2019-09-15

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2019-09-13

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2019-09-11

反日売国奴の原型・藤原惺窩/『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一


・『書斎のポ・ト・フ』開高健、谷沢永一、向井敏
・『紙つぶて(全) 谷沢永一書評コラム』谷沢永一
『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』稲垣武

 ・反日売国奴の原型・藤原惺窩
 ・進歩的文化人の仄めかし話法

『悪魔の思想 「進歩的文化人」という名の国賊12人』谷沢永一
『誰が国賊か 今、「エリートの罪」を裁くとき』谷沢永一、渡部昇一
『いま沖縄で起きている大変なこと 中国による「沖縄のクリミア化」が始まる』惠隆之介
『北海道が危ない!』砂澤陣
『これでも公共放送かNHK! 君たちに受信料徴収の資格などない』小山和伸
・『ちょっと待て!!自治基本条例 まだまだ危険、よく考えよう』村田春樹
『自治労の正体』森口朗
・『日教組』森口朗
・『左翼老人』森口朗
・『売国保守』森口朗

 どうか、この日本へ攻め込んできてくださいと、隣(となり)の国の朝鮮の捕虜に、熱心に頼み込んだ日本人がいた。豊臣秀吉の時代である。
 その男の名は藤原惺窩(せいか)という。有名な藤原定家(ていか)の12世の子孫である。宋(そう)の朱子の学問に敬服して儒教の徒となった。近世期における文京の祖と称せられる。

【『こんな日本に誰がした 戦後民主主義の代表者・大江健三郎への告発状』谷沢永一〈たにざわ・えいいち〉(クレスト社、1995年/ワニ文庫、1999年)以下同】

 読みにくい本である。行間から嫌悪や憎悪が滲んでいる。それでも読まなくてはならぬ一冊だ。ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎を真っ向から批判した勇気を侮ることはできない。進歩的文化人を真正面から批判した嚆矢(こうし)が稲垣武著『「悪魔祓い」の戦後史 進歩的文化人の言論と責任』(文藝春秋、1994年)であるとすれば、本書はそれに続く第二弾といってよい。尚、「新しい歴史教科書をつくる会」が結成されたのは本書が出た翌年の1996年である。

 バブル景気が崩壊した後の1990年代半ばは日本にとって一種の真空地帯ともいうべき時期で、第二次橋本政権が構造改革を推進し(1996年)、1997年には村山内閣で内定していた消費税の増税(3%から5%へ)を実施した。ここから日本経済はデフレに陥る。国民はバブルの余韻から目覚めることができなかった。

 1990年にはワールド・ワイド・ウェブ(WWW)が構築され、Windows95や98の発売が大きなニュースとなった。一方では「右も左もない」という言葉がまことしやかに語られていたが、他方では自虐史観を糾弾する人々を右翼と蔑んでいた。

 日本が繁栄から転落に差し掛かるまさにそのタイミングで大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した(1994年)。後になって振り返れば日本分断工作と思えなくもない。左翼に大きな発言権を与えることでバブル崩壊のダメ押しをしたのだろう。

 この悲惨な実態が、藤原惺窩には一切合財(いっさいがっさい)なにも見えなかった。彼は儒教社会のタテマエだけを信じた。書物によって伝えられる表向きの外面(そとづら)をまるごと信じて疑わなかった。愚かな妄想にとらわれたのである。どこかの外国が、実態をひたかくしにして、自国を飾り立てるための美辞麗句(びじれいく)を弄(ろう)するのを信じたとき、その国が極楽浄土のように見える。そうして、いったんある外国を無条件に崇(あが)めたとき、かえりみて我が国はダメだと蔑(さげす)み卑(いや)しむ見方が生まれる。その侮(あなど)りが極端に達すると、我が国はその理想の国によって統治されたほうがよいと考えるに至る。我が国を他国に売り渡したいと念じるようになる。その人は反日的日本人となる。売国奴(ばいこくど)となる。まことに情(なさけ)ない事態だけれど、この藤原惺窩と同じ考え方をする連中が、のちの世にもまた現れるのである。

 谷沢永一は藤原惺窩という反日売国奴の原型を通して現代の左翼の心性を炙(あぶ)り出す。「儒教社会のタテマエ」を信じる藤原惺窩と「共産主義の理想」を信じる左翼の姿が寸分の狂いもなくピッタリと重なる。死に絶えたと思われていた左翼は21世紀に入り、ネトウヨという言葉を掲げて再び蘇った。全共闘世代と戦後教育に毒されてきた常識人たちは「リベラル」と称して、自由な言動で日本を不自由にしようと目論んだ。

 1990年代に昂然と立ち上がった保守派の中でも渡部昇一〈わたなべ・しょういち〉、谷沢永一、小室直樹の3人は際立っている。



中国の核実験を礼賛した大江健三郎/『脱原発は中共の罠 現代版「トロイの木馬」』高田純

2019-09-08

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2019-09-04

日本経済の凋落/『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志


・『大国・日本の復活 アメリカの崩壊にどう対処するか』小室直樹
・『大国・日本の逆襲 アメリカの悪あがきにトドメを刺せ』小室直樹

 ・日本経済の凋落

・『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』中野剛志
『「10%消費税」が日本経済を破壊する 今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』藤井聡

 デフレとは、まさにこの「合成の誤謬」の典型です。したがって、【デフレ脱却は、政府の責任】でなされるべきです。民間にまかせていては、デフレから脱却することは、できません。

 平成の日本では、民間企業が内部留保を貯め込み、賃上げもしなければ、積極的な設備投資や技術開発投資もしなくなってしまいました。日本企業は、画期的な新製品を送り出したり、イノベーションを生み出したりする力を失っています。
 こうしたことから、日本企業の経営のあり方が批判されてきました。経営システムが悪いとか、企業経営者に先見の明がないとか、失敗を恐れてリスクをとらないから駄目だとか、戦略やビジョンがないとか。新聞やビジネス雑誌には、日本経済の停滞を企業のせいにするような議論があふれています。
 しかし、こうした経営批判は、ほとんど的外れです。
 というのも、【企業が内部留保を貯め込むのも、賃上げをしないのも、積極的な投資を恐れているのも、ひとえに、デフレという経済環境のせい】だからです。
 これまで説明してきたように、需要不足のデフレ下においては、企業が投資を控え、賃上げもできず、内部留保を貯め込むのは、仕方のないこと。というよりはむしろ、経済合理的な行動なのです。
 デフレなのに、リスクを恐れずに積極的な投資に打って出るとしたら、その経営者は単なる向こう見ずか、でなければリスク評価のできない馬鹿だと思ったほうがよい。

【『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志〈なかの・たけし〉(ベストセラーズ、2019年)】

 まず日本経済の凋落ぶりを示す具体的なデータに驚いた。景気低迷の原因がデフレにあることは承知していたが私の世代だとどうしてもバブル崩壊の方が印象は大きい。バブル崩壊の衝撃がデフレという本質的な問題の影を薄くしてしまっている。




【世界の1人当たり名目GDP 国別ランキング TOP30・推移】

 MMT(現代貨幣理論)入門としてはうってつけで実にわかりやすい。経産省の官僚でありながら中野は精力的に著作を物している。

合成の誤謬」という経済用語は、個々人の正しい経済行動が全体として見た時に誤った方向へ進むことを意味する。アベノミクスは金融政策で失業率を改善したがデフレを脱却するまでには至っていない。むしろデフレに対しては無策といってよい。

 オバマ~トランプがアメリカの覇権を手放すことを明言しているのだからこれ以上の好機はないと思われるが、日本は敗戦国の立場に甘んじてアメリカの指図に従うことを繰り返すのだろうか。

目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
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