2012-08-05

ホルモンは“はたらき”につけられた名前


 ホルモンというのは“はたらき”につけられた名前で、物質としては一種の蛋白質です。

【『DNAがわかる本』中内光昭(岩波ジュニア新書、1997年)】

DNAがわかる本 (岩波ジュニア新書)

2012-08-04

『東京マグニチュード8.0』


『東京マグニチュード8.0』は、2009年7月9日より2009年9月17日までフジテレビの深夜アニメ放送枠で放映されたアニメ。



東京マグニチュード8.0

食糧危機のサイン(ニジェール)~プラン・ジャパン


プラン・ジャパン

堤未果×田中優×萱野稔人 J-WAVE PLUS 2012.07.15



本当におぼれている人はおぼれているようには見えない、静かに沈んでいく人に気付くためのポイント


 ほとんどの場合、おぼれている人にとって声を上げて助けを求めることは生理学的に不可能です。呼吸器系の第一の目的は呼吸することであって、声を出すことはあくまで副次的な機能。呼吸することができて初めて声を出す余裕ができます。



 おぼれている人は手を振って助けを求めることはできません。本能的に腕を横に伸ばし、水面を下に押すことによって頭を水面上に押し上げようとします。

Gigazine 2010-09-10

 社会の波で溺れている人もまた同様か。不況という低温状態は人々から体力を奪い取る。そして福島、沖縄を思わずにはいられない。

2012-08-03

福島第一原発の1号機から現在、大量の放射能汚染水蒸気が噴出中


東江湖を往く舟

Dongjiang Lake (東江湖) 8, Hunam Province

 中国湖南省にある人工湖か。水と大気の境界が溶け合い、舟が宙に浮いているような錯覚に陥る。生きとし生けるものを育む光と水が幻想的な美しさをまとって見る者に安らぎを与える。人間らしい生き方を望むのであれば、我々はスピードを放棄すべきなのかもしれない。

米証券仲介ナイト、株価が6割安 誤発注で巨額損失


 2日のニューヨーク株式市場で、米証券仲介大手ナイト・キャピタル・グループの株価が前日比63%安の2.58ドルまで急落した。前日の誤発注による巨額損失で、経営の先行きを懸念した売りが止まらない。ナイト・キャピタルは同日朝の声明で「資本基盤を強化するため戦略的な選択肢を検討している」とし、身売り先探しなどに着手したもよう。同社の経営は深刻な局面に入っている。

 ナイトは2日、売買システムの誤発注で4億4000万ドル(約340億円)の損失が出たと発表した。取引システムへの懸念から、この日は投資信託など大手の機関投資家で同社との取引を手控える動きが広がった。

 米メディアによると、ナイトは資金繰りのために米銀大手と交渉している。身売りも視野に同業他社との協議も急いでいるが、今のところメドは立っていない。

 米証券業界の自主規制機関の金融取引業規制機構(FINRA)は2日、誤発注の影響を調べているとの声明を発表。そのうえで「現時点で(ナイトは取引を続けるのに必要な)資本基準は満たしている」とした。

 ただ、巨額損失でナイトの自力再建は難しいとの見方もある。資金繰りや資本提携の協議が不調に終われば、同社の経営は正念場を迎える。

日本経済新聞 2012-08-03



米ナイト・キャピタル、前日の取引障害で340億円の損失

 米証券仲介大手のナイト・キャピタル・グループ(KCG.N: 株価, 企業情報, レポート)は2日、前日に発生したコンピューターによる自動注文の障害により4億4000万ドルの資本が失われたことで、会社の存続を賭けて資金集めに奔走した。

 ナイト・キャピタルの主要な顧客だったTDアメリトレード、フィデリティー・インベストメントなどは現在、ナイト・キャピタルを通して注文を出していない。小規模な顧客も他社を経由して注文を出している。

 ナイト・キャピタルの株価は、この2日間で70%以上下落した。

 同社は「戦略的、財政的な代替手段を積極的に追求している」とする声明を発表。これを受け、市場では同社が身売りもしくは破産に追い込まれるとの懸念が出ている。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、ナイト・キャピタルはシルバーレーク・パートナーズ傘下のバーテュ・フィナンシャルと協議に入った。またフォックス・ビジネス・ネットワークは、ナイト・キャピタルがJPモルガン・チェースに支援を要請したと報じている。

 JPモルガンの広報担当者はこの報道についてコメントを控えた。ナイト・キャピタルの広報担当者もコメントを控えている。

 ナイト・キャピタルの取引障害により、1日のニューヨーク株式市場で約140銘柄が寄り付き直後に乱高下する事態が発生。ニューヨーク証券取引所は特に値動きが激しかった6銘柄の売買を停止した。

ロイター 2012-08-03

東京電力天下りの平均年収は3000万円



東京電力の暗部/『東京電力 暗黒の帝国』恩田勝亘汚職追求の闘士/『それでも私は腐敗と闘う』イングリッド・ベタンクール

モロッコでレイプ被害者の少女自殺、判事命令で加害者と結婚


 北アフリカのモロッコの首都ラバトにある議会議事堂前で17日、女性数百人が参加するデモが行われ、レイプ処罰法の改正などを要求した。きっかけは性的暴行を受けたとされる16歳少女が裁判官の命令で加害者と結婚し、自殺に追い込まれた事件だった。

 モロッコの法律では、レイプ犯には5~10年の禁錮刑が下される。未成年者、妊娠中や身体障害がある女性が被害者の場合は最大で20年まで刑が延びる。ただ、被害者と加害者が結婚した場合、レイプの罪は問われない。

 16歳の少女アミーナ・フィラリさんが自殺した今回の事件でも、この抜け道が使われた。「夫」となった加害者は公式に起訴されなかった。フィラリさんの家族が法廷で結婚の合意書に署名していたからだ。

 父親によると、フィラリさんは最近、ラバトから北へ約170キロ離れたララシュ市にある自宅から路上に転落し、搬送先の病院で死亡した。父親は地元紙の取材に、夫から激しく殴られた後、殺鼠(さっそ)剤を飲み、転落したと主張。娘は落ちた後、吐き始めていたとも話した。

 地元のMAP通信は自殺と報道し、地元警察はCNNの取材に死因を捜査中とだけ説明した。

 父親は結婚に反対していたが、家族の名誉を守るためなどと主張した妻や家族、ララシュの裁判所に最後は押し切られた。「結婚は判事が決定し、反論する機会がなかった」と振り返り、「娘が成人するまで手元に置きたかった」と悔やんだ。

 フィラリさんの事件は国民の怒りを募らせた。女性の権利保護団体の責任者は「法律を通じてレイプは合法化された」と非難した。ラバトでのデモではフィラリさんの写真が掲げられ、参加者は未成年者の結婚反対や個人としての女性の権利擁護などを訴えた。

 モロッコ政府のムスタファ・エル・ハリフィ情報相兼報道官は「フィラリさんは2度レイプされた」と指摘。2度目のレイプは加害者との結婚を強いられたことだと述べた。

 15日に開かれた政府の定例会議ではフィラリさん事件への対応の協議に時間の大半が費やされた。同情報相は「今回の悲劇を無視することは出来ない。レイプ処罰法を厳しくする可能性を視野に入れて問題点を精査することが必要」と強調した。

CNN 2012-03-18

音楽はアスリートの「合法的な麻薬」、能力向上を研究で証明


 開催中のロンドン五輪の競泳などでも、選手がヘッドフォンで音楽を聴きながら競技の開始を待つ姿が見られるが、音楽にはアスリートの能力を向上させる効果のあることが複数の研究で明らかとなっている。

 スポーツ心理学者で、一流アスリートがどのように音楽を使用しているかを研究する世界有数の専門家であるCostas Karageorghis氏は、音楽は「アスリートにとって合法的な麻薬のようなもの」と表現する。

 スポーツ心理学の専門誌に掲載された研究では、米歌手マドンナや英ロックバンド「クイーン」などの曲をランナーに聴かせたところ、走る距離や時間が伸びたという。別の研究でも、走行距離が18%伸び、音楽には持久運動能力を向上させる効果があることが実証された。

 また、音楽にはアスリートを外部やネガティブ思考から遮断し、競技に集中させるという効果もある。Karageorghis氏は「思考はアスリートにとって最悪の敵」だとし、音楽は感情を効果的にコントロールする良い方法だと指摘した。

 Karageorghis氏によると、アスリートがトレーニングや競技前に音楽を取り入れるようになったのは、1970年代後半にソニーの携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」が登場してから。「それ以来、音楽は爆発的に利用されるようになった」という。

ロイター 2012-08-03

2012-08-02

狼の咆哮/「清河への道」新井英一


「これが歌だ。これこそが本物の歌だ」――一瞬にしてそう感じた。明くる日、私はCDショップへと猛ダッシュした。狼のような咆哮、出自を辿る歌詞、ギターのリフレインがまるで六道輪廻を思わせた。CDに収録されているのは1曲のみ。まさしく超重量級だった。大地を踏みしめる脚力がなければ、聴くこと自体に耐えられない。何度も聴いていると耳の底で地鳴りが起こった。新井英一〈あらい・えいいち〉は決して器用な歌い手ではない。他のCDも買ったが、曲調があまりに泥臭くて数回しか聴かなかった。「新井英一は日本のウラジミール・ヴィソツキーである」と私は密かに確信した。タイトルは「清河(チョンハー)への道」と読む。レコード大賞で何か賞を獲得したはずだ。



清河(チョンハー)への道

日テレ記者、返り討ちに遭う


2012-08-01

死も覚悟…「助かった」 悩み全般 専門家がよりそう電話


「つらい」「さみしい」「死ぬしかない」――。支えを求める悲痛な声が、一般社団法人社会的包摂サポートセンター(東京)の電話相談「よりそいホットライン」=0120-279(つなぐ)-338(ささえる)=に殺到している。どんな悩みでも24時間無料で受け付け、全国からの電話は250万コールに及ぶ。1日3万コールかかる日もあり、30回に1回しかつながらない状態だ。(大野孝志)

 一つの電話窓口で貧困や失業、いじめなど、あらゆる悩みを受け付けるワンストップ型。昨秋に東北で始め、東日本大震災から1年を機に今年3月から全国に拡大。38の拠点を置き、相談員は生活困窮者の支援や消費者問題などに取り組む1300人以上が交代で務める。一つの電話に二人が対応し、専門分野の知識と経験を生かして解決に導く。

「話を聞いてくれる程度かな、と思っていた。生活保護の申請に同行までしてくれるとは思わなかった」。都内の40代の男性は5月、ホットラインに電話した。

 夜勤のある派遣の仕事を、体力が続かずに昨年辞め、日雇いの仕事で食いつないだ。5月に求人がなくなり、生活費も食べ物も尽きた。生活保護の不正受給の報道で「自分も健康だから申請してもだめだろう。死ぬしかない」と思い詰めた。

 所持金は2円。3日間食べていなかった。暇つぶしに訪れた図書館のパソコンでインターネットを見て、ホットラインを知った。携帯から電話し、奇跡的に2回でつながった。父と死別し、遠方の母と妹とは10年以上音信不通。誰にも話したことのない身の上を、相談員に明かした。

 相談員は「直接支援する団体から折り返し電話する」。翌日、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男事務局長と会い、生活保護を申請した。「制度がよく分からず一人では申請できなかった。相談して助かった」。男性は最近、仕事が見つかった。

 配置転換された仕事が体力的にきつくなり、退職した40代の男性は貯金で食いつないだが、今年春に底をついた。両親、兄と死別し、姉とは疎遠。死ぬつもりでマンションを引き払い、故郷に戻って野宿を始めた。

 死に場所探しとハローワーク通いを繰り返した。「結局は生きようとしているんだよね」。再会した姉から「なんとかなるかも」とホットラインを教えられた。10分ほどかけ直し続けてようやくつながった。経緯を話すとその日のうちに本多事務局長から電話があり、生活保護申請に同行してくれた。

 現在は低額宿泊所に住み、仕事を探している。「困窮は自分の運命と思い込んでいた。電話しなかったら、私は今ここにいない」

東京新聞 2012-08-01 朝刊

名前のない悲劇/『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』木村元彦、『アラブ、祈りとしての文学』岡真理


 キーボードを一心不乱に叩きながら彼女は語る。
「一番大きな問題は私たちのこの悲劇には名前がついていないことです。世界の注目どころか、国内でも無視され切り捨てられている」
 名前さえもついていない問題。確かにコソボ難民という言い方をすれば、ほとんどの外国人はアルバニア系住民のことを指すと思うだろう。

【『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』木村元彦〈きむら・ゆきひこ〉(集英社新書、2005年)】

 名前のない悲劇とは現在進行形の悲劇を意味する。終わらぬ惨禍は歴史として締め括ることができない。

 人間の言葉は名詞から始まったと考えられている。ヘレン・ケラーが最初に発した言葉は「ウォーター」であった。名は体を表す。存在論であろうと唯名論であろうと名前のないものは実在を認められない。

 人類史上において名前のない最大の悲劇といえば、イスラエルによるパレスチナ略奪である。第二次世界大戦のどさくさに紛れて、ロスチャイルド家が世界中のユダヤ人をパレスチナに移動させた。実に1948年からいまだに続く悲劇だ。

 世界から忘れ去られ、苦難に喘ぐ人々がもっとも必要としているもの、言い換えるならば、世界に自らの存在を書き込み、苦難から解放されるために致命的に必要とされるもの、それは、「イメージ」である。他者に対する私たちの人間的共感は、他者への想像力によって可能になるが、その私たちの想像力を可能にするのが「イメージ」であるからだ。逆に言えば、「イメージ」が決定的に存在しないということは、想像を働かせるよすがもないということだ。

【『アラブ、祈りとしての文学』岡真理(みすず書房、2008年)】

 岡真理の指摘がシオニズムの政治的意図を鋭く射抜く。電波や活字に乗らない事件は我々にとって存在しないも同然だ。ルワンダ大虐殺も当初は報じられなかった。海外からのニュースを取捨選択するのは西側メディアであることを我々はきちんと弁える必要がある。

終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (集英社新書)  彼女の「正しい」名前とは何か―第三世界フェミニズムの思想 記憶/物語 (思考のフロンティア)

バルカンのホスピタリティ/『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』木村元彦
自爆せざるを得ないパレスチナの情況/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理

2012-07-31

目撃された人々 28



目撃された人々(旧)

虫歯治療の動画



アメリカ、中国、欧州 世界経済の現状

2012-07-30

目撃された人々 27


 声が美しかった。そして豊かな響きがあった。声だけ聴いていると60代半ばの女性とは思えなかった。ただし時折、優しい性格が裏目に出て自信のなさそうな態度が見受けられた。初めて会った頃からそれが気になって仕方がなかった。

 オフィスでもスリッパを引きずるように歩き、年齢に不相応なほど猫背がひどかった。

 さほど親しいわけでもなく個人的なことは殆ど知らない。にもかかわらず私の気を惹く何かがあった。

 多分、中年期以降に何かしらの不条理や不遇を経験してきたのだろう。その見えない生乾きの傷が、彼女の声を通して私の胸に響いてくるのだ。

 人は生きる気力を失った瞬間に姿勢が歪む。地球の引力に負けてしまうためだ。背骨は悲哀のカーブを描いて湾曲する。

 苦しい胸の内を彼女は手放していないことだろう。あるいは死ぬまで抱えてゆく覚悟を決めているのかもしれない。

 そんなことをつらつら思っていると、背中をさすりながら「私が一緒に泣いてあげるよ」と言いたい衝動に駆られる。

 私自身が精神的にタフなことと関係しているかどうかはわからぬが、心に傷を負っている人を見るとどうしても放っておけなくなる。

 お孫さんの写真を見せてくれた時は少女のように微笑んでいた。しかし孫の存在は人生の重力を跳ね返す力とはなり得ないことだろう。

 不幸の本質は悲哀と恐怖である。そこから離れるためには誰かに話す必要がある。「話す」が「離す」に通じるからだ。

目撃された人々(旧)

夕陽とラクダ

fantastic of The desert

 私がtumblrを始めてから最も多くリブログされたのがこの画像である。今日現在で433noteとなっている。

 雲のかかった夕陽がラクダたちの輪郭に光沢を与える。太陽が今日一日の生を終えて死に至る時、天と地は闇へ向かって溶け合い一つとなる。静かで穏やかな世界。いたずらに死を恐れる人は、きっと生が脅(おびや)かされているのだろう。



 他の写真も素晴らしいのでまとめて紹介しよう。以下、「dhahi alsaeedi's photostream」より。

The story of a thousand nights and night

Dreamy World

The magic of the desert

Imagination of the Middle East !!

cameleer

Undated

水上を往くラクダ

ドイツ市民も「再稼働反対!」


2012-07-29

最新軍事技術~二足歩行をするロボット

Absolutely Wild Visuals Showreel

マイケル・ベイジェント、リチャード・リー、バイロン・ケイティ、小坂国継、バン・K・タープ、大熊一夫


 4冊挫折、1冊読了。

テンプル騎士団とフリーメーソン アメリカ建国に到る西欧秘儀結社の知られざる系譜』マイケル・ベイジェント、リチャード・リー:林和彦訳(三交社、2006年)/「はじめに」の文章が妙に言い訳がましく、長ったらしいのでやめた。

探すのをやめたとき愛は見つかる 人生を美しく変える四つの質問』バイロン・ケイティ:水島広子訳(創元社、2007年)/『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』に続く著作。これは女性向けだと思われる。前著を読んでいる人は不要だろう。文体の違いに驚く。

西田幾多郎の思想』小坂国継〈こさか・くにつぐ〉(講談社学術文庫、2002年)/良書である。まず文章がいい。アプローチの仕方も初心者に親切だ。西田哲学に興味がある人は本書から入るのがよいと思う。私はさほど関心がない。

タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門 スーパートレーダーになるための自己改造計画』バン・K・タープ:長尾慎太郎監修、山下恵美子訳(パンローリング、2009年)/洒脱な文章でぐいぐい読ませる。良心的な本の作りだが写真がみすぼらしい。初級・中級者向けメンタルトレーニングとしては満点に近い内容だと思う。

 39冊目『つくりごと 高齢者福祉の星岩川徹逮捕の虚構』大熊一夫(創出版、2012年)/あの『ルポ・精神病棟』(朝日文庫、1981年)の大熊一夫である。怒りのあまり一晩で読んでしまった。我が国の民主主義の現状を知りたいなら、柳川喜郎著『襲われて 産廃の闇、自治の光』と本書を真っ先に読むべきだ。ど田舎の村社会は強い者に従う。そして検察と警察が罪を捏造(ねつぞう)するのだ。法治国家を名乗りながら日本では法が機能していない事実がよく理解できる。裁判官という人種は魑魅魍魎も同然で良心はおろか、常識すら持ち合わせていないと見える。

『DAYS JAPAN』2012年08月号 「とどろく『再稼働反対』の声」

DAYS JAPAN (デイズ ジャパン) 2012年 08月号 [雑誌]

目次

アニマルワールド
小さなお友達
写真/アフロ

とどろく「再稼動反対」の叫び
写真/野田雅也、小原直史、東京新聞

トピックス
福井県●民意ふりきり大飯再稼動
写真/津田壮章、森祐一
沖縄県●オスプレイ配備計画に断固反対を
写真/PANA通信社

球美(くみ)の里 オープン

特集 大インド・人間紀行
①混沌の中、脈動する人々
写真・文/アーコ・ダッタ
②生命の奥底から
写真・文/高橋邦典
③日本の若者による記録への挑戦
写真/林直樹、井田裕基、川上真、中川智之、龍神孝介、中川諒、伊藤淳子、宮森昭子(DAYSフォトジャーナリスト学校第3期生)
滝澤早苗(DAYSフォトジャーナリスト学校第1期生)
文/中川智之

無視される犠牲と差別の責任者
文/大田昌秀
写真/浅見裕子、米空軍/PANA通信社

連載 チェルノブイリとフクシマ 第7回
福島の母たちから沖縄・久米島へ
文/鈴木薫

コラム「OUTLOOK」
6.29の伝え方にみる各紙の市民メディア度
文/斎藤美奈子

スーダン・ヌバ山岳地帯
強く美しい地の民
写真・文/フランチェスコ・ジゾラ

私の取材機材 47 海野和男

バックナンバー・定期購読・専用バインダーのご案内

おばあちゃんと猫18  西瓜と夏のお昼寝
写真・文/伊原美代子

コラム「おしどりマコ・ケンの実際どうなの!?」
飯舘村仮設住宅 自治会費の謎

DAYSフォローアップ
「あの記事」のその後を伝えます

フィリピン
違法金鉱山に働く
写真・文/丹羽理

営みの地球 89
昆虫たちの時間
写真・文/海野和男

編集後記/次号予告、お知らせ

表紙:Photo by Masaya NODA/JVJA
関西電力大飯原子力発電所の再稼働に反対して、首相官邸前で行われたデモの空撮写真。2012年6月29日

シリア革命の背後にアメリカ


樹木をなぎ倒しながら着陸するオスプレイ

2012-07-28

ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』が文庫化

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

 アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。現在の世界に広がる富とパワーの「地域格差」を生み出したものとは。1万3000年にわたる人類史のダイナミズムに隠された壮大な謎を、進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など、広範な最新知見を縦横に駆使して解き明かす。ピュリッツァー賞、国際コスモス賞、朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第1位を受賞した名著、待望の文庫化。

 世界史の勢力地図は、侵略と淘汰が繰り返されるなかで幾度となく塗り替えられてきた。歴史の勝者と敗者を分けた要因とは、銃器や金属器技術の有無、農耕収穫物や家畜の種類、運搬・移動手段の差異、情報を伝達し保持する文字の存在など多岐にわたっている。だが、地域によるその差を生み出した真の要因とは何だったのか? 文系・理系の枠を超えて最新の研究成果を編み上げ、まったく新しい人類史・文明史の視点を提示した知的興奮の書。

マイケル・サンデル著『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びる哲学』が文庫化

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 「1人を殺せば5人が助かる。あなたはその1人を殺すべきか?」。正解のない究極の難問に挑み続ける、ハーバード大学の超人気哲学講義“JUSTICE”。経済危機から大災害にいたるまで、現代を覆う苦難の根底には、つねに「正義」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。サンデル教授の問いに取り組むことで見えてくる、よりよい社会の姿とは? NHK『ハーバード白熱教室』とともに社会現象を巻き起こした大ベストセラー、待望の文庫化。

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔上〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業〔下〕(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) それをお金で買いますか――市場主義の限界 NHK DVD ハーバード白熱教室 DVD BOX [DVD]

大津いじめ問題 加害少年親が撒いたビラが遂に掲載される!



被害届、大津署が受理拒否 大津中2自殺

2012-07-25

権威を知るための書籍


     ・キリスト教を知るための書籍
     ・宗教とは何か?
     ・ブッダの教えを学ぶ
     ・悟りとは
     ・物語の本質
     ・権威を知るための書籍
     ・情報とアルゴリズム
     ・世界史の教科書
     ・日本の近代史を学ぶ
     ・虐待と知的障害&発達障害に関する書籍
     ・時間論
     ・身体革命
     ・ミステリ&SF
     ・必読書リスト

「自分は権威とは無縁だ」――そう思っている人は既にコントロールされる側に身を置いていると考えてよい。権威と権力は異なる。権力が外圧性・暴力性を帯びているのに対して、権威は内発的に従わせる力を持っている。我々は知識人、専門家、技術者、すなわちオーソリティの言説を疑おうとしない。原発だって事故が起こるまではさほど疑問も抱かなかったはずだ。

 少々畑違いの書籍も入っているが、ま、古本屋の良心だと思っていただければ、これ幸い。

 権威のメカニズムを解体するには、ここから「物語」を読み解く必要がある。

物語の本質~青木勇気『「物語」とは何であるか』への応答



『無責任の構造 モラルハザードへの知的戦略』岡本浩一
『権威主義の正体』岡本浩一
『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ
『服従の心理』スタンレー・ミルグラム
『権威の概念』アレクサンドル・コジェーヴ
『一九八四年』ジョージ・オーウェル
『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ

スタンレー・ミルグラム著『服従の心理』が文庫化


服従の心理 (河出文庫)
スタンレー ミルグラム
河出書房新社
売り上げランキング: 73,746

 これは河出書房新社の大盤振る舞いといってよい。

『服従の心理』スタンレー・ミルグラム

豊島区が産経新聞社に厳重抗議、さらに再抗議


平成24年7月23日付産経新聞朝刊記事について(抗議)
平成24年7月24日付産経新聞朝刊「産經抄」記事について(再抗議)

 ・記事のおわびと削除
 ・「迷彩服を区民に見せるな」 自衛隊の防災演習、東京の11の区が庁舎立ち入り拒否
 ・「区民に迷彩服を見せたくなかった」と明かした区職員

 デマ記事があれば直ちに新聞購読をやめるべきだ。そうでないと結果的に「嘘に加担すること」となるゆえ。ま、俺は産経新聞とフジテレビは避けて通るようにしているけどね。

産経が早くも謝罪記事掲載に追い込まれ赤っ恥でござるの巻
名物コラムで全面白旗、産経「無条件降伏」の巻~それにしても強い、強すぎる。豊島区役所無双に見るネット広報の威力

2012-07-23

「検察審査会制度」四宮啓〈しのみや・さとる〉弁護士 2012年6月18日



O.J.シンプソンはなぜ無罪になったか―誤解されるアメリカ陪審制度

Hand Shadows - on KurdistanTV


 影絵というシンボルがマンダラ思索にヒントを与えてくれる。


WWF(世界自然保護基金)ジャパン

Best of Just For Laughs Gags - Best Jesus Pranks


 信じる者は救われ……そして騙される(笑)。「オー・マイ・ゴッド!」。

陳満咲杜、蓮村誠、臼井幸治、チャック・ホーガン


 2冊挫折、1冊読了。

着物トレーダーを卒業せよ 陳満咲杜の為替の真実』陳満咲杜〈ちん・まさと〉(青月社、2008年)/スーパーのチラシみたいな表紙、著者の経歴も本人によるものと思われるが、まるで履歴書の抱負のようだ。紙質が悪い上、活字も読みにくい。以下引用――「神の見えざる手」というのは、スミスの『国富論』の中に出てくる言葉で――などと臆面もなく書いているが原文に「神の」という枕詞は存在しない。1+1=2みたいな内容ばかりで何も書いてないに等しい。amazonの評価も眉に唾して見た方がよい。

黄金のアーユルヴェーダ・セルフマッサージ 1日10分 伝統のデトックス法で奇跡の美肌』蓮村誠、臼井幸治監修(河出書房新社、2006年)/「九鬼 純正太白胡麻油」を使ったセルフマッサージ。読んだだけで、まだ行っていない。ま、やるとしたら「マルホン 太白胡麻油」を買う予定。こっちの方がずっと安い。ふくらはぎの筋肉痛を何とかしようと思って開いてみたのだが、ちょっと畑違いであった。美肌はどうでもいいが、自分の身体を知るためにやってみる価値はあると思う。

 38冊目『流刑の街』チャック・ホーガン:加賀山拓朗訳(ヴィレッジブックス、2011年)/文章は素晴らしいのだがストーリー展開と主人公の造形がダメだ。実にもったいないと思う。序盤の硬質な緊張感が中盤からダレ始める。で、最終的には安っぽいパルプ小説になっているのだ。主人公のニール・メイヴンにリーダーとしての資質はなくても構わないが、あまりにもヒーロー的な要素に欠けている。復讐も中途半端だ。ボスのロイスと麻薬捜査官のラッシュも見分けがつかない。散々文句を並べておいたが、警句を思わせる文章を味わうだけでも損はない。

2012-07-22

金色の抽象画


 金色(こんじき)に輝く水をバックに無数の格子が画面を埋めている。まるで大自然が描いた抽象画のようだ。水と草は生の象徴でありながらも、影を強調しているため死が前面に出ている。一本一本の草という存在は意味をなさず、完全に環境と融け合う。ここに生と死の分離はない。

First Day of 2012

ジャック・ロンドン、西田幾多郎、檜垣立哉、中江兆民、リチャード・コッチ


 5冊挫折。

海の狼』ジャック・ロンドン:関弘訳(トパーズプレス、1996年)/出だしのテンポが悪い。翻訳の文体も馴染めず。

思索と体験』西田幾多郎〈にしだ・きたろう〉(岩波文庫、1980年)/愛児を亡くした一文のみ読む。他は歯が立たず。

西田幾多郎の生命哲学 ベルクソン、ドゥルーズと響き合う思考』檜垣立哉〈ひがき・たつや〉(講談社現代新書、2005年)/好著。文章がいい。しかしながらクリシュナムルティを知った後で西田哲学は不要と判断した。おかげでベルクソンとドゥルーズも読む手間が省けた。

一年有半・続一年有半』中江兆民:井田進也校注(岩波文庫改版、1995年/東京博文館、1901年〈中江篤介〉)/有名な冒頭の文章だけ読む。兆民の遺著。序文を弟子の幸徳秋水が書いている。大逆事件で日本の自由民権運動は死んだのかもしれない。

新版 人生を変える80対20の法則』リチャード・コッチ:仁平和夫、高遠裕子訳(阪急コミュニケーションズ新版、2011年/阪急コミュニケーションズ、1998年)/数年前なら貪るように読んだことだろう。タイミングが遅かった。チト、手垢のついた感が否めない。実際に我がものとするには少々訓練を要することだろう。簡単なことほど難しい。これはオススメ。

やる気スイッチがある場所


平等党・田中昭氏が東電記者会見出入り禁止に 2011年11月6日


書き起こし:みんな楽しくHappy♡がいい♪
【スクープ】逆ギレ会見の東電・寺澤徹哉が重大な事実誤認! 瓦礫焼却を東電グループ企業に要請したのは東京都ではなかった!
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15歳の怒り~藤波心ちゃんと男子中学生の叫び




藤波心

2012-07-21

アドルフ・ヒトラーとジョン・F・ケネディの演説



 驚くべきことにヒトラーの演説は結論部分が、ケネディの大統領就任演説と一致している。

 だからこそ、米国民の同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。 あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい。

大統領就任演説(1961年) ジョン・F・ケネディ




 とすると第二次世界大戦後のアメリカとユダヤ資本はヒトラーの実績から多くを学んだ可能性がある。ジョン・F・ケネディの父親ジョセフ・P・ケネディやジョージ・W・ブッシュ大統領の曽祖父にあたるジョージ・ウォーカーはヒトラーを支持していた。

 私はノーマン・G・フィンケルスタイン著『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』を読み、ヒトラーを悪の代名詞として扱う言説を一切信用しなくなった。尚、ヒトラーを生むに至るまでのドイツの情況については以下の書籍が詳しい。

文庫 アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか (草思社文庫)
菅原 出
草思社
売り上げランキング: 145,277

ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う
宋 鴻兵
武田ランダムハウスジャパン
売り上げランキング: 136,074

通貨戦争 影の支配者たちは世界統一通貨をめざす
宋 鴻兵
武田ランダムハウスジャパン
売り上げランキング: 161,206

アメリカ経済界はファシズムを支持した/『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』菅原出
ジョン・F・ケネディ
ガンジーがヒトラーへ宛てた手紙「我が友よ」

サヴァン症候群~脅威の記憶力


サヴァン症候群~脅威の記憶力

アスペルガーの偉人たち火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)動物感覚―アニマル・マインドを読み解く天才の心理学 (岩波文庫 青 658-1)

ぼくには数字が風景に見える天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界アスペルガー症候群の天才たち―自閉症と創造性天才と発達障害 映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル (こころライブラリー)

モンティ・ホール問題/『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン
暗闇の速度/『くらやみの速さはどれくらい』エリザベス・ムーン
自閉症者の可能性/『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン

カラーフィルムで見る第二次世界大戦

アジアの子どもたち~ストリートチルドレン、人身売買された子どもたち、地震で被災した子どもたち

白バラ抵抗運動~ハンス・ショルの覚悟/『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編


 のちにゲシュタポの尋問でも自供しているとおり、ハンス・ショルは積極的な抵抗運動をすることを決断していた。「〔……〕私は国家の市民として、自分の国家の運命に対して無関心でいたくないと思ったので、自分の信条を頭のなかで考えているだけではなく、行動に表わそうと決意しました。それで私はビラを書き、印刷することを思い立ったのです。
 私がビラを印刷し、配布しようと決意した時、そのような行動が、現在の国家に反する行為であることは自覚していました。私は、内面からわきおこるやむにやまれぬ気持ちでこうしなくてはならないと確信し、その内面的な責務は、兵士として宣誓した忠誠の誓いよりも重要なものだと考えていました。それによって、どのようなことを自分が被らなくてはならないかはわかっており、このことで自分の命を失うことも覚悟していました。」

【『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編:石田勇治、田中美由紀訳(未來社、2007年)】

 この覚悟はギロチンによる処刑で実行された。何と清冽な魂であろうか。ビラに記された言葉はスマートフォンで綴られる「つぶやき」とは異質なものだ。

ヒトラーに抗議したドイツの学生達/『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編
無関心な態度が凶暴な行為を支える

 時代と人々の動向が一方に振り切れようとする時、必ず反対側にバランスする力が働く。本来であれば学問や知性を生業(なりわい)とする面々が担うべき仕事であろう。しかし彼らの多くはステップアップのためとあらば上司の言いなりになるサラリーマンと一緒だ。地位と報酬目当ての彼らは結果的に体制を支える側に身を寄り添える。

 良心を支えているのは感情である。そしてナチスを支えていたのもまた国民の感情であった。「生の本質は反応である」という私の持論からすれば、異なる二つの反応があるだけだ。だが決定的な違いが見て取れる。第一次世界大戦に敗れ、ハイパーインフレに襲われたドイツ国民は熱狂を求め、感情に流されただけであった。一方、白バラには強靭な意志と柔軟な理性が働いていた。

 大衆の反応はいつだって反射的なものだ。ただ苦痛を避けて快楽を求めているのが実態であろう。民主主義は衆愚政治となることを避けられない。かつて民衆が賢明であった時代はなかったし、これからもないことだろう。

 その愚かさが白バラの5人をギロチンの下へ運んだのだ。「考えないこと」は「正しい人を殺すこと」でもあった。その歴史の刻印を忘れまい。

白いバラ
白バラの庭

「白バラ」尋問調書―『白バラの祈り』資料集 白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- [DVD]

sirobara
【ミュンヘン大学前につくられた記念碑】