・『実践「免疫革命」爪もみ療法 がん・アトピー・リウマチ・糖尿病も治る』福田稔
・『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』松井孝嘉
・100年以上の伝統がある乾布摩擦
医学が進歩した今もなお、現代人は【ひざ痛・腰痛】をはじめとした関節痛や【不眠・高血圧・物忘れ】など、慢性的な不調や病気から逃れられずにいます。その背景には、私たち現代人が見過ごしてきた2つの根本原因があります。
その根本原因とは、「【毛細血管の減少】」と「【自律神経の乱れ】」です。具体的に解説しましょう。
みなさんは、結果というと直径が1ミリ以上あるような太い血管をイメージする人が多いと思いますが、実際には血管の99%は、直径100分の1ミリ前後の毛細血管が占めています。そして、この毛細血管は【加齢や運動不足、食生活の乱れで減少してしまう】ことがわかっています。
近年、【この毛細血管の減少が、老化やさまざまな病気の根本原因ではないか】と指摘されています。
なぜなら、毛細血管は体内の各組織に酸素や栄養、ホルモンなどを運び、不要になった二酸化炭素や老廃物を回収する役割をしているからです。
つまり、【毛細血管が減少すると】、脳や内蔵、関節などのあらゆる細胞が酸素不足、栄養不足に陥って衰え、冒頭で述べた【不調や病気を招きやすくなる】のです。(末武信宏〈すえたけ・のぶひろ〉)
【『1分でよくなる新健康法 タオルこすり』(わかさ出版、2019年)以下同】
乾布摩擦が自律神経を刺戟しているとは知らなかった。肌を鍛えているというよりは、肌を痛めつけて鈍感にしているのかと思い込んでいた。まったく浅墓な先入観ほど恐ろしいものはない。
筋トレ~ストレッチ~体幹トレーニング~自律神経~口腔と読み進めてきて気づいたのだが、あらゆる運動の効果は血流促進の一点に収斂(しゅうれん)するといっても過言ではない。乾布摩擦やマッサージ・手技などは外部から血管や神経にアプローチしているのだろう。
乾布摩擦の歴史は古く、約100年前に出版された健康本のベストセラー(『家庭における実践的看護の秘訣』、通称「赤本」)には、すでに記載があります。現在ほど医療が整っていない時代に、【心身を強化する健康法として、日本ではかなり昔から実践されてきた】のです。(中略)
【乾布摩擦を実践すると血流がよくなる】ことが、順天堂大学で行われた試験をはじめ、複数の研究でわかっています。
日本文化の奥深さが窺える。明治近代化以前の文化を掘り起こす必要があるだろう。特に西洋式の体育が国軍の急整備のために導入されたことで失われた「体の動かし方」は少なくない。現在、武術家が先頭に立って様々な研究をしているが、仕事や職人技の中にも埋もれた宝庫があるに違いない。
乾布摩擦というと裸になって早朝に行う印象がありますが、実際にはその必要はなく、【服を着たまま行ってもかまいません】。
多分ね、下着や衣服そのものと肌の接触にも自律神経を刺戟する効果があるのだろう。鷲田清一〈わしだ・きよかず〉がそのようなことを書いていた憶えがある。
「服を着たまま」というのは例えば膝である。膝を曲げた状態でタオルをこする。
実際に、ひざ痛のある人だけを集めて行った教室では、ひざタオルこすりを最初に行ってウォーキングの指導を1時間半したところ、その場でひざ痛が和らぐ人が続出しました。
【20人が杖をついてきていたのですが、なんと5人が帰りに杖を忘れて帰ってしまったのです。足を引きずってきた人が、スタスタと歩いて帰っていった姿がとても印象的でした。】
これは凄い。安定した姿勢から自信が生まれて、普段抱えている不安が一掃されたのだろう。あるいは認知症の可能性も否定できないが(笑)。
実際にはまだ行っていないのだが、風呂で注意深く体を洗うようになった。「体を洗う」のではなく「自律神経を刺激している」と自覚するようになった。強くこする必要はない。適度な強度で十分だ。