2018-12-27

読み始める

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果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫)
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不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)
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乗り物の未来形



2018-12-25

新潮社はダメかもね/『ぼくを忘れたスパイ』キース・トムスン


『時のみぞ知る』ジェフリー・アーチャー

 ・新潮社はダメかもね

「なんだっけか?」彼は自問した。

【『ぼくを忘れたスパイ』キース・トムスン:熊谷千寿〈くまがい・ちとし〉訳(新潮文庫、2010年)】

 またぞろ新潮社である。翻訳家の熊谷は東北出身なのか? やっぱりね。宮城県出身のようだ。私としては新潮社の編集の問題であると考える。言葉を生業(なりわい)とする者が言葉に対して鈍感になった事実が新潮社の凋落(ちょうらく)ぶりを示して余りある。ひょっとすると「訛(なま)り」をも訳した可能性があるが、それならそうと説明を加えるべきだ。2ページ目でかような言葉を目にして読み続けることは困難だ。

ぼくを忘れたスパイ〈上〉 (新潮文庫)
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ぼくを忘れたスパイ〈下〉 (新潮文庫)
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2018-12-24

ロードバイクは人生を変える/『自転車で遠くへ行きたい。』米津一成


『こぐこぐ自転車』伊藤礼

 ・ロードバイクは人生を変える

「そんな長距離なんてとてもとても」と思うかもしれない。でも、あなたがロードレーサーを手に入れたならば、50kmがたやすく走れる距離であること、100kmが手の届く距離であることにすぐに気がつくだろう。そしていずれは200km、300kmという距離を走ることも不可能ではないと気がつくはずだ。
 今は信じてもらえないかもしれないが(東京近郊に住んでいる人ならば)その気になれば1日で往復200km、東伊豆で海鮮丼を食べて帰ってくることも、片道300km、日本海まで走って夕焼けを眺めることさえできる。そして、その距離を走る間に見ることができる景色は、エンジン付きの乗り物から見る景色とはまったく違うものだ。もちろん辿り着いた目的地で見る景色もまったく違って見えるはずだ。
 ロードレーサーとはそういう乗り物だ。
 僕はロードレーサーに出会って、生活が一変した。見たことのなかった景色をたくさん見た。走ったことのなかった道をたくさん走った。自転車仲間という多くの新しい友人も得た。体型もずい分変わった。そして何より、僕の心の奥底の何かが大きく変わった。再生した、と言ってもいい。(中略)
 自転車で遠くへ行きたい。
 その「遠く」とは物理的な距離だけではない。ロードレーサーはあなたの心も「遠く」へ連れていってくれるはずだ。

【『自転車で遠くへ行きたい。』米津一成〈よねづ・かずのり〉(河出書房新社、2008年/河出文庫2012年)】

 自転車は移動そのものを喜びに変える不思議な乗り物だ。慣れるまでは確かに苦しい。前傾姿勢とケツの痛みは拷問といってよいほどだ。最初の関門は1000kmである。私は2ヶ月半で達成した。体が自転車に馴染んでくると周囲の景色がよく見えるようになる。

 ロードバイクの定義は様々あるようだが、目方が10kg以下で、サドルの位置がハンドルより高く、タイヤ幅が28cm以下の自転車と考えればよい。もっと簡単明瞭にいえば「荷物を載せない自転車」である。ハンドルはドロップが望ましいが、フラットバーでもバーエンドバーを付ければ姿勢を変えることができる。街乗りメインだとブレーキを掛けやすいフラットバーの方が安全だ。

 私は55歳で乗り始めたのだが4回目で50kmを走行した。軽い衝撃を覚えた。原付バイクで50km走ることもそう滅多にあるものではない。それを人力で成し遂げたのだ。文明の利器これに優(すぐ)るものなし。寒くなってくると案の定乗る機会は減ってきたが、現在の総走行距離は1337kmである。最長距離は77kmで100kmまで手が届きそうだが今はまだ脚作りが先だ。

 自転車の難点は二つある。まず盗難リスクである。自宅保管は当然ながら、飲食をする際にも十分留意する必要がある。二つ目は飲食代が嵩(かさ)むことだ。ここ数年、殆ど使ってこなかった自動販売機を多用する羽目になった。で、カロリーを消費するわけだから当然食べる量が増える。脚力をつけるためにもタンパク質の摂取が欠かせない。これはガソリン代と考えてよかろう。

 最大のリスクは交通事故であるがこれについては稿を改める。

 颯爽と風を切る。風を浴びるのではない。私が風になるのだ。

自転車で遠くへ行きたい。 (河出文庫)
米津 一成
河出書房新社
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