2016-05-31

荻原浩、他


 3冊挫折、2冊読了。

実録! 超ド貧乏 ヤバすぎる最底辺の生現場』格差問題研究会(宝島社、2016年)/宝島社も落ちぶれたものだ。貧困を面白半分に取り上げただけのグロもの。困窮者に寄り添う姿勢を欠く。青年コミックのような体裁で紙質も悪い。見下げ果てた企画だ。

修験道 その歴史と修行』宮家準〈みやけ・ひとし〉(講談社学術文庫、2001年)/鎌倉仏教の知識を補うために読んだのだが微妙な内容。修験道自体が既に密教化している。修行と修業の違いを説明しながらも修行が修業となっているような印象を受けた。

ブッダから日蓮まで』近藤正輝(文芸社、2002年)/著者プロフィールが不明。文芸社なので自費出版の可能性もある。ブッダから日蓮までをダイジェストで紹介。著者独自の視点がないのが致命的だ。鎌倉仏教の取り上げ方も浄土宗と日蓮となっているのはおかしい。一方を宗教で他方を人物で捉えている。「ブッダから日蓮まで」を選んだ根拠も示されておらず。

 74、75冊目『砂の王国(上)』『砂の王国(下)』荻原浩〈おぎわら・ひろし〉(講談社、2010年/講談社文庫、2013年)/2日間で読了。ホームレスに転落した元証券マンが社会に復讐すべく新興宗教を立ち上げる。細部にまで目が行き届いていて情報も正確だ。荻原は元広告屋だけあって気の利いたフレーズが各所に見られる。映画化された『明日の記憶』が出世作。

0 件のコメント:

コメントを投稿