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2011-12-18

9.11アメリカ同時多発テロの真実 ティエリ・メサン


 9.11テロはブッシュ大統領へ政策を強制するための米軍・石油ロビ-の陰謀か。仏ジャーナリスト、ティエリ・メサン。2002年3月16日放送。



戦争好きブッシュとアメリカブッシュの「聖戦」―宗教、ビジネス、闇のネットワーク石油の隠された貌終りなき狂牛病―フランスからの警鐘

2011-10-22

9.11テロに関する仏ネオコンのプロパガンダ


 9.11テロの政府陰謀説を否定するため放送局ARTEが放映したプロパガンダ・ドキュメンタリーの分析。




グレゴリウス15世(ローマ教皇)

布教聖省
1622年、全世界の宣教活動を指導するために創設された教皇庁の行政機関。教皇グレゴリウス15世の命により正式に発足、「プロパカンダ」とも呼ばれ、1649年の資料では、26宣教団と300名以上の宣教師を指導。

VII 近代世界のキリスト教 2

福音宣教省
PNAC(アメリカ新世紀プロジェクト)
“米帝国論”のシンクタンク アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)
モンサント社が開発するターミネーター技術/『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子

 アメリカにおいてシンクタンクが作るのは政策というよりも「政治レベルの教義」であることがよく理解できる。

プロパガンダ[新版]プロパガンダ教本精神分析学入門 (中公文庫)群衆心理 (講談社学術文庫)

戦争プロパガンダ 10の法則プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜くメディアとプロパガンダ

2011-09-10

9.11から10年狙った「信頼できる」テロ情報、米 警戒強化を指示


 米国土安全保障省(Department of Homeland Security)は8日、9.11米同時多発テロ10年に合わせ「具体的で信頼できる、未確認の脅威の情報」があるとして、警戒を呼びかけた。
 米ホワイトハウス(White House)も、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が「信頼できる未確認情報」を受け、既に強化している警戒態勢を一層強めるよう指示したと表明。また、ニューヨーク(New York)のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)も記者会見し、トンネルや橋などの要所に配置する警察官を増員していることを明らかにした。
 米メディア報道によると、8月に3人の不信人物が米国に入国し、トラックか乗用車に積み込んだ爆発物による攻撃を計画しているとの情報があるという。米テレビABCは、3人の出発地はアフガニスタンで、空路で米国入りしたとみられ、うち1人は米市民権を保持しているとみられるとの米政府高官の発言を伝えた。
 また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)は対テロ対策担当の政府高官の話として、パキスタン出身の国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の戦闘員が、ワシントンD.C.(Washington D.C.)とニューヨーク(New York)を狙った連続自動車爆弾攻撃を計画している恐れがあると報じている。

AFP 2011-09-09

パレスチナの国連加盟問題、米国が拒否権発動を初めて明言

 シナリオが発表された。「3人の出発地はアフガニスタンで、空路で米国入りした」とのこと。つまり今回起こるであろうテロの首謀者はアフガニスタン人というストーリーになっている模様。まるで番組の予告編だ。

 9.11テロの際は、スーダンから寄せられたテロ情報をアメリカは完全に無視した。

タルキ・アル=ファイサル王子がNYtimes紙に寄稿
『9.11 アメリカに報復する資格はない!』ノーム・チョムスキー

2011-09-09

パレスチナの国連加盟問題、米国が拒否権発動を初めて明言


 米国務省のヌランド報道官は8日、パレスチナが国連加盟を申請した場合、米国が安全保障理事会での採決で拒否権を行使する方針であることを明らかにした。
 米政府はパレスチナの国連加盟問題をめぐり、イスラエルとともに反対する姿勢を繰り返し示してきたが、拒否権発動を明言したのは初めて。
 ヌランド報道官は記者会見で、「米国は(国連本部がある)ニューヨークでパレスチナが国家樹立を目指して行っている動きに反対を表明する。国家樹立は交渉を通じてのみ達成可能だ」と強調した。
 ただ、外交関係者からは、今月の国連総会でパレスチナがどのような動きに出るかはっきりしていないとの声も聞かれ、パレスチナが安保理の勧告が必要のない「非加盟国」としての参加を要請する可能性もあるという。

ロイター 2011-09-09

 パレスチナの国連加盟が認められるとどうなるか?

 最近では、中国やスペインがパレスチナの国連加盟を認める表明をしている。パレスチナが国家承認されて国連加盟すると、パレスチナがイスラエルの悪事を国際司法裁判所や人権理事会、安保理などに訴えることができるようになる。パレスチナ問題は、イスラエルの「国内問題」から、イスラエルが「隣国」パレスチナを侵略する「国際法違反」の行為に変質する。イスラエルは国際的に「悪」のレッテルを貼られ、かつてのイラクや最近のシリアのように経済制裁される可能性が高まる。

「イスラエルを悪者に仕立てるトルコ」田中宇

 このような背景から「国連総会(9月20日)の直前にテロが起こるのではないか」という指摘もある。9.11テロからちょうど10年ということもあって、「アラブ勢力による犯行」とでっち上げることも容易だ。

 チョムスキーは9.11テロもイスラエルとアメリカが共謀して行った可能性が高いとしている。両国は宗教的独善国家という共通性がある。何をしでかすかわかったものではない。自ら混乱状態をプロデュースし、国民感情をファナティックな方向へ誘導してきたのがアメリカの歴史だ。

9.11から10年狙った「信頼できる」テロ情報、米 警戒強化を指示
タルキ・アル=ファイサル王子がNYtimes紙に寄稿
『9.11 アメリカに報復する資格はない!』ノーム・チョムスキー

2011-05-11

9.11テロ以降パレスチナ人の死者数が増大/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理


『物語の哲学』野家啓一
『死と狂気 死者の発見』渡辺哲夫

 ・自爆せざるを得ないパレスチナの情況
 ・9.11テロ以降パレスチナ人の死者数が増大
 ・愛するもののことを忘れて、自分のことしか考えなくなったとき、人は自ら敗れ去る
 ・物語の再現性と一回性
 ・引用文献一覧

『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』メアリアン・ウルフ
物語の本質~青木勇気『「物語」とは何であるか』への応答
『アメリカン・ブッダ』柴田勝家
『ストーリーが世界を滅ぼす 物語があなたの脳を操作する』ジョナサン・ゴットシャル
『悲しみの秘義』若松英輔

必読書リスト その一

 東日本大震災からちょうど2ヶ月が経った。被災地ではまだまだ不如意を強いられている方々が多いことだろう。家族や友人を喪った人々が、今日も体育館のダンボールで仕切られた空間に閉じ込められている。

 日本全体で苛立ちが募っている。東京電力や原子力安全・保安院の態度に始まり、政府の対応の悪さ、福島原子力発電所の不透明な現状などを見るにつけ、「これで本当に国家といえるのか?」と疑問の念が湧いてくる。

 今日現在でも死者・行方不明者を合わせると2万4834人にのぼる(時事通信)。この事実に対する緊張感が政治家からは殆ど感じられない。顔つきが一変したのは宮城県気仙沼市が地元の小野寺五典〈おのでら・いつのり/自民党〉だけだろう。

 地震も津波も天災である。それでも、やり場のない怒りを抑えることは難しい。もし神様がいるなら、5~6発ほどぶん殴ってやるところだ。

 とりわけ2001年9月11日、ワシントンとニューヨークで起きた同時多発攻撃事件のあと合州国(ママ)政府の「テロとの戦い」に世界が同調していくなかで、イスラエル軍のパレスチナ侵攻も急速にエスカレートし、2002年3月と4月の両月、それまで二桁だったパレスチナ人の死者数は一挙に200名を越えた。
 日常化した銃撃や砲撃、爆撃によって、日々誰かが斃れていく。隣人が、友人が、恋人が、兄弟が、親が、子どもが、夫が……。愛する者を暴力的に奪われるという、人間の生にとって非日常的であるはずの出来事がこの頃のパレスチナでは日常と化し、「遺された者たちの悲嘆はありふれたものとなった」(※アーディラ・ラーイディ著『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』インパクト出版会、2003年)。
 人間にとってそのような生を生きるとはいかなることなのか。パレスチナ人がパレスチナ人であるかぎり、そうした生を生きること――あるいは、死を死ぬこと――は仕方のないことだとでも言うように、世界が彼ら彼女らを遺棄しているとき、だからこそ、彼らが生きることを――あるいは死ぬことを――強いられている生の細部にまで分け入って、その生の襞に折り込まれた思いに私たちが触れることが何にもまして切実に求められているのではないか。

【『アラブ、祈りとしての文学』岡真理(みすず書房、2008年/新装版、2015年)】

 イスラエルへ勝手に入植してきたユダヤ人の手でパレスチナ人は殺されている。実に1948年から殺され続けているのだ。パレスチナ問題という名称は誤魔化しで、その実体はイスラエル問題である。

 イギリスの三枚舌外交ロスチャイルド家の暗躍によってイスラエルは建国した。

 もしも震災ではなく外国の軍隊によって数万人の同胞が殺戮されたとしたら、あなたはどうするだろう? パレスチナ人にとってはそれが現実である。

 60年を経た今も尚ジェノサイド(大量殺戮)は進行中なのだ。既に三代にわたってパレスチナ人は迫害されている。イスラエルに対する憎悪は沸点に近づきつつあることだろう。本物の若きリーダーが登場すれば、怒りのネットワークは中東地域にまで広がることだろう。

 理不尽に耐えることが人類の行く手を阻む。軍の命令とあらば罪なき人々を平然と殺し、他人の家をブルドーザーで破壊するような連中が滅びないわけがない。

 ユダヤ人の歴史は悲劇の連続であった。しかし、それとこれとは別だ。岡真理の繊細な情感には共感を覚えるが、もはや文学を論じている場合ではあるまい。

2003-03-19

物静かな語り口から発せられる警鐘の乱打/『9.11 アメリカに報復する資格はない!』ノーム・チョムスキー


 ・物静かな語り口から発せられる警鐘の乱打

『武装解除 紛争屋が見た世界』伊勢崎賢治
『メディア・コントロール 正義なき民主主義と国際社会』ノーム・チョムスキー
『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス
『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』ナオミ・クライン
『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム
『アメリカ民主党の崩壊2001-2020』渡辺惣樹
『第三次世界大戦はもう始まっている』エマニュエル・トッド

 読んでから随分と時間が経ってしまったが、今、書かずして後悔することを恐れてキーボードに向かう。

 百数十ページの薄っぺらい文庫本である。だが、その内容の重さは純金にも匹敵するものだ。

 本書は、米国で起きた同時多発テロから1ヶ月後の2001年10月15日にセヴン・ストーリーズ・プレス社という小さな出版社から発行された。日本語版は11月30日に発刊。米国ではテロへの怒りによってもたらされた“国家主義”が大手を振って歩き回っていた頃である。そんな時期に、宣伝もせず、書評欄に取り上げられ ることもなかった本書が、大方の予想を覆して売れ行きを伸ばした。22ヶ国でペーパーバック版となり、その内、5ヶ国ではベストセラーになっている。

 収録されているのは9月19日から10月15日までに行われた各メディアによるチョムスキーへのインタビュー。著名な言語学者であるチョムスキーが淡々とインタビューに答える内容は、米国が世界で行ってきた事実を検証し、テロの根っこをさらけ出し、「目には目を!」と叫ぶ面々の頭に、バケツの水をぶっ掛ける様相を呈している。

 チョムスキーの良心は「エスカレートする暴力の悪循環という世界中でおなじみの力学」を阻止せんとの決意に満ちている。インタビュアーが問い掛ける内容は、マスメディアが世界に発信している情報を拠り所としており、我々が日常、常識と考えているものである。チョムスキーは実に簡潔な言葉で問題の的を射てみせる。彼の言葉によって見つけ出されるのは、己(おの)が思考回路の迷妄に尽きる。以下、引用――

問●アラブ人は、定義上、必然的に原理主義者ですが、西側の新たなる敵でしょうか?

チョムスキー●もちろん違う。まず第一に、ひとかけらでも理性を持った人ならアラブ人を「原理主義者」などとは定義しない。第二に、米国と西側は一般に宗教的な原理主義自体に何ら反対はしていない。事実、米国は世界における、最も過激な宗教的原理主義文化の一つなのだ。国ではなく、大衆文化が。イスラム世界では、タリバンを別にすれば、最も過激な原理主義国家はサウジアラビアである。この国は、建国以来、米国の顧客国家(クライアント)である。タリバンは事実上イスラム教のサウジ版から生まれている。
 よく「原理主義者」と呼ばれる過激なイスラム教徒は、1980年代米国のお気に入りだった。手に入る最高の人殺しだったから。当時、米国の主要な敵はカトリック教会だった。教会は、ラテンアメリカで「貧者の優遇権」(1980年代に中南米で盛んになった解放神学の主張)を採択することによって極悪非道の大罪を犯し、そのおかげでひどい目に遭っていた。西側は敵の選び方において極めて普遍的、世界的である。判定基準は、服従しているか否かであり、権力へ奉仕しているか否かであって、宗教の如何ではない。このことを証明する例はほかにも数多くある。

【『9.11 アメリカに報復する資格はない!』ノーム・チョムスキー:山崎淳訳(文春文庫、2002年)】

「9.11テロに対して、ブッシュ政権は何をすべきか?」との質問にはこう答える――

 もしこの質問について真剣に考えたいのなら、われわれは、世界の大半において米国が、十分な根拠をもって、『テロ国家の親玉』と見なされている事実を認めるべきである。例えば、1986年に米国は国際司法裁判所で『無法な力の使用』(国際テロ)の廉(かど)で有罪を宣告されたうえ、すべての国(すなわち米国)に国際法遵守を求める安全保障理事会の決議に拒否権を発動したことを想起すべきかもしれない。これは無数にある例のうちのたった一つである。

 では以下に本書で取り上げられているいくつかの事実を列挙してみよう――

(1)1980年代のニカラグアは米国による暴力的な攻撃を蒙った。何万という人々が死んだ。国は実質的に破壊され、回復することはもうないかもしれない。この国が受けた被害は、先日ニューヨークで起きた悲劇よりはるかにひどいものだった。彼らはワシントンで爆弾を破裂させることで応えなかった。国際司法裁判所に提訴し、判決は彼らに有利に出た。裁判所は米国に行動を中止し、相当な賠償金を支払うよう命じた。しかし、米国は、判決を侮りとともに斥(しりぞ)け、直ちに攻撃をエスカレートさせることで応じた。そこでニカラグアは安全保障理事会に訴えた。理事会は、すべての国家が国際法を遵守するという決議を検討した。米国一国がそれに拒否権を発動した。ニカラグアは国連総会に訴え、そこでも同様の決議を獲得したが、2年続けて、米国とイスラエルの2国(一度だけエルサルバドルも加わった)が反対した。

(2)1985年、レーガン政権はベイルートで爆弾テロを仕掛けた。イスラム教の聖職者を暗殺することが目的だったが、これに失敗。モスクの外に爆弾トラックを配備し、最大の死傷者が出るようタイミングを計ったため、礼拝を終えて一斉に帰る人々が殺された。死者80名。負傷者250名。(47p)

(3)イスラエルのレバノン侵攻を支持。これが自衛のためでなかったことをイスラエルは直ぐに認めている。レバノンとパレスチナの一般市民18000人が殺される。

(4)1990年代、米国はトルコに対し、南東部に住むクルド人への反乱鎮圧戦争に際し、兵器の80%を供給。何万人も殺し、200〜300万人を家から叩き出し、3500の町や村を破壊し(NATOの爆撃によるコソボの7倍)、想像できる限りの残虐行為を行った。トルコがテロ攻撃を始めた1984年に武器の流れが急に増え、テロがほぼ目標を達成した1999年にやっと元のレベルに戻った。1999年、トルコは米国兵器の主な受取人(イスラエルとエジプトを除く)の地位をコロンビアに譲った。コロンビアは南半球における1990年代の最悪の人権侵害国家であり、一貫したパターンにより、米国の兵器と訓練の主要受取人として群を抜いている。

(5)1998年、ケニアとタンザニアで起こった米大使館爆破事件に関して主犯をオサマ・ビンラディンと特定。スーダンとアフガニスタンを攻撃した。スーダンのアル−シーファ薬品工場を「化学兵器工場」であとして破壊。スーダンは、国連に爆撃の正統性を調査するよう求めたが、それすら米国政府は阻止した。それから1年後の報道によれば、「命を救う薬品(破壊された工場)の生産が途絶え、スーダンの死亡者の数が、静かに上昇を続けている……こうして、何万人もの人々――その多くは子供である――がマラリア、結核、その他の治療可能な病気に罹(かか)り、薬がないため死んだ。[アル−シーファは]人のために、手の届く金額の薬を、家畜のために、スーダンの現地で得られるすべての家畜用の薬を供給していた。スーダンの主要な薬品の90%を生産していた……スーダンに対する制裁措置のため、工場の破壊によって生じた深刻な穴を埋めるのに必要なだけの薬品を輸入することができない……1998年8月20日、米国政府が取った作戦行動はいまだにスーダンの人々から必要な医薬品を奪い続けている」(ジョナサン・ベルケ『ボストン・グローブ』1999年8月22日号)

 イドリス・エルタイエブ博士は、スーダンの一握りの薬学者の一人でアル−シーファの会長だ。「あの犯罪は」と博士は言う。
「ツイン・タワーのテロと等しいテロ行為である――ただ一つ違うのは、やったのは誰かわれわれが知っていることだ。私は[ニューヨークとワシントンで]人命が失われたことをとても悲しく感じる。しかし、数という点で言うなら、また、貧しい国に負わされた相対的なコストの大きさで言うなら、〔スーダンの爆撃の方が〕ひどい」

 ミサイル攻撃の直前に、スーダンは大使館を爆破した容疑者2名を拘束。米国政府に通報したが、米国はこの協力の申し出を拒否。スーダン側はこれに怒って容疑者を釈放。この中には、「オサマ・ビンラディンとそのアル−カイダ・テロリスト・ネットワークの主要メンバー200人以上に関する今日までの大量のデータベースが入っていた。また、「ファイルには、ビンラディンの幹部たち多くの者の写真や詳しい経歴や、地球上の多くの場所にあるアル−カイダの財政的関係機関の重要な情報が入っていた」。

 驚愕の事実が我々に教えてくれるのは、米国が国益という名の下(もと)に多くの罪無き人々を殺戮(さつりく)していることだ。マスメディアによってもたらされる情報は良識ある市民をつんぼ桟敷へ追いやろうとしている。

 事実を淡々と述べるチョムスキーの姿に骨太の知性を垣間見る。感情的な嫌米主義とは全く質を異にしている。もっと言えば、チョムスキーのメッセージを支えているのは純然たる愛国心かも知れない。

 チョムスキーによって、米国が真に自由の国であることを知る。米国によるイラク攻撃の戦端が開かれようとしている今、本書の価値が一層高まることは間違いない。



9.11テロは物質文明の幻想を破壊した/『パレスチナ 新版』広河隆一
『世界反米ジョーク集』早坂隆
『武装解除 紛争屋が見た世界』伊勢崎賢治