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2008-08-16

エリ・ヴィーゼルはホロコースト産業の通訳者/『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン


 ・目次
 ・エリ・ヴィーゼルはホロコースト産業の通訳者
 ・誇張された歴史を生還者が嘲笑
 ・1960年以前はホロコーストに関する文献すらなかった
 ・戦後、米ユダヤ人はドイツの再軍備を支持
 ・米ユダヤ人組織はなりふり構わず反共姿勢を鮮明にした
 ・第三次中東戦争がナチ・ホロコーストをザ・ホロコーストに変えた
 ・1960年代、ユダヤ人エリートはアイヒマンの拉致を批判
 ・六月戦争以降、米国内でイスラエル関連のコラムが激増する
 ・「ホロコースト=ユダヤ人大虐殺」という構図の嘘
 ・ホロコーストは「公式プロパガンダによる洗脳であり、スローガンの大量生産であり、誤った世界観」
 ・ザ・ホロコーストの神聖化
 ・ホロコーストを神聖化するエリ・ヴィーゼル
 ・ホロコースト文学のインチキ
 ・ビンヤミン・ヴィルコミルスキーはユダヤ人ですらなかった

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興』武田知弘

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興』武田知弘

 これだけの告発を行えば、いつ殺されてもおかしくないだろう。ノーマン・G・フィンケルスタインの怒りは、収容所を生き延びた両親によって培われたものだった。嘘が人を殺す――ナチス・ドイツでもルワンダでもそうだった。大量虐殺を実行するには、嘘に踊らされる群衆が必要なのだ。著者は、その嘘を憎んだ。本書を執筆する動機がそこにあったことと察する。

 本書はホロコースト産業を分析し、告発するためのものである。以下の各章では、ザ・ホロコーストがナチ・ホロコーストのイデオロギー的表現であることを論証していこうと思う。大半のイデオロギーと同じようにこれも、わずかとはいえ、現実とのつながりを有している。ザ・ホロコーストは、各個人による恣意的なものではなく、内的に首尾一貫した構造物である。その中心教義は、重大な政治的、階級的利益を支えている。実際に、ザ・ホロコーストがイデオロギー兵器として必要不可欠であることは、すでに証明済みだ。これを利用することで、世界でもっとも強力な軍事国家の一つが、その恐るべき人権蹂躙の歴史にもかかわらず「犠牲者」国家の役どころを手に入れているし、合衆国でもっとも成功した民族グループが同様に「犠牲者」としての地位を獲得している。
 どちらも、どのように正当化してみたところで上辺だけの犠牲者面(づら)にすぎないのだが、この犠牲者面は途方もない配当を生みだしている。その最たるものが、批判に対する免疫性だ。しかも、この免疫性を享受している者はご多聞に漏れず、道徳的腐敗を免れていないと言ってよい。この点から見て、エリ・ヴィーゼルがザ・ホロコーストの公式通訳者として活動していることは偶然ではない。彼の地位がその人道的活動や文学的才能によって得られたものでないことは明白だ。ヴィーゼルが指導的役割を演じていられるのは、むしろ、彼がザ・ホロコーストの教義を誤りなく言語化しているからであり、そのことによってザ・ホロコーストの基礎となる利益を得ているからである。

【『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン: 立木勝〈たちき・まさる〉訳(三交社、2004年)】

 この本の主人公はエリ・ヴィーゼルだ。エリ・ヴィーゼルこそはホロコースト産業におけるトリックスターであり、司祭であり、裁判官だ。ミスター・ホロコーストはアメリカ・ユダヤエリートのシナリオ通りに演技をする人気タレントだ。人々から寄せられる同情がエリ・ヴィーゼルへの批判を封じ込めている。そして、ホロコースト産業が行っているのは世界規模での“恐喝”である。



ノーマン・G・フィンケルスタイン「ヒズボラは尊敬に値する」
アドルフ・ヒトラーとジョン・F・ケネディの演説

2008-08-14

目次/『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』ノーマン・G・フィンケルスタイン


 ・目次
 ・エリ・ヴィーゼルはホロコースト産業の通訳者
 ・誇張された歴史を生還者が嘲笑
 ・1960年以前はホロコーストに関する文献すらなかった
 ・戦後、米ユダヤ人はドイツの再軍備を支持
 ・米ユダヤ人組織はなりふり構わず反共姿勢を鮮明にした
 ・第三次中東戦争がナチ・ホロコーストをザ・ホロコーストに変えた
 ・1960年代、ユダヤ人エリートはアイヒマンの拉致を批判
 ・六月戦争以降、米国内でイスラエル関連のコラムが激増する
 ・「ホロコースト=ユダヤ人大虐殺」という構図の嘘
 ・ホロコーストは「公式プロパガンダによる洗脳であり、スローガンの大量生産であり、誤った世界観」
 ・ザ・ホロコーストの神聖化
 ・ホロコーストを神聖化するエリ・ヴィーゼル
 ・ホロコースト文学のインチキ
 ・ビンヤミン・ヴィルコミルスキーはユダヤ人ですらなかった

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興』武田知弘

『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン
『ヒトラーの経済政策 世界恐慌からの奇跡的な復興』武田知弘

 今、せっせと入力しているのだが、あまりにも衝撃的な内容であるため、目次には掲載されていない見出しを紹介しておこう。原著はペーパーバックで刊行され、米国を除いた各国でベストセラー入りしている。ノーマン・G・フィンケルスタインの両親は強制収容所からの生還者である。歴史的な事実を「ナチ・ホロコースト」、戦後20年以上経って突然現れた論調を「ザ・ホロコースト」=「ホロコースト産業」と厳密に区別している。

 ホロコースト産業は、アメリカとイスラエルが接近してから後に生まれたものである。何と1967年以降というのだから驚きだ。それまでは第二次大戦後、米独が友好関係にあったため、アメリカ在住のユダヤエリート達は沈黙を保っていた。それどころか、反共姿勢を明確にするために元ナチスのアメリカ入国をも支援していた。

 ホロコースト産業は、スイスやドイツを始めとする世界各国に賠償金を吹っ掛けて脅し上げる。強制収容所からの生還者数を水増しし、アメリカ合衆国の政治力をバックに賠償金を吊り上げる。まさに「壮大なカツアゲ」と言っていいだろう。そして、まんまとせしめた莫大な資金は、犠牲者に支払われることなくユダヤ人組織が吸い上げている。

 ユダヤ人による内部告発といった内容であるが、改竄(かいざん)されたのは食品の賞味期限なんかではなく歴史そのものなのだ。桁違いの巨悪というべきだ。そのお先棒を担いでいるのがエリ・ヴィーゼルである。『夜』に始まる3部作もゴーストライターが書いたという噂があるが、確かにそう言われてみると現実感の伴わない文章である。

 梅崎義人著『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』と併せて読めば、世界がどのような力学で動いているかが実によく理解できる。

序論 ユダヤ人以外の苦しみに心を開くべき時が来ている

・イデオロギー兵器としてのザ・ホロコースト
・アメリカ・ユダヤによるナチ・ホロコーストの「発見」
・ユダヤ人以外の苦しみに心を開くべき時が来ている

第1章 政治・経済的な「資産」としてのザ・ホロコースト

・戦後ある時期までナチ・ホロコーストは注意を払われなかった
・冷戦下、同盟国ドイツの過去に蓋をする
・第三次中東戦争(1967年)がすべてを変えた
・アメリカ最新の戦略的資産としてのイスラエルの「発見」
・アメリカの権力とぴったり歩調を合わせる
・アメリカで“突然流行”し、組織化されていったホロコーストの話題
・すべてはアメリカ・イスラエル同盟の枠組みの中で起こった
・アイヒマン裁判で証明されたナチ・ホロコースト利用の有用性
・イスラエルが資産になった途端にシオニストに生まれ変わったユダヤ人
・新たな反ユダヤ主義をめぐる作られたヒストリー
・歴史的な迫害を持ち出すことで現在の批判を逸らす

第2章 騙し屋、宣伝屋、そして歴史

・ホロコーストの枠組みを支える二つの中心教義
・唯一性はホロコーストの枠組みにおける所与の事実
・ホロコーストの唯一性をめぐる議論の不毛さ
・ホロコーストの唯一性からユダヤ人の唯一性の主張へ
・異教徒による永遠の憎悪というザ・ホロコーストの教義
・反ユダヤ主義の非合理性はザ・ホロコーストの非合理性から導かれる
・ユダヤ人の選民意識を強化したザ・ホロコースト
・コジンスキー『異端の鳥』におけるホロコーストのでっち上げ
・『断片』のヴィルコミルスキーはユダヤ人ですらなかった
・アラブにナチズムの汚名を着せようとするホロコースト擁護者たち
・ホロコースト文学の批判的研究に対する執拗な中傷と圧力
・でっち上げられたホロコースト否定論というお化け
・なぜアメリカの首都に政府運営のホロコースト博物館があるのか
・策略の核心はユダヤ人のためだけに記念すること

第3章 二重のゆすり

・年々水増しされる「生存するホロコースト生還者」の数
・ドイツはすでに1952年に諸ユダヤ機関との賠償金協定に調印していた
・請求ユダヤ人会議は補償金を犠牲者の社会復帰のために使わなかった
・ホロコースト期ユダヤ人資産の所有権を主張するホロコースト産業
・「数十億を盗み取った50年にわたるスイスとナチの陰謀」
・「スイスの銀行に資産が存在したことを証明できる者」はほとんどいなかった
・公聴会のポイントは「センセーショナルなストーリーを作り出す」こと
・調査結果が出る前に金銭による和解へ向けて圧力をかけるホロコースト産業
・スイスを脅す二つの戦略としての集団訴訟と経済的ボイコット
・ついに屈服したスイスは12億5000万ドルの支払いに同意
・最終和解で「困窮するホロコースト生還者」がどう扱われるかは不透明
・ベルジェ委員会「スイスと第二次世界大戦中の金取引」
・ヴォルカー委員会「スイスの銀行におけるナチ迫害犠牲者の休眠講座に関する報告」
・実際の休眠ホロコースト口座総額は世界ユダヤ人会議の主張より桁違いに少なかった
・アメリカの銀行ではホロコースト期の休眠口座はどうなっているか
・アメリカの銀行を調査せよという運動は起きなかった
・スイスの次はドイツに対するゆすりが始まった
・ドイツはまったく補償していないという言いがかり
・補償金の請求額をつり上げるために存命生還者の数が増やされる
・60万以上の生還者がいるとしたらナチの最終的解決は杜撰なものだったことになる
・ゆすりの最大の山場は東ヨーロッパに対するもの
・アメリカによる経済制裁という棍棒を振るうホロコースト産業
・巨大な金持ち官僚機構となったホロコースト産業はますます凶暴化していく



シオニズムと民族主義/『なるほどそうだったのか!! パレスチナとイスラエル』高橋和夫
予言者ヒトラー/『1999年以後 ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図』五島勉
魔女狩りは1300年から激化/『魔女狩り』森島恒雄

2008-08-08

環境・野生動物保護団体の欺瞞/『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』梅崎義人


『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス

 ・環境・野生動物保護団体の欺瞞
 ・環境ファッショ、環境帝国主義、環境植民地主義
 ・「環境帝国主義」とは?
 ・環境帝国主義の本家アメリカは国内法で外国を制裁する
 ・グリーンピースへの寄付金は動物保護のために使われていない
 ・反捕鯨キャンペーンは日本人へのレイシズムの現れ
 ・有色人捕鯨国だけを攻撃する実態

『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』ナオミ・クライン
『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム
『人種戦争 レイス・ウォー 太平洋戦争もう一つの真実』ジェラルド・ホーン

必読書リスト その二

 シーシェパードという環境団体が、日本の調査捕鯨船に対して妨害行為を行ったことは記憶に新しい。テロ同様の示威行為がなぜ可能なのか? 本書を一読すれば理解できる。

 1970年代に端を発した環境・野生動物保護運動は、ことごとく成功を収めた。成功者はグリーンピース、WWF(世界自然保護基金)などの巨大環境保護団体である。彼らはマスメディアを利用して、説得力ある訴えと目を引きつける映像を一般大衆に送り、国際世論を創り上げた。だが、その訴えの多くが事実に反していたし、映像も創作されたものがほとんどだった。

【『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』梅崎義人〈うめざき・よしと〉(成山堂書店、1999年)】

 安易な陰謀モノではない。梅崎義人氏は元時事通信の記者である。環境問題や野生動物保護運動の矛先が、常に有色人種国家に向けられている現状を丁寧に描いている。

 既に「環境問題」なるキーワードがグローバルスタンダードとなってしまったが、気候変動(こちらが世界標準の言葉)が環境破壊によるものなのかどうかは確定しているわけではない。名古屋大学大学院教授の武田邦彦氏は、「科学的な視点の欠如」を指摘している。人類の歴史を振り返っても、脅威となるのは寒冷化であって温暖化ではない。

 テーマは環境問題となっているが、書かれているのは「国際社会がどのような力学で動いているか」という実にスリリングな内容である。欧米列強の行為はいじめにも等しいもので、あまりにも稚拙な世界の実態に驚愕せざるを得ない。静かな怒りから生まれた“告発の書”である。