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2015-06-23

ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う


人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事
ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
・ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う

 中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は18日に「ソロス氏は資産の半分を中国に投入し、中国の台頭を阻止できないと見ながら、中国に関し、危ない発言を行っている」と指摘した。世界銀行が前月に開いたブレトン・ウッズ会議で、ソロス氏は「経済が崩壊すれば、中国は米国のアジア同盟国を攻撃し、第3回世界大戦を引き起こす可能性がある」と語った。

 米国「マーケット・ウォッチ」によると、米中が互いに敵とみなすのを阻止するため、ソロス氏は米国に「重大な譲歩」を行い、人民元が国際通貨基金の通貨バスケットに入れるのを認めるよう呼びかけている。しかしそれは人民元をドルのライバルにし、国際備蓄通貨にする可能性がある。その見返りとして、中国は類似する重大な譲歩を行い、改革を推進する必要がある。この文章によると、人民元を通貨バスケットに入れることで、中米両国を1つにすることができるが、こうした合意は難しい。

 米国サイト「ビジネス・インサイダー」で、「ソロス氏は中国にたいへん依存しており、中国での投資を守るため、米国の国益と我々の盟友を譲っている」という書き込みがある。また、「中米のような大国にとって、互いに敵と見なすのは宿命で、それを阻止する人間はいない」という声もある。

新華ニュース 2015年06月22日

2015-06-15

元少年A(酒鬼薔薇聖斗)著『絶歌』を巡って


『淳』土師守
『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子
『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子

 ・元少年A(酒鬼薔薇聖斗)著『絶歌』を巡って

神戸連続児童殺傷 加害男性が手紙、遺族「涙止まらず」

 神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、山下彩花ちゃん=当時(10)=が亡くなって23日で18年。命日を前に、両親に加害男性(32)から手紙が届いた。彩花ちゃんの母京子さん(59)が取材に応じ、「事件そのものに初めて触れており、事件に向き合っていることが分かる言葉がいくつもあった」と印象を語った。

 手紙は加害男性側の弁護士を通じて14日に届いた。京子さんは「私信」として内容を明かしていないが、近況は書かれていなかったという。B5判の紙8枚にわたり、過去に受け取った十数通の中で最も多いという。

「手紙を読み、例年以上に涙が止まらなかった」と京子さん。声のトーン、表情、さらさらなびく髪…。事件直前の彩花ちゃんを鮮明に思い出した。「手紙からは、奪ったものの大きさに打ちのめされている様子が伝わってきた」とし、「誰かが本気で彼に関わっていれば、彼自身も彼の家族も不幸にならずに済んだのでは」と話す。

 高齢女性を殺害したとして1月に逮捕された名古屋大の女子学生が加害男性を意識していたとの報道に、京子さんの胸は締めつけられた。だが、手紙を読み終え、「彼も普通の人間。後悔もざんげもする。もし彼の生の言葉が社会に伝われば、そういった犯罪の抑止力になれるのでは」と感じている。

【神戸・連続児童殺傷事件】 神戸市須磨区で1997年2~5月に小学生5人が襲われ、小学4年山下彩花ちゃん=当時(10)=と小学6年土師淳君=同(11)=が死亡した。兵庫県警は「酒鬼薔薇聖斗」(さかきばら・せいと)と名乗る中学3年だった少年=同(14)=を殺人などの容疑で逮捕した。少年は2004年3月に関東医療少年院を仮退院し、05年1月に本退院となり社会復帰した。事件は少年法改正や犯罪被害者救済に大きな影響を与えた。

神戸新聞 2015年3月23日



加害男性の手記「今すぐ出版中止を」土師さん 神戸連続殺傷事件

 神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、加害男性(32)が手記を出すことを受け、小学6年の土師淳君=当時(11)=を殺害された父親の守さん(59)がコメントを出した。全文は次の通り。

 加害男性が手記を出すということは、本日の報道で知りました。

 彼に大事な子どもの命を奪われた遺族としては、以前から、彼がメディアに出すようなことはしてほしくないと伝えていましたが、私たちの思いは完全に無視されてしまいました。なぜ、このようにさらに私たちを苦しめることをしようとするのか、全く理解できません。

 先月、送られてきた彼からの手紙を読んで、彼なりに分析した結果をつづってもらえたことで、私たちとしては、これ以上はもういいのではないかと考えていました。

 しかし、今回の手記出版は、そのような私たちの思いを踏みにじるものでした。結局、文字だけの謝罪であり、遺族に対して悪いことをしたという気持ちがないことが、今回の件でよく理解できました。

 もし、少しでも遺族に対して悪いことをしたという気持ちがあるのなら、今すぐに、出版を中止し、本を回収してほしいと思っています。

神戸新聞 2015年6月10日

「酒鬼薔薇聖斗」の“人間宣言”――元少年A『絶歌』が出版される意義:松谷創一郎
少年A手記で注目 日本でも「サムの息子法」制定の声高まる
神戸・小学生連続殺傷事件:彩花さんの母・山下京子さん手記全文「どんな困難に遭っても、心の財だけは絶対に壊されない」

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2015-06-05

20歳女性を性奴隷に、男女6人を起訴 フランス


 フランスで22日、女性(20)を1か月以上にわたって監禁し、性奴隷としてレイプや暴行を加えたうえ獣姦などを強いていたとして、男女6人が起訴された。

 被害女性は精神上の問題を抱えており、北部ベルダン(Verdun)で監禁されていたとされる。地元メディアによると、女性は銀行のキャッシュカードを返してもらうとの口実で知り合いの元教師と会うことを被告らに認めさせ、女性の状況に気付いたこの元教師が通報して事件が発覚した。

 被告側弁護士によると、強姦と野蛮行為の罪で起訴されたのは19~27歳の男3人と女3人。一部は監禁罪でも起訴されている。

 関係筋によると、女性は被告のうち女2人と青少年労働者向けのユースホステルで知り合い、女らの自宅に誘われて被害に遭った。監禁中はこの女2人の友人たちが特に激しく女性を虐待し、殴る、やけどを負わせる、頭を剃るなどのほか、凍った川に飛び込ませたりキャットフードを食べさせたりしたうえ、獣姦を強要したという。

AFP 2015-03-23

仏軍の性暴力、放置か=中央アフリカで子供犠牲、調査へ-国連


【ニューヨーク時事】政情不安が続く中央アフリカで、治安回復のために派遣されたフランス軍が現地の複数の子供に性的暴力を働いた疑いが持たれていることに関し、国連が問題を把握していたにもかかわらず対応を怠った可能性があるとして、潘基文事務総長は3日、外部チームによる独立した調査を行うと発表した。

 数日内に調査の責任者が発表される。中央アフリカに展開していた仏兵が2013年12月~14年6月、避難民施設で複数の子供に対し、食料を与える見返りに性行為を強要した疑いがあり、仏当局は兵士14人を捜査している。

 中央アフリカには国連の平和維持活動(PKO)部隊も派遣されており、国連に性暴力に関する報告が上がっていたにもかかわらず、適切に対処しなかった疑いが強まっている。

時事通信 2015-06-04

2015-05-21

ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く


人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事
・ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う

 北京時間20日の情報によると、資産家のジョージ・ソロス氏は19日、中米両国は経済協力を強化し、第3次世界大戦が発生する可能性を減らさねばならないと語った。

 ソロス氏は世界銀行ブレトンウッズ会議の席上で、米国には大きな譲歩が必要であり、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR通貨バスケット)に中国の人民元を加えることを許すことで、中国も経済改革を強化するよう呼びかけた。

 ソロス氏によると、もし中国経済が衰退期に入れば、第3次世界大戦が起こる可能性があるといっても過言ではないと言う。

 同氏によると、中米間の合意達成は難しい。だが合意がなければ、中国は政治的軍事的にロシアと連盟を結成し、更に世界大戦の脅威が増す。これを回避するため、努力する必要があるという。

新華ニュース 2015-05-20

人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事」と併せて考えると、基軸通貨がドルから元に変わる大きな潮目となる可能性がある。

2015-05-12

人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事


 ・人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事

ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う中国人民元をSDR構成通貨に採用、IMF理事会が承認

[上海 20日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は20日、訪問先の上海で、人民元が将来的に、IMFの特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用されるとの見解を示した。

 専務理事は復旦大学での講演後の質疑応答で、「採用されるかどうかの問題ではなく、いつ実現するかという問題だ」と述べた。「依然として多くの作業が必要とされており、これは誰もが認識していることだ」とした。

 IMFは今年中に5年ごとのSDR構成通貨の見直しを行う予定で、人民元の採用を決定する可能性があるとの見方が浮上している。SDRは現在、ドル、円、ポンド、ユーロの4通貨のバスケットで構成されている。

 ラガルド氏はまた、中国の目下の最大の課題は、先進国入りを前に成長が停滞する「中所得国のわな」を回避することだと指摘。経済成長のペースを落とし、質を高めるよう求めた。

 中国の昨年の経済成長率は7.4%と、24年ぶりの低水準に鈍化。IMFは今年は6.8%にさらに鈍化すると予想している。中国政府は7.0%の目標を掲げている。

ロイター 2015-03-21

人民元はIMFのSDRに採用されるのか

2015-02-21

米英情報機関が不正侵入か SIMカード最大手が調査


 米英の情報機関がSIMカード世界最大手の欧州企業「ジェムアルト」(本社オランダ)のコンピューターシステムに不正侵入し、携帯電話による通話やデータ通信の傍受を可能にする暗号化情報を入手していた疑惑が浮上、同社が20日までに調査を始めた。

 同社は年間約20億枚のSIMカードを製造、米国や日本を含め世界中の通信会社の携帯端末に採用されている。疑惑が事実であれば、米英の盗聴活動が広範囲に及んでいた可能性があり、批判が再燃しそうだ。

 米国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の調査報道を続けるネットメディア「インターセプト」が19日、米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン容疑者が入手した機密文書に基づき疑惑を報じた。

 NSAと英国の通信傍受機関、政府通信本部(GCHQ)の合同チームが2010年ごろ、ジェムアルトのシステムに不正プログラムを埋め込み、いつでも情報を引き出せる仕組みを作っていたという。(共同)

産経ニュース 2015-02-21

SIMカードを標的に - 米NSAと英GCHQ、ゲマルト製品の暗号キーを不正入手(The Intercept報道) - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
小龍茶館|スノーデンの暴露:米英連合諜報機関が世界中の携帯SIMを根こそぎモニタリングする方法とは

2015-02-16

「石を拾って」有罪のパレスチナ14歳少女、イスラエルが早期釈放


 イスラエルは13日、イスラエル人への攻撃を企てたとして6週間にわたって収監していたパレスチナ自治区の14歳の少女を釈放した。自治区の子どもを有罪とし、収監したことについて、イスラエルに対する怒りの声が上がっている。

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(West Bank)のトルカレム(Tulkarem)で活動するAFPカメラマンによると、同地で釈放されたマラク・アルハティブ(Malak al-Khatib)さんは両親や親族、自治体の首長らの出迎えを受けた後、約40キロ離れた自宅のあるベイティン(Beitin)村に戻った。

 マラクさんは昨年12月31日に学校から帰宅する途中で身柄を拘束され、軍事裁判で禁錮2か月の刑が言い渡されたが、イスラエルで拘束されているパレスチナ人の代理人を務める非政府組織「パレスティニアン・プリズナーズ・クラブ(Palestinian Prisoners' Club)」によると、年齢を考慮して2週間ほど減刑され、13日に釈放されたという。

 起訴状によると、マラクさんは自宅のある村の近くでイスラエル人の入植者たちが運転していた複数の車に向かって投げ付けるため「石をひとつ拾った」ほか、身柄を拘束された場合に備え、保安要員を傷つけるための刃物を所持していたという。

 釈放後、マラクさんはAFPの取材に対し、すべての罪を否定した。

 イスラエルは西岸地区で毎年、およそ1000人の子どもの身柄を拘束している。人権団体「ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナル・パレスタイン(Defence for Children International Palestine)」 によると、理由は投石である場合が多い。

 また、前出のプリズナーズ・クラブによれば、イスラエルで収監されているパレスチナ人の未成年者は推定200人。そのうち女子はわずか4人で、マラクさんは最年少だった。

 イスラエル軍の報道官はマラクさんが収監された当時、有罪判決の確定前、マラクさんには司法取引の機会が与えられたと述べていた。だが、マラクさんの父親は、自白した内容にはほとんど意味がないと話している。

 父親は苦々しく、「14歳の子どもがイスラエル兵に取り囲まれれば、何の罪でも認めてしまう」、「核兵器の保有だって認めさせることができるだろう」と語った。

AFP 2015年02月15日

2015-01-31

黒人はサンタになれない? 教員の発言で物議


 米ニューメキシコ州のハイスクールに通うアフリカ系米国人の中学生が、教員から肌の色を理由にサンタの服装を否定されたと訴えている。

 CNN系列局のKOATによると、同州クリーブランドハイスクール1年生、クリストファー・ロッジ君は、学校の仮装大会でサンタの服装をしていたところ、男性教員から、サンタは白人なのでロッジ君はサンタにはなれないと言われたという。

 父親のマイケルさんは、息子が恥をかかされ、クリスマスを楽しめなくなったと憤る。問題の教員は謝罪の電話をかけてきたが、それだけでは不十分だと主張、教員の解雇を求めると語った。

 学校区はこの教員の発言について、「不適切であり、言ってはならないことだった」との見解を発表した。教員本人も「愚かな過ち」を犯したと認め、校長に報告して本人と両親に謝罪し、懲戒処分を受けたという。学校側は、別の担任のクラスに替えてほしいという求めにも応じたと説明している。

 サンタの肌の色を巡っては、白人として描かれるサンタ像に疑問を投げかける意見をフォックスニュースが取り上げたことをきっかけに、ちょっとした論争が起きていた。

CNN 2013-12-17

2015-01-08

米シェール企業、原油安で破綻 負債最大60億円


 米メディアによると、テキサス州でシェール開発を手掛けるWBHエナジーが7日までに米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻した。昨夏以降の原油の急落局面で米シェール企業の破綻が明らかになるのは初めてとみられる。

 4日付でテキサス州の連邦破産裁判所に申請したという。最大で5000万ドル(約60億円)の負債があり、原油安で想定通りの売上高が計上できず、資金繰りが悪化したとみられる。

 米シェール開発会社は中小業者が多く、資金力も限られることから、開発費を借入金や社債に頼っている。中小会社は先物取引などを用いた価格ヘッジも十分でないケースがあり、原油安が業績に直撃しやすい財務構造になっている。加えて、米地方の金融機関が中小シェールに対する融資回収を急ぐとの見方も出ていることなどから、今後も同様の破綻が相次ぐ可能性がある。

 ただ、中小シェール企業は足元では、資金流出を最小限に食い止めるため投資抑制も急いでいる。中堅シェールの一角であるオアシス・ペトロリアムは、2015年の投資金額を前年に比べ半減させる方針を先月に公表した。

 体力のある大手シェール企業は引き続き15年も高水準の投資を実施し、原油生産については14年に比べ拡大計画を維持している企業もある。このため、仮に中小シェール企業の破綻が相次いだとしても、世界の原油需給の悪化要因になっている米原油生産の拡大傾向が、すぐに歯止めがかかるかどうかは不透明だ。

日本経済新聞 2015-01-08



2014-12-10

CIA:尋問は拷問…テロ情報取得「効果なし」上院報告書


 米上院情報特別委員会は9日、2001年の同時多発テロ後にブッシュ前政権下で中央情報局(CIA)がテロ容疑者に対して行った過酷な尋問に関する報告書の要旨を公表した。水責めなどの尋問について「CIAが政策形成者らに説明していたものより残酷」とし、「正確な情報を得る手段として効果的ではなかった」と批判。詳細をホワイトハウスや議会にも伝えずに「独走」した組織を非難した。

◇同時多発テロ後実施

 同委は09年から、CIAが同時多発テロ後に国外の「ブラックサイト」と呼ばれる秘密基地にテロ容疑者を拘束し、極秘に実施してきた「強化尋問技術」(EIT)と呼ばれる過酷な尋問について、内部文書などから包括的な検証を実施。報告書は6700ページを超えるもので、要旨約500ページや結論部分約20ページなどが公開された。

 報告書によると、秘密基地には119人を拘束。テロ容疑者に対し、水責め▼氷風呂▼最大180時間眠らせない睡眠妨害▼子供や親に危害を加えるとの脅迫――などを行っていた。コンクリートに裸の体を固定されて低体温症で死亡したケースもあった。同委のファインスタイン委員長は上院で演説し、「強圧的な尋問手法が用いられ、一部は拷問に相当するものだった」と指摘した。

 一方、EITの対象だった39人のうち7人からは何の情報も出てこなかった▼EITを受けていない拘束者も正確な情報を出してきた――などとし、EITがテロ容疑者から正確な情報を得たり、容疑者の協力を得たりするうえで効果はなかったと結論づけた。

 報告書はまた、司法省に不正確な情報を繰り返し提供することで拘束や尋問の法的な側面の検証を妨げたり、ホワイトハウスや議会に対しても正確で十分な情報の提供をせず、EITの効果があると印象付けたりした、とCIAを批判。EITに対する世論の批判に対抗するため、CIAが一部メディアに不正確な情報を流して世論形成をしようとしたことなども指摘した。

 オバマ大統領は09年の就任直後、ブッシュ時代の過ちを明確にして、EITを含めた残虐な尋問手法を中止した。オバマ氏は報告書要旨の公表を受けた声明で「米国の世界での地位を著しく傷つけた。こうした手法を用いることは二度とない」と拷問との決別を確約した。

毎日jp 2014年12月10日



【強化尋問技術(EIT=Enhanced  Interrogation Technique)】

 2001年9月11日の米同時多発テロを受け、国際テロ組織アルカイダのテロ容疑者らに対して米中央情報局(CIA)が実施した拘束・尋問プログラム。外傷を与えずに最大限の肉体的、精神的苦痛を与えることで、テロ計画や組織の情報を得ようとした。板に寝かせた容疑者の手足を縛り、布で目隠しをして顔に大量の水を浴びせる「水責め」などで、事実上の拷問だとの批判が強く、オバマ大統領が09年の就任直後に大統領令で禁止した。(毎日新聞 2014年12月10日 夕刊)



【拷問報告書のポイント】

○中央情報局(CIA)は世界各国で119人のテロ容疑者を拘束し、うち39人に過酷な尋問を行った。
○尋問は正確な情報や容疑者の協力を得る上で効果的ではなかった。
○顔などに大量の水を注ぐ「水責め」のほか、立たせ続けるなどして睡眠を奪う、氷水に入れる、狭く暗い部屋に長時間閉じ込める、衣服を与えない、家族に危害を加えると脅迫するなどの方法があった。低体温症で死亡した者もいた。
○CIAは批判をかわすため、ホワイトハウスや議会、メディアに不正確な説明を重ねた。
○CIAの手法は米国の名声や、人権問題で米国が長年築き上げてきた指導力に計り知れない打撃をあたえた。

(毎日新聞 2014年12月10日 夕刊)

2014-09-24

ロックフェラー兄弟財団、化石燃料投資から撤退宣言


 世界最大の石油財閥であるロックフェラー一家(Rockefellers)が22日、化石燃料に対する投資を止めると発表し、米ニューヨーク(New York)で23日に開かれる国連(UN)の気候変動サミットにとって大きな後押しとなりそうだ。

 サミットを翌日に控え、民間機関や個人、地方自治体などによる連合はこの日ニューヨークで、化石燃料に対する計500億ドル(約5兆4000億円)以上の投資撤退を宣言した。この連合には資産規模8億4000万ドル(約900億円)のロックフェラー兄弟財団(Rockefeller Brothers Fund)も含まれており今後、化石燃料との関わりを可能な限り減らし、また環境に最も有害なエネルギー源とされる石炭灰と油砂(オイルサンド)へのすべての投資を止めると発表した。

 ロックフェラー兄弟財団は、ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の子孫たちによる財団。石油王ロックフェラーが創始したスタンダード・オイル(Standard Oil)の後身である世界最大級の石油大手、米エクソンモービル(ExxonMobil)は、気候変動に関する取り組みの敵となることが多い。

 化石燃料産業全体の規模に比べれば投資撤退の規模は小さいが、気候変動問題に取り組む人々からは歓迎の声が上がっている。南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大主教は、この宣言を歓迎するビデオ・メッセージを発表し「私たちはこれ以上、化石燃料への依存を支えるわけにはいかない」と述べた。

AFP 2014年9月23日

2014-09-10

「悪は凡庸」ではない? 有名実験を新たに研究


 普通の人々を悪事に駆り立てるものとは何か──この問いについて哲学者や倫理学者、歴史家や科学者たちは何世紀も論争してきた。

 現代にも大きく通じる考えの一つは「ほとんど誰もが」、命令されれば残虐行為を働くことができるというものだ。独裁的な人物の命令や同調意識によって、我々はブルドーザーで家を押し潰し、本を燃やし、親から子どもを引き離し、彼らを殺すことさえやり遂げることができる。このいわゆる「悪の凡庸さ」は第2次世界大戦(World War II)中に何故、教育を受けた一般的なドイツ人が、ユダヤ人虐殺に加担したのかを説明する理論として引用されてきた。しかし、50年以上前に行われた世論形成実験を再検討した心理学者たちが今、再考を求めている。

「参加する者たちは自分たちが何をしているのか分からずに、ただそれを遂行することが目的になっている『考えや意識の無いしかばね』だとする『悪の凡庸さ』という概念だが、我々がデータを読み収集すればするほどそれを裏付ける証拠が減っていった」と、オーストラリア・クイーンズランド大学(University of Queensland)のアレックス・ハスラム(Alex Haslam)教授はいう。「我々の感覚とは一種の同一化であり、従ってすべての非道な行動の基には概して選択がある」

■偽の拷問実験とホロコーストの指揮者

 今回の検証で焦点となったのは、1961年に米エール大学(Yale University)の心理学者スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram)氏が実施した伝説的な実験だ。

 この実験に協力したボランティアは「学習に関する実験をする」と聞かされ、単語を組み合わせて覚えたはずの「生徒役」が回答を間違えると電気ショックを与える「教師役」をさせられた。そして「生徒役」が間違えるたびに「教師役」のボランティアは、実験用白衣を着た博士のような人物から、電気ショックの電圧を上げるように命じられた。電圧の目盛は15ボルトから始まり、最高は致死電圧の450ボルトだった。

 しかし、実はこれは偽の実験だった。「生徒役」は役者で、実際には電流も流されていなかった。実験中、「教師役」のボランティアからは「生徒役」の姿は見えず、聞こえていたのは声だけだった。

 だが驚くことに「生徒役」が止めてくれるよう懇願したり、泣き叫んだりするのが聞こえても、「教師役」のボランティアの3分の2近くが「致死の電圧」に至るまで、実験を続行した。この実験は、命令を受けている下で、いかに良心が抑制され得るかを示す例として様々な教科書で取り上げられるようになった。

 さらにこの実験での発見は、ナチス・ドイツ(Nazi)のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に関与したナチス親衛隊のアドルフ・アイヒマン(Adolf Eichmann)の1961年の裁判を扱った政治哲学者ハンナ・アーレント(Hannah Arendt)の画期的な著書と一致するものだった。  アーレントが見たアイヒマンは、思い描いていたような怪物的な人物像とは程遠く、むしろつまらない官僚的な人物だった。このことからアーレントは、普通の人間が周囲に同調することによって残虐行為を犯す可能性を言い表すために「悪の凡庸さ」という言葉を生み出したのだった。

■実験に肯定的だったボランティアたち

 英心理学専門誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・サイコロジー(British Journal of Social Psychology)」に発表された新たな研究は、先の実験の中で「教師役」とされたボランティアたちについて、さらに詳しく調査した。研究チームがエール大学の保管庫から探し出したのは、実験終了後、実験の真の目的と、拷問が嘘だったことを告げられたボランティアたちが書き残したコメントだった。

 ボランティア800人のうち感想を書き残したのは659人。このうち実験中に不安や苦痛を感じたと答えたボランティアは一部で、多くは実験について肯定的に報告し、一部には極端に肯定する者もいた。

 例えば「このような重要な実験に参加することでのみ、人は良い気分になれる」「人間と他者に対する態度の発達について、ささいな方法ながらも貢献できたと感じる」「こうした研究が人類に寄与するものだと考えるのならば、もっとこうした実験を行うべきだと言える」といった感想だ。

 こうした幸福そうなコメントは、電気ショックが偽物で、従って誰も傷つけてはいなかったことが分かった安堵(あんど)感に由来したのだろうか。

 そうではない、と今回の研究の論文は主張する。義務を果たしたことや、価値あることに貢献したという喜びが、コメント全般にみられた。ミルグラムは実験前、ボランティアたちに具体的な内容は告げずに、しかし、これから行う実験は知識を進化させるものだと告げていた。

 参加者たちが名門エール大学に対する畏敬の念も働いた。コネチカット(Connecticut)州ブリッジポート(Bridgeport)のオフィスで同じ実験を行ったときよりも、服従の度合が高かったからだ。論文は、ボランティアたちが「白衣の監視役」に無気力に従ったのではまったくなく、自分たちは「科学」という崇高な目的のために実行しているのだという信念を持って、電気ショックをエスカレートさせていったのだと指摘している。

 クイーンズランド大学のハスラム氏は「こうした場合、倫理的問題は通常考えられているよりも、もっと複雑だ。ミルグラムは明らかに参加者の不安を和らげた。有害なイデオロギー、つまり他の場合ならば非道なことでも、科学という大義のためであれば容認できるという考えを、参加者に信じ込ませることによって」と述べた。

 英セント・アンドリューズ大学(University of St Andrews)のスティーブン・ライヒャー(Stephen Reicher)教授は今回の研究は、一般的な人物が異常なほどの実害を及ぼす行動を起こす可能性を指摘し、しかしそのときに主要因となっているのは思慮の欠如ではないことを示していると述べた。そして教授は「人々は自分たちが何をしているのか自覚していて、しかも、それを正しいことだと思ってやっているのだというのが、我々の主張だ。この根源にあるのは大義との一体化であり、権力がその大義を正当に代表していると容認するところから来ている」と語った。

AFP 2014-09-09

『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
『服従実験とは何だったのか スタンレー・ミルグラムの生涯と遺産』トーマス・ブラス

2014-07-22

ミツバチ大量死、原因は害虫用殺虫剤 分析で成分検出


 夏に北海道などの北日本で多発しているミツバチの大量死現象は、害虫のカメムシを駆除するため水田に散布される殺虫剤が原因の可能性が高いとする調査結果を18日、農研機構畜産草地研究所(茨城県つくば市)などの研究チームがまとめた。

 研究チームは2012年夏、北日本の水田地帯に養蜂家がミツバチの巣箱を置いた8地点(計415箱)を調査。1カ月間に5地点で、巣箱の近くで死んだミツバチが山のように積み重なっているのを確認した。

 死んだミツバチを分析したところ、全てからネオニコチノイド系を中心に2種類以上の殺虫剤成分が検出された。ウイルスによる病気やスズメバチの襲来などはなく、カメムシ用の殺虫剤が原因の可能性が高いと結論づけた。

朝日新聞デジタル 2014-07-19

2014-06-21

「JKお散歩」は人身売買=米国務省が年次報告書


【ワシントン時事】米国務省は20日、世界各国の人身売買の実態をまとめた年次報告書を公表した。日本については、女子高生とデートできるとうたった「JKお散歩」と呼ばれる接客サービスを新たな性目的の人身売買の例として示した上で、各国の取り組みを4段階に格付けした中の、上から2番目の評価に据え置いた。

 日本が2番目の評価にとどまったのは10年連続。報告書は「援助交際」も人身売買の例に挙げ、「日本に来る外国人の女性や子供の中には、到着後すぐに売春を強要される者もいる」と指摘。「日本人男性は、東南アジアやモンゴルでの児童買春ツアーの大きな需要源」とも記した。

 また、政府が運営する技能実習制度で来日した人も含め、外国人労働者が強制労働の被害者になりやすい実態があると説明。「日本政府は、人身売買撲滅のための最低基準を十分に満たしていない」と認定し、包括的な人身売買禁止法の制定などを改めて勧告している。

 4段階のうち最高評価だったのは米国、韓国など31カ国・地域。制裁対象となり得る最低評価はロシア、北朝鮮、イランなど23カ国だった。

時事ドットコム 2014-06-20

2014-05-21

遺伝上の父を知りたい 精子提供で生まれた6人が出版


 私は一体誰なのか。遺伝上の“父”を知りたい――。提供精子による非配偶者間人工授精(AID)で生まれた当事者の声を伝える「AIDで生まれるということ」(萬書房、税抜き1800円)が出版された。誰か分からない男性の精子で生まれたことを知った衝撃、家族との葛藤、永遠に消えることのない苦悩が、本人の言葉でつづられている。

 AIDは無精子症など男性側に不妊原因がある場合に実施される。国内では60年以上の歴史があり、1万人以上が生まれたとされる。近年、精子提供者の情報開示をめぐり、出自を知る権利の議論が高まっている。

 本に登場する当事者は横浜市の医師、加藤英明さん(40)ら30~50代の男女6人。大人になってからAIDの事実を偶然知ったり、両親の離婚などをきっかけに突然知らされたりした。共通するのは、自分が何者か分からないという不安や不気味さだ。

「人生の土台が崩れた」「自分の誕生に男女の『情』というものが存在しなかったという、絶望にも似た気持ち」。涙が止まらず、心療内科に通い続けた女性もいる。

「誰のための技術なのか」という彼らの問い掛けは、子どもを授かりたいという親の願望をかなえる一方、子どもの幸せが置き去りにされている生殖医療の在り方に警鐘を鳴らす。〔共同〕

【日本経済新聞 2014-05-21 夕刊】

AIDで生まれるということ 精子提供で生まれた子どもたちの声

















2014-05-13

生活保護申請で女性に誓約書 「異性との生活禁止」


 京都府宇治市の職員が、生活保護を申請した母子世帯の女性に対し、異性と生活することを禁止したり、妊娠出産した場合は生活保護に頼らないことを誓わせたりする誓約書に署名させていたことが13日、分かった。

 市によると、誓約書は、ケースワーカーが個人的に作成し、母子世帯のほか、外国人などへの誓約事項を列挙。「日本語を理解しないのは自己責任。仕事が見つからないとの言い訳は認められない」とも書かれていた。市は不適切だったとして、関係者に謝罪した。

 生活支援課の30代の男性ケースワーカーが署名させていた。「受給中はぜいたくや無駄遣いをせず、社会的モラルを守ることを誓う」などとも書かれていた。

共同通信 2012-03-13

人権侵害の誓約書 宇治市が生活保護申請で市民に強要|おおきに宇治市議会議員の水谷修です。
村野瀬玲奈の秘書課広報室 | 京都府宇治市のケースワーカーが生活保護受給者に署名させた「誓約書」が心底おぞましい。

2014-05-11

「わだつみ」に別の遺書 恩師編集、今の形に


 戦没学徒の遺書や遺稿を集め、戦後を代表するロングセラーとなっている「きけ わだつみのこえ」(岩波文庫)の中でも特に感動的な内容で知られる木村久夫(一九一八~四六年)の遺書が、もう一通存在することが本紙の調べで分かった。「わだつみ」ではすべて獄中で愛読した哲学書の余白に書かれたものとされていたが、実際は二つの遺書を合わせて編集してあり、辞世の歌も今回見つかった遺書にあった。

「もう一通の遺書」は手製の原稿用紙十一枚に書かれており、遺族が保管していた。父親宛てで、末尾に「処刑半時間前擱筆(かくひつ)す(筆を置く)」とあった。

 この遺書で木村は、先立つ不孝をわび、故郷や旧制高校時代を過ごした高知の思い出を語るとともに、死刑を宣告されてから哲学者で京都帝国大(現京都大)教授だった田辺元の「哲学通論」を手にし、感激して読んだことをつづった。また、戦後の日本に自分がいない無念さを吐露。最後に別れの挨拶(あいさつ)をし、辞世の歌二首を残した。

 木村の遺書は、旧制高知高校時代の恩師・塩尻公明(一九〇一~六九年)が四八年に「新潮」誌に発表した「或(あ)る遺書について」で抜粋が紹介され、初めて公になった。「凡(すべ)てこの(「哲学通論」の)書きこみの中から引いてきた」とされ、「わだつみ」でも同様に記されたが、いずれも二つの遺書を編集したものだった。

「わだつみ」の後半四分の一は父宛ての遺書の内容だった。二つの遺書を精査したところ、「哲学通論」の遺書で陸軍を批判した箇所などが削除されたり、いずれの遺書にもない言葉が加筆されたりしていたことも分かった。「辞世」の歌二首のうち最後の一首も違うものになっていた。

 大阪府吹田市出身の木村は京都帝大に入学後、召集され、陸軍上等兵としてインド洋・カーニコバル島に駐屯。民政部に配属され通訳などをしていたが、スパイ容疑で住民を取り調べた際、拷問して死なせたとして、B級戦犯に問われた。取り調べは軍の参謀らの命令に従ったもので、木村は無実を訴えたが、シンガポールの戦犯裁判で死刑とされ、四六年五月、執行された。二十八歳だった。

 木村は判決後、シンガポール・チャンギ刑務所の獄中で同じく戦犯に問われた元上官から「哲学通論」を入手。三たび熟読するとともに、余白に遺書を書きつづった。執行間際には今回見つかった遺書を書き、両方が戦友の手で遺族のもとに届けられたとみられる。

◆衝撃、改訂を検討したい

 日本戦没学生記念会(わだつみ会)の高橋武智理事長の話 もう一つ遺書があったことは初めて知った。「きけ わだつみのこえ」の編集上、頼りにしていた塩尻公明の「或る遺書について」とも違いがあると知り、二重に衝撃を受けている。今後、遺書が公になれば、ご遺族の意見も伺いながら改訂を検討したい。

《「きけ わだつみのこえ」》 東京大協同組合出版部が1947(昭和22)年に出版した「はるかなる山河に-東大戦没学生の手記」を全国の学徒に広げ、49年に刊行された。82年に岩波文庫に入り、改訂を加えた95年の新版は現在もロングセラーを続けている。74人の遺書・遺稿を収録。木村久夫の遺書は、特別に重要なものだとして「本文のあと」に掲載されている。

東京新聞 2014年4月29日 朝刊

きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (ワイド版岩波文庫)きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫)
(※左がワイド版、右が文庫本)

近藤道生と木村久夫/『きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記』日本戦没学生記念会編

2014-04-12

キリストの「妻」記述のパピルス片、ねつ造ではないと判明


 ハーバード大学の研究者が2012年に発表したキリストの妻に関する記述のあるパピルス片は、近代にねつ造されたものではないことがわかったと、同大学の神学誌「ハーバード・セオロジカル・レビュー」が11日までに伝えた。

 パピルス片は名刺とほぼ同じ大きさで、「キリストは彼らに向かい、『私の妻が…』と発言した」、「彼女は私の弟子になれるだろう」と記されている。同大神学校は声明で、幅広い科学的調査を行った結果、このパピルス片は近代になって偽造されたものではなく、6~9世紀ごろのものであることが判明したと明らかにした。


 調査チームはパピルスとインクだけでなく、文字の書き方や文法についても分析を行った。

 まず、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が行った放射性炭素年代測定によれば、パピルスは659~859年ごろのものだった。MITではパピルスの化学組成や酸化パターンについても調べたという。

 また、インクの分析では1~8世紀ごろのパピルスの標本と一致する結果が出た。

 このパピルス片の存在は2012年、ハーバード大学のカレン・キング教授の学会発表で明らかになった。発表は大きな反響を呼び、このパピルス片が本当に古いものなのか疑問視する声が上がる一方、キリスト教史や女性の聖職者任用を認めるべきかどうかをめぐる議論にも一石を投じた。

CNN 2014-04-11