2015-05-22
アレン・フランセス、高島俊男、佐藤光展
3冊挫折。
『精神医療ダークサイド』佐藤光展〈さとう・みつのぶ〉(講談社現代新書、2013年)/表紙に小さく「読売新聞東京本社 医療部記者」とある。精神医療よりもジャーナリズムのダークサイドを明らかにすべき立場ではないのか。新聞記者というだけで限界を感じてしまう。殆ど読まず。
『漢字雑談』高島俊男(講談社現代新書、2013年)/相変わらず性格が悪い。国語大辞典の類いの間違いをズバズバ指摘する博覧強記の人物。微に入り細を穿(うが)ちすぎてついてゆけず。「害」は危害を加える、害虫などと使う語であるゆえ、「さまたげ」の意である障碍(しょうがい)とすべし、と。初めて知った。尚、碍は礙の略字。これが仏教だと悟りを妨げる言葉となり「しょうげ」と読む。
『〈正常〉を救え 精神医学を混乱させるDSM-5への警告』アレン・フランセス:大野裕〈おおの・ゆたか〉監修、青木創〈あおき・はじめ〉訳(講談社、2013年)/期せずして講談社が並んだ。これはオススメ。ただ単に私の興味がついてゆけなかっただけの話。著者はDSM-IVの作成委員長を務めた人物。DSMは聞いたことのある人も多いと思うが、精神疾患を判断する際の国際基準である。「DSM-5は診断のインフレをハイパーインフレにする危険性がある」との主張を展開している。精神医療の歴史にも触れていて親切。文章も闊達。
2015-05-21
ジェフリー・ディーヴァー、ジョン・ハート
1冊挫折、1冊読了。
『川は静かに流れ』ジョン・ハート:東野さやか訳(ハヤカワ文庫、2009年)/「それから僕から川へと視線を転じると」(14ページ)でやめる。東野訳は今後敬遠するつもりだ。
54冊目『バーニング・ワイヤー』ジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳(文藝春秋、2012年)/リンカーン・ライム・シリーズの第9作。犯人は送電線を自由自在に操って不特定多数の人々を殺傷する。いわば電力テロ。同時進行でウォッチメーカーを巡るメキシコの捜査が展開される。9作目ともなると少々パターンが鼻についてくるわけだが、最後であっと驚く大どんでん返しがある。ただし、ちょっとずるいと思う。「いくら何でも」という思いを払拭できない。とは言ってもファンの期待を裏切らない作品に仕上げているのはさすが。
ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
・人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事
・ソロス氏:中国経済の衰退が悲劇を招く
・ソロス氏、米国に「対中譲歩」を呼び掛け、ネットユーザーが動機を疑う
北京時間20日の情報によると、資産家のジョージ・ソロス氏は19日、中米両国は経済協力を強化し、第3次世界大戦が発生する可能性を減らさねばならないと語った。
ソロス氏は世界銀行ブレトンウッズ会議の席上で、米国には大きな譲歩が必要であり、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR通貨バスケット)に中国の人民元を加えることを許すことで、中国も経済改革を強化するよう呼びかけた。
ソロス氏によると、もし中国経済が衰退期に入れば、第3次世界大戦が起こる可能性があるといっても過言ではないと言う。
同氏によると、中米間の合意達成は難しい。だが合意がなければ、中国は政治的軍事的にロシアと連盟を結成し、更に世界大戦の脅威が増す。これを回避するため、努力する必要があるという。
【新華ニュース 2015-05-20】
「人民元はSDR構成通貨に、時期不明=IMF専務理事」と併せて考えると、基軸通貨がドルから元に変わる大きな潮目となる可能性がある。
2015-05-18
宮城谷昌光
1冊読了。
53冊目『他者が他者であること』宮城谷昌光(文藝春秋、2009年/文春文庫、2015年)/文庫化された。私は宮城谷の長篇は好むが、短篇やエッセイはそうでもない。カメラに関する部分は飛ばし読み。やはり創作にまつわるエピソードが面白い。中国古代史を想像力で補う作業の辛労が窺える。売れなかった時代に孤独の中で文体を模索したという。人気作家となった現在でも名文の書写を行っているそうだ。努力には終点がない。
2015-05-15
宮城谷昌光、ケン・フィッシャー、田嶋智太郎、三木成夫
3冊挫折、2冊読了。
『内臓とこころ』三木成夫〈みき・しげお〉(河出文庫、2013年/築地書館、1982年『内臓のはたらきと子どものこころ』改題)/話し言葉が肌に合わず。名著『胎児の世界 人類の生命記憶』を読んだのは四半世紀以上も前のこと。
『きっちり儲けたい人のFXチャートの鉄人 必勝分析術』田嶋智太郎〈たじま・ともたろう〉(西東社、2010年)/初心者向けとしては良書。チャートは概念である。その意味で厳密さを求めるamazonレビューは誤っている。
『チャートで見る株式市場200年の歴史』ケン・フィッシャー:長尾慎太郎監修、井田京子訳(パンローリング、2010年)/読む人を選ぶ本だ。タイトルに難あり。株式だけではなく米国経済を中心とした各種様々なチャートを網羅している。例えば「電力業界の売上とGNP」「GNPの割合で見た国防予算」「小麦の収穫面積で見る9.6年サイクル」など。チャートという時空が激しく脳を揺さぶる。これははっきり言って紙媒体ではなく、インターネットで行うべき仕事であると感じた。書籍代4104円を年会費とすればいくらでも需要があると思う。
51、52冊目『天空の舟 小説・伊尹伝(上)』『天空の舟 小説・伊尹伝(下)』宮城谷昌光(海越出版社、1990年/文春文庫、1993年)/夏(か)の桀王と商の湯王の物語でもある。読み終えてから気づいたのだが関龍逢は竜蓬と同一人物だった。三顧の礼は孔明ではなく、伊尹に対して湯王が行ったのを嚆矢(こうし)とする。少々カタルシスが劣るのは時代の重力が強いためだ。「車」というイノベーションが見事に描かれている。
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