1冊挫折。
『
マインドコントロール 日本人を騙し続ける支配者の真実』池田整治〈いけだ・せいじ〉(ビジネス社、2009年)/著者は上九一色村(かみくいしきむら)にあったオウム真理教サティアンの強制捜査にアドバイザーとして加わった唯一の自衛官だ。刊行当時の肩書は陸上自衛隊1佐・小平学校人事教育部長となっている。視野の広さはよいのだが、言葉遣いがまるで駄目で、単なる陰謀論に堕してしまっている。論理と結論に飛躍あり。その合理性を欠いた思考に不安を覚える。例えば食品に加えられる化学添加物に警鐘を鳴らす件(くだり)で、「カップ麺200食を一気に食べると即死するそうだ。天然のものなら食べ過ぎで死ぬことはあり得ない」(34ページ)と書いているが、何の根拠も示していない。一気に200食もたべれば、どんな食べ物でも即死しそうな気がする。全てがこんな調子でビルダーバーグ会議やイルミナティに一足飛びする記述が危うい。自衛隊内部に巣食う反米ストレスの表れと見るべきか。
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