2021-06-22

2007年の排ガス規制~ホンダPCX125の登場(2010年)がビッグスクーターブームに止めを刺した


『博士のエンジン手帖3』(モーターファン別冊)畑村耕一

 ・2007年の排ガス規制~ホンダPCX125の登場(2010年)がビッグスクーターブームに止めを刺した


 偶然見た動画だが語り口が軽快で素人離れしている。これを見て『博士のエンジン手帖3』を思い出し、慌てて書評をアップした次第である。情報はいかなる情報でも必ず別の情報とつながる。教養とは知識の量ではなく、情報のつながりを示す言葉だ。今年、PCX160も発売され、こちらは高速道路にも乗れる(オートバイは125cc以上)。日本の場合、車検がない250ccバイクに人気が集まるが、もっと政治的なバックアップ体制がないとオートバイの文化は廃れていくような気がする。例えば普通自動車運転免許で小型バイク(125ccまで)の運転を認めるなど。

2021-06-21

過給ダウンサイジングと年金問題/『博士のエンジン手帖3』(モーターファン別冊)畑村耕一


・『軽トラの本』沢村慎太朗
『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由』國政久郎、森慶太
・『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2 逆説自動車進化論』國政久郎
・『別冊モータージャーナル 四輪の書』國政久郎、森慶太

 ・過給ダウンサイジングと年金問題

2007年の排ガス規制~ホンダPCX125の登場(2010年)がビッグスクーターブームに止めを刺した

「日本のメーカーがやるべきことは、まず過給ダウンサイジングの土俵に上ること。技術を深めるのはそこからの話じゃ」
 博士がこう話したのは2012年、スバルが投入した新世代水平対向エンジン、FA20DITを前にしてのことである。排気量は2.0lで、ツインスクロールターボやEGRなど、過給ダウンサイジングの定番技術を採用している。フォレスターに乗ってFA20DITの出来映えを検証した際の感想は『博士のエンジン手帖2』を参照いただくとして、当時から小型排気量版の登場を予見していた博士は「1.6lが本命。はよ乗りたい」と繰り返し語っていた。

【『博士のエンジン手帖3』(モーターファン別冊)畑村耕一〈はたむら・こういち〉(三栄書房、2015年)以下同】

 運転は好きなのだが、特別クルマに興味があるわけではない。仕事でハイエースや2トントラックに乗っていたことがあり、荷物を運ぶクルマに関心があった。そこで上記書物を読んだというわけ。

 メカニズムに関しては更に蒙(くら)い。動画「クラッチの仕組みとは?」を視聴してもピンと来るものがなかった。まして過給ダウンサイジングの意味など知る由もない。

ダウンサイジング過給エンジン:なぜエンジンをダウンサイジングすると効率が良くなるのか?|Motor-FanTECH

 多分、人を運ぶエンジンサイズの適正化ということなのだろう。人間一人を移動させるだけなら50ccの原動機で十分だ。実際の馬が4馬力で、人間が0.3PS~1.5PSという(人間は何馬力? | 教えて!goo)。自転車なら8メッツ程度だ(METsとは?|松本協立病院)。

「1.6リッターが本命」ということは5人乗りであれば一人あたり300ccに相当する。車重を踏まえれば250ccバイクに乗ると考えられるから妥当だろう。

「エンジン屋にとって、過給ダウンサイジングを理解するのはよっぽど難しいんかと思う。ワシの場合はもともとエンジン屋じゃのうて電気自動車屋、パワートレーン屋じゃけ、エンジンはトランスミッションとセットで走りを考えにゃいけんことがわかっとる。クルマは気持ち良う走ることが大事で、そのためには低速トルクが要るんだということは実際に体験してみるのが一番じゃ」

 読んだ時は訛(なま)りに違和感を覚えてならなかった。「お前は猪熊滋悟郎か?」とも思った(YAWARA! - Wikipedia)。編集部としては生(なま)の畑村を伝えようとしたのだろうが完璧な失敗だ。

【「技術屋がわかってもクルマは変わらん。企画する人間や営業が変わらねば」
 これも博士の口癖だ。】

 理系特有の本質に切り込む視点が参考になる。特に驚かされたのは年金に対する考え方だ。

 効率を求めない、成長を求めないのが、これからの国のかたち、人の生き方じゃろう。成長を続けることが本当にええことなんかどうかをよく考えにゃいけん。これ以上成長したら地球はもたんようんになるのは目に見えとるからじゃ。面白いことに、年金がきちんと出て老後が保障されるようになると、子供を持つ理由がないようになる。だから、先進国は人口が減っていく。一方、年金が整備されていない国は自分の老後を子供に託すしか道がないけえ、子供を増やす。貧しい国では子供が育たんこともあるんで、リスク対応でたくさん産む。だから、貧しい国はどんどん人口が増えていく。
 世界はいま、そういう状況に陥っとる。この流れを断ち切るには、年金をやめにゃいけん。物事の本質を見誤ると、ほころびが出てくる。年金制度がなぜ破綻するかというたら、年金制度があるからじゃ。働き手が少ないからという指摘もあるが、年金が十分に受け取れるなら子供に面倒を見てもらう必要がないけ、子供は減り、働き手が減って年金は破綻するに決まっとる。
 年金制度は、老後はみんなで面倒を見ましょうという話。子供が自分の親の面倒を見るんじゃのうて、他の親も含めて面倒を見にゃいけん。その一方で、子供がいある親だけが子供の面倒を見る必要がある。そんな不公平な状況だから、だったら子供は要らんという話になる。年金制度で老人の面倒を見るんなら、子供の面倒もみんなで見る制度を一緒に整備せにゃいけん。子育て支援など当たり前じゃ。

 つまり社会保障のダウンサイジング化ということなのだろう。その辺の政治家よりも遥かに高い見識の持ち主で、こうした人々が日本のものづくりを支えてきたことを思うと胸が熱くなる。



エンジンコンサルティング|畑村エンジン研究事務所(広島市南区)

不動産会社の原状回復修理費用に騙されるな


 ・不動産会社の原状回復修理費用に騙されるな

【10万円以上安くできる】賃貸物件をお得に借りるテクニックまとめ

 残置物に関しては知らなかったので貼り付けておく。







【8月2日追加】



2021-06-19

サグ渋滞/『高速道路の謎 雑学から知る日本の道路事情』清水草一


 ・サグ渋滞

『眠れないほど面白い 「道路」の不思議 路線、地図、渋滞、取締り……』博学面白倶楽部

 週末や連休の各高速道路で発生する渋滞は、その6割以上が“サグ”を先頭にした自然渋滞です。一見何も障害がないところを先頭に、渋滞が発生するのです。
“サグ”とは、くぼ地のこと。高速道路が、下り坂から上り坂に差し掛かるポイントを言います。かつては、知る人ぞ知る専門用語でしたが、現在は一般常識になりつつあります。
 道路が、ドライバーが気付かないほどゆるやかな上り坂に切り替わると、意識しないうちにスピードが落ち、追いついてしまった後続車がブレーキを踏むなどして急激に速度が低下。その連鎖により渋滞が発生します。

【『高速道路の謎 雑学から知る日本の道路事情』清水草一〈しみず・そういち〉(扶桑社新書、2009年)】


 本書でサグ渋滞という言葉を知った。これは錯視というよりは運動神経の鈍さによるものだろう。自転車であれば緩い坂道に入る直前から加速するのは当然である。クルマも同様だ。上手な運転とは一定の速度をキープすることだ。なるべくブレーキを使わないことも含まれる。ただし車重の重いトラックであれば減速することはあり得る。

 事故を防ぐためには道路状況を把握する必要がある。危険予測もさることながら、こうした一般的なドライバーの癖を知っておけば事故を回避できる。特に人間の視力は正面の距離をつかみにくい傾向がある。早めの減速が生死(しょうじ)を分ける場合もある。

ゴキブリ体操改めブルブル体操/『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』


『だれでも「達人」になれる! ゆる体操の極意』高岡英夫
『自分で治せる!腰痛改善マニュアル』ロビン・マッケンジー
『自分で治す病気の数々 痔 膝痛 腰痛 肩こり 認知症 椎間板ヘルニア』谷幸照
『3万人のひざ痛を治した! 痛みナビ体操』銅冶英雄
『ひざ痛は99%完治する』酒井慎太郎
『半月板のズレを戻せばひざ痛は治る!』中村昭治

 ・ゴキブリ体操改めブルブル体操
 ・浮き指が進行すると腰が曲がる

『5分間背骨ゆらしで体じゅうの痛みが消える 自然治癒力に火をつけて、首・肩・腰痛・ひざ痛を解消!』上原宏

身体革命

 日本国内での調査では、ひざの痛みに悩んでいる人は約820万人、腰の痛みに悩んでいる人は約1020万人に上り、痛みは、日本社会の深刻な問題となっています。

【『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』(マキノ出版、2013年)以下同】

 膝痛の本は20冊ほど読んだと思う。玉石混淆(こんこう)でもちろん玉は少ない。個人的には本書が一番よかった。

 少し前までスロージョギングを行っていたのだが、時折膝痛がぶり返すのでウォーキングに戻した。それでも右膝が痛むことがあった。五十を過ぎたら無理は禁物だ。常歩(なみあし)を学んで知ったのだが着地する際は膝抜きをするのが正しい。格段に歩きやすくなった。

 そんな私が、もう5年以上、毎日続けている健康法があります。それが、ゴキブリ体操です。妙なネーミングですが、ひっくり返ったゴキブリが足をモゾモゾ動かしている姿に似ていることから、こういう名前になったようです。
 ゴキブリ体操は、あおむけに寝た状態で、両手両足をブルブルと震わせるだけ、という簡単なものです。(中略)
 実践、といっても寝ながら手足をブルブルさせるだけです。かかる時間は2~3分。本当にこんなもので痛みが取れるのだろうかと思いながらも、やってみたらびっくり。前日まで気になっていた腰痛や手足のこわばりが、なくなっていたのです。
 そして何より、起き上がったときのすっきり感が最高でした。全身がポカポカして、体が軽くなったような感じです。(加賀田節子〈かがた・せつこ〉)

 いくら何でもネーミングが悪すぎる。「引っくり返ったゴキブリ」は死を連想するから年寄りには悪い影響が出かねない。そこで私は「ブルブル体操」と名づけた。一時期集中的に行っていたのだが、私は体操というよりは手足の末端に溜まった血液を体幹に戻す感覚でやっていた。このように重力や引力を利用する運動が「ナンバ的な動き」なのだ。今日から再びやってみることにする。



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