2012-02-21

資本主義経済は弱者の犠牲を求める







 涙を流すことしかできないとすれば、私の人生に大した意味はない。

民主主義の正体


暴言吐く被災者は警察へ通報 東松島市長

 宮城県東松島市の阿部秀保市長は20日、被災者から理不尽とも言える苦情が相次いでいるとした上で、震災1年を機に威圧的な言動については警察に通報するとの方針を明らかにした。

 同市によると、一部の被災者が電話で長時間不満を述べ、酒に酔って市役所を訪れて「はたく(たたく)ぞ」などと職員に暴言を吐く人もいるという。

 東松島市は警察に対応を相談する一方、威圧的な言動や不当要求行為があれば警察に通報することを決めた。会話の内容を録音することも検討している。

 阿部市長は「職員は長時間の電話にも我慢して対応していた」と説明している。

共同通信 2012-02-20

 これが民主主義の正体ではないのか? アメリカは中東やアフリカ諸国に民主化を押し付けている。ある人曰く、「民主主義は植民地主義に代わる新しい侵略哲学だ」と。つまり正義が民の名を借りた暴徒を生むわけだ。ソシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は怒りと憎悪を社会へ広げる装置と化す。

「『死刑』を語る」森達也×宮崎哲弥




死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (1) (ACTION COMICS) モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (2) (ACTION COMICS) モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (3) (ACTION COMICS) モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (4) (ACTION COMICS)

モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (5) (ACTION COMICS) モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (6) (ACTION COMICS) モリのアサガオ 7―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (アクションコミックス) モリのアサガオ番外編 (アクションコミックス)


 森達也という人物は論者である。彼は論じることが目的となっているような節(ふし)がある。タイプは異なるが太田光と似ていて、論じるために論じている。言葉という言葉に響きがない。リベラルの最悪の形と思えてならない。

◎死刑廃止についてのリレーエントリーと、フランスのロベール・バダンテール法務大臣による死刑廃止時の演説
◎バダンテールの死刑廃止演説
◎ロベール・バダンテール 死刑廃止演説 (1) (1981年9月17日、フランス国民議会)
◎ロベール・バダンテール 死刑廃止演説 (2) (1981年9月17日、フランス国民議会)
◎森達也インタビュー

本村洋さん会見ノーカット 最高裁判決で 2012年2月20日



























 一人の男の怒りが国をも動かした。その事実に胸を打たれる。本村洋は勝ったのだ。

◎その男、本村洋/『裁判官が見た光市母子殺害事件 天網恢恢 疎にして逃さず』井上薫
◎世に倦む日日


罪と罰

2012-02-20

円と線


Unconnected


 濃淡のある円と線にもかかわらず、我々は女性の顔と認識する。視覚情報を通して脳が行っていることはパターンに対する意味の付与であることがわかる。道路に転がっているボロ雑巾を猫の死体と見間違えるのも同じだ。脳は意味に取りつかれている。我々は因果という物語性、社会という関係性に支配されている。人間とは文脈の中で生きる存在なのだろう。

◎騙される快感/『錯視芸術の巨匠たち 世界のだまし絵作家20人の傑作集』アル・セッケル

ウガンダの子供たちを襲う謎の奇病「うなずき病」、原因も治療法も不明


 アフリカ中部ウガンダの小村トゥマング(Tumangu)でパトリックくん(14)は、真昼のうだるような暑さのなか裸の体を丸めて横たわり、自宅前で遊ぶ弟や妹たちを見上げようとして、できずにいた。1分ほどかけてようやく顔を上げた、そのとたん、パトリックくんの頭は前方へと崩れ落ちるように倒れ、やせ細った体はひきつけを起こした。

 ウガンダ北部で今、3000人以上の子供たちが謎の奇病、通称「うなずき病」に苦しんでいる。トゥマングでは、ほぼ全家庭にうなずき病の患者がいる。

衰弱していく子供たち、なすすべなく諦める人々

 地元の人々によればこの数年で数百人の子供がうなずき病で死んだ。だが、病気の原因も、治療法もまだ見つかっていない。分かっているのは、発症するのは子供のみで、繰り返す発作、発育不良、手足の衰え、精神障害、飢えなどによってひどく衰弱していく病気だということだけだ。

 パトリックくんも2年前に兄弟の1人をうなずき病で失っている。母親のルジーナさんは、もう1人のわが子の命が失われていくのを見守ることしかできない。「看病のため、必ず誰かが家にいなければなりません。あの子は病気のせいで、1人では食べることも水を飲むこともできないのです。恐ろしい病気です」

 首都カンパラ(Kampala)から450キロ北にあるトゥマングで医療活動に取り組むボランティアのジョー・オットー(Joe Otto)さん(54)によると、人口約780人のこの村で現在、うなずき病を患っているのは97人。数キロ離れた保健センターに医薬品が届いたと聞けば、オットーさんは自転車をこいで受け取りにいく。だが、そうして入手した薬も効果は一時的でしかない。「カルバマゼピンなどの抗てんかん薬を処方していますが、この病気はてんかんではありません」

 村人たちはもはや恐れを通り越し、諦めの境地に至っているという。「今では、亡くなった人は治ったのと同じだ、ついに病の苦痛から解放され安らかな眠りについたのだから、と話しています」とオットーさんは教えてくれた。

全力の原因究明、いまだ効果なく

 伝染病学者や環境問題の専門家、神経学者、毒物学者、精神科医――幅広い分野の専門家たちが2010年以降、うなずき病の治療法を求めてさまざまな試験に取り組んでいる。原因についても、河川盲目症を引き起こす寄生虫や栄養不良から、数十年に及んだ内戦の後遺症まで、関連し得るあらゆる可能性が調査されている。

 しかし「残念ながら、これという寄与因子もリスク要因も、まだ特定できていません」と、カンパラで疾病予防対策に取り組む世界保健機関(WHO)のMiriam Nanyunjaさんは話す。研究を進めれば進めるほど、答えに近づくどころか、むしろ謎が深まるばかりだという。

 隣接する南スーダンやタンザニアでも類似の病気が流行しているが、ウガンダのうなずき病と関連があるのかは分からない。うなずき病がまだ拡大していくのか、それとも既にピークを迎えたのか、また、なぜ特定のコミュニティー内だけで発生するのか、いずれも定かではない。

 地元議員らの要請を受けて、ウガンダ政府も動き出した。保健省は前月、うなずき病の原因特定と拡大阻止に向けた緊急時対応計画を策定した。

 だが、原因や治療法が見つかるまでは、医師にできることは症状を緩和することだけだ。そしてパトリックくんには、どのような対策も手遅れかもしれない。それでも母親のルジーナさんは言う。「お医者さんたちが、治療法を見つけてくれると願っています。病気にかかってしまった子供たちの多くに、もう未来はありません。それでも、より幼い子供たちを救ってほしいです」

AFP 2012-02-20





2012-02-19

コン=バンディ ハンガリー首相オルバンのメディア規制法批判

ヒズボラに破れたイスラエル軍

2006年イスラエル・レバノン紛争で戦ったイスラエル兵士の映像資料に基づいたフランス2のルポルタージュ。





イスラエル製品ボイコット活動家「人種への憎悪を煽る罪」で起訴

BDS活動家のグループは2009-2010の活動に関し、シオニスト団体の圧力で起訴されていた。共和国検事は一人一人に罰金を求めたが、ミュルーズの裁判所は2011­年12月無罪放免を決定した。





◎イスラエル製品をボイコットしよう

2012-02-17

パレスチナ抵抗の歌「地平線」 "Horizon" Code Rouge





 本物の勇気は静かだ。

ユーロ紙幣の非人間性



イラン大統領インタビュー 2009年9月22日 選挙 核問題 イスラエル

フランス2のインタビュー。反対運動に仏外相ベルナール・クシュネールの関与を指摘。イランイスラム共和国大統領マフムード・アフマディネジャード。



不思議な物語性


La fotografía chilena está de duelo: A los 81 años murió Sergio Larraín


 強烈なアッパーカットを食らったような気分だ。濃厚な物語性を読み解くことができない。二人の少女は擦れ違ったのか、それとも分離したのか? 手前の少女がやや小さく見える。持っている壜(びん)まで。とすると過去と未来を表現したのだろうか? にもかかわらず、光が当たっている少女は壁に行く手を遮(さえぎ)られている。脳内でシナプスがバチバチと発火しながら収まることがない。

2012-02-15

若きパルチザンからの鮮烈なメッセージ/『イタリア抵抗運動の遺書 1943.9.8-1945.4.25』P・マルヴェッツィ、G・ピレッリ編


『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行
『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子
『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子
『生きぬく力 逆境と試練を乗り越えた勝利者たち』ジュリアス・シーガル
『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』V・E・フランクル:霜山徳爾訳
『それでも人生にイエスと言う』V・E・フランクル
『アウシュヴィッツは終わらない これが人間か』プリーモ・レーヴィ

 ・若きパルチザンからの鮮烈なメッセージ
 ・無名の勇者たちは「イタリア万歳」と叫んで死んだ
 ・パルチザンが受けた拷問

『石原吉郎詩文集』石原吉郎

 ファシズムとはムッソリーニ率いるファシスト党(全国ファシスタ党)のイデオロギーであって、厳密にはナチズムと区別する必要がある。

 一緒くたになってしまった理由だが「(ナチズムに)敵対する社会主義・共産主義陣営であるスターリンやコミンテルンは、ナチズムはイタリアのファシスト党のイデオロギー『ファシズム』の一種であると定義し、『ファシズム』と呼んだ」(Wikipedia)ためだ(社会ファシズム論)。

 先に白状しておくが、私はこのあたりの歴史に詳しくない。往々にして独裁者は政治的混乱の中から登場する(Wikipedia)が、黒シャツ隊からファシスト党への流れから見ても、ムッソリーニに対して一定数の国民からの支持があったことは確かだろう。ヒトラーもまた同様である。

 ムッソリーニは抜かりなく、ヴァチカンからの支持も取りつけた。

 本書はイタリア・パルチザンが処刑直前にのこした遺書を集めた作品だ。私は20代で一度開いたのだが読み終えることができなかった。バブル景気の余韻に浸っていたわけではなかったが、自分と同年代の死を正面から見つめることは困難を極めた。20年を経て私は彼らの父親の世代となった。我が子の最期を見届けるような思いで再び重いページを開いた。絶版となることを恐れて購入した3冊の本は真新しいままだった。

 前にも書いたが、キーボードの叩きすぎで数年前から腱鞘炎となり、近頃は右の中指がおかしくなってきた。そんなわけで以前のような入力は難しいので、細切れの書評となることをお許し願いたい。

 若きパルチザンからの鮮烈なメッセージはまず翻訳者を直撃した。今回は河島英昭の「解題」のみを紹介する。

 イタリアの民衆はファシズムの試練に耐えた。その苦しみと、戦い抜いた喜びの上に、今日のイタリアの文化は築かれている。あまりにも重いこの歴史的事実への反省なしに、私たちはイタリアの文化を語ることができない。文学もまた文化の一環である以上、反ファシズム闘争への考察を抜きにしては、それを直接の基盤とする戦後イタリアの文学を、語ることができない。と同時に、イタリアの文学を検討する場合には、敢えて言うが、たとえばルネサンス文学の研究をするときにさえも、この視点をはずすわけにはいかない。ダンテを論ずるときにも、ペトラルカ研究を行なうさいにも、あるいはマンゾーニを紹介するときにも、この視点をはずして、私たちの文学的営為は一歩も前へ進めないだろう。
 なぜならば、ファシズムの試練に耐えた今日のイタリアの文化が、絶えまなく、私たち自身の文化への反省を促すからであり、また他の文化への考察を進めれば進めるほど自国の文化への反省は深まってゆき、ある意味では外国の文化の研究ほど自国の文化の脆弱な基盤を明るみに引きだすものはないからである。その危うい緊張関係において、文学者もまたおのれの研究の基盤を築かねばならないのであり、虚ろな象牙の塔に籠って文化を説くことの滑稽さを、私たちは承知しているつもりだ。
 しかしながら、いつまでも覚えておこうと決意する、永遠の瞬間が、たちまちに日常の雑事の波間に見失われていくように、私たちはとかく歴史的事実のあいだに埋めこまれた真実を忘れがちである。戦後三十数年を経て、日本におけるイタリア文化の研究や紹介も、乏しいながら種は播かれた、と言ってよいであろう。そしてその望ましい種を実らせるためにも、彼我の文化の土壌になるべき反ファシズム闘争の差異を、その貴重な経験の有無を、ここに改めて確認しておく必要がある。そのために、ささやかながら、私たちは本書を訳出した。しかも私たちの意図は、いわば外面から考察を加える、状況や運動の研究あるいは分析に対して、民衆の個々人の心のなかのありさまを内面から少しでも明らかにしたい、という点にある。文学もまた、その固有な方法によって、歴史における文化研究の一端を、担わねばならないであろう。

【『イタリア抵抗運動の遺書 1943.9.8-1945.4.25』P・マルヴェッツィ、G・ピレッリ編:河島英昭、他訳(冨山房百科文庫、1983年)「解題」河島英昭、以下同】

 力のこもった名文である。私は兼ね兼ね冨山房(ふざんぼう)が出版界の良心であると思ってきたが、まったくもって冨山房に相応(ふさわ)しい名調子だ。

 河島の視点はパルチザンをイエスになぞらえる。歴史紀元の基準をパルチザンに合わせよ、というのだから当然だ。それゆえ分水嶺という言葉は正確ではない。パルチザンに至る過去と、パルチザン以降の未来を分かつのだから、それはゼロ地点を意味する。

 それは断じて抵抗ではなかった。ファシズムへの攻撃であった、と「序」のなかでE・E・アニョレッティは書いている。「いまは慣例に従って、イタリアにおける解放運動を〈レジスタンス〉と呼んでおこう。だが、それが抵抗ではなく、あくまでも攻撃であり、主体的な行動であり、理念上の革新であって、何ものかを【保持しようとする試みでなかった】ことだけは、決して忘れないようにしたい」(本書8ページ、傍点は引用者)。この言葉には、みずから立ちあがって戦い抜いた者たちの、自信が漲(みなぎ)っている。そしてその結果の上に、イタリアの民衆は戦後の新しい文化を築いた。政治的にはまず国民投票によって君主制が廃止され、共和制が確立されたのである。

 その意気やよし。ここにイタリア抵抗運動の魂がある。ファシズムやナチズムがスタイリッシュであったのに対し、多くのパルチザンは普段着であった。彼らを歌った作品も朴訥なリズムの曲が大半だ。着の身着のままで立ち上がったところに彼らの強みがある。

 それにしても、イタリアにおいて、なぜ反ファシズム闘争が可能であったのか? 本書の《手紙》の老若男女の書き手たちは、どのようにして個人の苦しみと歴史の苦しみによく耐えたのか? この疑問に対する答えは、掛け替えのないこれらの魂の記録の一篇一篇の行間に、いわば無限の深淵となって、垣間(かいま)見えるであろう。それらを覗(のぞ)きこむたびに、私たちは目の眩(くら)む思いがする。それはあたかもすぐれた詩に出会ったときの衝撃に似ている。一瞬後に、私たちは閉じたおのれの瞼(まぶた)の裏に、永遠の暗い輪を認めるであろう。死が永遠であるがゆえに、それは死から発せられた一つの答えだ。思うに、本書ほど死の影に満ちみちた記録は少ない。しかも個々の戦士は、みずからの意志で、死に立ち向かったのである。

 V・E・フランクルプリーモ・レーヴィは生き延びた。だから彼らが書いた悲惨な経験にはまだ救いがある。しかし本書の手紙はその全てが遺書なのだ。情報の圧縮度が桁違いであることは言うまでもない。「最期の言葉」が400ページ上下二段に渡って綴られているのだ。中途半端な根性で読み終えることができるわけがない。死にゆく彼らの手を握る覚悟が読者に求められるのだ。

 1920年代から40年代にかけて、イタリアの民衆はファシズムから反ファシズムへと、激しい思想の変革を遂げた。もちろん、A・グラムシやP・ゴペッティのように、すぐれた思想家や知識人たちが果たした指導的役割の重要なことは、言うまでもない。しかし、それに劣らず重要なのは、民衆が彼ら自身の生活のなかで、結果的に思想の変革を果たしたという事実である。その変革は日々のなかでの、個々人の精神の軌跡が、そして彼らの共通の理想を支えた叙事詩的クリフが、本書のなかには読みとれるであろう。

 確かにそうであろう。だが歴史を文学的に形容するだけでは物足りない。やはり厳密な情報分析と複雑系的アプローチが必要だ。

歴史が人を生むのか、人が歴史をつくるのか?/『歴史は「べき乗則」で動く 種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』マーク・ブキャナン

 最後に、不幸にしてイタリアの民衆と同じく、困難な状況下におかれた日本人にとって、昭和18(1943)年から昭和20(1945)年にかけて、抵抗運動が、ましてや解放闘争が、ほとんど存在しなかった事実を、確認しておかねばならない。この甚だしく不幸な時期にあって、いわば体制の犠牲者としての魂が、なかったわけではない(たとえば『きけわだつみのこえ』のように)。だが、私たちは苦しい共感をもってそれらの記録に接することがあっても、それらが〈レジスタンス〉の記録で【なかった】ことだけは忘れないでおきたい。なぜならば、彼らの銃口は――たとえば学徒動員された兵士のそれは――【別の方角】へ向けられていたのであるから。本書の手紙本文や略歴から容易に読みとれることだが、イタリア抵抗運動のパルチザン兵のなかには、正規軍からの脱走者が数多く含まれていた。銃口の向きを変えるためには、おのれの肉体の消滅を賭けて、思想の変革を果たさなければならない。

 奇しくも今日のツイートで『きけ わだつみのこえ』を紹介した。

近藤道生と木村久夫/『きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記』日本戦没学生記念会編

 苦労というものは固有のものである。他人が軽々しく論じることは避けるべきだろう。しかし河島の指摘は我々日本人の肺腑(はいふ)を貫き、深い自省を促す。我々は罪を問うこともなく、罰を連合軍に委ね、「過ちは 繰返しませぬから」と国民の連帯責任にすることで戦争の罪科を水割りのように薄めてしまった。

 つまり日本におけるファシズムが実はまだ終わっていない可能性がある。河島が「銃口の向きを変える」と書いているのはそのことだ。

 抵抗運動とは何か? それは殺されることを意味する。

画像(※ハングルのためイタリアかどうかは不明)
Partisan:画像検索

 一朝事ある時に私は立ち上がれるだろうか? 「立て!」と若きパルチザンの叱声が耳の中で谺(こだま)する。

2011年 日本の地震/世界の地震 分布図





2012-02-13

宗教とは何か?


     ・キリスト教を知るための書籍
     ・宗教とは何か?
     ・ブッダの教えを学ぶ
     ・悟りとは
     ・物語の本質
     ・権威を知るための書籍
     ・情報とアルゴリズム
     ・世界史の教科書
     ・日本の近代史を学ぶ
     ・虐待と知的障害&発達障害に関する書籍
     ・時間論
     ・身体革命
     ・ミステリ&SF
     ・必読書リスト

 忘れないうちに記録しておく。いきなり読んでも理解に苦しむことと思われるので、せめてキリスト教の知識を身につけてから読むことが望ましい。

『世界のしくみが見える 世界史講義』茂木誠
『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳
『イエス』ルドルフ・カール・ブルトマン
『イスラム教の論理』飯山陽
『ものぐさ精神分析』岸田秀
『続 ものぐさ精神分析』岸田秀
『唯脳論』養老孟司
『カミとヒトの解剖学』養老孟司
『死生観を問いなおす』広井良典
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎
『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』高橋昌一郎
『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性』高橋昌一郎
『感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性』高橋昌一郎
『異端の数ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』チャールズ・サイフェ
『巷の神々』(『石原愼太郎の思想と行為 5 新宗教の黎明』)石原慎太郎
『マインド・コントロール』岡田尊司
『宗教で得する人、損する人』林雄介
『完全教祖マニュアル』架神恭介、辰巳一世
『サバイバル宗教論』佐藤優
『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹
『宗教は必要か』バートランド・ラッセル
『精神の自由ということ 神なき時代の哲学』アンドレ・コント=スポンヴィル
『神は妄想である 宗教との決別』リチャード・ドーキンス
『解明される宗教 進化論的アプローチ』 ダニエル・C・デネット
『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰』ニコラス・ウェイド
『人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき』山極寿一、小原克博
『人間の本性について』エドワード・O ウィルソン
『神はなぜいるのか?』パスカル・ボイヤー
『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース
『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン
『人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」がうまれたとき』山極寿一、小原克博
『神々の沈黙 意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ
『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』トール・ノーレットランダーシュ
『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』デイヴィッド・イーグルマン
『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル
『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』シャンカール・ヴェダンタム
『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』キャスリン・マコーリフ
『なぜ、脳は神を創ったのか?』苫米地英人
『苫米地英人、宇宙を語る』苫米地英人
『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ
『いかにして神と出会うか』J・クリシュナムルティ
『恐怖なしに生きる』J・クリシュナムルティ
『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元訳
『ブッダのことば スッタニパータ』中村元訳

 ・宗教とは何か?/『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ
 ・宗教とは何かを理解するための6つの諸類型かんたんなまとめ
 ・宗教とは何か
 ・宗教とは何か?
 ・「宗教とは何か」真宗大谷派 福壽山 圓光寺

ミュンヘン・ティアティーナ教会


Theatinerkirche München

Theatinerkirche

Theatinerkirche München

Theatinerkirche München

Kuppel der Theatinerkirche

Theatinerkirche

Theatinerkirche


◎2007年春、ドイツ旅行の印象[ミュンヘン編]

イスラエル製品をボイコットしよう


イスラエル製品ボイコット活動家「人種への憎悪を煽る罪」で起訴

シリア現状 テロとイラン人技師誘拐 ティエリ・メサン 2011年12月25日

ダマスカスで爆弾自動車テロ 2011年12月23日 シリア



武田邦彦 「東大廃止のチャンス」 2012年2月12日




日本 権力構造の謎〈上〉 (ハヤカワ文庫NF) 日本 権力構造の謎〈下〉 (ハヤカワ文庫NF)


◎武田邦彦
◎なぜ権力を書くのか?/『日本/権力構造の謎』カレル・ヴァン・ウォルフレン

2012-02-12

ジョージ・ソロス氏にロシア政府プーチン氏が逮捕許可 2012年1月24日 Tom Heneghan



ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ ソロスの講義録  資本主義の呪縛を超えて バフェットとソロス 勝利の投資学

ジョージ・ソロス:アメリカ経済崩壊で騒乱惹起

有澤玲、佐藤俊樹、宮崎学


 2冊挫折、1冊読了。

面白いほどよくわかる世界の秘密結社 秘密のベールに隠された謎の組織の全貌』有澤玲〈ありさわ・れい〉(日本文芸社、2007年)/ちょっと当てが外れた。陰謀史観を斥けながらも胡散臭さを払拭できていない。記述が短いせいもあるのだろう。日本文芸社の「学校で教えない教科書」シリーズは当たり外れが大きい。

社会学の方法 その歴史と構造』佐藤俊樹(ミネルヴァ書房、2011年)/良書である。紙質もよく、ミネルヴァ書房の気合いが窺える。しかし残念なことに私の余生は限られている。一から社会学を学ぶ時間はないのだ。20代で社会学に興味のある人にとっては格好のテキストといってよい。

 10冊目『「正義」を叫ぶ者こそ疑え』宮崎学(ダイヤモンド社、2002年)/主旨には同意するが、論の進め方が拙いと思う。宮崎は左翼のイデオロギーから脱却できていない。多分、私よりもロマンチストなのだろう。明らかに読みが誤っている箇所もある。武闘派左翼、やくざ者の倅、解体屋、週刊誌記者といった過去の遍歴が妙に中途半端な視点となっている。左翼やリベラリストはどうしても部分的な政策について反対する姿勢が目立つ。グランドデザインが描けていないから、批判が形を変えた依存に見えてしまう。

エンリケ航海王子

Padrão dos Descobrimentos

Padrão dos Descobrimentos

Sunset at the Monument to the Discoveries in Lisbon

Padrão dos Descobrimentos

 ポルトガル・リスボン市西部ベレン地区のテージョ川岸にある大航海時代の記念碑「発見のモニュメント」。エンリケ航海王子はパトロンであって一度も航海には出ていない。彼はまたキリスト騎士団の指導者でもあった。1314年にフランスのテンプル騎士団が滅んだ。しかしポルトガルのテンプル騎士団は1319年に改称を認められてキリスト騎士団となった。後の大航海時代(15~17世紀)を牽引したのは彼らであった。ヴァスコ・ダ・ガマやコロンブスの義父もキリスト騎士団の構成員である。そして大航海とは投資の異名であった。

資本主義経済の最初の担い手は投機家だった/『投機学入門 市場経済の「偶然」と「必然」を計算する』山崎和邦
簿記の歴史 ひろがる世界と株式会社
大航海時代後の海商
「エンリケ航海王子が目指した先は?」1
「エンリケ航海王子が目指した先は?」2
「異民族は皆殺しにせよ」と神は命じた/『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹

湾岸戦争におけるプロパガンダ 偽の看護婦の証言



再び歴史学者の自由を殺す法案 アルメニア民族虐殺問題

2011年12月22日。第二次世界大戦中のユダヤ人民族大虐殺を否定する者を処罰するゲッソー法に続き、第一次大戦中のトルコによるアルメニア人民族大虐殺の否定を処罰­する法案がフランスの議会で可決された。



パレスチナ問題の現状 ムスタファ・バルグティ

2012-02-11

ロジャー・スミス


 1冊読了。

 9冊目『血のケープタウン』ロジャー・スミス:長野きよみ訳(ハヤカワ文庫、2010年)/南アフリカ出身の作家によるノワール。中々面白かった。ギャンブルで身を持ち崩したアメリカ人が犯罪に手を貸すことを強いられ、挙げ句の果てに南アフリカへ逃亡する。悪徳警官のルディ・バーナードと夜警のベニー・マングレルが三つ巴となってメロディを奏でる。三人が三人とも追い詰められており、これが疾走感を生んでいる。逆説的ではあるがノワール(暗黒小説)は断固たる掟を描くことで、建て前としての法治国家を嘲笑する作品であることが望ましい。ストーリー上では判断ミスを巧みに設定できるかどうかが肝心で、これを登場人物のキャラクターに委ねてしまうと駄作になる。南アフリカではネックレスという処刑方法があるが、内側からの視点で書かれていて参考になる。

作家の禁じ手/『耽溺者(ジャンキー)』グレッグ・ルッカ


『守護者(キーパー)』グレッグ・ルッカ
『奪回者』グレッグ・ルッカ

・作家の禁じ手

『暗殺者(キラー)』グレッグ・ルッカ
『逸脱者』グレッグ・ルッカ
『哀国者』グレッグ・ルッカ

 ハードボイルドの文体は一人称が好まれる。三人称だと神の視点となってしまうからだ。もちろん創造者である作家は神として君臨するわけだが、リアリズムという大地を離れて作品は成立しない。その意味で本書は作家の禁じ手を犯したといってよい。

 アティカス・コディアック・シリーズの番外編で、ブリジット・ローガンが主役となっている。解説で北上次郎(目黒考二)が絶賛している。「ようやくブリジットに会えた! それが何よりもうれしい」と。金のために書かれたような文章だ。まったく信用ならない。鼻ピアスで身長が185cmのブリジットはシリーズ第1作に登場した時からやさぐれたキャラクターとして描かれている。そしてタイトルの「ジャンキー」とはブリジットのことだ。

 作家が登場人物を堕落させたり蹂躙(じゅうりん)することは最もたやすいことだ。そもそも私立探偵であるブリジットが囮(おとり)となって潜入捜査をする必然性があまり感じられない。過去の経緯(いきさつ)もさほど強いものではない。単純に考えればアティカスに頼んでやっつけてもらった方が手っ取り早いだろう。つまりリスクの選択自体に問題があるのだ。

 私に言わせれば、著者がブリジットを汚(けが)してしまっただけの話だ。このためアティカスの配慮が優柔不断にしか見えない。前巻でアティカスと関係を持ってしまったライザの身勝手さも実に底が浅い。大体、警護を生業(なりわい)とする者は果断に富んでいるのが当たり前で、善良な優柔不断さとは無縁であるはずだ。

 シリーズの寿命を延ばすためにブリジットを一度落としておく必要があったのだろうか? もしも今後の布石のためにブリジットに薬をやらせたとすれば、グレッグ・ルッカの大成は望めない。

 人間の行動には常にふたつの理由がある。
 もっともらしい理由と、真の理由が。
  ――J・P・モーガン

【『耽溺者(ジャンキー)』グレッグ・ルッカ:古沢嘉通〈ふるさわ・よしみち〉訳(講談社文庫、2005年)以下同】

 このエピグラフは著者にこそ突きつけられるべきだ。

 などとケチをつけたところで、文章がいいので読めてしまうんだよね(笑)。

 ヤクの夢はそんなに親切じゃない――それは感覚の狂喜であり、

 持たざることの利点のひとつは、散らかってもたかが知れていることだろう。

「創意工夫のかけらもないね」

「人生の黄昏どきに慈しむ思い出が欲しいのよ」

 どちらも声音の芯に同質の威厳がこもっていた。

「家族ってのは常に過大評価されるんだ」

 干上がったヤク中は右や左に、重力を打ち負かすほどの角度をつけて傾いている。

 もうそれ以上、ついてやれる嘘はなかった。

「じつに気高い行為だな、シスター」

「義憤のかたまりだ」

 次の作品がダメなら、グレッグ・ルッカには見切りをつける予定だ。

耽溺者 (講談社文庫)

2012-02-10

白人奴隷とユダヤ人の奴隷商人

ガス室の問題 ロベール・フォーリソン













◎試訳:フォーリソン、大いに語る

文化でシオニズムへ対抗する イラン大統領と対面したデュードネ

2009年12月。フランスのお笑いタレント、デュードネは反シオニスト的発言によりユダヤイスラエルロビーの圧力で国内活動を妨げられていた。イラン大統領アフマディネ­ジャードはデュードネに映画製作の費用を提供した。



インディアンの羽


Native American Feathers


 逆光というアイディアが見事。太陽の下を飛ぶ鳥を見上げるような気分となる。

国家のクオリティはその国の報道のクオリティでも決まってくると思う

国家のクオリティはその国の報道のクオリティでも決まってくると思う。とすると、日本は表向きに報道の自由、表現の自由とか謳っておきながら、まったく時代遅れの共産主義国家並みに報道規制と圧力がかかっていて…それ以上に問題なのはそれでも日本は自由な国で平和だと刷り込まれた国民が多い事だ。
Feb 10 via TwitBird Favorite Retweet Reply

2012-02-09

女の叫び

顎を吹き飛ばされたシリアの少年


 閲覧注意のこと。


シリアの内戦

猪瀬直樹の差別観

野宿者排除が行われているさなかの副都知事のツイート https://t.co/gPtR3sbo QT @inosenaoki: こんな時間に起きている人は気質(かたぎ)じゃないね。イッパツ当てる山師か、ただの怠け者でゆくゆくは路上生活者か、歌舞伎町の人か、それとも大型トラックで高
Feb 09 via ついっぷる/twipple Favorite Retweet Reply


こんな時間に起きている人は気質(かたぎ)じゃないね。イッパツ当てる山師か、ただの怠け者でゆくゆくは路上生活者か、歌舞伎町の人か、それとも大型トラックで高速を疾走する運転手か、三交代の工場労働者か、病院や老人ホームではたらく使命感を生きる人か、惰性の受験生か、売れない作家か。
Feb 08 via web Favorite Retweet Reply

2012-02-08

関岡英之

1冊読了。

 8冊目『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』関岡英之(文春新書、2004年)/アメリカが日本に突きつける「年次改革要望書」を広く知らしめた一書。今読んでも内容は古くなっていない。アメリカが国益を実現するための仕掛けにメスを入れる。関岡は公開された情報で、ここまで切り込んでいる。日本はほぼ完全な属国であり、アメリカ国内の州以下の存在に貶(おとし)められている。結局、戦争に負けるとはこういうことなのだろう。終盤の「万人が訴訟する社会へ」は、TPPを予見する内容だ。日本を取り巻く政治力学を知るには格好のテキストだ。