・『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか』大村大次郎
・『あらゆる領収書は経費で落とせる』大村大次郎
・税務調査を恐れる必要はない
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所得控除の中には、雑損控除というものもあります。
雑損控除というのは、災害、盗難、横領で、生活上の資産の被害を受けた場合に受けられる控除のことです。
この雑損控除、一般の人はあまりご存知ないですよね? サラリーマンの方などもほとんど知らないのではないでしょうか?
でもサラリーマンの方もちゃんと使えるのです。
災害や盗難などの被害に遭った場合、その損失額が5万円以上だったら、控除の対象となるのです。スリに財布を盗まれたような場合も該当します。
王女できる額は(被害額-5万円)です。
たとえば、盗難に遭って50万円の被害に遭ったとします。この場合は、
50万円-5万円=45万円
この45万円を、所得から控除できるのです。税額にすれば、だいたい5万円から数十万円の還付になります。ただ詐欺による被害はダメです。詐欺の場合には自己責任の部分もあるということでしょうか。
【『税務署員だけのヒミツの節税術 あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】』大村大次郎〈おおむら・おおじろう〉(中公新書ラクレ、2012年)】
「税金は国家と国民の最大のコミュニケーション」(小室直樹)である。国家は道路を始めとするインフラや安全保障を提供し、国民は税と兵役を提供する。この交換関係・契約関係に国家-国民の基盤がある。元税務調査員の大村(仮名)がなぜ節税を勧めるのだろうか? それは日本が税を支払うに値しない国家であるからだ。メディアが情報の取捨選択をすることで大衆は目隠しをされている現状がある。昨年、消費税が10%に増税されたが、新聞・テレビはこれを推進し、国民は「やむなし」と判断した。大規模な反対運動やデモは起こっていないゆえ国民は合意したと判断できる。私はこれが日本を崩壊に導く楔(くさび)になったと考える。
税務調査員には扶養家族が多いという。なぜなら別居でも扶養家族に入れることができるからだ。初耳だ。別居している親が年金収入一人約120万円以下であれば不要家族にすることができる。仕送り額の明確なルールは存在しない。また当然ではあるががフリーターやニートの子供も扶養家族にできる。大体、38~63万円の扶養控除が受けられる。更に夫が失業した場合、パートタイマーであっても妻の扶養家族にすることができる。
領収書というのは、経費を証明する、重要な証票類ではあります。しかし、これがなくては絶対に経費として認められないのか、というとそうではないのです。実際に支払いがあるのなら、領収書がなくても経費として認められるのです。(中略)
ですから、ちょっとした支払いや買い物ならば、レシートで十分なのです。レシートには、その支払内容と金額、日付などが明記されていますから、証票類として立派にその役目を果たすのです。
何かの支払いをしたときに、必ず領収書をもらわなくてはならない、と思っている方も多いようですが、決してそうではありません。コンビニなどでも、わざわざ領収書をもらっている方をときどき見かけますが、あれはまったく無駄なことです。
これは知っていた。レシートもない場合はメモ書きで十分だ。領収書の法的規定はない。要は事業に必要な経費として「いつ」「いくら」「何に」使ったかを証明できればいいわけだ。
そして税金の申告は、原則として申告通りに認められます。つまり、納税者が申告した内容は、原則として認められるということです。税務当局は、申告内容に間違いがあるときに限って、それを修正させたり追徴したりできるわけです。
つまり、納税者が「自分の申告が正しい」という証明をしなければ申告が認められないのではなく、税務当局がその申告が正しくないという証明をしない限り、申告は認められるのです。
ということは、概算での申告であっても、一旦、申告は認められます。そしてその申告に誤りがあったときに初めて修正されたり、追徴されたりするわけです。
税務調査と聞いただけで社長や個人事業主は震え上がってしまうものだが、実はそれほど恐れる必要はないことがわかった。ビクビクしてしまえば相手はそこに付け込んでくる。連中の仕事は「違反を見つてなんぼ」の世界である。思い上がったクズが多いようなので、一朝事が起こった場合は刺し違えてみせるほどの気概を見せておいた方がいいだろう。
納税を年貢意識で支払っていれば国民が国家の主体となることはない。税務署の捕捉率は「トーゴーサン(10:5:3)」と言われる。サラリーマンは10割、自営業者は5割、農家が3割の所得を捕捉されているという意味だ。サラリーマンは源泉徴収で所得は完全にガラス張りだ。自営業者と農家は労働人口の1割ちょっとである。彼らが優遇されているのはどう考えてもおかしい。自民党が農家に甘いことはよく覚えておくべきだろう。
大村は国民目線で税の不平等を指摘し続けている。高橋洋一でさえ言っていないような事実も多い。特に一貫して大企業や金持ち優遇のメカニズムを暴露している。立派な国をつくるためには国民が賢くなるしかない。なぜなら民主政で選ばれた政治家は国民の平均値を上回ることはないからだ。