・『足裏を鍛えれば死ぬまで歩ける!』松尾タカシ、前田慶明監修
・『ベッドの上でもできる 実用介護ヨーガ』成瀬雅春
・曲がった背中を伸ばす
・『ひざの激痛を一気に治す 自力療法No.1』
・身体革命
人の体の「伸展力」はひざ裏が決める!
●重力に逆らって体を立てる力=伸展力
なぜ、ひざ裏がのびると体や心の不調が改善するのでしょうか? その秘密は、人間の体の「伸展力」にあります。
私たち人類は二足歩行する生き物です。地球の重力に逆らい、地面に足の裏だけをつけて、筋肉の力を利用してまっすぐに体を立てて生きているのです。
体をのばす筋肉の力、それが伸展力です。伸展力を担うのは、主に体の後ろ側の筋肉です。(中略)
「背中が曲がってきた」「姿勢が悪い」と気づくと、私たちは背筋をのばします。でも、それは一時的なもの。またすぐ元に戻ってしまいます。なぜでしょう。ひざ裏がのびていないからです。
伸展力の起点となるのはひざ裏です。ひざが曲がると、太ももの筋肉が縮み、骨盤が倒れ、背中が曲り……と筋肉の連鎖反応が起こり、左ページの写真のような姿勢になります。これでは体幹(体の内側にある筋肉)に力が入りませんから、腹筋や背筋をはじめ、さまざまな筋肉がゆるんでしまいます。気がつけば、まさに「腰の曲がったおばあさん」という姿勢のでき上がりです。この姿勢こそ、心身の不調の原因なのです。
【『5秒 ひざ裏のばしですべて解決 壁ドン!壁ピタ!ストレッチ』川村明〈かわむら・あきら〉(主婦の友社、2018年)】
仲好しだったオバアサンは背中がかなり曲がっていた。あれこれ検索したところ川村のブログがヒットした。
・どうすれば、曲がった腰は伸びるのでしょう? | 山口宇部発の介護予防!医師・川村明の健康コラム
アメブロは死ぬほど重いので中々開かないことがある。見た瞬間にピンとくるものがあった。私が調べた限りではヨガも効果があるようだがやり方まで紹介しているサイトが見当たらず。
確かにオバアサンは酷いO脚だった。そのため膝の間にゴムまりを挟んでスクワットをやらせたりしていたところだった。壁ドンも壁ピタも上手くできなかったがやっている内に膝への意識が高まった。仕方がないのでベッドに坐らせ、脚を私の膝に載せて膝裏を伸ばすマッサージを行った。
時折、背骨が伸びることもあって本人は洗面台の鏡を覗き込んで「アラ、背が伸びているよ!」とビックリしていた。今となってはよき思い出だ。
「ひざ裏のばし」シリーズが50万部近いベストセラーになっているのも頷ける。この手の本にありがちの余計な能書きがなく、簡単に実践でき確かな効果を感じることができる。
「そういうわからないもの、人が作ったわけではないもの、それを自然という。人のからだは、自然である。だから、からだは、根本的には理解できないものに属する」(『解剖学教室へようこそ』養老孟司〈ようろう・たけし〉、1993年)。加齢に伴い誰もが「体という自然」に向き合わざるを得なくなる。50年も60年も使っていればガタが来るのも当たり前だ。ところがここに脳化社会を脱却するチャンスがあるのだ。意識は妄想の虜(とりこ)であるのに対し、肉体という現実が立ちはだかるのだ。身体(しんたい)を鍛える目的もここにある。