2019-11-02

本物の野菜は腐らずに枯れる/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 野菜であっても、自分の役割を終え、次の世代に命をリレーするのであれば、自らが持っている栄養素である窒素やミネラルを水分とともに排出し、【枯れて】いくはずです。枯れてしまえば、植物は腐敗することはありません。野菜ももちろん同じです。腐敗せず、枯れていくのが自然界の掟なのです。
 しかし、なぜか野菜だけはキッチンで腐敗していく姿をよく見ます。これは大変不自然なことです。空気中にある真菌が野菜に付着し、黴が増え、腐敗臭を発しながら朽ちていくのは、実は不自然なのです。腐敗する原因はいったい何なのか。僕もこのことを色々と考えてきました。これに関しては、これぞ正解という答えはなかなか存在しません。でも、そのなかでもいくつか推測できることはあります。
 ひとつは水分量でしょう。水分量が多すぎると野菜は腐敗してしまいます。生ゴミが腐敗するのも水が原因です。水や湿気が真菌を増殖させるからです。ではなぜ水分量が多いのか。それはおそらく、化学肥料を吸収する時に、水分を一緒に吸収しているからではないかと想像しています。本来ならば、菌根菌が土壌中の必須(ひっす)元素を植物へと橋渡しするのですが、水に溶けた化学肥料は、水とともに植物のなかに侵入し、自由水を増やしてしまうのです。簡単に言えば水膨れです。それが腐敗への引き金になります。
 他にも、微生物バランスの狂いがあるのではないかと想像しています。特に未発行の家畜排せつ物を使用した肥料の場合、そのなかに棲む微生物は、決して自然界の森や林のなかの微生物バランスとは同じではありません。未発酵有機物や、化学薬品等を分解しようと、自然界ではあまり増えることのない微生物が増えている可能性があります。そうしたバランスの崩れた微生物群によって、想定外の腐敗へと進んでいきます。本来なら動物の排せつ物を朽ちらせ、分解する強い菌が、植物とうい緩(ゆる)やかな分解を好む有機物に取り付いて、通常の分解とは違った、腐敗という方向へと進んでいくのであろうと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 巻頭にカラー写真が配されている。その衝撃が本書を読む推進力となる。私は半世紀以上生きてきたが「枯れた野菜」を見たことがない。「実(み)は腐るもの」と思い込んでいた。この世界は腐敗と防腐剤の二色だけではなかった。ふと木乃伊(みいら)を思った。死を前にして食が細くなってゆくのも自然の摂理にかなっているのだろう。



 防腐剤は微生物を拒む文化といえよう。我々の味覚は既に腐敗を感知し得なくなっている可能性すらある。「鼻が利く」との言い回しはあっても実際は最も退化した感覚が嗅覚なのだ。感度の低い味蕾(みらい)が防腐剤や食品添加物を浴びてどんどん鈍くなってゆく。それどころか食品会社によって合成された味の刺激を好み、自然本来の味では物足りなさを覚えるようになってきた。

 私が子供の時分はまだ栗やクルミを取って食べていた。幼馴染の家にサクランボの大木があり、皆で登って枝に腰を掛けながら舌鼓を打った。上京してからは職人に食べさせてもらった銀杏(ぎんなん)やイチジクの味が忘れられない。イチョウの樹は工場の前にあり、イチジクは近隣のパチンコ店の駐車場からもぎ取ってきたものだった。

 腐敗を止める文明は正しいのだろうか? 老いて枯れるような生き方をすることが可能だろうか? そんなことを思わされる読書体験であった。



野菜の栄養素が激減している/『その調理、9割の栄養捨ててます!』東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修

2019-11-01

読み始める

鉄人を創る肥田式強健術 (ムー・スーパー・ミステリー・ブックス)
高木 一行
学研プラス
売り上げランキング: 381,274

Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で
イブ・ヘロルド
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2017-06-10)
売り上げランキング: 89,482

土と内臓 (微生物がつくる世界)
デイビッド・モントゴメリー アン・ビクレー
築地書館
売り上げランキング: 14,467

土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて (光文社新書)
藤井 一至
光文社
売り上げランキング: 14,638



暗殺者 (上) (新潮文庫)
ロバート・ラドラム
新潮社
売り上げランキング: 116,995

暗殺者 (下) (新潮文庫)
ロバート・ラドラム
新潮社
売り上げランキング: 136,393

狂気のモザイク (上) (新潮文庫)
ロバート・ラドラム
新潮社
売り上げランキング: 535,148

狂気のモザイク (下) (新潮文庫)
ロバート・ラドラム
新潮社
売り上げランキング: 538,467

2019-10-31

無肥料栽培/『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか


『日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら』北野幸伯
・『日本の生き筋 家族大切主義が日本を救う』北野幸伯
『給食で死ぬ!! いじめ・非行・暴力が給食を変えたらなくなり、優秀校になった長野・真田町の奇跡!!』大塚貢、西村修、鈴木昭平
『伝統食の復権 栄養素信仰の呪縛を解く』島田彰夫
・『親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る』島泰三
『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子
『タネが危ない』野口勲

 ・無肥料栽培
 ・本物の野菜は腐らずに枯れる

『食は土にあり 永田農法の原点』永田照喜治
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン
『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』デイヴ・アスプリー
『医者が教える食事術 最強の教科書 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』牧田善二
『医者が教える食事術2 実践バイブル 20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』牧田善二
『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』アランナ・コリン

 僕は農作物を栽培することを生業のひとつとしています。僕の農法は、一般的には認知されていない無肥料栽培というものです。一見聞き慣れない無肥料栽培という言葉ですが、最近で言うところの自然農法とか自然栽培と呼ばれる農法が、無肥料栽培にあたります。無肥料栽培という言葉だけですと、化学肥料を使用せず、家畜排せつ物から製造した有機肥料を使用していると思われる方もいるようですが、僕は有機肥料を使用することもありません。
 自然農法や自然栽培という農法には、本来、定義というものはありませんが、広義では、無肥料、無農薬、無除草の栽培方法を指します。さらに不耕起、つまり畑を耕さない農法を自然農法と呼ぶことが多いと思います。

【『野菜は小さい方を選びなさい』岡本よりたか(フォレスト出版、2016年)】

 タイトルが命令形で、冒頭から「僕が、僕が」と書いてあるのを見ると「我こそは正義なり」との思い込みが見えてウンザリさせられる。つまみ食い程度の読書で済まそうと思いながらも最後まで読んでしまった。読ませられたと言ってよい。無農薬は聞いたことがあるが無肥料・無除草は初耳だ。

 普通に考えれば、野菜や穀物に肥料を与えることによって、作物は元気に育ち、健康にもなるという認識だと思います。人間も食事によって栄養をしっかり摂っていれば、病気になることは少ないでしょう。それは決して間違ってはいません。
 しかし、僕は無肥料栽培を始めて以来、その常識に疑問を感じはじめました。
 なぜかといえば、作物に肥料を与えるのを止めると、作物の病気や虫食いがどんどん減っていったからです。

 よく考えると別に不思議な話ではない。そもそも現在ある野菜は長い歴史を生き抜いてきた果てに存在するわけで、自然界に存在していた時は肥料や除草という人為は加えられていない。また移動できない植物は毒を発することで外敵から身を守ってきたのだ。調理の灰汁(あく)抜きとはその毒を除去する意味がある。

 土のなかの微生物は生き物ですから、当然食べものが必要です。それが、本来、草の根っこや枯れた草等です。作物の根っこ以外、草という草の根っこや落ち葉や枯草がなくなるので、微生物たちの餌(えさ)が足りなくなります。食べもののないところに生物が棲(す)むことはありません。そのため、微生物たちも立ち去っていってしまうのです。(中略)
 土壌中の微生物というのは、人間の腸内細菌と同じだと考えてもらっていいでしょう。土壌から微生物がいなくなると、植物は土の栄養を使えなくなります。なぜなら、植物は土壌中の微生物、特に菌根菌(きんこんきん)という菌の力を借りて、土壌中の栄養を取り込んでいるからです。

 つまり現代の野菜は狭い鶏舎に閉じ込められたブロイラーのような状態なのだろう。たとえ有機肥料であったとしても土壌中の微生物バランスは大きく変わってしまうという。

 人体もまた微生物との共生で成り立っている。腸管内だけで4000種、100兆個もの微生物が存在する。この腸内細菌なくして我々は生きてゆくことができない。

 土壌から微生物がいなくなってヒトの腸内環境も一変したのだろう。そして便利なテクノロジーが生活習慣病を生んだ。既に我々は本物の野菜を知らないのだ。

 具体的な土作りも書かれており、家庭菜園やプランターで野菜を育てている人は必読である。

2019-10-30

大英帝国の凋落/『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』ウィリアム・R・クラーク


『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン
『マネーの正体 金融資産を守るためにわれわれが知っておくべきこと』吉田繁治
『〈借金人間〉製造工場 “負債"の政治経済学』マウリツィオ・ラッツァラート
『紙の約束 マネー、債務、新世界秩序』フィリップ・コガン
『ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ 影の支配者たちがアジアを狙う』宋鴻兵
『通貨戦争 影の支配者たちは世界統一通貨をめざす』宋鴻兵
『タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!』ニコラス・シャクソン
『資本主義の終焉と歴史の危機』水野和夫
『ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!』ジェームズ・リカーズ

 ・大英帝国の凋落
 ・沈みゆくアメリカ

必読書リスト その二

 大英帝国は1870年代あたりから凋落し始めた。以来、イギリス政府は南アフリカなどでたびたび帝国主義戦争に訴えるようになり、どんどん泥沼にはまっていった。アメリカも同じである。軍事力を使って、もはや経済的手段では成し遂げられないことを追求しようとしている。

【『ペトロダラー戦争 イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』ウィリアム・R・クラーク:高澤洋志〈たかざわ・ひろし〉訳(作品社、2013年)】

 ボーア戦争(1880年)から第一次世界大戦終焉(1918年)までが38年である。そして英ポンドは基軸通貨としての地位を失った。1600年前後から続いた大英帝国は滅んだと考えてよい。




 第二次世界大戦後(1945年)、米ドルが基軸通貨となる。ニクソン・ショック(1971年)でブレトン・ウッズ体制は終結したが、ゴールドの裏付けを失ったドルはペトロダラーとして延命した。

 トランプを救世主と仰ぐQAnonと呼ばれる人々が出てきた。国家機密にアクセスできる人物が匿名掲示板に膨大な量の書き込みをしている。その投稿者がQなる人物で彼を支持する人々がQAnonである。

 昨夜初めて知ったのでそれほど精査したわけではないが、どうもイスラエルから目を逸らさせる目的があるような気がする。トランプ政権の裏側で起こっているのはイスラエルの新旧勢力の暗闘である。トランプ大統領はたぶん連邦準備制度(FRS)にまで切り込むことだろう。FRSは中央銀行でありながら完全な民間企業で、驚くべきことにアメリカ政府は1株も株式を有していない。つまり政府から通貨発行権が剥奪された状態がずっと続いているのだ。リンカーンやケネディがこれに手をつけようとして暗殺されたことは有名な話だ。

 米ドルが基軸通貨としての役割を終えるのはそれほど先のことではないだろう。とすればユーロ高、円高となるのは必然である。更にドル/スイスフランが1.000を割り込んだ時にスイスが介入するかどうかも見ものである。

「アメリカは9.11テロ~アフガニスタン紛争~イラク戦争で滅んだ」と未来の歴史家が綴ることになるだろう。大国にとってアフガニスタンは鬼門だ。ソ連もアフガニスタンと戦争をして滅んだ。

 石油を巡ってアメリカが帝国主義的な振る舞いをしてきた事実が描かれている。「必読書」に入れたが惜しむらくは2005年の刊行でシェール革命以前にとどまっている。

2019-10-29

「5次請け」の殺し屋、報酬安すぎで手抜きし事件発覚 中国


2019年10月27日 21:15 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 ]

【10月27日 AFP】中国で、次々と殺人の仕事を下請けに出して結局遂行しなかった「殺し屋」5人が、依頼者とともに有罪判決を言い渡され、収監された。

 殺人を実行してくれることを期待して下請けに回された仕事は、そのたびにマージンを抜き取られ、別の殺し屋に次々と手渡されていった。

 ところが、最後となる5次請けとなった殺し屋の男は、暗殺をでっち上げることにし、なんと標的となっていた人物に協力を仰いだ。

 するとターゲットの男性はあっさりと警察に通報し、茶番と化した企ては丸潰れとなった。

 同国南部の南寧(Nanning)の裁判所で開かれた公判で明らかになったところによると、2013年に魏(Wei)という名字の実業家が不動産開発業者の覃佑輝(Qin Youhui)受刑者を相手取り訴訟を起こしたことから話は始まった。

 裁判所によると、時間と金がかかる法廷闘争が不利益となること恐れた覃受刑者は、魏さんを「抹殺」するために200万元(約3000万円)を払い、殺し屋として奚広安(Xi Guangan)受刑者を雇った。

 だが、自分の手を汚したくなかった奚受刑者は、莫天祥(Mo Tianxiang)受刑者に自身の報酬の半分の金額で仕事を請け負わせた。

 今度は莫受刑者が、77万元(約1200万円)で楊康生(Yang Kangsheng)受刑者に、簡単に金がもうけられると考えた楊康生受刑者は、70万元(約1100万円)で楊広生(Yang Guangsheng)受刑者へこの仕事を下請けに出した。

 そして楊広生受刑者は5人目の殺し屋となる凌顕四(Ling Xiansi)に声を掛け、凌受刑者は元請けの契約金の5%に当たるわずか10万元(約150万円)で仕事をこなすことに同意した。

 ところが凌受刑者は、捕まったなら終身刑を受けるリスクを冒すのにこの額は見合わないと考え、殺人をでっち上げることに決め、標的だった魏さんに接触した。

 裁判で魏さんは、カフェで凌受刑者と会い、縛られて猿ぐつわをかませられた状態で写真を撮ることに同意したと証言。そして撮影が終わるやいなや、警察署に駆け込んだと話した。

 殺し屋5人と依頼者は懲役2年7月~5年の判決を受け、今月収監された。