2021-11-05
骨盤の細分化/『天才・伊藤昇の「胴体力」 伊藤式胴体トレーニング入門』月刊「秘伝」編集部編
・『究極の身体(からだ)』高岡英夫
・『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス
・『心をひらく体のレッスン フェルデンクライスの自己開発法』モーシェ・フェルデンクライス
・『運動能力は筋肉ではなく骨が9割 THE内発動』川嶋佑
・『ウィリアム・フォーサイス、武道家・日野晃に出会う』日野晃、押切伸一
・『大野一雄 稽古の言葉』大野一雄著、大野一雄舞踏研究所編
・『武学入門 武術は身体を脳化する』日野晃
・『ことばが劈(ひら)かれるとき』竹内敏晴
・『スーパーボディを読む ジョーダン、ウッズ、玉三郎の「胴体力」』伊藤昇
・『気分爽快!身体革命 だれもが身体のプロフェッショナルになれる!』伊藤昇、飛龍会編
・『棗田式 胴体トレーニング』棗田三奈子
・柔軟性よりも胴体力
・動きの「細分化」
・骨盤の細分化
・『火の呼吸!』小山一夫、安田拡了構成
・『身体構造力 日本人のからだと思考の関係論』伊東義晃
・『ストレス、パニックを消す! 最強の呼吸法システマ・ブリージング』北川貴英
・『新正体法入門 一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式』佐々木繁光監修、橋本馨
・『仙骨姿勢講座 仙骨の“コツ”はすべてに通ず』吉田始史
・『誰にでもわかる操体法』稲田稔、加藤平八郎、舘秀典、細川雅美、渡邉勝久
・身体革命
・必読書リスト その二
【『天才・伊藤昇の「胴体力」 伊藤式胴体トレーニング入門』月刊「秘伝」編集部編(BABジャパン出版局、2006年/新装改訂版、2021年)】
運動はしているがスポーツをしていないことにはたと気づいた。バドミントンはもう2~3年やっていない。本当は近接格闘術をやりたいのだが、58歳のオヤジを受け入れてくれる道場があるのかどうかわからない。
何が問題かというと、運動は単調な動きの反復となりやすい。決まりきった単純な動きなのだ。極めて狭い範囲の動きは鍛えられるが、それが逆に体の自由度を失わせる場合がある。更に全身の筋肉の連係を考えるとバランスが悪くなりそうな気がする。
ウォーキングも単調だ。本来であればインターバル速歩が望ましいが時計やタイマーを持つのが面倒だ。自転車に乗っていたこともあって身軽にする癖がついてしまった。私は外出する際、小銭も持たないように心掛けている。例えばサイドステップや後ろ向き歩行、立ち幅跳びやフロントランジ・バックランジ、腿上げなどを加えれば体全体が連動する。
そこで伊藤式胴体トレーニングをしようと思いついた。で、「骨盤の細分化」をやってみた。全くできなかった。いやあ本当に泣きそうになったよ。まず前に出した足を伸ばすことができない。その状態で丸める・反るをやろうとしたところ胴体が全く動かないのだ。「あれ?」と思った。何度やっても首しか動かない。「われ泣きぬれて蟹とたはむる」という気分になった。一応探したが蟹はいなかった。
「柔軟性よりも胴体力」だと都合のいいように解釈してきたが、やはり最低限の柔軟性は必要だ。しばらくの間、ストレッチを重点的に行うことを決意した。
新装改訂版の動画を見つけたのだが実に参考になる。画像だけだと動きがつかみにくい。これをつまらない体操だと思ったら大間違いだ。天才伊藤が辿り着いたエッセンスが凝縮しているのだ。還暦までは肩甲骨と骨盤を集中的に行うつもりである。ここには指の届かない動脈が走っている。
野菜の栄養素が激減している/『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修
・『火の賜物 ヒトは料理で進化した』リチャード・ランガム
・その食べ方、間違ってます
・野菜の栄養素が激減している
・『その調理、まだまだ9割の栄養捨ててます!』京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修
・『栄養まるごと10割レシピ!』料理・レシピ小田真規子、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修
・『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
・『蘇るおいしい野菜 逆発想・永田農法の奇跡』飯田辰彦
・『永田農法・驚異の野菜づくり』飯田辰彦
・『永田農法でコンテナ野菜』永田照喜治監修
・『永田農法はじめてでもできるおいしい野菜づくり』諏訪雄一監修
・『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
・『DVD だれでもつくれる永田野菜 全10枚』
野菜の栄養素が昔より激減しているって知っていましたか?
実は、今の日本人の7割は野菜不足だといわれています。その上、例えば一般に販売されているほうれん草のビタミンCは、50年前に比べてほぼ1/3、鉄分は1/6以下にまで低下しています。ビタミンやミネラルが減少した原因のひとつには大量生産による土壌のミネラルが減っていることも影響しています。また野菜だけでなく、精製技術が上がったことで、米などの穀類の栄養も減っています。
野菜不足にくわえ、食材の栄養価が下がりつつあるため、これは例えば、ほうれん草でいえば、50年前は1わでOKだったものを、昔と同じ栄養価を摂取するためには、今では3わ必要ということになるのです。
食材の栄養価も変わっている今だからこそ、食材の栄養を逃が(ママ)さず、効率よく食べることが大きな意味を持ちます。
【『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修(世界文化社、2017年)】
ちょっと調べてみた。
野菜の栄養価の低下の問題に着目|アグリウェブ https://t.co/udrJ1ejaB9 pic.twitter.com/JhHIboITmn
— 小野不一 (@fuitsuono) November 5, 2021
読んでいると頭がおかしくなりそうな文章だ。「支離滅裂」という名の教科書があれば巻頭カラーページに載せてやりたい。「原因について、様々なことが言われています」。以下、引用。
1. 測定の仕方が、今と昔とでは違うとか。
→測定の違いを示していない。
2.旬がなくなり、旬でないとき、つまりその作物にとって適期でない時期に栽培されているから栄養価が上らないとか。
→適期と栄養価に因果関係があると断定している。
3.品種改良によって、現在の品種は、病気に強いが、栄養価は低いとか。
→品種改良と栄養価の相関性が全品種に及ぶかどうかが判然としない。
しかもこう書いておいて、「野菜の栄養価不足の原因は地力低下にある」と断言しておきながら、「堆肥を積極的に活用すれば、50年前のような栄養価の高い野菜ができるはずだったのですが、実際には、そう簡単にはいきませんでした」と敗北宣言をしている。
「ポイントは硝酸イオンを低く抑える技術」という一言だけが参考になった。農業が科学とは無縁なことがよく理解できた。
硝酸イオンについても検索したのだが、これといった情報が見つからなかった。「硝酸イオンは、自然界のどこにでも存在する窒素化合物です」(なぜ、硝酸イオン(NO3-)を測るのでしょう?:商品について:栽培ガイド 『園芸ネット』本店 通販 engei.net)。「窒素施用量の削減」(野菜に含まれる硝酸イオンの問題 | 播州農機販売株式会社・兵庫農機販売株式会社 | 中古農機 クボタ 農業機械)、つまり施肥の問題らしい。
私は農業についてはズブの素人である。少し前から永田農法を学んだ程度だ。「日本の野菜は水と肥料が多すぎる」と永田照喜治〈ながた・てるきち〉は指摘する。水とは雨のことだ。そこで永田農法ではビニールハウスやマルチシートで雨を防ぐ。無肥料栽培を提唱する岡本よりたかも水分量の多さを指摘している。
・本物の野菜は腐らずに枯れる/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか
「トマト、ジャガイモ、カボチャ、サツマイモ、唐辛子、トウモロコシ、ピーナッツ、パッションフルーツ、キノア、タバコなど、アンデス原産とされる植物は多く、現在世界で常食されている食物の約20%が、アンデス原産であるという」(日本人だけが知らない美食国ペルー 野菜・果物・魚の美味に圧倒される | マッキー牧元の「いい旅には必ずうまいものあり」)。アンデスは南米大陸の西側を貫く山脈である。もちろん高地だ。長大な山脈ゆえ様々な気候条件が入り乱れているが、日本のような温暖湿潤気候でないのは確かだ。やはり原産地の環境を再現するのが望ましいだろう。
本書には目から鱗が落ちる情報が満載で、さほど料理をしない人が読んでも蒙(もう)が啓(ひら)けることを私が請け合おう。焼いたり、茹(ゆ)でたりすることで増える栄養素もある。
2021-11-04
通分・約分の意味を思い出せず/『小学校6年間の算数が6時間でわかる本』間地秀三
・通分・約分の意味を思い出せず
・『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集』小杉拓也
【『小学校6年間の算数が6時間でわかる本』間地秀三〈まじ・しゅうぞう〉(PHP研究所、2009年)】
数学の勉強をしようと思い立った。手始めに算数から始めることにした。思い立ったら吉日だ。手当り次第に算数ドリルを探した。本書がドンピシャリだった。毎日行っている。
分数計算で通分・約分が出てきた。言葉の意味が思い出せなかった。ま、習ったのは半世紀ほど前だから致し方ない。それでも説明文を読みながら何とか思い出した。大体全問正解だが、時折1問間違える。上記画像だと第4問をミスった。こんな約分の仕方があったのね。今はこんなレベルだが、生きてる間に三角関数まではクリアする予定である。
単純計算は認知機能の衰えに効果あり/『川島隆太教授の脳を鍛える大人の計算ドリル 単純計算60日』川島隆太
工藤美代子の見識を疑う/『昭和陸軍全史1 満州事変』川田稔
・『浜口雄幸と永田鉄山』川田稔
・『満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘』川田稔
・『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』川田稔
・『戦前日本の安全保障』川田稔
・工藤美代子の見識を疑う
・『昭和陸軍全史2 日中戦争』川田稔
・『昭和陸軍全史3 太平洋戦争』川田稔
・『石原莞爾の世界戦略構想』川田稔
・『昭和陸軍 七つの転換点』川田稔
・『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』小山俊樹
・日本の近代史を学ぶ
1931年(昭和6年)9月18日午後10時すぎ、中国東北地方の満州・奉天(ほうてん/現在の瀋陽〈しんよう〉)近郊の柳条湖(りゅうじょうこ)付近で、日本経営の南満州鉄道(満鉄)線路が爆破された。
まもなく、関東軍(南満州に駐留する日本軍)から中国軍の犯行によるものとの発表がなされる。一般国民には太平洋戦争終結まで、そのように信じられていたが、実際には関東軍によって実行されたものだった。
首謀者は、関東軍の板垣征四郎〈いたがき・せいしろう〉高級参謀、石原莞爾〈いしは(ママ)ら・かんじ〉作戦参謀、爆破の直接の実行は、独立守備隊第2大隊第3中隊付の河本末守〈こうもと・すえもり〉中尉ら数名で行われた。爆破そのものは小規模に止まり、レールの片側のみ約80センチを破損したが、直後に急行列車が脱線することなく通過している。
この時、板垣高級参謀は、奉天の日本側軍施設で待機していた。板垣は、実行部隊から鉄道爆破の連絡を受けると、中国側からの軍事行動だとして、独断で北大営(ほくたいえい/中国側兵営)と奉天城への攻撃命令を発した。高級参謀にはこのような攻撃命令の権限はなく、軍司令官の追認がなければ軍法会議で処断される行為だった。
攻撃命令が出された直後に、板垣に面会した奉天総領事館の森島守人〈もりしま・もりと〉領事は、外交的解決を主張した。だが、板垣高級参謀は、「すでに統帥(とうすい)権の発動を見たのに、総領事館は統帥権に容喙、干渉せんとするのか」と恫喝(どうかつ)した。また、同席していた花谷正〈はなたに・ただし〉奉天特務機関補佐官も、抜刀して、「統帥権に容喙する者は容赦しない」と、森島を恫喝した(森島守人『陰謀・暗殺・軍刀』)。
【『昭和陸軍全史1 満州事変』川田稔〈かわだ・みのる〉(講談社現代新書、2014年)】
読書中。一度挫折している。工藤美代子のせいで再読する羽目になった。やっと130ページまで読んだ。
・真相が今尚不明な柳条湖事件/『絢爛たる醜聞 岸信介伝』工藤美代子
先ほど気づいたのだが、私はずっと川田を川北稔と同一人物だと思い込んでいた。おかしいなと思ったんだ。文体の違いよりも漢字の多さが気になった。とにかく漢字が多すぎて読みにくい。川田と編集者はもっと「読んでもらう」ための努力が必要だろう。特に軍事関係は肩書が長くてウンザリさせられる。ルビも聖教新聞並みに振るべきだ。
満州事変の詳細が書かれている。微に入り細を穿(うが)つとの言葉がぴったりだ。ただし時折時系列が変わるため流れがわかりにくい。
これほどの状況証拠を揃えられると、工藤の文章は説得力を失う。っていうか詐欺師に思えてくるほどだ。脳は美文に逆らえない。男性が美人に逆らえないように。
まず陸軍において長州閥 vs. 木曜会+双葉会=一夕会(いっせきかい)の権力闘争があり、次に早い時期から石原莞爾〈いしわら・かんじ〉の計画があった。
双葉会はバーデン=バーデンの密約(1921年/大正10年)から生まれた。陸軍(士官学校16期)の三羽烏といわれた永田鉄山〈ながた・てつざん〉、岡村寧次〈おかむら・やすじ〉、小畑敏四郎〈おばた・とししろう〉が誓いを立てた。翌日に東條英機(本書では東条)も加わる。1927年(昭和2年)頃に結成された二葉会には、河本大作、板垣征四郎、土肥原賢二〈どひはら・けんじ〉、山下奉文〈やました・ともゆき〉などが参加している(陸士15~18期)。二葉会に倣(なら)って結成されたのが木曜会であった(陸士21~24期)。石原莞爾〈いしわら・かんじ〉、根本博と共に、永田・岡村・東條も加わった。1929年(昭和4年)、二葉会と木曜会が合流して一夕会が結成される。満州事変が勃発した1931年(昭和6年)には一夕会系幕僚が陸軍中央と関東軍の主要ポストをほぼ掌握した。
とにかくどこを読んでもウンザリさせられる。陸軍内部で行われているのは権力闘争に次ぐ権力闘争なのだ。明治維新の結果が足の引っ張り合いに終わった感がある。どこを見渡しても挙国一致などない。これこそが日本の悪弊だろう。後に永田と小畑は統制派と皇道派に分かれ、永田は惨殺される。石原は東條に左遷させられ、結果的に戦犯となることを免れた。
柳条湖事件以降の流れを見ても板垣・石原の関与はまず間違いないと思われる。工藤美代子の見識を疑う。
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