2022-02-16

Best Pranks of 2016 (ONE HOUR) - Best of Just For Laughs Gags


前頭葉と大脳辺縁系/『警鐘』リー・チャイルド


『前夜』リー・チャイルド
『キリング・フロアー』リー・チャイルド
『反撃』リー・チャイルド

 ・前頭葉と大脳辺縁系

『葬られた勲章』リー・チャイルド

 透明人間でいることになれきってしまっていたからだ。自分がおかれた状況に目をそむけようとするもやもやした気分から出た反応であることは、脳みその前方の部分ではわかっていた。2年まえ、なにもかもがひっくり返ってしまった。お山の大将的な存在から、ただのその他大勢になった。高度に組織化された共同体の上官であり、なくてはならぬ存在から、2億7000万の名もなき市民のひとりになった。望まれる必要な人材から、いてもいなくてもいい存在になった。毎日つねに居場所を確認される状況から、この先たぶん40年以上にわたって、地図も日程表もなしに何百万平方キロにおよぶ広大なアメリカの大地と向き合う境遇になった。だからそういう反応もわからぬではないが、それにしても身構えすぎだ、と頭のなかで前頭葉が言っていた。ひとりでいるのは好きなくせに、まわりにだれもいなくなることには不安をおぼえる男の反応。そういうのは白か黒でないと気がすまない人間の反応だから、少し気をつけるべきだと前頭葉は語りかけていた。
 しかし、前頭葉のうしろに埋もれていて生存本能をつかさどるトカゲ脳は、やはりひとりでいたいと告げていた。名無しの存在でいることが好きだった。だれにも知られない存在でいることが好きだった。そのほうが心穏やかでいられたし、快適で、安心できた。それをだいじにしていた。表向きは友好的で社交的だったが、自分のことを多く語ったことはなかった。支払いは現金、移動は陸路を好んだ。どんな乗客名簿にも載ったことがなかったし、クレジットカードをカーボン・コピーされたこともなかった。自分から名前を告げたこともなかった。キー・ウェストでは、ハリー・S・トルーマンの名前で安っぽいモーテルに宿を取った。宿泊者名簿に書かれた名前を見ていくと、自分だけが元大統領の名前を使っているのではないことがわかった。

【『警鐘』リー・チャイルド:小林宏明〈こばやし・ひろあき〉訳(講談社文庫、2006年)】

 小林宏明の訳文は平仮名が多すぎる。せめて「だいじ」は漢字にすべきだろう。

 ヒトの脳は左右に分かれているが、上下の位置によっても全く別の顔を見せる。トカゲ脳とは大脳辺縁系(情動脳)である。考えていることと感じることは違う。この不一致を克服するために「努力」という言葉があるのだ。

 リーチャーが根無し草のような生活スタイルを愛するのは計画性の放棄である。計画や努力は社会的成功を目指す。そこで得られるものが何であるかよりは、羨望の眼差しが注がれることで幸福を覚えるのだろう。有名人、政治家、官僚など。ただし彼らの姿が幸せには見えない。ひょっとしたら私の眼が曇っているのだろう。

 何らかの責任に伴う幸福はあり得る。世の中ではそれが金儲けにつながっているところに不幸がある。どんなに小さくてもよい。社会が向上するような仕事や行動が幸福に通じる。その意味から言えば、「自分だけの幸福」はあり得ない。幸せという感情は人と人との間に流れ通うものだ。

 ジャック・リーチャーは漂泊しながら様々な出会いを重ね、ドラマを紡いでゆく。時折、軍という過去が蘇るが、決してそこに埋没することはない。飽くまでも遊撃手の立場を貫く。自由を声高に主張するよりは、気ままに行動する方が楽しくて余裕がある。

 

鼻うがいには生理食塩水や洗浄液を使う/『つらい不調が続いたら 慢性上咽頭炎を治しなさい』堀田修


『人は口から死んでいく 人生100年時代を健康に生きるコツ!』安藤正之
『長生きは「唾液」で決まる! 「口」ストレッチで全身が健康になる』植田耕一郎
『ずっと健康でいたいなら唾液力をきたえなさい!』槻木恵一
『舌(べろ)トレ 免疫力を上げ自律神経を整える』今井一彰
『舌をみれば病気がわかる 中医学に基づく『舌診』で毎日できる健康セルフチェック』幸井俊高
『あなたの老いは舌から始まる 今日からできる口の中のケアのすべて』菊谷武
『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』西山耕一郎
『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』西山耕一郎
『病気が治る鼻うがい健康法 体の不調は慢性上咽頭炎がつくる』堀田修

 ・鼻うがい
 ・鼻うがいには生理食塩水や洗浄液を使う

鼻うがいのやり方

身体革命

 効果はEATには及びませんが、慢性上咽頭炎の改善に有効で、かつ自分でできる方法をいくつかご紹介しましょう。
 なんらかの理由で、上咽頭擦過療法を受けられないという方は、ぜひこれらの方法を試してみてください。いずれも、毎日自宅でできるので、耳鼻科でEATを実施している人の補助療法としてもお勧めです。

 最初にお勧めするのは、【少量の生理食塩水を用いた上咽頭洗浄】です。

 まず座った状態で頭を60度以上後ろに倒すか、上向きに寝た状態で生理食塩水をそれぞれの鼻にスポイトなどの容器を用いて2cc程度入れます。
 鼻から入れた食塩水は口から出してもいいですが、少量なのでそのまま飲み込んでもかまいません。
 起床時と風呂上がりなど、1日に2回は行ってください。

 生理食塩水とは水1000ccに食塩が9g入ったものをいいます。使用する水は残留塩素が含まれている水道水ではなく、蒸留水か精製水が望ましいですが、自販機やコンビニ等で入手できるミネラルウォーターでも可能です。
 水500ccに小さじ3分の2程度の食塩を(正確に0.9%に調整する必要はありません)加えて溶液を作ったら、1回に使用する量が少ないため冷蔵庫に保存しておくとよいでしょう。

【『つらい不調が続いたら 慢性上咽頭炎を治しなさい』堀田修〈ほった・おさむ〉(あさ出版、2018年)】

 洗浄液のお勧めは以下の通りである。

・ミサトールリノローション(アダバイオ社)
・プレフィア(グローバルアイ社)
・MSMプレフィア(グローバルアイ社)

「梅肉エキスが代用になる」とのアマゾンレビューもある。

 カネのかからない生理食塩水から試すのが王道だ。

食事と自律神経の関係/『病気が治る鼻うがい健康法 体の不調は慢性上咽頭炎がつくる』堀田修


 ・食事と自律神経の関係

『つらい不調が続いたら 慢性上咽頭炎を治しなさい』堀田修
鼻うがいのやり方

 一方、食事と自律神経の関係ですが、1食を5分以内で食べ終わるほどの早食いは交感神経優位の状態で、奥歯でよく噛んで十分に時間をかけて食事をする場合は副交感神経優位の状態です。そして、消化吸収時には副交感神経が働いて消化を促進します。ところがリラックスさせる副交感神経も、活発になりすぎるとアレルギー症状をひきおこしますので、バランスが大切といえます。
 食事の内容も影響します。肉食に偏っていると交感神経優位の状態をもたらし、野菜を中心とした食事をしていると副交感神経優位の状態をつくります。なぜなら、肉類はアミノ酸からつくられる酸性食品なので消化時間が短く交感神経を活発にさせ、野菜はアルカリ食品から活性酸素を奪って副交感神経を活発にさせます。
 事実、「アデノイドが腫れている子どもは偏食である」ということは、山崎氏が活躍した1960年代以前からよく知られていたことです。偏食が自律神経に影響して免疫システムを乱れさせるため、慢性上咽頭炎の発症に関係しているだろうことは、十分に考えられます。

【『病気が治る鼻うがい健康法 体の不調は慢性上咽頭炎がつくる』堀田修〈ほった・ほさむ〉(角川マーケティング、2011年)】

 交感神経優位とは昂奮状態である。肉食人種が戦闘的なのもむべなるかな。『つらい不調』よりも少しばかり臨床的な記述が目立つ。ただし堀田は著作が多いので、やはり新刊優先で考えた方がよかろう。


 一見してわかるように上咽頭は体外と体内の接点である(※喉や腸は体外という説もあるが)。言わば体内の入り口で異物を排除しているのが鼻や口であり、もう一歩進んだところに上咽頭が鎮座する。侵入を許してしまうと白血球の出番となるわけだが、時にウイルスや最近は獅子身中の虫となる。

 自律神経失調症は症状が多岐にわたっていてドクターの所見は意外と当てにならない。通院してもよくならない場合は上咽頭炎を疑うべきだろう。