本大震災の犠牲者へ追悼の思いを込めて作曲した新作「ピ­アノ・ソナタ第2番」完成発表会を開いた。佐村河内氏は、30代半ばで聴力を失い、絶­対音感を頼りに創作を続ける作曲家。震災後、自身の「交響曲第1番 HIROSHIMA」が被災地で"希望のシンフォニー"と呼ばれていることを知り、音­楽家として力になりたいと考えていたところ、母を津波で失った少女との出会いがきっか­けとなり「ピアノのためのレクイエム イ短調」を作曲。その作品をベースに、すべての被災者にささげる長大なピアノソナタを­完成させたという。韓国のピアニスト、ソン・ヨルムを招き、曲の一部を披露した佐村河­内氏は、「通常のレクイエムとは逆に、亡くなった人の苦しみ、悲しみ、怒りを聞いても­らいたいと思った」と、曲に込めた思いを語った。


佐村河内守:魂の旋律~HIROSHIMA×レクイエム [DVD]

魂の旋律 ~音を失った作曲家~
NHKオンデマンド
佐村河内守

文庫化『交響曲第一番 闇の中の小さな光』佐村河内守〈さむらごうち・まもる〉(幻冬舎文庫、2013年)

交響曲第一番 闇の中の小さな光 (幻冬舎文庫)

「NHKスペシャル」、TBS「金スマ」で大反響! 日本中に衝撃を巻き起こす全聾の天才作曲家の感動の自伝。

 被爆二世の作曲家である著者は、すべてをなげうって音楽のためだけに生きてきた。35歳のとき、両耳の聴力をすべて失うという悲劇が彼を襲う。絶望と虚無の淵に沈む彼を立ち直らせたのは、目の不自由なある少女との運命の出会いだった。そして彼は、深い闇の中にいる者だけに見える"小さな光"に導かれ、奇跡の大シンフォニーをつくりあげた――。

佐村河内守

2013-08-01

『写真集 野口健が見た世界 INTO the WORLD』野口健(集英社インターナショナル、2013年)

写真集 野口健が見た世界 INTO the WORLD

 アルピニスト野口健、初の写真集。ヒマラヤ高山の荘厳な姿、アフリカの躍動する生命、フィリピン・沖縄の遺骨収集、そして東北の被災地まで。世界中を駆け巡る清掃登山家が撮り続けた写真の集大成。

自著を語る:東京新聞

「風立ちぬ」ポスターにパクリ疑惑

2013-07-31

極限状況で問われる死生観/『天才は親が作る』吉井妙子


 ・極限状況で問われる死生観

『リズム遊びが脳を育む』大城清美編著、穂盛文子映像監督

 これはダイノジ大谷が紹介していた一冊。さほど面白くはなかったが子育ての参考程度にはなるだろう。

 2002年夏、第51回大会(昭和44年)の決勝で2日間にわたって投げ合った松山商業の投手・井上明三沢高校の投手・太田幸司に、ある雑誌の企画で対談してもらったことがあった。松坂たちの甲子園も球史に残る熱闘だったが、40代以上の人たちならこの試合も記憶の箱からすぐに取り出すことが出来る。優勝旗を松山に持ち帰った井上は「その後の人生は余生だと思った」と言い、「野球があんなに恐ろしいものだとは思わなかった。恐怖で涙が出た」と述懐した。

【『天才は親が作る』吉井妙子(文藝春秋、2003年/文春文庫、2007年)】

 極限状況に追い込まれた人間心理が赤裸々に表現されている。過酷な鍛錬を経た者でなければ到達し得ない領域だ。




全編はこちら


 人は限界に直面すると気質があらわれる。実はここで問われるのが死生観に他ならない。井上選手が感じた恐怖はまさに「死の恐怖」であったのだろう。

 私が野球をしていたのは中学時代で札幌では優勝しているものの高校野球とはもちろんレベルが異なる。「もう二度と野球なんかやりたくない」と思うほど練習はきつかった。高校球児はその10倍くらいの練習量があることだろう。

 私は見た目とは異なり淡白な性格だ。敵地での試合は何とも思わないし、相手チームの応援が賑やかであればあるほど燃えるタイプだ。4番打者をしていたがピンチであろうとチャンスであろうと淡々と打席に臨んだ。自分にできることをやるだけのことだ。そのための準備はできていた。

 ま、そういうわけで「あの時こうしておけばよかった」という後悔が殆どない。できなかった事実をただ直視するだけだ。技術には限界があるのだから。だから私は敗れたチームが泣く姿を見るのが嫌で嫌でしようがない。彼らの姿はまるで「本当なら勝てたのに」と言わんばかりだ。運や不運は実力の後について回るものだ。

 しかし中学3年の私は最後の試合に敗れて泣いた。チームで一番最初に泣いた。それは負けた悔しさというよりは、「私の野球が終わった」という感慨の深さからであった。確かに「もっと練習できたはずだ」という思いもあったが、それは相手チームも同様だろう。

 死生観が生の彩(いろど)りを変える。恐怖は人生を抑圧する。誰人たりとも明日の命はわからないものだ。やがて必ず訪れる死を恐れるか、それとも今日の生に感謝できるか――死生観はこのあたりに着地する。朝目覚めるたびに「死んでみせるぞ」と生きてゆきたい。


天才は親が作る

2013-07-27

山口5人惨殺は村八分への逆襲





2013-07-26

「誤った記憶」作った!…利根川氏ら


【ワシントン】脳を刺激して実際と違う誤った記憶(過誤記憶)を作り出すことに、ノーベル賞受賞者の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授と理化学研究所のチームがマウスの実験で成功したと、26日付の米サイエンス誌に発表する。

 過誤記憶を人為的に作り出したのは世界で初めて。

 人間はしばしば記憶違いを起こすほか、妄想を抱く病気もある。これらの原因はわかっておらず、今回の成果をきっかけに解明が期待される。

 利根川教授らは、マウスの脳の奥にある「海馬(かいば)」と呼ばれる部分に光を当て、実験を行った。海馬は記憶に関係すると考えられる。マウスの脳細胞には特殊な遺伝子が組み込まれ、光を当てると活性化、直前の記憶が再生されるようになっている。

 このマウスをまず、何もしない安全な部屋に置いた後、形の違う別の部屋に移し、脳に光を当てながら、マウスの嫌いな電気を足に流した。このマウスを安全な部屋に戻すと、外敵に遭った時のように身構え警戒したが、電気を流しただけのマウスを安全な部屋に戻しても、警戒しなかった。

 これは、海馬に光が当たったことで安全な部屋の記憶がよみがえり、マウスが「安全な部屋で電気を受けた」と混同したと考えられる。

【読売新聞 2013年7月26日07時27分】

 確証バイアスと似た状況か。

宗教の原型は確証バイアス/『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン

 この実験がもしも「恐怖の埋め込み」を意味するならば、新たな世界宗教を容易に創造し得ることだろう。マクロ的な視点では歴史の捏造すら可能になるような気がする。

現在をコントロールするものは過去をコントロールする/『一九八四年』ジョージ・オーウェル

陰影のある太陽


 一度だけ見たことがある。思わず手を合わせたものだ。

2013-07-25

屋外布団干し(積水樹脂)

屋外布団干しCFU-8

・サイズ(W)140~235×(D)76×(H)115cm
・本体重量:4.5Kg
・素材・材質:ステンレスパイプ、ステンレス巻きスチールパイプ、樹脂コーティングスチールパイプ、ABS樹脂、PP樹脂、鉄(メッキ)
・原産国:中国
・しっかり太パイプ採用
・ふとん最大4枚干し可能
・折りたたんで収納可能

2013-07-24

「イルカは名前で呼び合っている」、英研究


 野生のバンドウイルカは個体特有の音を編み出し、自分を識別する「名前」のように使っているとする論文が22日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。

 研究の対象となったのは、英スコットランド東岸沖に生息するバンドウイルカ200頭。

 英セント・アンドリューズ大学(University of St Andrews)生物学部、海洋哺乳類研究ユニット(Sea Mammal Research Unit)に所属する論文の主著者、ステファニー・キング(Stephanie King)氏は、「動物の世界で名前、あるいは特定の個体に対する呼びかけが行われていることを示す、初めての証拠だ」と話す。

 イルカが生後数か月の間に個体特有の音、あるいは名前を作り出すことは、これまでの研究で明らかになっている。イルカは泳ぎ回りながら、時間をかけて自分の存在を周りに知らせるという。キング氏によると、野生のイルカの発する鳴き声の約半分が、個体特有の音だという。

◆自分の「名前」が呼ばれると即座に応答

 キング氏率いる研究チームは、イルカが自分特有の音を他のイルカが発した時にどのような反応を示すかについて疑問を持った。

 そこで、研究チームはイルカの群れの鳴き声を録音し、各個体特有の音を一つ一つ再生してイルカに聞かせた。「おもしろいことに、イルカは自分特有の音が仲間から発せられた時に限り反応を示した。即座に鳴き返し、時には何度も鳴き返すこともあった。だが、他の鳴き声を聞いた時には一切そのような反応を示さなかった」とキング氏は説明する。

 研究チームは、イルカの声をそのまま使ったり、あるいは別のイルカが「名前」を読んでいるかのように元々の声の特徴をすべて排除したり、さまざまな方法で個体特有の音の再生を繰り返した。また、異なる群れのイルカが発する聞きなれない鳴き声と、同じ群れのイルカが発する個体特有の音をイルカに聞かせた。その結果、「イルカは自分特有の音が真似された時に鳴き返しており、しかも即座にそうしていた。他の音を聞いた時にはそのような反応を示さなかった」という。

 キング氏は、今回の研究結果は、イルカが群れの中で互いに名前で呼び合うことを示すものだと指摘する。

 イルカの鳴き声の約半分が「名前」を呼ぶものだとみられることから、次の大きな課題は彼らが他にどんな会話をしているのか見つけ出すことだとキング氏は話す。「イルカが発する鳴き声の半分は、何のためのものかわからない。それが、イルカの伝達方法を研究する上での次のステップだ」

AFP/Kerry SHERIDAN 2013年07月23日 11:05 発信地:ワシントンD.C./米国

Bottlenose dolphin

Nose Dip           "Atlantic Bottlenose Dolphin"
【写真はいずれもバンドウイルカ】

 凄いニュースだ。ま、イルカは自己鏡像認知が可能なため自我があるとは考えていたが、名前があるとすればほぼ確実だ。それにしても「誰が」名前を付けているのか?

 人類の言葉も名詞から始まったと考えられているが、名付ける=命名することができるのであれば、名詞を通した情報交換(≒会話)も成立しそうだ。

 自我があるということは幸不幸を感得することでもある。

 以前、何かで読んだが確かカピバラが高度な情報伝達をしているという。我々の想像も及ばぬ豊かなイルカの世界がありそうだ。

2013-07-22

石破茂の焦げパン顔


 自爆テロに失敗したのかと思った。


2013-07-21

【送料無料】8~10連ハンガー


 送料無料のものだけ紹介する。またフックと本体の間がプラスチックの鎖状になっている品物は壊れやすいと判断して除いた。当たり前ではあるが間抜けな若者のために書いておくと、ストレートタイプのハンガーはタオルを干すことができない。

東和産業 PV 折りたたみ8連ハンガー ピンクレック 折りたたみ8連ハンガー W-101 レック フリーグリップ10連ハンガー W-306RCワンタッチハンガー8連 8974167連ハンガー たためるハンガー 136117

2013-07-20

断章取義と日蓮思想/『日本人と「日本病」について』岸田秀、山本七平


 ・断章取義と日蓮思想
 ・日本における集団は共同体と化す

 昔から保守系論壇に登場する学者が苦手だ。知が光となって人間世界を明るく照らすのであれば、やはり世の中の矛盾や理不尽を浮かび上がらせるのが学問の目的ではないのか? 私にはそんな思い込みがある。チャーチル曰く「若いうちに左翼に傾倒しない者は情熱が足りない。大人になっても左翼に傾倒している者は知能が足りない」と(※注)。ま、十代で本多勝一を読んできたせいかもしれない。

 弁当兄さん(finalvent)山本七平を愛読してきた、とツイートしていたので本書を開いてみた。面白かった。

山本 徳川時代の町人学者の行き方は「断章取義」と言われています。章を断って義を取る、つまり原典の文脈をバラバラにして、自分に必要なものだけを取るんですね。(中略)いわば、自分の体系を聖人の片言隻句の引用ですべてつないでしまう。原典は仏教だろうと儒教だろうとかまわないわけで、これはつまり思想を取り入れたということではなく、表現を採用して権威化したに過ぎないんです。そのため真の思想的対決には決してならない。

【『日本人と「日本病」について』岸田秀〈きしだ・しゅう〉、山本七平〈やまもと・しちへい〉(文藝春秋、1980年/青土社、1992年/文春文庫、1996年)】

「あ!」と思った。「俺のことだ」と(笑)。抜き書きの多用、おんぶに抱っこ、著作を杖と頼む行為だ。

「町人」「義」というフレーズで思い出されるのは京都町衆である。断章取義は日蓮思想に由来するのではないだろうか?

日蓮 京都での繁栄と受難

 日蓮の考え方に文義意というのがある。文(もん)は経文、義は経文の意義、意は仏の本意を指す。三重(さんじゅう)に深めてゆくといえば聞こえはいいが、読み手の恣意的解釈を拡大しているようにも思える。日蓮本人としては経文だけあって形骸化した仏教界に警鐘を鳴らしたのだろう。

 日蓮が激しい感情の持ち主であったこともあって日蓮系は極端に走る教団が多い。戦前の右翼に始まり、新興教団の創価学会顕正会にまで至る。

 日蓮系はことごとく断章取義である。日蓮の遺文を切り取っては水戸黄門の印籠みたいにかざす悪癖がある。そこに思想的格闘は見られない。印籠教学といってよいだろう。

 生き方に一貫性がないから「思想的対決」が生まれ得ない。日本人は思想・哲学よりも所属や党派を重んじる。「お前はどこのどいつだ?」。我々は皆、○○村の誰ベエだ。村の掟こそが正義なのだ。

 京都町衆について詳しいことは知らない。知っているのは本阿弥光悦〈ほんあみ・こうえつ〉の名前くらいだ。

 日蓮は鎌倉時代にあって思想的対決を望んだ稀有な人物であった。その末裔(まつえい)が断章取義に陥るのだからこれほどの矛盾もあるまい。

日本人と「日本病」について (文春学藝ライブラリー)
山本 七平 岸田 秀
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Estatua de Nichiren del siglo 13

時間とは記憶の残像である


時間は自我というレールの上を流れる
現象に関する覚え書き

2013-07-18

目撃された人々 41


2013-07-17

生命現象


2013-07-16

オフィスの全員が発達障害者


 これは勉強になった。たぶん感情のマイナス分を合理性で補っているのだろう。


テンプル・グランディン:世界はあらゆる頭脳を必要としている

2013-07-15

『世界の果てでダンス』アーシュラ・K・ル=グウィン:篠目清美訳(白水社、1991年/新装版、2006年)

世界の果てでダンス

『ゲド戦記』、『闇の左手』、『所有せざる人々』を代表作とする巨匠、「SFファンタジー界の女王」ル=グウィン。本書では、自称「ハンドバッグを振りまわして戦う怒れるおばさん」として鋭い矛先を向ける。その対象は、「ヘミングウェイからメイラーに至るちっぽけなマッチョ」の作家たちから、男性中心のアメリカ文壇、妊娠中絶反対派、アメリカ先住民を迫害し、その文化を滅ぼした白人社会まで、様々だ。「フェミニズムの旗手」としても名高いル=グウィンは、女性の持ち物であるハンドバッグ、つまり「母語」を武器にして、辛口でユーモアあふれる論を展開する。

「彼は後ずさりし、前方を見る」というアメリカ先住民の言葉がある。これは岩の裂け目に後ずさりしていくヤマアラシの思考を表現したもので、未来を考えるために後ろに進むル=グウィンの思考とも重なる。

 英米の田舎への旅を回想し、名前だけ残った土地への切々たる思いを詩情豊かに歌い上げる「土地の名前」、「丘を越えはるかかなたへ」。『若草物語』のジョーやヴァージニア・ウルフなど女性作家たちを振り返り、物語や女性作家の叙述について考察する「漁婦の娘」等々。

 ル=グウィンは本書を「心変わりの記録」と呼んでいる。ぐるぐる回り、わき道にそれ、向きを変えて、もとに戻る。ヤマアラシやコヨーテのような試み――「新しい世界を作るためには古い世界からはじめるのです」――ル=グウィンは世界の果てで復活のダンス、創造のダンスを踊っているのである。

「左ききの卒業式祝辞」ほか。

『闇の左手』アーシュラ・K・ル=グィン:小尾芙佐〈おび・ふさ〉(ハヤカワ文庫、1978年)

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))

【ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞】両性具有人の惑星、雪と氷に閉ざされたゲセンとの外交関係を結ぶべく派遣されたゲンリー・アイは、理解を絶する住民の心理、風俗、習慣等様々な困難にぶつかる。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと……エキゾチックで豊かなイメージを秀抜なストーリイテリングで展開する傑作長篇。

2013-07-14

そこに希望はあるのか?/ユージン・スミス「楽園への歩み」


 お客さん宅の玄関に飾ってあった写真だ。帰宅してから早速調べたところ直ぐに見つかった。ユージン・スミスが撮影した水俣病患者の写真を見た人は多いことだろう。マグナム・フォトの正式メンバーでもある。幼い兄が妹の手を引き、暗く狭い場所から明るく広大な世界へ向かう。そこに希望はあるのか? 多分ある。否、勇気のこもった一歩一歩こそが真の希望なのだろう

Eugene Smith - The walk to paradise garden.

戦略の失敗は戦術では取り返せない


戦略と戦術

2013-07-13

ラース・フォン・トリアーが観客に与えるのは、余韻ではなく激痛だ/『ドッグヴィル』

『ドッグヴィル』ラース・フォン・トリアー監督・脚本  ・ラース・フォン・トリアーが観客に与えるのは、余韻ではなく激痛だ/『ドッグヴィル』






【映画】ドッグヴィル / DOGVILLE(日本語字幕)

桑田圭祐 音楽寅さん ソラミミ「アビィロード」/アベーロード


 桑田佳祐の天才ぶりを発揮した替え歌の数々。私は偶然テレビを視ていたが、その時の衝撃を忘れることができない。CD化を望む声も多い。





2013-07-12

文庫化『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出〈すがわら・いずる〉(草思社文庫、2013年)

文庫 アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか (草思社文庫)

 1920年代からソ連邦の崩壊にいたるまで、アメリカの外交戦略には、明確なパターンがあった。それは「共産主義に対抗するために独裁者を援助し、育てる」というものである。この最初にして最悪の例がヒトラーのナチスだったといえる。第一次世界大戦で焼け野原となったドイツが、十数年後にはヨーロッパを席巻する軍事大国になれたのは、ブッシュ大統領の一族など、アメリカ政財界の親ナチス派の援助に負うところが大きかったのだ。戦後、この親ナチス・エリート集団は、反共工作のために各国の独裁者、麻薬王、そしてイスラム過激派とも手を組んだが、多くの場合、最終的にはみずからが育てた独裁者たちと対峙することになった。本書は、アメリカ外交の舞台裏で暗躍したこの黒い人脈にスポットライトをあてる、きわめて刺激的なノンフィクションである。

アメリカ経済界はファシズムを支持した/『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出
第二次世界大戦の命運を分けた人脈-チャーチル、イントレピッド、ルーズベルト/『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出