・『砂糖の世界史』川北稔
・結社〜協会・講・組合・サロン・党・サークル・団・アソシエーション・会・ソサエティ
・人間のもっとも原初的な社会は母子社会
・『世界システム論講義 ヨーロッパと近代世界』川北稔
血縁や地縁集団から離れ、都市社会をかたちづくる「個」となった人間は、自己実現のためにいくつもの組織体への帰属をよぎなくされる。クラブ・協会・講・組合・サロン・党・サークル・団・アソシエーション・会・ソサエティなどとさまざまに表現される結社は、そのなかで、自己と関心や利害を同じくした同志とともに、自己の目的を実現しようとする集団であり、個人が生きていくうえでもっとも重要なアイデンティティの拠点となっていった。(「刊行にあたって」綾部恒雄)
【『結社のイギリス史 クラブから帝国まで』綾部恒雄〈あやべ・つねお〉監修、川北稔〈かわきた・みのる〉編(山川出版社、2005年)】
はてなダイアリーが消滅し、はてなブログとなってしまったため自分が書いた記事を探すのも一苦労である。やはり無料サービスは結果的に高くつく。
individual(個人)の思想的背景については柳父章〈やなぶ・あきら〉の指摘が参考になる(『翻訳語成立事情』)。近代とは「神と向き合う個人」から「国家を構成する国民」への変貌と見ることができよう。
イギリスはヘンリー8世の離婚問題に絡んでカトリック教会と縁を切った。その後イングランド国教会を立ち上げる(1534年)。イギリスは非嫡出子を王位継承者として認めなかった。この一点をとってみても日本の先進性が窺える(※側室が産む子供は非嫡出子である)。ま、大雑把な理解でプロテスタントと考えていいだろう。
プロテスタントはローマ教皇に挑み、教会の権威と闘った。その志向性は自ずから国家~政治へと向かう。アメリカのリベラル派が宣揚するポリティカル・コレクトネスもプロテスタントの土壌から生まれたものだ(『アメリカはなぜ日本を見下すのか? 間違いだらけの「対日歴史観」を正す』ジェイソン・モーガン)。
秘密結社についてはG・K・チェスタトン著『木曜の男』を参照せよ。私の世代だと秘密結社と聞けばショッカーや死ね死ね団をイメージするが、これは騎士修道会(騎士団)の影響もあるのだろう。
日本人だと「結社の自由」と言われてもピンと来ないが、柔らかな身分制度だけで、ヨーロッパのような大虐殺を伴う弾圧がほぼなかったためと思われる。尖鋭的な政治結社以外だと会社や宗教団体しか見当たらない。
民主政成熟のためには祭りに代わる小規模なイベントが必要だ。
・戦争が向社会的行動を促す/『文化がヒトを進化させた 人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉』ジョセフ・ヘンリック