2021-11-04

通分・約分の意味を思い出せず/『小学校6年間の算数が6時間でわかる本』間地秀三


 ・通分・約分の意味を思い出せず

・『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集』小杉拓也

【『小学校6年間の算数が6時間でわかる本』間地秀三〈まじ・しゅうぞう〉(PHP研究所、2009年)】


 数学の勉強をしようと思い立った。手始めに算数から始めることにした。思い立ったら吉日だ。手当り次第に算数ドリルを探した。本書がドンピシャリだった。毎日行っている。

 分数計算で通分・約分が出てきた。言葉の意味が思い出せなかった。ま、習ったのは半世紀ほど前だから致し方ない。それでも説明文を読みながら何とか思い出した。大体全問正解だが、時折1問間違える。上記画像だと第4問をミスった。こんな約分の仕方があったのね。今はこんなレベルだが、生きてる間に三角関数まではクリアする予定である。

単純計算は認知機能の衰えに効果あり/『川島隆太教授の脳を鍛える大人の計算ドリル 単純計算60日』川島隆太


【『川島隆太教授の脳を鍛える大人の計算ドリル 単純計算60日』川島隆太〈かわしま・りゅうた〉(くもん出版、2003年)】

 単純計算は認知機能の衰えに効果がある。私の場合、算数から初めて数学に挑戦する予定なので今直ぐやる気にはなれなかった。

工藤美代子の見識を疑う/『昭和陸軍全史1 満州事変』川田稔


・『浜口雄幸と永田鉄山』川田稔
・『満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘』川田稔
・『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』川田稔
・『戦前日本の安全保障』川田稔

 ・工藤美代子の見識を疑う

・『昭和陸軍全史2 日中戦争』川田稔
・『昭和陸軍全史3 太平洋戦争』川田稔
・『石原莞爾の世界戦略構想』川田稔
・『昭和陸軍 七つの転換点』川田稔
『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』小山俊樹

日本の近代史を学ぶ

 1931年(昭和6年)9月18日午後10時すぎ、中国東北地方の満州・奉天(ほうてん/現在の瀋陽〈しんよう〉)近郊の柳条湖(りゅうじょうこ)付近で、日本経営の南満州鉄道(満鉄)線路が爆破された。
 まもなく、関東軍(南満州に駐留する日本軍)から中国軍の犯行によるものとの発表がなされる。一般国民には太平洋戦争終結まで、そのように信じられていたが、実際には関東軍によって実行されたものだった。
 首謀者は、関東軍の板垣征四郎〈いたがき・せいしろう〉高級参謀、石原莞爾〈いしは(ママ)ら・かんじ〉作戦参謀、爆破の直接の実行は、独立守備隊第2大隊第3中隊付の河本末守〈こうもと・すえもり〉中尉ら数名で行われた。爆破そのものは小規模に止まり、レールの片側のみ約80センチを破損したが、直後に急行列車が脱線することなく通過している。
 この時、板垣高級参謀は、奉天の日本側軍施設で待機していた。板垣は、実行部隊から鉄道爆破の連絡を受けると、中国側からの軍事行動だとして、独断で北大営(ほくたいえい/中国側兵営)と奉天城への攻撃命令を発した。高級参謀にはこのような攻撃命令の権限はなく、軍司令官の追認がなければ軍法会議で処断される行為だった。
 攻撃命令が出された直後に、板垣に面会した奉天総領事館の森島守人〈もりしま・もりと〉領事は、外交的解決を主張した。だが、板垣高級参謀は、「すでに統帥(とうすい)権の発動を見たのに、総領事館は統帥権に容喙、干渉せんとするのか」と恫喝(どうかつ)した。また、同席していた花谷正〈はなたに・ただし〉奉天特務機関補佐官も、抜刀して、「統帥権に容喙する者は容赦しない」と、森島を恫喝した(森島守人『陰謀・暗殺・軍刀』)。

【『昭和陸軍全史1 満州事変』川田稔〈かわだ・みのる〉(講談社現代新書、2014年)】

 読書中。一度挫折している。工藤美代子のせいで再読する羽目になった。やっと130ページまで読んだ。

真相が今尚不明な柳条湖事件/『絢爛たる醜聞 岸信介伝』工藤美代子

 先ほど気づいたのだが、私はずっと川田を川北稔と同一人物だと思い込んでいた。おかしいなと思ったんだ。文体の違いよりも漢字の多さが気になった。とにかく漢字が多すぎて読みにくい。川田と編集者はもっと「読んでもらう」ための努力が必要だろう。特に軍事関係は肩書が長くてウンザリさせられる。ルビも聖教新聞並みに振るべきだ。

 満州事変の詳細が書かれている。微に入り細を穿(うが)つとの言葉がぴったりだ。ただし時折時系列が変わるため流れがわかりにくい。

 これほどの状況証拠を揃えられると、工藤の文章は説得力を失う。っていうか詐欺師に思えてくるほどだ。脳は美文に逆らえない。男性が美人に逆らえないように。

 まず陸軍において長州閥 vs. 木曜会+双葉会=一夕会(いっせきかい)の権力闘争があり、次に早い時期から石原莞爾〈いしわら・かんじ〉の計画があった。

 双葉会はバーデン=バーデンの密約(1921年/大正10年)から生まれた。陸軍(士官学校16期)の三羽烏といわれた永田鉄山〈ながた・てつざん〉、岡村寧次〈おかむら・やすじ〉、小畑敏四郎〈おばた・とししろう〉が誓いを立てた。翌日に東條英機(本書では東条)も加わる。1927年(昭和2年)頃に結成された二葉会には、河本大作、板垣征四郎、土肥原賢二〈どひはら・けんじ〉、山下奉文〈やました・ともゆき〉などが参加している(陸士15~18期)。二葉会に倣(なら)って結成されたのが木曜会であった(陸士21~24期)。石原莞爾〈いしわら・かんじ〉、根本博と共に、永田・岡村・東條も加わった。1929年(昭和4年)、二葉会と木曜会が合流して一夕会が結成される。満州事変が勃発した1931年(昭和6年)には一夕会系幕僚が陸軍中央と関東軍の主要ポストをほぼ掌握した。

 とにかくどこを読んでもウンザリさせられる。陸軍内部で行われているのは権力闘争に次ぐ権力闘争なのだ。明治維新の結果が足の引っ張り合いに終わった感がある。どこを見渡しても挙国一致などない。これこそが日本の悪弊だろう。後に永田と小畑は統制派と皇道派に分かれ、永田は惨殺される。石原は東條に左遷させられ、結果的に戦犯となることを免れた。

 柳条湖事件以降の流れを見ても板垣・石原の関与はまず間違いないと思われる。工藤美代子の見識を疑う。

 

2021-11-03

体のセンサーが狂っていると疲れが取れない/『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖


『ことばが劈かれるとき』竹内敏晴
『悲鳴をあげる身体』鷲田清一
『身体が「ノー」と言うとき 抑圧された感情の代価』ガボール・マテ
『ストレス、パニックを消す!最強の呼吸法 システマ・ブリージング』北川貴英
『本当のナンバ 常歩(なみあし)』木寺英史
『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい。』木寺英史
『常歩(なみあし)式スポーツ上達法』常歩研究会編、小田伸午、木寺英史、小山田良治、河原敏男、森田英二

 ・疲れないタイピングのコツ
 ・体のセンサーが狂っていると疲れが取れない

『君あり、故に我あり 依存の宣言』サティシュ・クマール
『呼吸による癒し 実践ヴィパッサナー瞑想』ラリー・ローゼンバーグ

身体革命
悟りとは

【疲れがとれないのは、身体の「センサー」の使い方の問題です。】(中略)

 身体のセンサーがうまく働かなくなると、身体は緊張して固くなります。目の奥が痛くなったり、首のつけ根が重くなったり、みぞおちのあたりが窮屈(きゅうくつ)になって呼吸が浅くなったり……。そんな経験をしたことはないでしょうか?
 これらは身体のセンサーをうまく使えず、身体の緊張がとれなくなってしまった状態なのです。

【『「疲れない身体」をいっきに手に入れる本 目・耳・口・鼻の使い方を変えるだけで身体の芯から楽になる!』藤本靖〈ふじもと・やすし〉(さくら舎、2012年/講談社+α文庫)】

 再読。私の場合、疲れたら寝る。それだけで十分だ。生まれてこの方マッサージをしたことが一度もない。床屋で頭を叩いてもらった程度である。体は硬い方だが特に困ったことはない。身体操作に関しては日常的に意識を研ぎ澄ましている。階段を上る時は必ず一段飛ばしで、尚且つ下の足の踵を浮かせないようにしている。これは10代の頃に雑誌で読んだヒップアップトレーニングだ。また、1日に10回くらいは肩甲骨を動かし可動域を広げるよう心掛けている。更に坐る際は骨盤を立てるようにし、歩く時は骨盤を動かすことを心掛けている。

 筋トレはケトルベルと懸垂のみ。大胸筋がついてくると動きの妨げになる。メインは常歩(なみあし)だ。本当は走りたいのだが右の膝痛があって養生(ようじょう)している。起床直後は血管マッサージと三角倒立を必ず行う。食はあまり気にしていない。基本は粗食で食べ過ぎないようにしている。主食はご飯とオートミールを交互に摂っている。ご飯の時は血糖値上昇を防ぐため必ず納豆かオクラを合わせる。オートミールには卵を。私は昨年まで肉を避けてきたのだが現在は遠慮しないで食べている。後はサバ缶タマネギと味噌汁でどうにでもなる。

 体のセンサーを確認する方法がいくつか紹介されている。やってみると「ほほう」という感じなのだが、どうも物足りない。体のセンサーを正すためには柔術系格闘技がいいと思う。日常生活では倒れたり転がったりすることが全くない。常に頭を高い位置にしているわけだから平衡感覚だって、そりゃ狂ってくるだろう。ブラジリアン柔術、合気道、システマの道場を探しているところだ。

近未来に必ず起こる七つの大変化/『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』山本康正


『デジタル・ゴールド ビットコイン、その知られざる物語』ナサニエル・ポッパー

 ・近未来に必ず起こる七つの大変化

『ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ
『データの見えざる手 ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』矢野和男
『パーソナルデータの衝撃 一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった』城田真琴
『マインド・ハッキング あなたの感情を支配し行動を操るソーシャルメディア』クリストファー・ワイリー
『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』ポール・シャーレ
『データ資本主義 ビッグデータがもたらす新しい経済』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、トーマス・ランジ
『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井保文、尾原和啓
『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』キャシー・オニール
『ジャック・マー アリババの経営哲学』張燕
『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』エリック・ジョーゲンソン
『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』佐藤航陽

情報とアルゴリズム
必読書リスト その三

 ここで何よりも重要なことは、これからの企業はデータ・テクノロジーを活用できなければ確実に衰退し、淘汰されていくという現実だ。そのデータ・テクノロジーの主役が、【人工知能(AI)、5G、クラウド】の3つのメガ(基幹)テクノロジーである。これらの3つが組み合わさることで形成される【三角形=トライアングル】のちからこそが、次代の産業・社会・国家を大きく変えていく原動力となる。とくに次代の企業は、そのすべてがこのトライアングルによって生まれるか、新しく生まれ変わることになる。

【『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』山本康正〈やまもと・やすまさ〉(講談社現代新書、2020年)以下同】

 良書。デジタルトランスフォーメーションの入門書としてうってつけの一冊。山本はプラグラマーではないため、それが功を奏して読者にわかりやすい説明となっている。今後、社会がデジタル化されることで情報集約の次元が完全に変わる。

 ディープラーニングは、人間の脳の仕組みを模したニューラルネットワークが基本となっている。情報を入力する層と、答えを出力する層の間に、情報を判断する層を多層(ディープ)に重ねたため、その名で呼ばれている。
 犬を犬と判断するには、本来はいくつもの特徴を総合的に判断しなければ特定できないはずだ。ディープラーニングが登場する前のマシンラーニング(機械学習)では、ある一つのパターンを人間が細かく設定し、それをAIに犬と認識させた。AIは、そのパターンに当てはまるものだけを犬と判断し、当てはまらないものを犬ではないと判断した。そのため、大雑把な判断しかできなかった。
 ところが、ディープラーニングでは目、耳、鼻、口、体型などを多層に分け、それぞれのパーツにおける犬の特徴を膨大なデータを使って自ら学習していく。この学習によって、犬であるか犬でないかの判断の精度が上がっていく。

 このディープラーニングの精度を高めるには、大量のデータが必要だ。それには「大量のデータを蓄積する」ためのテクノロジーである【クラウド】が必要になる。

 フレーム問題に亀裂を入れたのがディープラーニングだった。人類がチェスでAIに敗れたのは1997年のこと。それでも「将棋と囲碁は無理だろう」と専門家は嘯(うそぶ)いていた。


 2013年、第2回将棋電王戦で人類は将棋も敗北(将棋棋士 vs AIの戦いを振り返る〜名人が敗れるまで〜 | データサイエンス情報局)。最後の砦となって囲碁も2017年、AlphaGoが勝利を収めた(5月27日 囲碁AIが人類最強の棋士に完勝)。これがディープラーニングの破壊力だ。

 昨今、amazonやYou Tubeでは個々人の購買履歴や検索情報を分析し、好みにマッチした情報が提供されるようになった。これをリコメンデーション(レコメンデーション)機能という。「パーソナルデータは新しい石油である」。リコメンデーション機能は購買するごとに、そしてAIが進歩するたびに精度を増し、あなたが探そうとする前に商品情報を提供するようになる。人々の情報を網羅すると社会の動向までもが見えてくる。そのあらゆる相関関係を導き出すのがビッグデータである。

 次の指摘は一々腑に落ちる。

近未来に必ず起こる7つの大変化

【大変化1】データがすべての価値の源泉となる
【大変化2】あらゆる企業がサービス業になる
【大変化3】すべてのデバイスが「箱」になる
【大変化4】大企業の優位性が失われる
【大変化5】収益はどこから得てもOKで、業界の壁が消える
【大変化6】職種という概念がなくなる
【大変化7】経済学が変わっていく

 個人的にアラビア数字を訓読みするのは許し難いので記事タイトルは「七つ」とした。詳細については稿を改める。