2015-05-14
デイヴィッド・マレル
1冊読了。
50冊目『石の結社』デイヴィッド・マレル:山本光伸訳(光文社、1987年/光文社文庫、1989年)/読んだのは三度目か。エピソード小説。過去の物語である。カットバックの多用が裏目に出ている。現在が中々進行しない。『ランボー』シリーズでは禅に筆の冴えを見せたマレルが、本書ではキリスト教の裏面史を綴る。「石の結社」とは「聖なるテロ」の実行部隊であった。十字軍の歴史を交えながら、ドルーは復讐の鬼と化す。出来は『ブラック・プリンス』の方がはるかに上だ。
2015-05-12
人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事
・人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事
・ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
・ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う ・中国人民元をSDR構成通貨に採用、IMF理事会が承認
[上海 20日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は20日、訪問先の上海で、人民元が将来的に、IMFの特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用されるとの見解を示した。
専務理事は復旦大学での講演後の質疑応答で、「採用されるかどうかの問題ではなく、いつ実現するかという問題だ」と述べた。「依然として多くの作業が必要とされており、これは誰もが認識していることだ」とした。
IMFは今年中に5年ごとのSDR構成通貨の見直しを行う予定で、人民元の採用を決定する可能性があるとの見方が浮上している。SDRは現在、ドル、円、ポンド、ユーロの4通貨のバスケットで構成されている。
ラガルド氏はまた、中国の目下の最大の課題は、先進国入りを前に成長が停滞する「中所得国のわな」を回避することだと指摘。経済成長のペースを落とし、質を高めるよう求めた。
中国の昨年の経済成長率は7.4%と、24年ぶりの低水準に鈍化。IMFは今年は6.8%にさらに鈍化すると予想している。中国政府は7.0%の目標を掲げている。
【ロイター 2015-03-21】
・人民元はIMFのSDRに採用されるのか
佐藤優、手嶋龍一
1冊読了。
49冊目『動乱のインテリジェンス』佐藤優、手嶋龍一(新潮新書、2012年)/国際情勢、国内政治を読み解く巧者はこの二人がやはり筆頭株か。沖縄を巡る問題や、鳩山由紀夫のイラン外交失敗がよくわかる。また手嶋龍一の言葉に対する類稀なセンスが光る。ただし「反東京裁判史観」(手嶋)という言葉づかいに二人の性根が透けて見える。テクニカルな点については詳細に及んでいるが、やはり菅沼光弘のような国士とは思えない。双方とも自分のことを時折「僕」と言うあたりに親密さが窺える。
2015-05-11
無神論者/『世界の[宗教と戦争]講座 生き方の原理が異なると、なぜ争いを生むのか』井沢元彦
たとえ本人が「自分は無神論者」であると言っていても、無神論者であるということ自体、宗教の影響を受けているのです。無神論ということの前提には、まず神があるかないかという問いがあるからです。
そこから発展しているのですから、宗教を無視して人間を語れないのです。
【『世界の[宗教と戦争]講座 生き方の原理が異なると、なぜ争いを生むのか』井沢元彦(徳間書店、2001年/徳間文庫、2003年/決定版、2011年)】
世界は宗教に覆われている。この事実が日本人の頭から抜け落ちている。しかもその宗教とはアブラハムの宗教であり、一神教を意味する。
科学の歴史を見ても宗教を避けて通ることはできない。もともと学問自体が教会のもとで発達してきた。文字を読めることができたのも教会関係者であり、書籍を蔵していたのも教会であった。女性が学べなかったのも当然である。
科学史をひもとけば嫌でもキリスト教の影響に気づかざるを得ない。私が腰を据えてキリスト教と取り組んだのは40代になってからのこと。40~50冊ほど読んだあたりで何となくつかめてきた(キリスト教を知るための書籍)。
いくばくかの知識が身につくと小説や映画の風景がガラリと変わる。
・エスピオナージュに見せかけた「神の物語」/『木曜の男』G・K・チェスタトン
・妊娠中絶に反対するアメリカのキリスト教原理主義者/『守護者(キーパー)』グレッグ・ルッカ
ハリウッド映画によく見られる洪水シーンは「大洪水」の暗喩であり、ノアの方舟を連想させる仕掛けだ。キリスト者にとっては「世界の終焉」を象徴している。
宗教という「物語性」と神の「論理」を弁えておかなければ外交や友好に支障を来すのも当然である。その上で天皇という物語や、アニミズムという論理を日本から発信してゆくべきだろう。
<決定版>世界の[宗教と戦争]講座 (徳間文庫)
posted with amazlet at 19.06.09
井沢元彦
徳間書店 (2011-10-07)
売り上げランキング: 335,780
徳間書店 (2011-10-07)
売り上げランキング: 335,780
・真の無神論者/『ブッダは歩むブッダは語る ほんとうの釈尊の姿そして宗教のあり方を問う』友岡雅弥
2015-05-10
養老孟司
1冊読了。
48冊目『考えるヒト』養老孟司〈ようろう・たけし〉(ちくまプリマーブックス、1996年)/1996年の時点で情報系というテーマを提示している。養老は「中村桂子氏との話し合いで教えられた」とあとがきに記している。『「私」はなぜ存在するか 脳・免疫・ゲノム』だろうか。養老の著作の中では比較的あっさりした内容。『解剖学教室へようこそ』の続編であり、基本的には『唯脳論』の解説であると本人は位置づける。
登録:
投稿 (Atom)