本書は「時間のない大人のための本」ですので、数学を3つのカテゴリーに分け、それぞれの最終ゴール(ラスボス)を定め、そこに最短ルートでたどり着けるよう構成しました。
【『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』西成活裕〈にしなり・かつひろ〉(かんき出版、2019年)】
「ラスボス」という理解しにくい言葉を使っているので読むのをやめた。反対にゲーマーであれば読書意欲が高まるのかもしれない。
読書のコツを教えて進ぜよう。読まずに済む本をいかに早く判断するかである。失敗する可能性もあるが、時間の無駄を恐れた方がよい。一般的には300ページを読むのに5時間を要する。日蓮が念仏批判で「捨閉閣抛」(しゃへいかくほう/捨てよ、閉じよ、閣〈さしお〉け、抛〈なげう〉て)と主張したように、即断即決で閉じるのが正しい。
もちろん失敗することもあるだろう。だが打率でいえば、次々と別の本を読んでいった方がヒットが出やすいのだ。私の場合、読むスピードが落ちた時点で、うっちゃることにしている。相性や体調にも左右されるが、今の自分にしっくり来る本を読むのが一番健康的だ。
私は年間で500冊ほど読み、きちんと読了するのは150冊強である。読むのは喫煙する時と、トイレ、風呂、寝床に限る。付箋を貼ったページをデジカメで保存しており、こちらの時間が馬鹿にならない。たぶん画像ファイルだけで35GBくらいになっている。一体いつ読み返すんだ? ってな話だ。
子供の時分から人間に対しても同様で、直ぐ好き嫌いを判断する悪い癖がある。ただし判断を誤ったことは殆どない。私は嗅覚が優れているのだ。ネット上の書き込みを見ても何となくわかる。