・『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか』大村大次郎 2012年
・『税務署員だけのヒミツの節税術 あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】』大村大次郎 2012年
・『お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力……はこう「動いた」』大村大次郎 2015年
・『税金を払わない奴ら なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?』大村大次郎 2015年
・『お金の流れで読む日本の歴史 元国税調査官が古代~現代にガサ入れ』大村大次郎 2016年
・『お金で読み解く明治維新 薩摩、長州の倒幕資金のひみつ』大村大次郎 2018年
・『ほんとうは恐ろしいお金(マネー)のしくみ 日本人はなぜお金持ちになれないのか』大村大次郎 2018年
・『愛国左派宣言』森口朗
・開業医丸儲け
・既得権益の象徴「保育業界」
・『日本人が知らない日本医療の真実』アキよしかわ
・『脱税の世界史』大村大次郎 2019年
しかし残念ながら、あなたはけっして金持ちにはなれない。
というのも、あなたには金持ちになるための決定的な要素がないからだ。
それは「悪」である。
誤解を恐れずに言うと、金持ちの99%は、何らかの「悪事」を働いている。それは、少しばかり「性格が悪い」というようなライトな話ではない。その実情を知れば、誰しもが激しい嫌悪感を抱くような、かなり「本格的な悪」である。
【『知ってはいけない 金持ち悪の法則』大村大次郎〈おおむら・おおじろう〉(悟空出版、2018年)以下同】
「人間らしさは何か?」と問われれば善性や思いやり、親切と答える人が多い。確かに高等知能の特徴ではあるが実は違う(『あなたのなかのサル 霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』フランス・ドゥ・ヴァール)。知能という点で考えると「相手を騙(だま)す」ところに真の人間らしさがある。騙すためには相手の信念を理解する必要がある。つまり優れた共感能力を駆使して相手を不幸に陥れるところに騙す行為の本質があるのだ。
悪の臭いを放つ金持ちと聞いて真っ先に思い浮かぶのが政治家と教祖だ。庶民が想像する金持ちは贅沢な暮らしといったレベルであるが、彼らは多くの人々や組織を自由に動かす。他人の人生を翻弄するほどの権力を有している。目には映らないその影響力を決して軽んずるべきではないだろう。敗戦後の日本が精神的な堕落を止めることができなかった理由もここらあたりにあるのだろう。富裕層は増えたがそこに国士はいなかったのだ。
開業医がどのくらい金持ちなのかは、厚生労働省のデータでもわかる。厚生労働省の「医療経済実態調査」では、開業医や勤務医の年収は、近年、おおむね次のようになっている。
開業医(民間病院の院長を含む) 約3000万円
国立病院の院長 約2000万円
勤務医 約1500万円
このように、開業医というのは、勤務医の約2倍の年収がある。(中略)
なぜ、日本の開業医はこんな金持ちになれるのか、不思議に思われる方も多いはずだ。地域の診療所のようなところでは、いかにも閑散として患者などそうたくさんいそうもないところが多々ある。なのに、なぜ開業医はそんなに儲かっているのか?
実は、この開業医という職業には巨大な利権が存在するのだ。
開業医には、収入面や税制面でさまざまな優遇制度が設けられており、それこそが彼らが金持ちになっている最大の要因なのである。
開業医が持っている利権のひとつが、診療報酬優遇制度である。
信じられないことに、同じ診療報酬でも、公立病院などの報酬と私立病院(開業医)の報酬とでは額が違うのである。たとえば、再診料は普通は570円なのだが、開業医は720円となっている。他にも、開業医は「高血圧や糖尿病の管理をすれば報酬を得られる」などの特権が与えられている。
「メタボリック」という言葉が大々的に流布されて久しい。これも、開業医の収入を増やすための仕掛けだと言われている。
現在、メタボリック予防に対応して「特定疾患療養管理料」という診療報酬点数の項目がある。これは、高血圧、糖尿病、がん、脳卒中など幅広い病気に関して、「療養管理」という名目で治療費を請求できるというものだ。
大病院には、この「特定疾患療養管理料」を請求することは認められておらず、開業医だけに認められているのだ。
簡単に言えば、大病院と開業医でまったく同じ治療をしても、開業医だけが「特定疾患療養管理料」という名目で、治療費を上乗せ請求できるというこである。つまり、【同じ治療を行っても開業医のほうが、たくさん医療費を請求できるのだ。】
日本医師会や東京医師会は開業医の団体である。コロナ騒動で偉そうなことをぶち上げているが、彼らはコロナ患者を診(み)ていない。新型コロナの死亡者数も陽性者数(※PCR検査の陽性=感染者ではないことに注意)も断トツで少ない日本の医療崩壊が叫ばれるのは、開業医がコロナ患者を診療しないためだ。
それにしても勤務医と開業医の年収が2倍もあるとは驚愕の事実である。
また、開業医は、税金に関しても非常に優遇されている。
社会保険診療報酬の72%を経費として認められているのだ(社会保険診療報酬が2500万円以下の場合)。
簡単に言えば、「開業医には収入のうち28%にだけ課税をしましょう、収入の72%には税金をかけませんよ」ということである。
本来、事業者というのは(開業医も事業者に含まれる)、事業で得た収入から経費を差し引き、その残額に課税される。
しかし開業医は、収入から無条件で72%の経費を差し引くことができるのだ。実際の経費がいくらであろうと、である。
開業医の税制優遇制度の内容は、右の表の通りである。
例えば、社会保険収入が5000万円だった場合、経費は次のような計算になる。
5000万円×57%+490万円=3340万円
この3340万円が自動的に経費として計上できるのだ。これは、実に収入の約67%にもなる。つまり、【実際には経費がいくらかかろうと、この医者は収入の67%を経費に計上できるのだ。】
医者というのは、技術職であり、物品販売業ではない。
材料を仕入れたりすることはほとんどないので、仕入れ経費などはかからない。だから、基本的にあまり経費がかからないのである。
普通に計算すれば、経費はせいぜい30~40%くらいだろう。にもかからず、67%もの経費を計上できるのだ。税額にして、500万円~900万円くらいの割引になっていると言える。
開業医が儲かるはずである。
この制度は世間の批判を受け、縮小はされたが、廃止されることなく現在も残っている。前記の税制は、縮小された後のものである。つまり、以前はもっと税制的に優遇されていたのだ。
「つまり、開業医の実質年収は6000万円程度だと推測されるのだ」。しかもこの「3340万円」に税はかからない。異様な仕組みといってよい。政治家と官僚が医者に与えた権益なのだろう。日本医師会の会員数が16万6883人(平成21年12月)である。開業医の数を15万人とすると、その年収合計額は9兆円にもなる。あまりの額の大きさに目まいがする。
税務知識のある者が大村の批判をしていることは承知している。ただ私にはそれを検証するほどの知識がない。一方、批判者たちは大村以上に有益な情報を社会に提供しているのだろうか? 別に著作である必要はない。ブログやホームページでも十分発信は可能だ。ケチをつけるのは簡単なことだ。大村の意欲的な著作活動を見れば、多少の過ちがあったとしても彼は修正しながら更なる飛躍を目指すことだろう。
もう一つは大村以外で、こうした税制上の不平等を指摘する元官僚や元税務調査感を私は知らない。この一点だけでもアンタッチャブルな分野に斬り込んでいることが窺える。あまりにも大きな不正は大きすぎて人の目に映らない。
日本医師会は自民党の有力な支持団体である。一方で共産党を支持する医師も多い。つまり自民党も共産党も手をつけることができないわけだ。まるでロスチャイルド家を思わせる狡猾さである。
何もかも憎い。疲れた。楽しいことも嬉しいこともなーーーんにもない。毎日毎日辛くて憎いだけ。
— 四 (@oishiku_naare) April 23, 2021
・https://twitter.com/oishiku_naare/status/1385632343096840195
・左翼絶賛~人気脚本家による労働組合ノススメ/『未明の砦』太田愛