2021-05-17

坂上仁志氏の見解


 ・坂上仁志氏の見解

犬房春彦氏の見解
某医師の見解:私がワクチン打たない代わりに飲んでいるモノ

 武田邦彦が絶賛した動画である。ランチェスター戦略オペレーションズ・リサーチの嚆矢(こうし)となった数理モデルである。











2021-05-09

幼い心の傷痕/『緑衣の女』アーナルデュル・インドリダソン


『罪』カーリン・アルヴテーゲン
『湿地』アーナルデュル・インドリダソン

 ・幼い心の傷痕

・『』アーナルデュル・インドリダソン
・『湖の男』アーナルデュル・インドリダソン
・『厳寒の町』アーナルデュル・インドリダソン
・『許されざる者』レイフ・GW・ペーション

ミステリ&SF

「それがすべての原因だろうか。わからない。おれは10歳だったが、あれ以来ずっと罪悪感を感じている。それを払い落とすことができないでいる。いや、払い落としたくないんだ。良心の痛みは壁となって、俺が手放したくない悲しみのまわりを囲んでいる。もしかするとおれはずっと前にこの悲しみを手放して、救われた命をありがたく思い、なんらかの意味をこの人生に与えるべきだったのかもしれない。だがおれはそうしなかった。これからもきっとそうしないだろう。人はみななにか重いものを背負っている。おれの背負っている荷物は、同じように大切な人を失ったほかの人の荷物よりも重いというこではないかもしれない。だが、おれにはこれ以外の生き方ができないんだ。
 おれの中でなにかが消えてしまった。おれはあの子を見つけることができなかった。いまでもしょっちゅうあいつの夢を見る。あいつはまだあそこのどこかにいるとおれにはわかっている。一人で吹雪の中をさまよい、みんなに見捨てられ、寒さに震えている。しまいにどこかに倒れるんだ。だれにも見つけられないようなところに。雪が吹き積もって、姿が見えなくなってしまう。おれがどんなに探しても、どんなに彼の名前を読んでも、だめなんだ。おれには見つけられない。彼の耳におれの声は届かない。吹雪の中で永遠におれの視界から消えてしまうんだ」

【『緑衣の女』アーナルデュル・インドリダソン:柳沢由実子〈やなぎさわ・ゆみこ〉(東京創元社、2013年/創元推理文庫、2016年)】

 アーナルデュル・インドリダソンの作品は全部読んでいる。北欧の暗い心情が何となく日本の侘(わ)び寂(さ)びと共鳴する。エーレンデュル捜査官シリーズは現実のリズムを奏でて振幅の大きいメロディーを拒む。頑ななまでに。

 エーレンデュルは幼い頃に吹雪で遭難し弟を喪った。その傷痕が中年になっても癒えていない。むしろ樹木の傷のように歳月を経るごとに大きく引き延ばされてゆく。娘との関係も破綻している。10代の娘がドラッグ漬けになったり、売春に手を染めているのが日常的な光景のように描かれていて、欧州の惨状が垣間見える。

 主人公の内省志向が好き嫌いを分ける。私は決して嫌いではないが、最新作『厳寒の町』では完全な失敗を犯している。

貝印 関孫六15000STが値崩れし10000CCが品切れ


家庭用のおすすめ庖丁

 ・貝印 関孫六15000STが値崩れし10000CCが品切れ



 15000STが値崩れしている。月寅次郎氏の解説によれば元々の価格は10000CC(定価11000円)の1.5倍だったというから16000円前後したものと思われる。それがどうだ。8582円まで下がっている。ほぼ半額である。15000STは「(V金10号よりもランクが高い)コバルトスペシャルを使用して、2万円以下に抑えているというだけで高く評価できます」との賛辞(関孫六15000ST 包丁おすすめランキング3位)。

 一方、私が密かに狙っている10000CCは品切れ状態となっている(貝印公式サイト)。



 ついこの間まで8000円台で売られていたのだ。ひょっとして廃番になるのか? 今時錆びる庖丁が売れるとも思えない。いい道具には手間が付いて回る。

「大した料理ができるわけでもあるまいし、どうして高い庖丁を選ぶのだ?」との声が聞こえてくる。正しい意見だ。しかし「いのち短し 恋せよ乙女」(「ゴンドラの唄」)である。余生の短さを思えば本物を追求するのが当然だ。まして庖丁は家庭用であれば軽く10年以上は使える。多分30年は大丈夫だ。

 もう一つ心惹かれているのは「安田刃物 源虎徹 本刃付け スウェーデン鋼 三徳包丁 180mm YS900」である(5692円)。



 19C27鋼は「サンドビック社のスウェーデン鋼。銀三鋼と同じ特性がある」(刃物鋼材 : Japonika Hamono)。銀紙3号はステンレスだが和包丁にも使われており、amazonレビューには「砥石の乗りがよい」「倍近い値段で買ったミソノよりも切れ味が良く刃もちもします」とある。

 静かな夜に庖丁を研いでいると集中力と狂気が交錯する瞬間がある。ひょっとすると悪人の頸動脈を裁断することがあるかもしれないし、はたまた重い責任を果たすべく自分の腹に突き立てるかもしれない。太い溜め息をついて私は呟く。「山姥」(やまんば)と。


はがね
包丁の材質
刃物鋼材 : Japonika Hamono