・TPPの実質は企業による世界統治
2013-05-25
2013-05-23
J・カズヌーヴ、宮沢賢治、ヤスミナ・カドラ、ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー、福本伸行
3冊挫折、1冊読了。
『儀礼 タブー・呪術・聖なるもの』J・カズヌーヴ:宇波彰〈うなみ・あきら〉訳(三一書房、1973年)/良書。ただ私の興味から少しずれていた。文化人類学や宗教社会学を学ぶ学生は必読のこと。
『春と修羅 心象スケッチ』宮沢賢治(日本図書センター、1999年)/オホーツク挽歌を読むのが目的であった。
『カブールの燕たち』ヤスミナ・カドラ:香川由利子訳(早川書房、2007年)/『テロル』に比べて形容の冗長さが目につく。ちょっとまどろっこしい。
17冊目『量子が変える情報の宇宙』ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー:水谷淳〈みずたに・じゅん〉訳(日経BP社、2006年)/本の作りがよくてびっくり。2006年刊とは思えんな。終盤はかなり難しくて読むのがやっと。ジョン・ホイーラーが最近の本ではジョン・ウィーラーと表記されている。情報論はビットからキュビットへ向かう。量子コンピュータの困難な課題が理解できた。内容は文句なしだが、やや総花的。
番外『賭博黙示録カイジ 全13巻』福本伸行(ヤングマガジンコミックス、1996年)/再読。福本作品は心理描写が長くストーリー展開が遅い。それでも男の背中を鞭打つ言葉が心地よい。
2013-05-22
目撃された人々 36
小雨が降っていた。細い十字路の角で少年が茫洋とした表情で両手をポケットに突っ込み口笛を吹いていた。私がバイクの上から「風邪をひくなよ」と言うと、彼は高い音の口笛で答えた。振り返ると少年はオオルリになっていた――というのは作り話だ。少年は雨と戯れるように歩き去った。
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月20日
口笛の少年と似ている。/under the big magic tree | Flickr - Photo Sharing! flickr.com/photos/ukke_ph…
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月20日
2013-05-19
高耐水性で雨に強い! 登山やトレッキングに! MIZUNO レインウェア上下セット ベルグテック・ストームセイバーIV レインスーツ メンズ(送料無料)
・ミズノ公式サイト
バイクや自転車で合羽を着用していると、結局のところ1年でダメになる。5000円以下のモノだともともと透湿性は殆どないし、耐水性も限りなく劣化する。とはいうもののGORE-TEXは高価だ。つまり数年間の使用に耐え得るレインスーツとなると、やはり1万円台だろう。耐水圧約320kpa(32,640mm)以上/透湿性約16,000g/m2 - 24h以上という数値を見ればコストパフォーマンスのよさが理解できる。これより上のランクであればmont-bellがオススメ。
下のランクでは東レのエントラント。
新刊『スタンフォードの人生観が変わる特別講義 あなたのなかに、全世界がある』J・クリシュナムルティ
――あなたが努力も恐怖もなく、いかなる意味での制約もなく自分のなかに入っていき、本当に奥深くまで調べていけば、驚くべきものを見いだすでしょう。おまけに一冊の本も読む必要がありません。(中略)自分自身のなかに世界全体があるのです。そして、それをどう見るのか、どう学びとるのかを知れば、扉はそこにあり、鍵はあなたの手の中にあります――。
本書は「20世紀を代表する哲人」と言われるクリシュナムルティが、スタンフォードで行った4回の連続講演です。理想やあるべき姿を追求するのではなく、いまここにあるものをありのままに見ることが、ただそれだけが、精神の葛藤や苦しみを終わりにし、私たちを根本から変えていく、そしてその時こそ、世界は変わると静かに語りかけます。深い感動とともに、人はこの瞬間にも、根本的に変わりうるのだと感得する珠玉の講演録。
米国の不快な歴史/『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン
・米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした
・米国の不快な歴史
・『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』ニック・タース
・『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム
◆米報道官、慰安婦発言「不快だ」 橋下氏は反論
【ワシントン=共同】米国務省のサキ報道官は16日の記者会見で、従軍慰安婦は必要だったとした、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による発言について「言語道断で不快だ」と非難した。
橋下市長の発言をめぐっては、在日米軍に風俗業者の利用を求めたことに絡んで米国防総省のリトル報道官が、米軍が買春を拒否するのは「言うまでもない」と述べていたが、米政府当局者が公式の場で正面から批判したのは初めて。
これに対し、橋下市長は17日、「米国は日本占領期に日本人女性を活用した。(日本人を)特殊な人種と批判するが、それは違う」とツイッターで反論した。
サキ報道官は従軍慰安婦について「性を目的に人身売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ。犠牲者に心から同情する」とも指摘した。
その上で報道官は「日本が過去に起因するこれらの問題の解決に近隣諸国と共に取り組み続け、前に進むことができるような関係を構築することを期待する」と述べ、日本が歴史認識問題を克服するよう促した。
報道官が強い表現で橋下市長の発言を批判した理由について、国務省当局者は「非常に不快な発言についてコメントを求められたからだ」と説明。「(国務省の)建物の中にいるみんなが腹を立てている」と述べた。
サキ氏はヌランド氏の後任の女性報道官で、13日に初の定例記者会見に臨んだ。
【日本経済新聞 2013-05-17】
更に同日付の日経にはご丁寧に「日米関係に詳しい米外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員」とのインタビュー記事も掲載した。「例えば、環太平洋経済連携協定(TPP)など米議会が関係する問題に影響が出てくるだろう。従軍慰安婦問題は米議会内でも関心が高い。この問題で第1次安倍政権の際には非難決議が可決された。こんな動きが出てくればTPP交渉に日本が参加することへの支持は得られないだろう」(日本経済新聞)
敗戦は70年前の歴史ではない。日本の現在と未来をも規定し続ける重力なのだ。アメリカ人の居丈高な調子は「歴史を規定するのは我々だ」と言わんばかりだ。シーラ・スミスの発言を読むと、日本の政治的前提や民意をも彼らが決めているように感じる。
ではアメリカの言語道断で不快な、あまりにも不快な歴史的事実を見てみよう。彼らはベトナムで何をしたか? いずれも米兵による証言である。
私が負傷する直前の10月の末に、われわれはカンボジア国境から約135マイルから140マイル離れた町にいた。町の名はドンタンで、私の分隊はそこの小さな村から18マイルほどはずれたところにあるトンネルに送りこまれた。
分隊には9人の者がいて、8人がトンネルの中に入った。中に入って、われわれは9人の北ベトナム軍の負傷兵と3人の北ベトナムの看護婦を発見した。分隊の7人の兵隊が担架から捕虜を追い出し、ギブスをはめていた捕虜をベッドからひっぱり出した。そして彼らをトンネルの片隅にほうり出した。
そのあと兵隊たちは3人の看護婦につかみかかった。看護婦は18歳から25~26歳ぐらいだったと思う。看護婦は殴られ、衣服をはがされた。娘たちがその場に崩折れると、彼らはその胸をつかんで引き起こし、また殴って、打ちのめした。
それから一人の娘が引き出された。2人の兵隊があとの2人の娘に銃を突きつけたので、その2人は動けなかった。ほかの5人の兵は最初の娘をマットの上に押し倒した。2人がその腕を身体のうしろにまわして押え、あとの2人が脚をひろげさせた。残りの1人がその娘を犯した。
その男が終わると、別の兵隊が彼女を犯した。娘は悲鳴をあげた。兵隊は彼女を殴り、おとなしくしろと言った。娘は「チュウホイ」と言いつづけた。つまり降伏したいという意味だ。
5人全部がその娘を犯すと、あとの2人が彼女を犯し、その間2人の者が残りの2人の娘に銃を向けて見張りをした。それから、その2人の娘についても同じことがくりかえされた。それぞれの娘が何度も強姦されたのだ。彼女らはその間ずっと泣き叫んでいた。
強姦がすむと、GIたちの3人が投擲照明弾を取り出し、娘たちの性器につっこんだ。彼女らはその時には意識を失っていた。どの1人ももはや押えつけておく必要がなかった。娘たちは口や鼻や顔、そして性器から血を流していた。
そのあと、彼らは照明弾の外の部分をたたき、それは娘たちの身体の中に入っていった。胃袋が急にふくれあがったと思うと、弾は身体の中で爆発した。胃袋が破裂し、内臓が身体の外に垂れ下った。
【『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン:鈴木主税〈すずき・ちから〉訳(合同出版、1971年)以下同】
アメリカは建国以来、今日に至るまで虐殺に次ぐ虐殺を繰り返してきた。まさしく血塗られた国家といえよう。彼らはインディアンを殺し、黒人を殺し、朝鮮人を殺し、ベトナム人を殺し、イラク人を殺し、アフガニスタン人を殺した(アメリカの戦争と外交政策)。
しかもただ殺すだけではない。神に抑圧されたアメリカ人の精神は信仰の力で限りなく反動する。キリスト教こそ人類の業病(ごうびょう)だ。あいつらの正義はいかなる残虐行為をも正当化してしまう。すべては神のために行われるのだ。
答 一人の若い娘がベトナムのレインジャー兵に拷問された。その娘はきわめてゆっくりした拷問を受けていた。死ぬまでに3日を要した。
問 彼女はどんな拷問を受けたのか?
答 彼らはその娘の着物をはいだ。そのあと脚のかかとのうしろのあたりに鉤をひっかけ、脚をひろげて木にぶら下げた。肉屋につるされている豚のようにだ。鉤でひっかけて、そんなふうに股をひろげた格好のままつるしたわけだ。
それから彼らは長さ3フィートで、大人の手首ほどの太さがある竹の棒を取り出し、その娘の身体に突っこんだ──その性器に、さらに竹の切れ端を乳房や、身体のその他のあらゆる部分に突き刺した。腋の下とか胃にも。そのまま3日たって、彼女は死んだ。
アメリカは現在に至るまで日本に対して原爆使用の謝罪すらしていない。原爆資料館を見学したチェ・ゲバラがこう言った。「きみたち日本人は、アメリカにこれほど残虐な目にあわされて、腹が立たないのか」と(『チェ・ゲバラ伝』三好徹)。
敗戦で日本はたぶん去勢されたのだろう。日本政府はアメリカの宦官(かんがん)も同然だ。
人間の崩壊―ベトナム米兵の証言 (1971年)
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マーク・レーン
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・米国による拷問の歴史(前半):アルフレッド・W・マッコイ
・米国による拷問の歴史(後半):アルフレッド・W・マッコイ
・拷問:ウィリアム・ブルム(『アメリカの国家犯罪全書』)
・米帝国の血塗られた道 ウィリアム・ブルムとのインタビュー:デービッド・ロス
・アメリカン・ヒストリー
2013-05-18
虐殺の光景
どう見てもルワンダである。だが虐殺の光景は一様に酷似している。なぜなら虐殺は人間をモノとして扱うことで成立するからだ。その意味で人形には二重のメッセージが込められている。ルワンダでは80万人もの人々が虫けらのように殺され、ボロ雑巾のような骸(むくろ)とされた。白骨化した遺体の数々は今もなお叫び声を上げている。「殺すのが正義」と信ずることができれば、人は何人でも殺せるのだ。その事実が胸から離れない。
・『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』レヴェリアン・ルラングァ
・『生かされて。』イマキュレー・イリバギザ、スティーヴ・アーウィン
・強姦から生まれた子供たち/『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』写真、インタビュー=ジョナサン・トーゴヴニク
リサ・クリスティン:現代奴隷の目撃写真
ここまで横行する悪行にどうやって立ち向かえるでしょうか? 報酬もなく1日16~17時間も働かされているのに、中には自分が奴隷だと知らない人さえいます。生まれた時から同じ状況だからです。他と比べようがないのです。(7分8秒)
2013-05-15
ジェフリー・ディーヴァー
1冊読了。
16冊目『ロードサイド・クロス』ジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳(文藝春秋、2010年)/キャサリン・ダンス・シリーズ。駄作。寝不足に陥った分だけ恨みが募る。ただし親子ものの短篇小説として読むことが可能。無理のあるストーリーに耐えながら、トラヴィスと父親が去ってゆく場面(467ページ)、ダンスと母親のやり取り(486ページ)を読むだけでも価値がある。
2013-05-13
長期監禁のオーストリア人女性、脱出から7年後の今を語る
「私はアマンダ・ベリー。誘拐されたんです。この10年行方不明だったんです」――10年前に16歳で誘拐され、今月6日に解放されたアマンダ・ベリー(Amanda Berry)さんが脱出直後に通報した際の言葉は、10歳で誘拐され、8年間の監禁生活から2006年に解放されたオーストリア人女性のナターシャ・カンプシュ(Natascha Kampusch)さんの最初の言葉を思い起こさせた。
「私の名前はナターシャ・カンプシュ。私のことを聞いたことがあるはずです」
カンプシュさんが懐疑的な警察官にこの言葉をかけたのは、誘拐されてから3000日以上が経ってからだった。
女性の長期監禁事件の中でも最も悪質なケースのひとつに数えられるカンプシュさんの事件は、1998年3月2日に発生。カンプシュさんは登校中に、失業中だった通信技術者のウォルフガング・プリクロピル(Wolfgang Priklopil)容疑者に拉致され、バンの中に押し込められた。
プリクロピル容疑者は、自宅のガレージの下に掘った6平方メートルに満たない地下室に彼女を閉じ込め、幼いカンプシュさんには「ドアや窓には爆弾が仕掛けてある」と伝えた。また、両親は彼女のことを忘れたとも言い聞かせたという。
その後数年間、容疑者はカンプシュさんを殴り、食べ物もごく少量しか与えなかった。何日も食べ物を渡さない日もあり、カンプシュさんが思春期を迎えた後は強姦を繰り返した。
現在25歳のカンプシュさんは、今年初めに当時の様子を振り返り、「叫ぶことはありませんでした。私の体が叫べなかったのです。でも無言で叫んでいました」と述べた。
2006年の夏、プリクロピル容疑者は携帯電話で、カンプシュさんを誘拐した時に使っていた白いバンを売却する話をしていた。その隙をついてカンプシュさんは逃げ出した。
プリクロピル容疑者はその日、線路に飛び込んで自殺した。44歳だった。
カンプシュさんのその後
6日に救助されたアマンダ・ベリーさんと2人の女性と同じく、カンプシュさんの名前は世界中のメディアを駆け巡った。自伝を出版し、複数のテレビのインタビューにも応じ、今年初めには自分の体験をベースにした『3096日』という映画もリリースされた。
しかしカンプシュさんは、まだ普通の日常に戻れないでいるように見える。両親とは「疎遠になった」という。現在はウィーンの自宅で蘭の花やペットの金魚と一緒に過ごす。テレビで好きなのは刑事ドラマだという。
教育も受けられなかったため、教育課程を終わらせ、金細工の技術を身につけようともしたが、続かなかった。
それでも2011年には、自伝の印税と寄付金を使ってスリランカに小児病院を建設した。
ドイツで今年放映されたインタビューによると、いま一番親しい人物は美容師だという。「いすに座って、彼女が私の髪を整えてくれているときが一番幸せ」
「自分に起きたことと共存していくために、毎日をポジティブに生きようと努力してる。気ままな10代の時間はもう取り戻せない。他の人と話をして、若いときの経験を共有してもらうのがせめてもの慰め」
カンプシュさんは、マザーコンプレックスを抱えていたプリクロピル容疑者への複雑な感情についても言及した。容疑者が自殺したと聞いたときには泣いたという。
「脱出することによって、私は自分を迫害していた人間から逃げることができた。それと同時に、いや応なく近くにいた人を失った」とカンプシュさんは自伝に綴っている。
「私を殴り、地下室に閉じ込め、餓死寸前まで追い込んだ男が求めていたものは、誰かに抱きしめてもらうことだった」
【AFP 2013-05-12】
ストックホルム症候群と指摘することはたやすい。彼女を自分と関係のない第三者と見れば。私は不思議な感動を覚えてならなかった。複雑さとは奥深さでもあろう。微にして妙なる人間心理の綾は時に善悪を軽々と超越するのだ。
彼女と比較して自分の幸福を計るような愚者は本当の意味で不幸なのだろう。彼女が不幸であったとしても我々が不幸でないと言い切ることができるだろうか?
ただありのままに不幸を背負う。ただありのままに不遇を生きる。すべての川が海を目指すように我々の生もまた死に至る。どのような流れであったとしても、太陽のきらめきを反射することは可能だろう。人は他の誰かになり得ない。彼女は彼女を生きる。私は私を生きる。
・幼児虐待という所業/『囚われの少女ジェーン ドアに閉ざされた17年の叫び』ジェーン・エリオット
・21世紀になっても存在する奴隷/『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス
・両親の目の前で強姦される少女/『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ
・驚天動地、波乱万丈の人生/『3歳で、ぼくは路上に捨てられた』ティム・ゲナール
2013-05-11
エアハルト・ベーレンツ、フィリス・A・ティックル、瓜生中、渋谷申博、金岡秀友
4冊挫折。
『5分でたのしむ数学50話』エアハルト・ベーレンツ:鈴木直〈すずき・ただし〉訳(岩波書店、2007年)/意外と難しくてついてゆけず。半分ほどで挫ける。
『強欲の宗教史』フィリス・A・ティックル:屋代通子〈やしろ・みちこ〉訳(築地書館、2011年)/著名な女性キリスト教学者らしい。散漫。何を言いたいのかがさっぱりわからず。そもそも日本語に翻訳する必要があったのかどうかを疑う。
『呪術・占いのすべて 「歴史に伏流する闇の系譜」を探究する!』瓜生中〈うりゅう・なか〉、渋谷申博〈しぶや・のぶひろ〉(日本文芸社、1997年)/面白かった。文章も硬質。後半は私にとって不要なため読まず。なかなか勉強になった。
『密教成立論 阿含経典と密教』金岡秀友〈かなおか・しゅうゆう〉(筑摩書房、1981年)/姿勢はいいのだがアプローチの仕方がまずい。これでは断章取義の謗りを免れないであろう。金岡は最初に青写真を描いた上で、それに相応しい文献を集めているように見受けられる。最初は面白かったのだが徐々にイライラさせられる。で、「好い加減にしろや!」と本を閉じたのが半分を超えたあたり。
諸外国の憲法改正
他国の憲法改正回数が多いのは「市民の権利を拡大し、国家の権力を制限するための改正が何度も行われてきた」と言うべきなのだろう。単に「他国は何度も改正している」はむしろ逆イメージを抱きそう。他国の憲法改正の簡潔な調査。 ow.ly/kRPOx
— Yasuomi SAWAさん (@yasuomisawa) 2013年5月9日
2013-05-09
2013-05-08
シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
中央に写っているのがラマヌジャンである。
「(数学者に点数をつけるとすれば)自分は25点、リトルウッドは30点、ヒルベルトは80点、ラマヌジャンは100点」(G・H・ハーディー)
・G・H・ハーディはラマヌジャンを警戒した/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル
・アインシュタインを超える天才ラマヌジャン/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル
・ラマヌジャンは千年に一人の天才
・ラマヌジャンの『ノート』
・ラマヌジャンの『ノート』
・シュリニヴァーサ・ラマヌジャン
陣痛促進剤の投与基準違反77% 出産の脳性まひ補償
出産時の事故で脳性まひになった子供に補償金を支払う「産科医療補償制度」の対象事案を分析した結果、陣痛促進剤を使用したケースの7割超で学会が設けた使用基準を守っていなかったことが8日、日本医療機能評価機構の調査で分かった。
産科医療補償制度は同機構が運営し、脳性まひになった子供について過失の有無にかかわらず補償金を支払う。2009年に始まり、12年末までに465件を審査、うち425件の補償が決まった。今回は188件の分析結果をまとめ、公表した。
同機構によると、出産時の何らかの事故によって子供が脳性まひになった188件のうち、陣痛促進剤が使われていたのは56件。うち77%に当たる43件で、日本産科婦人科学会が設けた指針に基づく用法などの基準を逸脱していた。
基準逸脱の内訳(複数回答)は「陣痛促進剤の初期投与量が基準より多かった」が34件で最も多く、「投与の増加量や間隔に問題があった」(32件)、「最大投与量が基準より多かった」(2件)と続いた。基準を守らないと、強すぎる陣痛や子宮の破裂を引き起こす恐れがある。
基準逸脱が脳性まひの直接の原因とされたのは1件で、他に影響を与えた疑いがあるケースが6件あった。
【日本経済新聞 2013-05-08】
2013-05-07
渇愛の原語は「好ましい」「いとおしい」/『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英
・『つぎはぎ仏教入門』呉智英
・渇愛の原語は「好ましい」「いとおしい」
・『日々是修行 現代人のための仏教100話』佐々木閑
・『出家の覚悟 日本を救う仏教からのアプローチ』アルボムッレ・スマナサーラ、南直哉
宮崎●愛の問題はどうですか。たとえば「ダンマパダ」や「ウダーナヴァルガ」で、ブッダは繰り返し「愛する者に会うことなかれ」と戒めています。なぜかというと、「愛」もその対象も必ず変滅するからです。経典には「愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生ずる、愛するものを離れたならば、憂いは存在しない」とすら記されてある。
呉●トリシュナー(サンスクリットの「渇き」)だね。愛の問題はね、いろんなところで何度も言ってますが、日本人の中で愛がものすごく大きな原理になってきたのは1970年ぐらいからで、それまではそんなに愛っていうのは大きな原理ではなかった。
宮崎●ダンマパダの、この偈の“愛”はパーリ語のピヤで、渇愛というよりは単純に「好ましい」「いとおしい」ぐらいの語意なんですが、それでもこのように否定的に語られているのが興味深い。
【『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英〈くれ・ともふさ〉(サンガ、2012年)】
宮崎哲弥が“評論家の師匠”と呼ぶ呉智英との対談。マンガネタも豊富。一日で読み終えた。
同様のテーマは『大パリニッバーナ経』でもアーナンダとのやり取りで「婦人を見るな」とブッダが断言する件(くだり)がある。
ここらあたりでつまずく人も多いと思われるので少々解説しておこう。
仏教の哲学性は万人に共通する「苦」を見つめることであった。仏典で仏は医師に喩(たと)えられる。マッサージ師ではない。つまり極言すればブッダの狙いは「抜苦」にあったわけで、最初から「与楽」を目指したものではない。
果たして苦はどこから生まれるのか? ブッダの瞳は「我」(が)を捉えた。更に我の構成要素をも見極め、瞑想の深度は時空を超えて遂に成道(じょうどう)する。
日本では愛と聞けば大半の人々が恋愛を思う。呉が1970年台からと指摘しているのは、ベトナム戦争反対運動のラブ&ピースや、ビートルズからフォークを経てニューミュージックに至るサブカルチャー・ムーブメントを指すのだろう。恋愛結婚が増えたのも戦後になってからのことだ。
恋愛は愛なのだろうか? 私の10代を振り返ってみよう。恋愛感情は断じて愛ではなかった。単なる欲望であった(笑)。それこそ渇愛そのものだ。ただただ相手を手に入れたいという衝動に駆られていた。恋愛が美しいのは、ま、そうだな、最初の1週間くらいだろうな。10年以上連れ添った夫婦を見てごらんよ。半分以上はそっぽを向いているから。
ブッダが明かしたのは苦と快楽が表裏一体であることだった。欲望がプラスに傾くと快楽で、マイナスに傾くと苦になるわけだ。愛憎もまた表裏一体だ。
美味しいものを食べれば食べるほど、日常の食事がまずくなるようなものだ。快楽が比較を生み、比較が不幸を感じさせる。比較には限度がない。欲望は更なる高みを目指す。
愛する者がいるゆえに悲哀が深まる現実を見失ってはなるまい。愛と喪失感は比例関係にある。だがこの愛は仏教的視座に立てば「自我の延長」と見ることが可能だ。
好き嫌いというのは反応である。道徳的な理由であろうと進化的な理由であろうと反応に過ぎない。生の本質は反応である。政治・経済・科学・宗教・文化といってもそこにあるのは反応だ。
我々の人生はビリヤードの球みたいなものだ。ある時は教育というキューでつつかれ、またある場合には他人が決めたコースを無理矢理走らせられる。そしてメディアは常に大衆の欲望を操縦する。
「好きこそものの上手なれ」とも言う。確かに技術においてはそうだろう。しかしこれが人生に反映されると機械的な生き方となってゆくことを避けられない。
欲望は現在性を見失わせる。満たされぬ渇(かわ)きに支配された人は荘厳な夕日の美しさに決して気づくことがない。彼の目は自分の将来しか見つめていないからだ。
2013-05-06
フレデリック・ルノワール、佐藤優、宮崎哲弥、呉智英、ほか
4冊挫折、3冊読了。
『シャノンの情報理論入門』高岡詠子(講談社ブルーバックス、2012年)/『インフォメーション 情報技術の人類史』の前に読んでおくべきだった。文章に締まりがない。
『ツァラトゥストラ 1』ニーチェ:手塚富雄訳(中公クラシックス、2002年)/満を持して臨んだが訳文が肌に合わず。岩波か筑摩で再チャレンジする予定。
『退屈 息もつかせぬその歴史』ピーター・トゥーヒー:篠儀直子訳(青土社、2011年)/期待外れ。というか私の予想が誤っていた。トム・ルッツの系統と思い込んでいた。
『人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来』フレデリック・ルノワール:今枝由郎訳(トランスビュー、2011年)/前著と比べるとテーマが総花的すぎて散漫な印象を抱いた。こういうのは新書でやるべきだと思う。
13冊目『人間の叡智』佐藤優(文春新書、2012年)/これはオススメ。TPP賛成の理由も理解できた。既に書いた通り「新・帝国主義ノススメ」「マルクスから読み解く21世紀の政治学」「新たなるエリート主義」といった内容である。原発問題、橋下現象も取り上げている。一々ご説ごもっともなんだが、やはり佐藤の視線があまり好きではない。プラグマティックな保守主義といってよいだろう。
14冊目『フィボナッチ 自然の中にかくれた数を見つけた人』ジョセフ・ダグニーズ文、ジョン・オブライエン絵:渋谷弘子訳(さ・え・ら書房、2010年)/久々の絵本である。微妙。絵はいいのだが創作物語として読むべきだろう。毒が無さすぎて淡い。
15冊目『知的唯仏論』宮崎哲弥、呉智英〈くれ・ともふさ〉(サンガ、2012年)/面白くて一日で読んでしまった。博覧強記といえば佐藤優に次ぐのが宮崎哲弥。1日6冊、月に200冊は読破するというのだが凄い。まあとにかく知識が豊富で、創価学会のマンガにまで目が行き届いている。大変勉強になったが、宮崎の仏教アプローチは知に傾きすぎて人間から離れているように見える。つまり抜苦与楽(=慈悲)の実践が感じられない。
2013-05-05
Roberta - Bob James
「初めてのライフル」で妹を射殺、相次ぐ悲劇に揺れる米社会
5歳の男児が2歳の妹を誤ってライフルで射殺した事故は、米国でこれまで幾度となく繰り返されてきた銃についての議論を再燃させた。
米ケンタッキー(Kentucky)州カンバーランド(Cumberland)郡で4月30日に起きたこの事故を引き起こした22口径ライフルは、「マイ・ファースト・ライフル」のキャッチコピーで子ども向けに販売されていた「クリケット(Crickett)」というブランドだった。この銃は事故当時、兄妹の自宅の部屋の片隅に、弾丸一発が装填された状態で置かれていた。
今回が他の似たような事故と異なるのは、銃が男児のものであったという点だ。ライフルは昨年、プレゼントとして買い与えられていた。
「常軌を逸した事故の一つにすぎない」。カンバーランド郡検視官のゲイリー・ホワイト(Gary White)氏は、地元紙レキシントン・ヘラルドリーダー(Lexington Herald-Leader)にこう語った。「子ども向けの小型ライフルだった…男児は、この小さな銃を撃つことに慣れていた」
クリケットのメーカー側は、この件について今のところコメントを出していない。この銃はグリーンとブルーの他、女の子向けとしてピンク色のモデルも販売されている。
コネティカット(Connecticut)州ニュータウン(Newtown)のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で子ども20人と大人6人が犠牲になった銃乱射事件の衝撃にいまだ揺れる米国で、今回の事故は新たな怒りの声を生み出した。
銃規制を呼びかけるロビー団体「Americans for the Protection of Children(子どもを守る米国人)」は、「クリケット、全米ライフル協会(National Rifle Association、NRA)とその支持者らが、われわれの子どもたちに向けて銃を販売するのを阻止する」ためのオンライン請願運動を立ち上げた。
一方、NRAはテキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)での年次総会に合わせ、子ども向け銃のメーカー各社を招いて「若者の日」を5日に開催する予定だ。請願運動はこれを「恐ろしいことだ」と批判している。
◆年間6万丁販売される子ども向けライフル
2日の時点ですでにアクセス不可能となっているクリケットのウェブサイトには、ライフルを扱う子どもたちの写真、数十枚が掲載されていた。中には迷彩柄のロンパースを着て、膝に置かれた銃をしっかりとつかむ赤ちゃんの写真もあった。
クリケットの製造元でペンシルバニア(Pennsylvania)州に本社を置くキーストーン・スポーティング・アームズ(Keystone Sporting Arms)は、同ブランドのライフルを販売初年の1996年に4000丁、2008年には約6万丁を販売したとしている。
同社は「銃を使う若者たちに安全性に対する意識を植え付け、狩猟や射撃に必要かつふさわしい知識と敬意を身に着けるよう奨励する」ことを目指しているとうたう。
重さわずか1.1キログラムで銃身40センチメートル、全長が76センチのクリケットは、一度に一発しか撃つことができない単発式で、引き金はロックすることができる。モデルごとに異なる価格は110~140ドル(約1万1000~1万4000円)で、大手小売店ウォルマート(Walmart)で簡単に購入できる。
銃に関する意見交換サイト「ファイアリング・ライン(The Firing Line)」には、わが子にライフルを買い与えた親たちが集まり、その経験について熱のこもった書き込みをしている。中には、3歳の子に銃を与えた親もいる。
「息子が私と一緒に銃声を聞きたがるのでワクワクしている。息子が何を撃とうが構わない。今の時点では、何でも『大当たり』だ」。ユーザー名「Saltydog235」さんは4歳の息子について、2010年にこう書き込んだ。「息子には今、銃の安全性と扱い方について教えている。今の時点では、正確さよりもその方が重要だ」
◆子どもは「新たな顧客層」
非営利組織(NPO)「バイオレンス・ポリシー・センター(Violence Policy Center)」のジョシュ・シュガーマン(Josh Sugarmann)事務局長は、米国には「さまざまな種類の」銃が幼い子ども向けに販売されていると指摘。米ABCニュース(ABC News)に対し、「ここ数十年にわたり銃の所有者数は減り、銃器産業は衰退を続けている。たばこ(産業)と同じように、銃産業には新たな顧客層が必要なのだ」と説明した。「子どもたちを将来の銃の消費者として取り入れるには、幼いうちが最も効果的だ」
米国児童青年精神医学会(American Academy of Child and Adolescent Psychiatry)によると、米国では年間、10代の若者と子ども合わせて3000人以上が銃により死亡し、1万5000人以上が負傷している。これはつまり、イラク戦争があった約9年間において、米兵の死者数を上回る子どもたちが犠牲になったということだ。
今年4月初めには、ニュージャージー(New Jersey)州で4歳の男児が一緒に遊んでいた6歳の男児の頭部を撃つ事件が、その2日前には、テネシー(Tennessee)州で家族とバーベキューをしていた4歳児が女性を撃ち死亡させる事件が起きている。
【AFP 2013年5月4日】
道徳を説いても無駄だ。需給関係の構造や概念を変える道筋を考えるべきだ。/「初めてのライフル」で妹を射殺、相次ぐ悲劇に揺れる米社会 写真2枚 国際ニュース : AFPBB News afpbb.com/article/disast…
— 小野不一さん (@fuitsuono) 2013年5月5日
2013-05-04
DV目撃で子どもの脳萎縮 福井大など発表
ドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に目撃した子供は、目で見たものを認識する脳の視覚野の一部が萎縮する傾向があるという研究成果を、福井大子どものこころの発達研究センターの友田明美教授らがまとめた。2日までに米オンライン科学誌に発表した。
両親間の暴力や暴言を吐く場面など、DVの目撃が成長後も心の病といった形で影響を与えると心理学などで指摘されている。友田教授は「DVを見た嫌な記憶を何度も思い出すことで脳の神経伝達物質に異変が起き、脳の容積や神経活動が変化してさまざまな精神症状を引き起こすのではないか」と推測している。
友田教授は米ハーバード大と共同で、直接虐待を受けたことはないが、夫婦間のDVを目撃してきた18~25歳の男女22人と、目撃した経験がない同年代30人の脳を、磁気共鳴画像装置(MRI)を使い比較した。
その結果、右脳の視覚野にある一部は、目撃した経験がある男女が平均で約6.1%小さく、約6.5%薄かった。左脳の視覚野にある一部も約6%薄かった。
目撃した時期などの聞き取りから、脳が最も影響を受けやすい年齢は11~13歳で、身体的な暴力より暴言の方が子供の脳に深刻な影響を与えることも分かった
友田教授は「DVを目撃した子供には、早期にしっかりした心のケアをすることが必要だ」とし「幼少期の体験が脳を変えるメカニズムが明確になれば、治療などに生かせるだろう」と話している。
友田教授らは2005年に調査を開始。米マサチューセッツ州にある町の地下鉄やバス停に協力を呼び掛けるチラシを張り出し、集まった1662人から聞き取りなどをして52人を抽出、脳を解析した。〔共同〕
【日本経済新聞 2013-05-02】
分母が少なすぎる上、DV目撃と脳萎縮との因果関係を断定することには無理がある。
この実験が示唆していることは実はもっと凄い。発達障害やアスペルガー障害などの自閉傾向はひょっとすると拒絶という「意志的選択」の可能性がある。すなわち眼前の世界を拒否することで、内側の領域にとどまっていると考えることが可能だ。
また12歳前後から脳が思考に支配されることも明らかだろう。
飢餓に苛まれる子供たち
「暴力と欲望に安住する世界/『既知からの自由』J・クリシュナムルティ」で紹介した動画の全編を見つけた。飢餓に苛(さいな)まれ、立つこともできなかった二人の少年は死を免れた。子供らの笑顔と歌声に涙を禁じ得ない。
2013-05-02
ビルダーバーグ会議出席者、クリスティーヌ・オクレント氏に質問
2013年2月2日放送。クリスティーヌ・オクレントはジャーナリスト、フランス対外視聴覚グループの元代表でベルナール・クシュネル(元仏外相)の配偶者でもある。ビルダーバーグ会議に3回出席している。
・列強が利用する偽の人道主義者ベルナール・クシュネル」ミシェル・コロン
知事欠席 - メディアによる「沖縄問題」の演出
↓そんなことメディアは全く言わない。日本本土のメディアはほとんどが沖縄県知事の欠席と副知事の代理出席を報じているが、知事を出した都道府県が26しかなかったことに触れていない。反対しているのは沖縄だけのような印象を与え、この問題をまた「沖縄問題」として演出している。
— Satoko Oka Norimatsu (@PeacePhilosophy) 2013, 4月 28
2013-05-01
薄明の富士山
霊峰(れいほう)には人を寄せつけない厳しさがある。私は今でも富士山が苦手だ。中央高速を走り、突然現した姿にギョッとなったことをありありと覚えている。富士はあまりにも大きく美しい。山男でもある太郎先輩に話したところ、「なぜだかわかるか? あれはハゲ山なのだ。生き物を拒絶しているのだから怖くて当然だ」と教えられた。一度登ってみたい気もするが、どうも足で踏む気になれない。
2013-04-30
タモリにとって「言葉」とは何か
・Matogrosso
実に面白い。「遊ぶ精神」の奥深さ。久々に昂奮した。記事本文が画像であるため、エバーノートにページごと保存しておいた。
ちょっと手の内拝見 プロフェッショナル30人の読む、書く、話す
愛の傾向と対策 コトバ・インターフェース
2013-04-29
2013-04-28
牛肉・オレンジ自由化交渉の舞台裏
「こらえにこらえてやっている」。88年4月19日、農相の佐藤隆は国会で交渉の難しさを明かした。同じ日、農協は「米国の高圧的な態度は憤激に堪えない」として都内で集会を開いた。だが米国の攻勢は表に出ているよりずっと苛烈だった。
交渉が大詰めを迎えるなか、米通商代表部(USTR)次席代表のスミスが九段の分庁舎に入った。野球帽を横向きにかぶり、ノーネクタイ姿で農水次官の後藤康夫らの正面に座ると、円卓に足を乗せて言い放った。「議論の余地はない。自由化だ」。
【日曜に考える 牛肉・オレンジ自由化決着(1988年) 日米構造協議の前哨戦/日本経済新聞 2013年4月7日付】
・日米通商交渉の歴史(概要):外務省【PDF】
白人の傲(おご)りはアフリカ人を奴隷にした時代やインディアンを虐殺した頃から変わっていないように感ずる。キリスト教に由来する人種差別は、神を信じぬ者を人間としては認めない。だから連中は面白半分で虐殺することができたのだ。
彼ら(※キリスト教徒)は、誰が一太刀で体を真二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落とせるかとか、内蔵を破裂させることができるかとか言って賭をした。
【『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス:染田秀藤〈そめだ・ひでふじ〉訳(岩波文庫、1976年)】
日経新聞の腰砕けぶりは「スミス」をフルネームで表記していないところに現れている。ウェブで調べたところ「マイク・スミス」のようだが情報らしい情報が殆ど見当たらず。
日本が礼節を重んじる国であることがわかっていればこそ、スミスは芝居がかったパフォーマンスをしてみせたのだろう。やはり軍事力を持たねば一人前の国家として扱われないのだ。
一方でこういう声もある。
・アメリカが恐れる日本の通商交渉力:山下一仁
交渉に携わった人々が国民に対して情報発信していない以上、我々は想像する他ない。
その後の日米構造協議~年次改革要望書という流れを見れば、太平洋戦争はおろか日米修好通商条約から何も変わっていないように思える。
日本の保守がなぜ反米に向かわないのかが不思議でならない。
・「年次改革要望書」という名の内政干渉/『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』関岡英之
米国の退役軍人は毎年6000人が自殺している
目に見えぬ戦争の犠牲:18日星条旗新聞:毎年退役した兵士中、6000名自殺。米国全自殺者3万名のの20%。精神障害治療費は年7億ドルから13億ドル。15日同新聞:現役兵士昨年301名自殺、本年これまで約60名。
— 孫崎 享さん (@magosaki_ukeru) 2011年4月19日
2013-04-27
長尾雅人と服部正明/『世界の名著1 バラモン教典 原始仏典』長尾雅人責任編集
・『空の思想史 原始仏教から日本近代へ』立川武蔵
・長尾雅人と服部正明
・序文「インド思想の潮流」に日本仏教を解く鍵あり
・『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳
・『神の詩 バガヴァッド・ギーター』田中嫺玉訳
・スピリチュアリズム(密教)理解のテキスト
今読んでいる『世界の名著1 バラモン教典 原始仏典』長尾雅人〈ながお・がじん〉責任編集(中央公論社、1969年/中公バックス改訂版、1979年)の序文「インド思想の潮流」(長尾雅人、服部正明)がすこぶる面白い。私は数年前から日蓮の教えが初期仏教よりも、むしろバラモン教と親和性が高いことに気づいた。マンダラ&マントラという化儀(儀式性)は密教由来と考えられるが、その根っこはやはりバラモン教にあったと思われる。この持論の根拠となり得る記述をいくつか見出した。しかも決定的だ。
続いて『世界の名著2 大乗仏典』長尾雅人責任編集(中公バックス、1978年)に取り組み、更に以下の書籍を読む予定である。
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